昭和51年(1976年)10月26日生。千葉県千葉市出身。故田岡敬一氏に師事。故藤沢秀行名誉棋聖門下。平成3年入段、4年二段、5年三段、6年四段、8年五段、10年六段、12年七段、14年八段、17年九段。
昭和51年(1976年)10月26日生。千葉県千葉市出身。故田岡敬一氏に師事。故藤沢秀行名誉棋聖門下。平成3年入段、4年二段、5年三段、6年四段、8年五段、10年六段、12年七段、14年八段、17年九段。
2019年4月8日
囲碁の高尾紳路九段(42)は18日、第75期本因坊戦予選で大西研也三段(23)に勝ち、公式戦通算千勝(468敗2持碁1無勝負)を達成した。史上26人目。
高尾九段は勝率68%での到達。日本棋院によると、関西棋院所属の結城聡九段(47)の73%に続いて史上2位の高勝率で、日本棋院所属棋士では1位となる。
高尾九段は千葉市出身で、1991年にプロ入りした。名人、本因坊などの獲得実績があり、現在、囲碁ナショナルチームの監督を務めている。
2019年5月25日
久しく遠ざかっている日本勢の囲碁世界タイトルの奪還を期して、今春、日本ナショナルチーム監督に元名人本因坊の高尾紳路九段(42)が就いた。前世紀まで一頭地を抜く存在だった日本は、なぜ中韓の後塵(こうじん)を拝するようになったのか。タイトル奪還の課題は何か。高尾新監督に聞いた。
「いま世界で一番強いのは中国、次が韓国、その次が残念ながら日本ということになると思う。中韓の世界トップクラスと日本の第一人者、井山裕太四冠(29)の実力差はほとんどないが、日本は井山さん一人で戦っている。井山さんといえども、世界戦のトーナメントで頂点まで勝ち続けるのは並大抵ではない」
「対して中国の世界トップクラスは、少なく見積もっても20人以上はいる。韓国も5人ぐらい。トップクラスの人数が多ければ多いほど、その国の棋士が頂点に立つ確率が高まる」
「最強といっても、断トツで強いわけではなかった。世界戦のさきがけとなった勝ち抜き団体戦『日中スーパー囲碁』は、1984年の第1回から3回連続で中国が日本を破っている。ただ、その後はっきり中韓に越され、差も広がっていった」
「原因の一つは、囲碁人口の差だと思う。僕の小中学校9年間で、僕以外に学年で碁を打つ人は一人もいなかった。対して中国は子ども教室が大人気で、生徒数が何万人という教室もある。そこから若くて強い棋士がどんどん出ている」
「ここ最近、日本にも若くて優秀な棋士が出てきた。たとえば世界最強の中国の柯潔(かけつ)九段(21)に勝ったことがある日本の棋士は井山さんしかいなかったが、昨年に芝野虎丸七段(19)、今年に一力遼八段(21)が柯潔さんに勝った。明るい材料だが、さて実際に世界戦で優勝できるかとなると、まだ足りない。何回か打って1回勝てても、それで何十人のトーナメントで優勝するには無理がある。ただ、もう手が届くところまで、あとちょっとという感じはあるが、そのあとちょっとがたいへん。それが何かがわからない。わかれば僕も世界タイトルを取っている」
「世界戦では速く、正確に手が見える棋士が有利。その点では一力さん、芝野さん、それに許家元(きょかげん)碁聖(21)は頼もしい存在ではある。でもその特長は、当然ながら中韓の棋士も身につけている。それだけではないプラスアルファを身につけるには、努力しかない。若くて優秀な棋士が一人でも多いほど競争が厳しくなり、必然的にレベルが上がる。井山さんクラスが5人そろえば、日本も世界で優勝できる。5年以内に優勝したい。その可能性は十分にある」
「囲碁は個人競技なので、監督としてやれることは限られているが、若い人の刺激になる環境を整えたい。これまでチームの研究会を不定期にやってきたが、とりあえず隔週土曜日に東京でやることにした。夏冬の年2回の合宿も続けていく。中韓トップ棋士との交流も積極的に進めていきたい。直接接することで、棋譜では得られない空気に触れてほしい」
「チームには井山さん、張栩さんら第一線の棋士のほかに、仲邑菫(なかむらすみれ)初段(10)など10代の育成選手がいる。囲碁AI(人工知能)との付き合い方は全棋士の課題だが、若い人ほど柔軟にAIの考えを採り入れている。研究会でもAIで検討しているが、彼ら、彼女たちが、僕らとはまったく違う発想で強くなっていくのか、たいへん興味深い」
2024年2月13日
日本国内予選のシニア枠は、高尾紳路九段が山下敬吾九段に勝利し枠抜けを果たしました。
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠決勝】(黒)山下敬吾九段 対 高尾紳路九段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選、許家元九段と広瀬優一七段が予選通過。一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段を含めた日本代表の5名は、3月19、21日に江蘇省泰州市で行われる本戦へ出場します。
