2025-01-09
初開催「ソパルコサノル世界最高棋士決定戦」の本戦メンバー9名が確定しました。日本からは福岡航太朗七段が代表として参加し、中国の柯潔九段がワイルドカード枠で選出されました。
大会は2月5日にソウル・江南での前夜祭で幕を開け、6日から10日まで第1ラウンドが開催されます。
第2ラウンドは6月9日から12日まで行われます。
9名の棋士が総当たり形式で対戦し、順位を競います。
最終的にリーグ戦の上位2名が10月に三番勝負の決勝戦で対決します。
持ち時間は各1時間、さらに1手ごとに30秒の加算がある累積時間制で進行されます。
優勝賞金は2億ウォン(約2000万円)、準優勝賞金は1億ウォン(約1000万円)とされています。
【第36期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)謝依旻七段 対 上野愛咲美立葵杯(白) 実戦からの問題です。△黒石をどう取るかどうかが課題、手順は大事です。
失敗図
白1、3とアテても、黒は捕まないです。
正解図
白1のゲタが手筋。a、bはどの逃げ道でも助かれないです。
変化図1
ハンマーパンチ🔨
変化図2
ハンマーパンチ🔨🔨
かなめ石の◯の二子をどう取るかどうかが課題。
失敗図
黒1のケイマは白を封鎖することはできるが、緩んでいるため、白4、6と出切られてうまくいかない。白8、10のナラビが手筋、黒攻め合い負け。
正解図
黒1のツケが手筋。その後、一本道。黒の攻め合い勝ち。
◯の白二子をどうとるか。広い意味でゲタのバリエーションの一つ。解決するまでの手数は長く、最後まで読めるかどうか。
失敗図
まずシチョウは成立しない。
正解図
黒7のアテ込みが手筋。白全体がダメヅマリとなり、最後は攻め合いは黒勝ち。
このような形の◯白一子を取ろうとする場合、まずシチョウ、次にゲタ、最後に緩みシチョウを考えるのが手順というもの。
失敗図
まずシチョウは成立しない。黒1、3から5とダメをつめて追っていっても、白6、8と愚形に逃げられる。
正解図
黒1のアテ、白2と逃げたとき、黒3とかけるのが手筋。手数は長いが、一本道。
追い落としで石を取るには、相手をダメヅマリに追い込むことが条件となる。
失敗図
黒1のトビは、白をダメヅマリにする工夫が感じれない。白2のトビが好手で、左方に連絡できる。
正解図
黒1の押しが手筋。これが白をダメヅマリに追い込む急所の一手となる。
変化図
前図黒3のカケに、白1のトビなら、黒2から4と詰める手順。
逃げ道をふさぐ石の取り方がゲタだから、本形はその変則的なバリエーション。◯二子をどう取るか。
失敗図
黒1から3のアテても、白は捕まらない。白の逃げ道をふさぐ手筋が必要。
正解図
黒1のハサミツケが手筋。白二子はダメヅマリとなり、どう打っても逃げられない。
死活やヨセに限らずダメヅマリの石には、弱点や欠陥が生じやすい。
失敗図
黒1から3のアテでは白のダメヅマリをとがめていない。この程度ではものたりない。
正解図
黒1のワリコミがダメヅマリを攻めた手筋。白2、4が最強の抵抗だが、黒5で白石が全部取れる。
隅の黒を切断している白二子をどう取るか。白からの利きも考慮する。
失敗図
黒1のハネは、初めに思いつく手段だろう。しかし白2と切られてみると、すぐ失敗に気づく。
正解図
黒1のケイマが手筋。AとBが見合いとなっていて、手筋の正しさがわかる。
逃げ道を塞いで白石を取る。その考え方からすれば、形は異なるが、本形はゲタの仲間とも言える。
失敗図
黒1に白2のマガリがいい手で、白4、6の手順で捕まらない。
正解図
黒1カケが逃げ道を塞ぐ手筋。白の形の急所に当たる。応用範囲が広い手筋である。
黒が三方に分けれていて、一見して苦しそうな局面。◯二子を取る手筋を考えていただきたい。
失敗図
黒1から3のアテまで先手で決めたが、AとBを同時に守るのが無理だ。
