
一力 遼(いちりき りょう)997年6月10日生。宮城県仙台市出身。宋光復九段門下。平成22年夏季入段(平成23年度採用)。平成24年二段、25年三段、26年四段、同年七段、29年八段、令和2年九段。
2025 年1月17日掲載
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日と17日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われました。挑戦者の井山裕太三冠(王座、碁聖、十段)が白番中押しで一力遼四冠(棋聖、名人、天元、本因坊)に勝利し、開幕戦を制しました。



















1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。
1月17日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。













2025 年1月16日掲載

第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われます。昨年と同じ顔合わせで、一力遼棋聖と井山裕太王座が再び激突する注目の頂上決戦です。



















1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。
2025 年1月15日掲載

一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第49期棋聖戦七番勝負第1局は対局前日の14日、会場となるホテル椿山荘東京で前夜祭が行われました。
一般の囲碁ファンも参加して開かれた前夜祭、決意表明で井山王座は「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい」。

一力棋聖も「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす」とそれぞれ力強く語りました。

新聞解説を担当する許家元九段は注目するポイントとして「井山王座の読みの深さと視野の広さ、一力棋聖のすきのなさと直線の読みの正確さ」と独特の表現で解説。「フルセットになる可能性が高いと思うが、年明け最初の大一番ということで、第1局をとった方が有利になる」と話しました。

ゲストとして読売日本交響楽団・次席第1バイオリン奏者の對馬哲男さんがバイオリンを演奏しました。對馬さんは地方で行われる演奏会でも空き時間を見つけて、地元の碁会所に囲碁を打ちに行くほどの囲碁好きだといい、新聞解説の許九段のファンであることが明かされました。ファンとともに作り上げた前夜祭は温かい雰囲気に包まれて幕を閉じました。










2024 年12月24日掲載

第33期竜星戦決勝が行われ、福岡航太朗七段が井山裕太九段を破り、自身初のタイトルを獲得しました。福岡七段は今期の竜星戦に予選から出場し、破竹の勢いで勝ち進みました。予選から本戦ブロック、そして決勝トーナメントに至るまで、無敗の16連勝でタイトルに輝くという前人未到の記録を打ち立てました。
本戦ブロックでの11連勝は、過去に河野臨六段(第12期)や許家元四段(第27期)が達成していますが、優勝決定トーナメントでの敗北によりタイトル獲得には至りませんでした。一方、福岡七段は予選からの通算16連勝で棋戦優勝を果たし、まさに空前絶後の記録を達成しました。福岡七段は「最後まで行けたらと思っていましたが、実際に達成できたのは驚きです」と語りました。
決勝の相手は、多くのタイトルを保持する日本囲碁界の第一人者・井山裕太九段でした。格上の強敵を相手に福岡七段は果敢な攻めを見せ、終始ペースを握りました。最終盤でも冷静な読みを貫き、勝利を収めました。「タイトルホルダーと戦えるのは目標の一つでしたが、まさか優勝までできるとは思いませんでした」。

2024 年12月6日掲載

第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第4局が12月6日、神奈川県秦野市「陣屋」で行われました。黒番を持った井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段を下しました。対戦成績を3勝1敗とし、4連覇を果たしました。今回の優勝で、井山裕太王座は通算10期のタイトルを獲得し、規定に基づき「名誉王座」の資格を得ました。





12月6日13時 - 対局再開しました。
12月6日15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー 芝野九段:チョコレートケーキ。



2024 年11月26日掲載

第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第3局が11月26日、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われました。井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段に白番中押し勝ちを収めました。防衛まであと1勝となりました。
第4局は12月6日、神奈川県秦野市の「陣屋」で行われる予定です。






11月26日13時 - 対局再開しました。
11月26日15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー 芝野九段:レアチーズケーキとアイスココア。





2024 年10月29日掲載

第49期棋聖戦の挑戦者決定変則三番勝負第1局が関西総本部で行われ、180手まで白番を持つ井山裕太王座が山下敬吾九段に中押し勝ちを収めました。井山王座は一力遼棋聖との棋聖位七番勝負に挑む権利を手にしました。
井山裕太王座と一力遼棋聖の七番勝負は、2025年1月16日(木)・17日(金)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で幕を開けます。最高峰の対局に臨む井山王座は、「厳しいリーグ戦やトーナメントを勝ち抜き、この最高の舞台に戻れてうれしい。一力棋聖は現在充実しているが、自分が出せる最高の力を尽くして臨みたい」と意気込みを語りました。
年明けから始まる七番勝負に向け、井山王座は「棋聖への挑戦権を獲得する事ができました。年明けから始まる7番勝負に良いコンディションで臨めるよう、年内の対局も引き続きベストを尽くしたいと思います。」とコメントしました。
2024 年10月25日掲載

第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第2局が行われ、井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸名人に黒番中押し勝ちを収めました。対戦成績は1勝1敗のタイとなり、シリーズは振り出しに戻りました。
舞台となっている「蒲郡の銀波荘」の対局室からは、美しい海が眺められる絶好のロケーションが広がっています。対局者の井山裕太王座や芝野虎丸名人も、落ち着いた環境で集中しやすく、良い雰囲気の中で戦いに臨めると好評です。