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)佐田篤史七段 対 許家元九段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)関航太郎九段 対 広瀬優一七段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)関航太郎九段 対 酒井佑規五段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)広瀬優一七段 対 余正麒八段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)許家元九段 対 富士田明彦七段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)佐田篤史七段 対 福岡航太朗五段(白)
第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン日本国内予選シニア枠の1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠1回戦】(黒)山田規三生九段 対 山下敬吾九段(白)
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠1回戦】(黒)高尾紳路九段 対 結城聡九段(白)
2024年5月13日
第49期棋聖戦(主催・読売新聞社)のSリーグ第1ラウンド最後の1局が行われました。対局者は高尾紳路九段と孫喆七段で、孫喆七段が白番で4.5目の勝利を収めました。
348手の熱戦を繰り広げました。終盤、コウが絡んで大混戦に。形勢が激しく揺れ動いた末、孫喆七段がコウ争いの転換を利用し、勝利を手にしました。
成績表:
2024年8月23日
8月22日に行われた第49期棋聖戦Sリーグで、井山裕太王座が高尾紳路九段に対し、白番中押しで勝利を収めました。この勝利により、井山王座は挑戦者決定トーナメントへの進出に確定しました。一方、高尾九段はSリーグから陥落になりました。
この試合は、序盤から互いに慎重な手が続きましたが、中央の戦いを境に井山王座が有利な展開を作り出しました。特に終盤における井山王座の冷静な対応と的確な手順が、勝利への道を開きました。対する高尾九段は、最後まで粘り強く戦いましたが、劣勢を覆すことはできないので投了しました。
次局では芝野虎丸名人と井山裕太王座の対決です。勝者はSリーグ1位として挑戦者決定トーナメント進出になります。
2024年9月17日
第49期棋聖戦Sリーグで、残留をかけた一戦が本日行われました。高尾紳路九段(序列4位、0勝4敗)と余正麒八段(序列5位、1勝3敗)の対局は、Sリーグに残るか降級するかを決定づける重要な試合となりました。既に他の対局はすべて終了しており、今回の結果が孫喆七段(序列6位、2勝3敗)の運命も左右することになりました。
余正麒八段が高尾紳路九段に先番中押し勝ちし、リーグ成績を2勝3敗としました。一方、高尾九段はこれで0勝5敗となり、Sリーグ内での降級が確定しました。
今回の結果により、孫喆七段(2勝3敗)も降級することになりました。余八段は2勝3敗ながら、高尾九段や孫喆七段に対して直接対決で勝利していたため、リーグ内順位で4位に入り、Sリーグ残留を果たしました。
井山裕太王座(4勝1敗)と芝野虎丸名人(4勝1敗)がそれぞれ1位、2位の成績で挑戦者決定トーナメントに進出していますが、高尾九段と孫喆七段が降級となりました。
2024年9月20日
9月19日に行われた第63期大和ハウス杯十段戦最終予選で、高尾紳路九段が辻篤仁五段に勝利し、公式戦通算1100勝を達成しました。高尾九段は、これにより日本棋院所属の棋士として19人目の偉業を達成したことになります。
高尾紳路九段は、藤沢秀行名誉棋聖門下の棋士として知られ、本因坊3連覇を含む通算15のタイトルを誇ります。公式戦では1100勝541敗2引き分け1無勝負という見事な成績を収めており、その勝率は67.0%に達しています。特に本因坊としての活躍が目立ち、2005年から2007年にかけて本因坊位を3連覇しました。
今回の1100勝達成時の年齢は47歳10か月で、これは棋士としては比較的若い年齢での達成です。入段から1100勝までにかかった期間は33年5か月でした(最年少記録は結城聡九段の42歳1か月、最速記録は山下敬吾九段の28年5か月)。
1991年にプロ入りして以来、高尾九段は新人王やNEC杯などの数々の棋戦で優勝し、棋界での地位を確立してきました。特に2005年に本因坊位を初めて獲得し、翌年には九段に昇進。その後も名人や天元、十段などの主要タイトルを次々と獲得し、棋士としての実力と実績を積み重ねてきました。