正解図
黒1のハサミツケがこの際の手筋。黒9まで、全ての黒が生き返った。
白⚪︎の三子を取る問題です。黒は棒ツギするか、押さえるか、どちらにしても読みを必要とする。
正解図
黒1のマクリが手筋。黒5まで白二子を取り込んで、大きな成果であろう。白は被害を最小限に食い止めた。
変化図
黒1に白2と取るのは、黒3とアテられていかにも無理な形。
正解図(続き)
続いて、白4のツギに黒5とツイで、攻め合いは黒勝ち。白は大損である。
白⚪︎の三子を取る問題です。黒は棒ツギするか、押さえるか、どちらにしても読みを必要とする。
失敗図
黒1の棒ツギは安全策で、危険はない。ただし白2の「イタチの腹ヅケ」と呼ばれる攻め合いの手筋がある。
正解図
強く黒1と押さえる手が成立する。白2の切りが怖いが、黒3で対応できる。
正解図(続き)
続いて、白6のツギに黒7からアテればシチョウになる。グルグル回しという。
⚪︎の三子を取れば隅の黒石が復活する。左方に白の壁が控えているからちょっと厄介だ。どう打って⚪︎の白石を取るか?
黒1と3の二段バネは、白を取ることができず、黒石の復活が断念になる。
黒1のケイマが手筋。白2のツケには黒3のハネ込みが関連した手筋になる。白4には黒5のアテから7まで、追い落としが成立する。
かなめ石を取る問題。簡単な手筋だが、知らなければなかなか打てないかもしれない。読みを少々必要とする。
黒1とアテたくなるものだが、これは失敗。黒3、5と白一子を取っても、白8とアテられ、上辺の黒が傷んでしまう。
黒1のツケが手筋。白2とツイでも、黒3から5、7と追って、白は逃げられない。
これもかなめ石を取る問題。応用範囲の広い手筋である。知らない人はこれをきっかけに自家薬籠中のものにしていただきたい。
黒1のアテから3は俗手である。黒9まで分断はしたものの、白10まで生きられてみれば黒三子はダメヅマリ。
アテを保留して単に黒1とツケるのが手筋。白2に黒3の切りも手筋。
黒1に白2の抵抗も考えられるが、心配はいらない。強く黒3にサガって良い。白4、6のハネツギには黒7としっかり守り、白は打っただけ取られ。この一連の流れ、大いに参考になるだろう。
かなめ石をとるのがテーマ。白二子を取れれば黒は一気に厚くなるし、取れなければ黒不安定になる。
黒1から3とアテても成功するわけがない。白2、4と取られて、黒はバラバラ。こういう手段は反動もきびしく、きちんと読みを入れたうえで慎重に行動したいもの。
黒1で白二子は取れている。これで黒が一気に厚くなる。
一発で決まる手筋。黒の放つ手筋に対して、白も抵抗を試みる。それからの攻防を極めることが手筋を深く理解する道である。
黒1のアテコミは一見すると急所のように見えるが、白2のアテで事件は起きない。手順が大切で、初手を誤ると成功しない。
ワリコミが正解。白2のアテには黒3のアテコミが筋のいい手。白4のアテには黒5で切れている。白aなら黒b。黒3では5の切りでも大丈夫。
息もつかせぬ連続技が華麗な手筋を生むことがある。しかしその場合は、周囲の環境が整っていないと成立しない。
黒1のハネから3のツギは、何事も起こらない。
黒1のハネから3の二段ハネが手筋。白4の両アタリには黒5のツギ。白6の取りに黒7で切断できる。攻め合いは黒勝ち。
形には弱点というものが存在する。この弱点の発見が切断につながるだろう。
黒1のハネ込みから3と切る。白4の取りに、黒5から9となればコウになる。
黒1のアテ込みが手筋である。白2、4に黒5と切るのが手順。6と7が見合いとなる。
上辺の白は一眼しかないから右方との連絡を切断したいところ。
一見すると、黒1のツケで切断できそうだが、白2のハサミツケがシノギの好手。一線をするりと渡ってしまう。
黒1のノギが切断の手筋。白2なら黒3とハネで良い。このノゾキの手筋は実戦でも見過されることもあるから要注意だ。