第3局は11月26日、兵庫県神戸市の「ホテルオークラ神戸」で行われる予定です。










2024 年10月16日掲載

第72期囲碁王座戦五番勝負の第1局が、10月16日東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われました。井山裕太王座と芝野虎丸名人の対局は、序盤から井山王座が優勢に進めていたものの、中盤以降に芝野名人が逆転し、黒番中押し勝ちで勝利を収めました。
井山王座は昨年、3連覇を果たし通算9期の王座を獲得しました。名誉王座の資格獲得には通算10期が必要で、あと1期に迫っています。一方、芝野名人は5年前の五番勝負で井山王座に勝利し、井山の5連覇による名誉王座の達成を阻んだ実力者です。
第2局は10月25日、愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われる予定です。


2024 年9月13日掲載

第49期棋聖戦Sリーグは、9月12日に井山裕太王座が芝野虎丸名人を相手に先番で2目半勝ちを収め、Sリーグの優勝者として挑戦者決定トーナメントへの進出を決定しました。
この対局は午後10時22分に終局を迎え、大一番にふさわしい大熱戦となりました。井山王座は序盤から積極的な展開を見せ、芝野虎丸名人にプレッシャーをかけ続けました。
中盤に入ると芝野名人も反撃を開始し、一時は均衡した展開となりましたが、終盤で井山王座が冷静に形勢を立て直し、最終的に2目半の差で勝利を手にしました。
今回の勝利で井山王座はSリーグの1位に輝きました。芝野名人もSリーグ2位となり、両者ともに次の挑戦者決定トーナメントへ進むことが決まりました。
これにより、井山裕太王座と芝野虎丸名人の再戦の可能性が高まり、今後の対局も注目されることになります。
2024 年9月5日掲載

9月4日、第26回農心辛ラーメン杯と第2回農心白山水杯が、中国吉林省の長白山にある農心会社白山水生産基地で開幕しました。午後には、第26回農心杯および第2回白山水杯の記者会見が行われ、中韓日の代表として俞斌九段、謝爾豪九段、小林光一名誉棋聖、曹薰鉉九段らが出席しました。
日本からは団長の孔令文七段と井山裕太九段が会見に出席し、記者からの質問に答えました。日本代表団の団長である孔令文七段は、会見で以下のように語りました:
「中韓両チームの代表が優勝を目指すと宣言しましたので、井山九段にどう答えればいいか尋ねました。井山九段は『優勝する』と言いました。」
井山九段も以下のように決意を示しました:
「中国や韓国のチームは非常に強いですが、日本にも実力のある棋士がいます。目標はもちろん優勝です。」
俞斌九段は次のように語り、警戒感を示しました:
「最近10回の農心杯では中韓がそれぞれ5回ずつ優勝していますが、現在韓国チームが4連勝中です。特に申眞諝九段が連勝を続けているため、今年彼に勝てなければ、韓国が5連覇を達成するでしょう。中国チームとしては序盤戦をしっかり戦い、最後には勝利を目指します。」
謝爾豪九段も以下のようにコメントし、申眞諝九段に挑む姿勢を示しました:
「申眞諝九段を研究し、最終盤で彼にプレッシャーをかけたい。」
韓国の申眞諝九段は以下のように語りました:
「韓国チームには大きなプレッシャーがありますが、目標は優勝です。明日最初に出場するチームメイトが勝ってくれることを願っています。」
また、洪旻杓九段も力強く宣言しました:
「韓国の目標は優勝のみです。」

2024 年9月3日掲載

8月31日、韓国棋院で開催された第29回三星火災杯統合予選が終了しました。日本から参加した59名の棋士のうち、予選決勝まで勝ち進んだのは井山裕太九段ただ一人でした。しかし、井山九段は中国の金禹丞八段に敗れ、10年ぶりに本戦進出者を出すことができませんでした。
これにより、32強に進出する31名が確定しました。
日本の井山裕太九段は、予選決勝で中国の金禹丞八段に敗れ、本戦進出を逃しました。井山九段は一時優勢を築いたものの、終盤での逆転を許し、惜しくも敗退となりました。
2024 年8月30日掲載

8月30日に行われた第29回三星火災杯統合予選準決勝で、井山裕太九段が見事に勝利を収め、予選決勝への進出を果たしました。一方、柳時熏九段と上野愛咲美五段は敗退となります。明日行われる予選決勝で、井山王座は中国の金禹丞八段と対戦します。


2024 年8月30日掲載

第72期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が8月30日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。午後4時3分、芝野虎丸名人が188手で一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収め、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
芝野名人と井山王座の五番勝負第1局は、10月16日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われます。
芝野名人は、これまでのトーナメント戦で苦しい局面も多かったと語り、「挑戦まで来られてよかった。挑戦手合いでも全力を出し切りたい」と意気込みを見せました。
芝野名人は、鋭い攻めと冷静な形勢判断を兼ね備えた棋風で知られています。2019年には七大タイトル史上最年少の19歳11カ月で名人位を獲得し、同年には井山王座から王座のタイトルを奪取しました。
翌年には王座初防衛を果たしましたが、2021年の五番勝負で井山王座にタイトルを奪還されました。井山王座との対戦成績は25勝31敗で、今年6月から7月にかけての碁聖戦では3連敗を喫しており、今回の対決でリベンジを果たすことを目指します。
2024 年8月30日掲載
井山、上野、柳が予選準決勝進出

