十段就位式 芝野、2期ぶりの戴冠

「大和ハウス杯 第63期十段戦」(産経新聞社主催)で優勝を果たした芝野虎丸十段の就位式が、6月2日、東京都港区のグランドニッコー東京台場で行われました。芝野十段は2期ぶり3度目の十段奪還となり、再び七大タイトル保持者の座に返り咲きました。

祝福の声、「虎の復活」

式典では、日本棋院および関西棋院より十段就位を認める允許状が授与された後、産経新聞社の近藤哲司社長より賞金目録と賞杯が、大和ハウスの泉本圭介上席執行役員より副賞がそれぞれ贈られました。

近藤社長は「十段獲得おめでとうございます。今回の五番勝負は、まさに『虎の復活』を強く印象付ける鮮やかな奪還劇でした」と祝意を述べました。また、日本棋院の武宮陽光理事長は「不調説を吹き飛ばす連戦連勝だった。この勢いのまま、勝ち続ける一年にしていただければ」と激励しました。

激闘の振り返り

今回の五番勝負は、十段7期を目指した井山裕太王座との対決でした。芝野十段はシリーズを3連勝で制し、「ミスが多く、3連勝という結果はできすぎだったが、ミスも含めて自分らしく戦えた」と振り返りました。

昨年、芝野十段は七大タイトル戦で挑戦手合に5度敗北するという苦しい時期を過ごし、「碁に対する気持ちが切れたときもあった」と明かしました。今回の十段獲得については、「非常に大きな意味があるタイトルになった」と語り、感慨深げな表情を見せました。

就位式の最後に芝野十段は、「ここを新たなスタートラインという気持ちで、今後も精進していきたい」と力強く語りました。

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十段就位式 芝野、2期ぶりの戴冠
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十段就位式 芝野、2期ぶりの戴冠