ダメ詰まりを活用する手筋は死活やヨセの分野で頻繁に現れるが、これは切断に利用する手筋である。
黒1のサガリは白2と切られてうまくいかない。黒3には白4のツギで息が切れている。
黒1のアテコミがダメ詰まりを追及する手筋である。白2のツギなら、黒3とツイでよい。
黒1に白2のアテなら黒3と逃げてよい。白のダメ詰まりはまだ解消されていない。白4なら黒5と、白の石にくっつけて打つのがコツ。白は連絡できない。
意外性、飛躍した感のある手筋である。白の応対によって、影響の及ぶ方向が異なるのも意外性を増幅するだろう。
黒1のワリコミはそれほど恐れることはない。白2から4と受ける。黒5と切断できるが、白6から10と取れば白の実利も大きい。
黒1のワリコミのほうがきびしい。白2の受けなら黒3とヒキ、4と5が見合い。
黒1に白2から受けても事態はそれほど変わらない。黒3とひいて、やはり4と5が見合い。
切断の常用の手筋。実戦でも頻繁に現れる。戦いの端緒になることも多い。
黒1の出から3のアテはひとつの手段ではあろう。しかし白6まで眼形確保ができる。
格言「ケイマにツケコミあり」の黒1が手筋。白2に黒3の切りである。黒5で白二子を切り離す。
前図の結果が白不満なら、白4と切るしかない。勢い黒5の切りで地を稼ぐのは一本道である。白はまだ眼形がなく、黒は攻めの目標ができて楽しみである。
手筋というのは一発で決まるときも勿論あるんが、複合技で決まる場合もある。この場合は手順が重要となる。
黒1から3のワリコミは手順が間違えた。白に2から4と受けられて、連絡している。単独のワリコミだけではいけないし、ワリコミ二連発も手順を間違えば失敗する。
黒1と3のワリコミニ連発が手筋である。白4に黒5で切れていることはおわかりだろう。手順の大切さが知れよう。
白の形はなにやら欠陥が見えて。とは言っても、やはり手筋を行使しなければ、切断することができない。手順が大事。
黒1の出から3のハネ出しは、白4と受けられて連絡している。これは無策のそしりを免れない。
黒1の出から3のツケは、勝手読みのたぐいであろう。白4のツギが当然とはいえ好守。何事も起こらない。
黒1の出から3の切りを利かし、5の切り返しが手筋。白6の取りに黒7のブツカリが冷静。白七子が取り込まれる。
白地には一見するとなにも欠陥がないように見えるが、じつは重大な傷が隠れている。白の形をじっくり眺めれば、なにかがみえてくるだろう。
黒1のサガリでは何も事件は起こらない。白2に黒3と切っても、攻め合いにもならない。
黒1の切り込み、そして白2に黒3の切り返しがセットの手筋である。白4なら黒5と突き出すまで。見事な手筋の効果だ。
黒1の切りに白2の変化は考えられる。それには黒3のハネが好手。白4に黒5のツギツギになるしかない。白三子を取り込んで、大戦果である。
星の定石から三三入りした場面。三三に打ち込んだ白と左方の白二子との連絡具合にやや薄みが感じられる。
黒1のハネ出しから6まで切断しようとする人が多いのではないかと思われる。しかしこれは白の実利がバカにならず、損が大きい。
黒1のワリコミが切断の手筋。白2のアテなら黒3のツケが連動した厳しい手筋。隅の白は眼がなく助けられない。
上辺の石の切断の問題。分かりやすい形なので、一目で手筋がわかってほしいもの。応用範囲の広い基本的手筋で、実戦でも広く用いられている。
黒1の抜きはお手伝いの一着。白2となって白の連絡の不備をわざわざ黒が補ってやっているような印象だ。知らなければやむをえないが、この際しっかり頭に入れ、実戦で使いこなしてほしい。
黒1のツケコシが辺でよく現れる切断の手筋である。白2とさえぎれば黒3と切ってあとは一本道。白4とかかえるしかなく、黒5がシチョウにかかえて一段落。見事に切断を果たした。