8月29日に行われた第29回三星火災杯統合予選4日目で、日本勢の成績は3勝9敗となりました。
井山裕太九段、柳時熏九段、上野愛咲美五段の3名がそれぞれの組で準決勝進出を果たしました。


2024 年8月28日掲載

8月27日、第29回三星火災杯統合予選の2日目が行われ、日本勢は9勝16敗となりました。注目棋士のなか、井山王座と上野姉妹が勝利し、藤沢里菜女流本因坊は惜しくも敗退しました。






2024 年8月23日掲載

8月22日に行われた第49期棋聖戦Sリーグで、井山裕太王座が高尾紳路九段に対し、白番中押しで勝利を収めました。この勝利により、井山王座は挑戦者決定トーナメントへの進出が確定しました。一方、高尾九段はSリーグから陥落になりました。
この試合は、序盤から互いに慎重な手が続きましたが、中央の戦いを境に井山王座が有利な展開を作り出しました。特に終盤における井山王座の冷静な対応と的確な手順が、勝利への道を開きました。対する高尾九段は、最後まで粘り強く戦いましたが、劣勢を覆すことはできず、投了しました。

次局では芝野虎丸名人と井山裕太王座の対決です。勝者はSリーグ1位として挑戦者決定トーナメント進出になります。
2024 年7月19日掲載

7月19日、東京の日本棋院で「碁聖戦」第3局が行われ、井山裕太三冠が挑戦者の芝野虎丸名人に勝利しました。これにより、井山三冠は「碁聖戦」を4連覇し、七大タイトルを含む全てのタイトルの通算獲得数が「76」となり、趙治勲名誉名人の持つ歴代最多記録に並びました。
五番勝負の「碁聖戦」で、井山三冠は既に2勝を上げており、タイトル防衛にあと1勝と迫っていました。第3局は19日の午後、日本棋院で行われ、黒番の井山三冠が終盤で粘る芝野名人を振り切り、午後7時46分、287手までの激闘を制しました。これで井山三冠は3勝負けなしでタイトル防衛を決め、「碁聖戦」を4連覇しました。

試合後、井山三冠はインタビューで次のように語りました。
「自分なりに力を出し切れたかなと思い、防衛できてうれしいです。趙先生の記録ははるか先だと思っていたので、並べたことは感慨深いです。」

一方、敗れた芝野名人は「第3局も含めてミスが出てしまった。結果はしかたがないかなと思う」と悔しさをにじませました。
2024 年5月31日掲載

第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は30日に行われ、井山裕太王座が志田達哉八段に黒番中押しで勝利しました。井山はスコアを1勝2敗から3連勝で4勝2敗としました。一方、志田は勝ち星なしの7連敗となりました。
首位は一力遼棋聖と余正麒八段で、5勝0敗の同星で並走しています。井山は前期に続く連続挑戦であり、非常に厳しい状況ですが、今回の勝利によりプレーオフ進出の可能性をぎりぎり残しました。
井山は序盤から徹底して陣地を稼ぎ、実利志向の志田に陣地を与えない作戦を展開しました。しかし、その代償として、備えを省いた自軍の塊が志田の攻撃の的になりました。井山は刺し違え覚悟の強気のシノギ勝負を選び、双方ともに多大な犠牲を払う大フリカワリをはらんだ難局を乗り越え、勝利を収めました。

2024 年6月7日掲載

7日、関西総本部で行われた第49期棋聖戦Sリーグの井山裕太王座対孫喆七段の対局は、286手まで進み、黒番の孫七段が半目勝ちしました。
孫七段が2024年は9連勝で全勝を維持しています。

2024 年5月17日掲載

16日、名人戦挑戦者決定リーグ戦が行われ、井山裕太王座が山下敬吾九段に黒番中押しで勝利しました。この結果、井山はスコア3勝2敗で白星先行となり、山下は2勝3敗と負け越し、リーグ残留争いに突入しました。
両者はこれまでにあまたの番勝負を繰り広げており、今回の対戦でも2勝2敗と互角の戦いを繰り広げました。一方、5戦全勝で首位を走る一力遼棋聖、余正麒八段に後れを取り、リーグ陥落の心配さえもたげていた井山と山下の激突は注目を集めました。
井山は中盤、鮮やかなカウンターパンチを決めて大きな白星を手にしました。山下は自身の黒模様に深々と突入していたが、井山は陣構えの不備を突いて強烈なカウンターを決めました。相手の一群に対して攻勢を仕掛け、山下は粘りましたが陣取り合戦で後れを取り、最終的には井山の弱石も見当たらず、投了せざるを得ない状況となりました。

