1月20日、ソウル韓国棋院特別対局室で行われた第29回LG杯朝鮮日報棋王戦決勝三番勝負の第1局、卞相壹九段が柯潔九段に敗れました。284手の熱戦の末、2.5目差での黒番勝ちとなりました。
中盤の失策が響く
1997年生まれの同い年による韓中決勝戦は、中盤で訪れたチャンスを卞相壹九段が逃したことで苦しい展開に陥りました。解説の白洪淅九段は「勝機を難しい形で掴みながら、あまりにも簡単に手放してしまった」とコメントしています。特に問題となったのは142手目の一手。左側のノゾキを選択しなかったことで、白が外側に抜ける余地を与えてしまいました。この大きなミスにより形勢は黒に傾き、卞相壹九段は新たな戦機を模索せざるを得ませんでした。
終盤の揺れ動く攻防
終盤では、黒の勝率が97%を超える場面もありましたが、柯潔九段の思わぬミスと卞相壹九段の粘りで勝負は振り出しに戻りました。しかし、その後も勝利の女神は卞相壹九段に微笑まず、試合は午後4時13分、約6時間に及ぶ激闘の末に幕を閉じました。これで卞相壹九段は柯潔九段に対して7連敗となり、2015年の初対決以来、まだ1勝も挙げられていません。
LG杯
1996年に創設されたLG杯は、これまで韓国が13回、中国が12回、日本が2回、台湾が1回優勝を果たしています。優勝賞金は3億ウォン、準優勝賞金は1億ウォンであり、メジャー国際棋戦です。
両棋士ともに今回がLG杯決勝進出2回目であり、いまだ優勝経験はありません。卞相壹九段は第28回大会で申眞諝九段に0-2で敗北し、柯潔九段も第25回大会で申旻埈九段に1-2で敗れています。
三番勝負の第2局は1月22日に同じ会場で行われる予定です。卞相壹九段が勝利して1勝1敗のタイに持ち込めば、翌23日に最終局が行われ、第29回LG杯の優勝者が決定します。持ち時間は各3時間、秒読み40秒5回の形式で進行します。