黒1に白2と応ずるのが、多少紛らわしい。この時は黒3のアテコミが手筋。白4なら黒5とハネるのが好手で、切断成功である。
上辺の白の形が整っていない。実戦でも広く応用できるので、ぜひ知っておきたい手筋。
黒1のノゾキは根拠を奪って白を攻めるときの手段。この局面にはマッチしていない。白6までとなって封鎖はならず。
黒1から3、5と白三子を取り込んで黒成功である。右辺の白はこの結果、自然消滅の形。
黒1のツケに、白2と元をツグ手は、自身の手数を延ばして、隅の黒との攻め合いを狙った手である。しかし、黒3と詰められ、白4にも5と打たれ、白の手負けは明白である。
切断の形は様々あっても、もっとも効果も大きい手段を選ぶのが常識。形に明るいことも手筋発見の力になる。
黒1はつい打ちたくなる手だが、都合よく白3とはツイでくれない。正しく白2と応じられると、黒はアキ三角の愚形になっている。
黒1のハネ出しは白2と抑えられて、切断できない。
黒1のツケが手筋。白2と受けても黒3のアテ込みが好手で、白は切断されている。隅の白にも生きはない。
星の三三入り定石から生じた形。白の形の薄みに切り込み、切断に繋げられるかどうか。形の欠陥を見抜く眼力、読みの力が問われる。
黒1、3のハネ切りは鋭い手段。しかし当然ながら、白4のヒキが冷静な着手で、あと一歩及ばない。
黒1と意外なところにツケるのが手筋の盲点。この一発で白四子は、連絡できない形となっている。
辺の切断の常用の筋。しかし落とし穴もあり、すんなり分断できるかどうか。白には分かれ道があり、その判断も考慮を要する。
「ケイマにツケコシあり」だが、黒1のツケコシは失敗に終わる。白8まで黒は無理形であろう。
黒1とこちら側のツケコシが厳しい。白2と左方を応じれば、黒3のハサミツケが第2弾の手筋となる。白4には黒5で、隅の白が助からない。
黒1に対して、白2で応じることもできる。黒は3と遮断し、強力な厚みが出来上がる。全図と本図、どちらかを選択するは周囲の配石によって判断する。
左方の白四子を味よく分断するテーマ。黒のテクニックが問われる場面でもある。
黒1、3とアテるのは凡手。これは白の連絡を阻止できない。
黒1と内側からアテるのが手筋。損を先にする手なので、白は気合で2と出たい。しかしその犠牲打により、黒3、5と味よく分断できる。黒は当初の目的を達し、白四子を取り込んでは大戦果である。
追い落しにする基本的な問題。標的は、黒一団を左右に切断している隅の石だ。手順を誤ると上手くいかない。
黒1のホウリコミは手順を誤った。黒3から5とツイでも白6とツガれて間に合わない。
黒1のホウリコミを先にして、白2と取らせてから3とホウリコミのが絶対の手順である。黒5から7でぴったり間に合う。
切断の手筋として、有効な働きを持つ手段で、ここではそれを封鎖に活用する。一子を犠牲打とする代表的な封鎖の形。
黒1のツケは白2とノビられて、相当味悪の形。白8のハネ出しが厳しくなる。
黒1のツケコミが封鎖の手筋。白2、4は仕方なく、黒5から7まで味の良い封鎖形である。
白はスマートな進出のように見えるが、手筋一発で決まる。白の対応にも注意が必要。形に明るくなるためには、瞬間的に手筋が見えるようになりたいもの。
黒1、3は初級の手です。白は2から4と黒を裂いて堂々の進出。
黒1のハネ込みが目の覚めるような手筋。黒5まで切断に成功した。黒1は切断と封鎖を兼ねた手筋ともいえる。白2から4は、石の調子に見えるが、この場合はいけない。
白は2のツギから4と内側からアテて辛抱するしかない。白6、8とハネツいで、無条件生き。黒は先手で厚みを築いた。失敗図と本図の違いは天地の差。これは手筋の威力。
2025-01-24
女流本因坊5連覇を果たした藤沢里菜女流3冠の第43期女流本因坊就位式が、1月24日に東京都内のホテルで行われました。5連覇を達成した藤沢女流3冠は「連覇はとても大変だが、これから少しでも連覇を積み重ねていけたらいい」と意欲を語りました。