2024 年5月2日掲載

5月2日、第49期棋聖戦Sリーグが始まりました。開幕カードは井山裕太王座対余正麒八段の対戦です。
この二人は今年に入って、3月13日に名人戦リーグ、4月8日に本因坊戦準決勝でぶつかっており、いずれも余が勝利していました。内容的には余の勢いが上回っている印象がありました。
しかし、井山の調子が一気に上がってきました。4月24日、25日、27日に行われた第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープンでは3連勝し、日本勢で唯一ベスト8入りを果たしています。そして30日には芝野虎丸十段との大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負第5局を制して6期ぶり6度目の十段復冠を果たしました。
こうして迎えた棋聖戦Sリーグは、日本棋院関西総本部で行われ、結果は井山の黒番中押し勝ちとなりました。

2024 年 4月28日掲載

第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン3回戦が4月27日(土)に中国・浙江省衢州市で行われ、井山裕太九段が準々決勝に進出しました。
左が勝者:

また、準々決勝の組み合わせは以下の通りです:
2024 年 4月27日掲載

第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン2回戦が4月25日(木)に中国・浙江省衢州市で行われ、日本勢は井山裕太九段、上野愛咲美五段が勝ってベスト16の3回戦進出となりました。
左が勝者:


また、4月27日の3回戦組み合わせ(日本選手のみ)は以下の通りです:
2024 年 4月12日掲載

第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は、井山裕太王座が張栩九段に対して白番中押しで勝利し、星を2勝2敗の五分に戻しました。一方、張栩九段は開幕から4連敗と苦戦しており、リーグ残留には黄信号が灯った状態です。
試合は互いに一つの陣地につき100目を超える大規模な囲い合いとなりました。張栩九段は形勢が不利と判断し、井山裕太王座の中央の模様を消しにいきました。しかし、井山裕太王座は見返りに、張栩九段の確定地とされていた黒陣をコウ材有利を背景に強気に荒らし、一気に勝負を決めました。
2024 年 4月9日掲載

『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛(くさなぎつよし)を主演に、第42回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞の『孤狼の血』など映画界で高い評価を受け、本作が自身初の時代劇となる白石和彌(しらいしかずや)監督が奇跡のタッグを組んだ、古典落語をベースにした映画『碁盤斬り』(ごばんぎり)が、2024年5月17日(金)に全国公開されます。その映画に井山裕太王座、藤沢里菜女流本因坊が出演します。
3月6日(水)、映画に先駆け脚本を手がけた加藤正人氏による小説『碁盤斬り 柳田格之進異聞』(文春文庫)が発売された。囲碁愛好家の加藤氏は本作の脚本を監督、プロデューサーと話し合い、3年半かけて改訂を重ねてきたそうだ。小説では映画には描かれなかった格之進のその後も垣間見れると聞く。
公式ホームページには「武士の誇りを賭けた〈復讐〉を描く、感動のリベンジ・エンタテイメント」とある。確かに、主題になっているのは武士の誇りであり、復讐だろう。しかし本作を観てきた私は「これは囲碁の映画だ」と自信を持って言える。格之進の生き様と同じくらい一本に貫かれた加藤氏の囲碁への愛が詰まった名作。囲碁愛好家ならば観に行かざるを得ない。
2024 年 3月20日掲載

第79期本因坊戦本戦トーナメント(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の2回戦が28日に行われました。歴代1位の本因坊11連覇の記録を持つ井山裕太王座(34)は、関航太郎九段(22)に246手で白番中押し勝ちし、4強入りを果たしました。また、第75期と第76期に挑戦者となった芝野虎丸名人(24)も、志田達哉八段(33)に237手で黒番中押し勝ちし、4強入りを決めました。
この結果、4強が出揃いました。準決勝では、井山王座は余正麒八段と、芝野名人は平田智也八段とそれぞれ対戦します。

2024 年 3月20日掲載

第15回春蘭杯世界囲碁選手権が3月19日に中国福建省の「武夷山悦華酒店」で開幕しました。日本からは、一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段、許家元九段、広瀬優一七段が出場し、1回戦の対局結果では、一力、芝野、許が2回戦進出を決めました。2回戦は3月21日(木)11時30分から行われます。







2024 年 3月13日掲載

第49期名人戦(主催・朝日新聞社)リーグは3月13日、リーグ序列1位の井山裕太王座と3位の余正麒八段が日本棋院関西総本部でぶつかった。第4ラウンド第3局である。
ここまで井山は1勝1敗(1回手空き)。負けた相手は一力遼棋聖。余は3連勝し、一力とともに首位に立っていたが、2日前に一力が4連勝を果たしている。
優勝争いにかかわるこの一戦、結果は余が勝利し、再び一力と並んだ。いまの一力の充実ぶりからすると、井山の2敗目は致命的である。
他の選手の成績は、富士田明彦七段2勝1敗、許家元九段2勝2敗、山下敬吾九段1勝1敗、関航太郎九段1勝2敗、張栩九段3連敗、志田達哉八段4連敗となっている。
2024 年 3月15日掲載