昨年11月に入籍した夫で囲碁棋士の横塚力七段も花束を手に祝福に駆け付け、「10連覇でも20連覇でも続けていただきたい」とお祝いの言葉を述べました。
藤沢女流3冠が5連覇を決めた第43期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負(共同通信社・日本棋院主催、JA共済連・共栄火災協賛)は、昨年9月18日に岩手県花巻市の温泉旅館「佳松園」で第1局が開始されました。藤沢女流3冠は2連勝でスタートしましたが、挑戦者の牛栄子四段が2連勝で追い上げる展開となりました。そして昨年11月15日に行われた第5局では、藤沢女流3冠が勝負強さを発揮して制し、同じ年齢のライバルである牛四段の挑戦を退けました。
主催者の株式会社共同通信社・三土正司社長は、「藤沢女流3冠の5連覇とご結婚は、日本棋院が創立100周年を迎えた昨年にふさわしい慶事です」と、公私ともに充実した藤沢女流3冠を祝福しました。また、花巻市で第1局を主催した岩手日報社・川村公司社長は、「花巻は多くの人に力や幸運を与える“パワースポット”です」と地元の喜びを語りました。
日本棋院の武宮陽光理事長は「実力者同士の熱戦でしたが、いくつもの修羅場を乗り越えてきた藤沢さんが素晴らしい実力を発揮して勝利しました」と称賛しました。藤沢女流3冠のファンである宮本文義さんも「夫である横塚力さんの力も得て、さらなる高みを目指していただきたいです。」
就位式には関係者約80人が参加しました。協賛社であるJA共済連・共栄火災からは、5連覇を記念してJAタウンギフト券やおコメ券の副賞が藤沢女流3冠に贈られました。
2024-12-07
12月7日、トップ女流棋士4人による囲碁イベント「女流囲碁アマノ杯青龍戦」が開催されました。このイベントの最大の特徴は、参加する全ての棋士が着物姿で対局に臨むというユニークなルールです。
参加者は、藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美女流立葵杯、上野梨紗女流棋聖という現役タイトルホルダーに加え、歴代最多タイトルを持つ謝依旻七段です。対局は1手30秒のNHK杯方式で進行し、2回戦のトーナメント形式で行われました。
決勝戦では、藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯を相手に黒番1目半勝ちで優勝を決めました。優勝者には柳田泰山先生が揮毫した記念皿「青龍」が贈られ、さらに井山裕太王座からの祝辞や真下玲奈さんから花束も贈呈されました。
2024-12-01
12月1日、「第19回広島アルミ杯・若鯉戦」の表彰式にて、横塚力七段と藤沢里菜七段が結婚を発表しました。二人が入籍したのは11月22日、「いい夫婦の日」。まさに縁起の良い日に、囲碁界の新たな夫婦が誕生しました。
藤沢七段は自身のTwitterで「11月22日に横塚力さんと入籍いたしました」と報告。投稿には「夫婦で支え合い、より一層精進してまいります」と未来への決意が綴られており、多くのファンや棋士仲間から祝福の声が寄せられました。
二人の交際は約7年前に始まりました。複数人で遊ぶ機会が徐々に減り、二人きりで会うようになったのがきっかけだったと横塚七段は明かします。プロポーズについては「なんとなく『僕でよければ』という流れだったと思います」と控えめに語りました。
2024-11-26
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月26日、準々決勝が行われ、上野愛咲美五段が勝利し準決勝進出しました。一方で、藤沢里菜七段は於之瑩八段(中国)に敗れ、敗退しました。準決勝は11月27日 13時より行われます。
2024-11-25
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月25日、2回戦が行われ、日本から出場している藤沢里菜七段と上野愛咲美五段勝利し、3回戦への進出を決めました。一方で、上野梨紗三段は羅楚玥六段(中国)に敗れ、2回戦で敗退しました。準々決勝は11月26日(火)13時より行われます。
2024-11-24
11月24日、中国福州市の三坊七巷郭柏蔭故居で、第7回「呉清源杯・福建海峡銀行」世界女子囲碁選手権の第1回戦が行われました。日本からの出場は、藤沢里菜七段、上野愛咲美五段、上野梨紗三段の3名です。2回戦にシードされており、25日から対局となります。
試合会場近くでは、劉小光九段による大盤解説が実施され、多くの囲碁ファンや観光客が足を止めて観戦しました。特に囲碁を学ぶ子どもたちからは、分かりやすい解説に歓声が上がりました。
2024-11-15
11月15日、日本棋院東京本院で行われた第43期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負の第5局は、白番の藤沢里菜女流本因坊が222手で中押し勝ちを収めました。対戦成績を3勝2敗とし、女流本因坊位5連覇(通算8期)を達成しました。
2024-09-18
第43期女流本因坊戦(主催:共同通信社)の挑戦手合五番勝負第1局が、岩手県花巻市の「佳松園」で行われ、藤沢里菜女流本因坊が挑戦者の牛栄子四段に白番で中押し勝ちし、シリーズ初戦を制しました。これで藤沢女流本因坊は、5連覇に向けて順調なスタートを切りました。
対局は208手まで続き、午後5時7分に終局しました。中盤、藤沢女流本因坊は右上でのサバきが功を奏し、優位に立ちました。その後も隙を見せずに盤面をまとめ、牛四段に逆転の機会を与えないまま勝利を収めました。持ち時間は、藤沢女流本因坊が3時間13分を消費し、牛四段は3時間57分を使いました。
藤沢女流本因坊にとって、今回のシリーズは5連覇および通算8期目のタイトルが懸かる大事な一戦です。一方で、初挑戦となる牛四段は、このシリーズでの初タイトル奪取を目指しています。対局前から両者の注目度は高く、特に牛四段の挑戦はファンからも期待されています。
五番勝負の第2局は、10月20日に秋田県能代市の旧料亭金勇で行われる予定です。第1局で先勝した藤沢女流本因坊が引き続きリードを広げるのか、それとも牛四段が巻き返しを見せるのか、注目が集まります。
2024-08-28
8月27日、第29回三星火災杯統合予選の2日目が行われ、日本勢は9勝16敗となります。注目棋士のなか、井山王座と上野姉妹が勝利し、藤沢里菜女流本因坊は惜しくも敗退になります。
一般02組:[日]鶴田和志六段 ○-× [韓]白現宇五段
一般02組:[日]酒井佑規五段 ×-○ [韓]安正己七段
一般03組:[韓]安國鉉九段 ○-× [日]西岡正織四段
一般03組:[日]伊田篤史九段 ○-× [日]桑原樹初段
一般03組:[韓]韓遒永初段 ○-× [日]高橋良侑初段
一般04組:[韓]鄭燦皓アマ ○-× [日]関航太郎九段
一般05組:[日]張豊猷九段 ○-× [韓]徐芝山初段
一般06組:[日]平田智也八段 ×-○ [韓]崔載榮八段
一般06組:[台]牛詩特五段 ○-× [日]河原裕二段
一般07組:[韓]朴鍾勛七段 ×-○ [日]福岡航太朗五段
一般07組:[日]井山裕太九段 ○-× [台]林彥丞五段
一般07組:[中]金禹丞八段 ○-× [日]田中康湧五段
女子01組:[日]羽根彩夏二段 ×-○ [台]李嘉馨二段
女子01組:[中]方若曦五段 ○-× [日]岩田紗繪加二段
女子01組:[韓]吳正娥五段 ○-× [日]徐文燕二段