第71期囲碁王座戦で優勝した井山裕太王座(34歳、碁聖)の就位式が15日、大阪市内のホテルで行われました。日本棋院の小林覚理事長が王座允許状を、日本経済新聞社の岡田直敏会長がトロフィーなどの王座賞をそれぞれ手渡しました。
井山王座は昨秋の五番勝負で、2年連続挑戦となった余正麒八段(28歳)を3勝2敗で破り、通算9期目の王座に輝きました。「次の五番勝負は(通算10期で資格を獲得する)名誉王座の称号がかかりますが、そんな舞台に立てることは幸せです。若い世代の成長がめざましく、自分なりに新しいことにチャレンジしたいと思っています」と井山王座は語りました。井山王座の地元大阪での式には約200人のファンが集まりました。
特設ページ:第71期王座戦挑戦手合五番勝負
2024 年 3月9日掲載

一力遼棋聖(26歳)が囲碁の最高位を争う第48期棋聖戦七番勝負で3連覇を達成しました。第7局で井山裕太王座(34歳)を挑戦者として迎え、フルセットまでもつれた末に4勝3敗で制しました。一力棋聖は最終局について、「序盤から思い切りよく打てた。結果を恐れずに(厳しい手を)決断できたのは、収穫だったと思います」と振り返りました。
一力遼棋聖は「希望」と揮毫した色紙を手に笑顔で写真撮影に応じ、その後、山梨県甲斐市の「サントリー登美の丘ワイナリー」で記念撮影に臨みました。彼は会見で、「何とか2カ月間戦い抜けてほっとした」と喜びを語りました。「少しずつ実感がわいてきたかなという感じ。今回はフルセットでしたので本当に厳しい戦いでしたし、なんとか2か月間戦い抜け、ほっとした気持ちが強い」と述べました。
囲碁の七大タイトルで最高位の「棋聖戦」七番勝負は、最終・第7局までもつれこみました。井山王座は2013年から9連覇を達成して以来、3年ぶりの返り咲きを逃しました。通算の対戦成績は一力棋聖の34勝51敗となりました。
特設ページ:第48期棋聖戦挑戦手合七番勝負
2024 年 3月1日掲載

第48期棋聖戦第6局 井山王座が一力棋聖に勝ち3勝3敗、決着は最終・第7局に持ち込まれました。
神奈川県の「箱根花月園」で行われた七大タイトルの最高位・棋聖戦七番勝負の第6局は、一力遼(いちりき・りょう)棋聖(26)と井山裕太(いやま・ゆうた)王座(34)の激闘となりました。午前9時から始まった対局は、囲碁界の最高峰を争う熱戦で、注目を集めました。
一力棋聖はこれまで3勝2敗とリードしていましたが、井山王座は3年ぶりの返り咲きを狙って臨みました。午後6時前、井山王座が見事に勝利し、対戦成績は3勝3敗のタイとなりました。
最終・第7局は甲府市内のホテルで7日と8日に行われます。一力棋聖の3連覇を阻むか、それとも井山王座の返り咲きが実現するのか、囲碁ファンにとっては緊迫した瞬間が待ち遠しいですね。
棋聖戦の優勝賞金は囲碁界最高の4300万円です。両者の熱い戦いが続く中、最終局でどんな展開が待っているのか、注目していきましょう。
特設ページ:第48期棋聖戦挑戦手合七番勝負

産経新聞社が主催する囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第1局が27日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われました。芝野虎丸十段(24歳)は160手までで、挑戦者である碁聖の井山裕太王座(34歳)に白番中押しで勝利し、タイトル初防衛に向けて好発進しました。第2局は3月25日に東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われる予定です。
芝野虎丸十段は、20代でありながら、既に名人・十段の座についています。彼は囲碁界での才能を証明し、今回のタイトル戦で初防衛を目指しています。
2024 年 2月27日掲載
一方、井山裕太王座は6期ぶりのタイトル奪還を狙っており、芝野十段との対戦は注目されています。
特設ページ:第62期十段戦挑戦手合五番勝負
2024 年 2月20日掲載

第25回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦・第10戦は日本の井山裕太九段が韓国の申真諝九段に敗れ、日本が姿を消す結果となりました。残り人数は韓国1名、中国4名です。
特設ページ:第25回農心辛ラーメン杯団体戦
関連棋譜:【第25回農心辛ラーメン杯第10戦】(黒)申真諝九段 対 井山裕太九段(白)

第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ、仲邑菫三段が牛栄子扇興杯に勝利し、リーグ成績を4勝1敗。韓国棋院移籍前の国内最終戦を終えて「韓国で女流タイトルの獲得、ランキング10位以内に入りたい」と仲邑三段。3月2日付けで移籍します。
関連棋譜:【第35期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)牛栄子扇興杯 対 仲邑菫三段(白)

第79期本因坊戦本戦1回戦、平田智也八段が許家元九段に勝利し、2回戦進出を飾りました。対許九段戦で公式戦初白星です。次戦では瀬戸大樹八段と対決します。
関連棋譜:【第79期本因坊戦本戦1回戦】(黒)許家元九段 対 平田智也八段(白)