女子01組:[中]劉硯暢三段 ×-○ [日]上野愛咲美五段
女子01組:[日]謝依旻七段 ○-× [韓]金湊笌三段
女子02組:[韓]李瑟珠二段 ×-○ [日]上野梨紗三段
女子02組:[日]加藤優希初段 ×-○ [中]汪雨博五段
女子02組:[日]牛榮子四段 ○-× [韓]金多瑛五段
女子02組:[日]柳原咲輝初段 ×-○ [韓]曹承亞六段
女子02組:[台]俞俐均四段 ○-× [日]奧田彩四段
女子02組:[韓]吳侑珍九段 ○-× [日]森智咲二段
女子02組:[中]趙奕斐五段 ○-× [日]藤沢里菜七段
2024-04-17
第35期女流名人戦三番勝負(日本棋院主催)の第2局が17日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、挑戦者の藤沢里菜女流本因坊(25)が、上野愛咲美(あさみ)女流名人(22)に197手で黒番中押し勝ちし、2連勝でタイトルを奪取した。藤沢新女流名人は2期ぶり6回目の女流名人位獲得で、女流本因坊との2冠となった。上野女流名人は初防衛を果たせなかった。
終局後、藤沢新女流名人は「本局は後半いろいろと反省があったが、シリーズを通して自分の力を出し切れたと思う。これからも一回でも多く獲得できるよう頑張りたい」と話した。
特設ページ:第34期女流名人戦挑戦手合三番勝負
2024-04-09
『ミッドナイトスワン』で第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛(くさなぎつよし)を主演に、第42回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞の『孤狼の血』など映画界で高い評価を受け、本作が自身初の時代劇となる白石和彌(しらいしかずや)監督が奇跡のタッグを組んだ、古典落語をベースにした映画『碁盤斬り』(ごばんぎり)が、2024年5月17日(金)に全国公開されます。その映画に井山裕太王座、藤沢里菜女流本因坊が出演します。
3月6日(水)、映画に先駆け脚本を手がけた加藤正人氏による小説『碁盤斬り 柳田格之進異聞』(文春文庫)が発売された。囲碁愛好家の加藤氏は本作の脚本を監督、プロデューサーと話し合い、3年半かけて改訂を重ねてきたそうだ。小説では映画には描かれなかった格之進のその後も垣間見れると聞く。
公式ホームページには「武士の誇りを賭けた〈復讐〉を描く、感動のリベンジ・エンタテイメント」とある。確かに、主題になっているのは武士の誇りであり、復讐だろう。しかし本作を観てきた私は「これは囲碁の映画だ」と自信を持って言える。格之進の生き様と同じくらい一本に貫かれた加藤氏の囲碁への愛が詰まった名作。囲碁愛好家ならば観に行かざるを得ない。
2024-02-15
第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦、藤沢里菜女流本因坊―謝依旻七段が対決。藤沢女流本因坊が5連勝を決めるか、謝七段が挑戦権争いに残れるか、リーグ戦の行方に影響を与える重要な一戦。
藤沢里菜女流本因坊が謝依旻七段に勝利し、挑戦権を獲得しました。「厳しいリーグ戦で挑戦権を獲得できて嬉しいです。久しぶりにタイトル戦で愛咲美ちゃん(上野女流名人)と対局するので楽しみです」と藤沢女流本因坊。
関連棋譜:第35期女流名人戦博多カマチ杯リーグ(黒)藤沢里菜女流本因坊 対 謝依旻七段(白)
第50期天元戦本戦1回戦で、芝野虎丸名人が村本渉四段に勝利し、2回戦へ駒を進めました。次戦は河野臨九段―上野愛咲美女流名人の勝者と対決します。
関連棋譜:第50期天元戦本戦1回戦(黒)芝野虎丸名人 対 村本渉四段(白)
第49期棋聖戦Bリーグ、横塚力七段―柳時熏九段に勝利し、好発進を決めました。初のBリーグ入りした横塚七段の活躍に注目です。