第49期名人戦リーグ。白番の関航太郎九段が志田達哉八段との究極の死闘を制し、1勝1敗に。志田八段は0勝3敗に。リーグ史に残るヨセ勝負となり、整地後にアゲハマは盤上に埋め切れず、碁笥の蓋に残ったのは黒石5個、白石11個。黒番6目半コミ出しのため、白の半目勝ちとなった。関航太郎は「黄金の椅子」の前に転がるひとつの黒石を発見した。志田達哉も頷く。究極の勝負を戦った棋士たちの無言の対話だった。
2024 年 2月16日掲載

第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)、一力遼棋聖(26)と挑戦者、井山裕太王座(34)の第5局が15、16日に千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で行われ、一力棋聖が井山王座に勝ち、シリーズ3勝2敗で3連覇まであと1勝とした。
第6局は29日から3月1日まで、神奈川県箱根町のホテル花月園で行われる。
特設ページ:第48期棋聖戦挑戦手合七番勝負
2024 年 2月14日掲載

一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負第5局は2月15、16日、千葉県勝浦市で行われます。対局会場となるのは「三日月シーパークホテル勝浦」。棋聖戦の開催は3年連続となる南房総屈指のリゾートホテルです。
対局会場の庭に残雪があった1週間前の仙台対局とうってかわって、現地は最高気温が18度近くまで上がる春のような陽気に。対局室からは日差しを浴びて光り輝く海と気持ちよさそうに風に揺れるヤシの木が臨めます。
対局前日の14日午後4時半過ぎ、現地に到着した両対局者はホテル前の砂浜で海を背景にフォトセッション。両者は12日にも名人戦挑戦者決定リーグ戦で激突したばかりですが、さわやかな海風を感じながら、笑顔を見せました。
特設ページ:第48期棋聖戦挑戦手合七番勝負
2024 年 2月13日掲載

第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は12日、井山裕太王座(1勝0敗)VS.一力遼棋聖(2勝0敗)の優勝候補同士の一戦が行われ、一力が白番中押し勝ちして負けなしの3連勝を飾り、余正麒八段(3勝0敗)と並ぶリーグ同星首位に立った。
現在進行中の棋聖戦七番勝負で第4局まで2勝2敗とがっぷり四つの戦いを見せている両者が、名人戦に舞台を変えて激突。両者の気迫は盤上にストレートに反映し、一力が四隅を占めると、井山が背中の模様で勝負する、極端な対照をなす布石で始まった。
中盤、上辺の模様に突入した一力の白石に井山が猛襲をかければ、一力がフリカワリ覚悟の逆襲に出て、容易に先を見通せない難戦に。双方に眼形のない大石が混在するぎりぎりの読み合いは、井山に分があるかと思われたが、勝負どころで有力手を逃して一気に暗転。青息吐息の左辺の一力の大石が中央に脱出し、なおも殺しにいく井山の勝負手を一力が振り切り、大きな1勝を挙げた。
これにより、リーガー9人のうち無敗は同星首位の一力、余のふたりだけに。次戦、一力は関航太郎九段(0勝1敗)、余は井山と対戦する。
2024 年 2月13日掲載

名人リーグは一力遼三冠が井山裕太二冠に白番中押し勝ちし、リーグ3連勝としました。敗れた井山二冠は1勝1敗。左辺で際どい攻防となった本局。一力三冠が難解な読み合いを制しました。
関連棋譜:【第49期名人戦リーグ】(黒)井山裕太王座 対 一力遼棋聖(白)

【第49期棋聖戦Aリーグ】、富士田明彦七段段が安達利昌七段に黒番5目半差をつけて勝利し、リーグ初戦で白星を挙げました。
関連棋譜:【第49期棋聖戦Aリーグ】(黒)富士田明彦七段 対 安達利昌七段(白)

第79期本因坊戦本戦トーナメント(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)が12日、東京都千代田区の日本棋院で始まった。芝野虎丸名人や井山裕太王座、上野愛咲美(あさみ)女流立葵杯ら16人の棋士が、一力遼本因坊への挑戦権をかけて争う。1回戦開幕局の小池芳弘七段―洪爽義五段戦は、小池七段が勝利を収めた。
2日制七番勝負だった本因坊戦は、今期から1日制五番勝負に移行し、挑戦者を決める方法もリーグ制(8人)からトーナメント制(16人)に変更となった。
関連棋譜:【第79期本因坊戦本戦1回戦】(黒)小池芳弘七段 対 洪爽義五段(白)

第3期テイケイグループ杯女流レジェンド戦準決勝、小林泉美七段が桑原陽子六段に勝利し、決勝進出を果たし
2024 年 2月9日掲載

囲碁界の最高位を争う第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)、一力遼棋聖(26)と挑戦者・井山裕太王座(34)の第4局が8、9日に仙台市の宮城県知事公館で行われ、9日午後5時41分、井山王座が166手までで白番中押し勝ちして、通算成績を2勝2敗のタイに戻した。
井山王座の封じ手は、右下の黒の眼形を奪う白92。一力棋聖は左辺の黒地をまとめに行ったが、井山王座は白106と突入。中央の白を巡って難解な戦いとなったが、ここで井山王座は巧みな打ち回しでポイントを挙げた。地元・仙台での対局となった一力棋聖は粘りを見せたが、井山王座は隙を見せずに快勝した。
第5局は15、16日に千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で行われる。
井山王座の話「中央と右辺の白をある程度の形で処理できて、地合いでいけそうだと思った。自分なりに精いっぱい準備して、次局に臨みたい」
一力棋聖の話「中央などの打ち方は、もう少しいい図があったかもしれない。(仙台対局は)始まってしまえば、普段と変わらなかった。精いっぱいやった結果なので仕方がない」
本局の立会人は高尾紳路九段、新聞解説は孫喆七段、記録係は青木裕孝三段と徐文燕二段の2人が務めます。
持ち時間各8時間白・井山7・31分、黒・一力7・58分
特設ページ:第48期棋聖戦七番勝負
2024 年 1月8日掲載

一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第48期棋聖戦七番勝負第4局は8日午前9時、宮城県仙台市の宮城県知事公館で1日目の対局が始まりました。
一力棋聖にとっては地元への凱旋対局となる本局。対局会場となる宮城県知事公館には朝から地元のテレビ局など多くの報道陣が集まり、注目の高さを感じさせました。
両対局者は午前8時半杉、滞在先のホテルからタクシーで知事公館入り。村井嘉浩知事や立会人の高尾紳路九段の待つ対局室にはこれまでのシリーズと同様、一力棋聖が先に入りました。
午前9時、高尾九段の声掛けで一礼して対局開始。黒番の一力棋聖は右上の小目、井山王座は左上小目と応じました。対局室では「第2局のようにたすき掛けにするか」という声があがりましたが、一力棋聖は右下星に打ちました。
井山王座は白2、4と、向かい小目にしました。一力棋聖は黒5のカカリ。ここで、控室では孫喆七段が「井山王座は黒のカカリに手を抜き、左上を締まるかもしれません」と話していました。実戦もその通りに、井山王座が左上で白6と締まる進行になりました。一力棋聖は左下、黒7のカケ。これも控室で予想された手です。開始15分ほどで、白12のカカリまで進みました。
本局の立会人は高尾紳路九段、新聞解説は孫喆七段、記録係は青木裕孝三段と徐文燕二段の2人が務めます。
特設ページ:第48期棋聖戦七番勝負
2024 年 1月27日掲載

芝野虎丸十段への挑戦権を争う、囲碁の大和ハウス杯第62期十段戦挑戦者決定戦、井山裕太王座 対 許家元九段 戦が1日、大阪市の日本棋院関西総本部で行われた。対局は午後5時32分、262手までで白番の井山が中押し勝ちし、挑戦権を獲得した。井山は6年ぶり6度目の十段位を目指す。
2年連続3期目の獲得を目指す芝野十段との挑戦手合5番勝負第1局は27日、大阪府東大阪市「大商大」で開幕する。
2021 年 12月09日掲載

9日朝から甲府市の常磐ホテルで打たれていた第69期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第5局は午後5時9分、挑戦者の井山裕太四冠が161手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で3期ぶりの王座に復位した。王座通算7期目。井山新王座は2年7カ月ぶりに五冠に返り咲いた。
対局後、井山新王座は「一時、三冠に後退したときは、再びタイトルを増やすのは難しいと思っていた。五冠に戻せてうれしい」と話した。井山新王座の通算タイトル獲得数は67になった。
この日の対局は、黒13まで第1局と同じ進行だった。序盤は中央を重視する芝野王座に対し、挑戦者が足早に地を稼ぐ展開になった。挑戦者が上辺黒57から白を分断する戦いを仕掛けると、王座は左上の白石を114、116と手堅く補強し、中央の黒の一団に圧力をかける作戦に出た。拮抗した攻防が続き、「半目を争うヨセ勝負になる」と立会人の三村智保九段ら検討陣はみていた。
形勢が急転したのは、王座が白150、152と中央の黒に迫った場面だ。「王座は黒の大石を厳しく攻めてポイントを挙げようとしたが失敗し、逆に地合いで大差をつけられた」と解説の鶴山淳志八段。「両者が持ち味を発揮し、手に汗を握る好局だった」と話した。
特設ページ:第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021 年 12月03日掲載

3日朝から神奈川県秦野市の陣屋で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第4局は午後6時17分、芝野虎丸王座が205手で挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。対戦成績は2勝2敗のタイとなった。勝者がタイトルを手にする第5局は12月9日、甲府市の常磐ホテルで打たれる。
序盤は芝野王座が下辺にスケールの大きな黒模様を張って始まった。左辺に焦点が移ったあと、王座は上辺で黒6子を捨て石にして戦果を上げる作戦に出たが、挑戦者は周りの白石を62から70で安定させることに成功。「白に不満なし」と石田芳夫二十四世本因坊ら検討陣はみていた。
王座は黒81、83から下辺の白の一団の攻めに転じる。「厳しい攻めで白に窮屈な生き方を強要できた上、黒125まで右辺を大きくまとめて黒が主導権を奪い返した」と解説の山下敬吾九段。さらに中央黒131が白の薄みを突く厳しい手だった。黒157まで中央左上の白5子を制して優勢を築き、最後は粘る挑戦者を冷静に振り切った。
山下九段は「中盤まで井山四冠の流れだったにもかかわらず、落ち着いて機をうかがった芝野王座の粘り強さが光った一局だった」と話した。
特設ページ:第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021 年 11月19日掲載

19日朝から新潟県南魚沼市のryugonで打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第3局は午後6時30分、183手で挑戦者の井山裕太四冠が芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちした。対戦成績は井山四冠の2勝1敗となり、3期ぶりの王座復位に王手をかけた。
持ち時間各3時間のうち、残りは両者ともに1分だった。第4局は12月3日、神奈川県秦野市の陣屋で打たれる。
序盤は両者とも模様を志向して始まったが、互いに相手の注文を外すような神経戦に入った。ほぼ互角の戦いが続いていた中盤、挑戦者の井山四冠が黒101と上辺の白の勢力に深く踏み込んだ。芝野王座も真っ向から迎え撃ち、中央から上辺一帯でいくつもの大石の生死をかけた「めったに見ることのない、極めて難解な攻め合い」(解説の張栩九段)に突入した。
読み勝っていたのは挑戦者だった。上辺で黒155から白に負担の重いコウになり、挑戦者が白の大石を取った。王座は見返りに中央の黒の一団に襲いかかる粘りを見せたが、最後は井山四冠が最強手で応じて振り切った。
立会人の王銘琬九段は「2人とも碁盤全体に目配りして局面を広く使っていた。複雑ながら拮抗した時間が長く続いた名勝負だった」とたたえた。
特設ページ:第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021 年 11月12日掲載

12日朝から神戸市のホテルオークラ神戸で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は、午後6時39分、201手で芝野虎丸王座が挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。3連覇をめざす芝野王座が対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
持ち時間各3時間のうち、残りは芝野王座が1分、井山四冠が2分だった。第3局は11月19日、新潟県南魚沼市のryugonで打たれる。
互いに模様を志向する序盤戦で始まったが、上辺から主導権争いに入る。攻防中の55手目、芝野王座は持ち時間3時間のなか1手に1時間50分をかける大長考をする場面もあった。
右上での大きなコウの可能性をにらみつつ、焦点は左辺に転じた。芝野王座は中央で黒105、107と壁を築いてから左辺109と切って白を攻める。
戦いの過程で挑戦者は中央の黒石を制したが「黒は代償に下辺を大きくのみ込んで、地合いではっきりリードした」との見方が立会人の山田規三生九段ら検討陣に広がった。挑戦者は下辺に侵攻して粘ったが、最後は王座が押し切った。
解説の村川大介九段は「早い段階で秒読みに入った芝野王座だが、井山四冠の粘りにも正確に対応した。近年まれに見る熱戦だった」と評した。
特設ページ:第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021 年 11月05日掲載

第46期名人戦7番勝負の第7局は4、5の両日、静岡県河津町で打たれ、井山裕太名人が129手で挑戦者の一力遼天元に黒番中押し勝ちし、4勝3敗で防衛、棋聖、本因坊、碁聖と合わせ四冠を維持した。名人獲得は2期連続8度目。
井山名人は今年、棋聖、本因坊に続くタイトル防衛で、2日制の7番勝負で争う3タイトルを全て守った。8月に奪取した碁聖を加え現在四冠で、進行中の王座戦に五冠復帰が懸かる。芝野虎丸王座との王座戦5番勝負は第1局が終わり、井山名人が先勝している。
特設ページ:第46期名人戦挑戦手合七番勝負
2021 年 11月02日掲載

第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)5番勝負を制し、4期ぶりに復位した井山裕太碁聖の就位式が2日、東京都内のホテルで行われた。謝辞で井山碁聖は「3年前に碁聖を失ったあたりから1日制の対局での成績が思うようにいかず、課題として取り組んできた。今回、結果として表すことができ、喜びを感じている」と述べた。
式では新聞囲碁連盟を代表し、5番勝負第1局を開催した山陽新聞社の松田正己社長があいさつ。「対局が行われた岡山県倉敷市の真備町は3年前の西日本豪雨で大変な災害に遭った地域。復興してきたことを全国に発信でき、意義深いイベントになった」などと話した。
2021 年 10月29日掲載

第69期王座戦5番勝負の第1局は29日、横浜市で打たれ、挑戦者の井山裕太四冠が205手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、先勝した。
井山四冠は3期ぶり7度目の王座獲得を目指し、芝野王座は3連覇が懸かる。
第2局は11月12日に神戸市で行われる。
特設ページ:
第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021 年 10月19日掲載

静岡県熱海市で19日から打たれていた 第46期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は20日午後6時7分、井山裕太名人が挑戦者の一力遼天元に159手までで黒番中押し勝ちした。対戦成績は3勝3敗のタイとなり、決着は最終局に持ち越された。
持ち時間各8時間のうち、残りは井山名人が12分、一力挑戦者は9分だった。第7局は11月4、5日に静岡県河津町の「今井荘」で打たれる。
特設ページ:
第46期名人戦挑戦手合七番勝負