関連棋譜:第49期棋聖戦Bリーグ(黒)柳時熏九段 対 横塚力七段(白)
第49期新人王戦本戦1回戦で、田中佑樹二段が池本遼太四段に勝利しました。田中二段は今年3勝0敗と好スタートを切っています。次戦では、西村仁二段―後藤一初段の勝者と対戦します。
関連棋譜:第49期新人王戦本戦1回戦(黒)田中佑樹二段 対 池本遼太四段(白)
第49期碁聖戦本戦1回戦、関航太郎九段が洪爽義五段に勝利し、2回戦進出を決めました。次戦は伊田篤史九段と対決します。
第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦、上野梨紗女流棋聖が井澤秋乃五段に勝利し、3勝2敗となりました。次戦は謝依旻七段と対決します。
関連棋譜:第35期女流名人戦博多カマチ杯リーグ(黒)上野梨紗女流棋聖 対 井澤秋乃五段(白)
第49期新人王戦本戦1回戦、三浦太郎三段が関涼介初段に勝利し、2回戦進出を決めました。次戦は原正和四段―中濵孝ノ輔二段の勝者と対戦します。
関連棋譜:第49期新人王戦本戦1回戦(黒)三浦太郎三段 対 関涼介初段(白)
2024-02-15
第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦、藤沢里菜女流本因坊―謝依旻七段が対決。藤沢女流本因坊が5連勝を決めるか、謝七段が挑戦権争いに残れるか、リーグ戦の行方に影響を与える重要な一戦。
女流名人リーグで藤沢里菜女流本因坊が謝依旻七段を破り、負けなしの5連勝で上野愛咲美女流名人への挑戦権を獲得しました。最終戦で藤沢さんが負け、仲邑菫三段が勝てば同星で並びますが、仲邑さんは挑戦手合前に日本棋院を離籍するためプレーオフは行われず、藤沢さんの挑戦が決まりました。
「厳しいリーグ戦で挑戦権を獲得できて嬉しいです。久しぶりにタイトル戦で愛咲美ちゃん(上野女流名人)と対局するので楽しみです」と藤沢女流本因坊。
関連棋譜:第35期女流名人戦博多カマチ杯リーグ(黒)藤沢里菜女流本因坊 対 謝依旻七段(白)
2021-10-22
藤沢里菜女流本因坊に星合志保三段が挑戦していた第40期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第3局は22日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、190手で藤沢女流本因坊が白番中押し勝ちし、3連勝で初防衛した。
藤沢女流本因坊は2期連続5度目の女流本因坊獲得となる。8期連続で5番勝負に出場しているが、タイトル防衛は初。
藤沢女流本因坊は今年、女流名人、女流立葵杯に続く防衛。挑戦手合制のタイトルで三冠を堅持した。トーナメント棋戦の扇興杯も含め、今年四つ目の女流棋戦優勝となる。
2021-10-08
藤沢里菜女流本因坊に星合志保三段が挑戦している第40期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第2局は8日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、午後5時53分、181手で藤沢女流本因坊が黒番中押し勝ちし、2連勝で初の防衛にあと1勝と迫った。
中盤の仕掛けから優勢に立った藤沢女流本因坊が、最後は白の大石を仕留めて勝ちきった。持ち時間各4時間のうち、残りは星合三段1分、藤沢女流本因坊28分。第3局は22日、同棋院で行われる。
2021-09-28
藤沢里菜女流本因坊に星合志保三段が挑戦する第40期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第1局は28日、岩手県花巻市の佳松園で打たれ、午後6時24分、281手で藤沢女流本因坊が白番半目勝ちし、先勝した。
穏やかな進行から終盤のヨセ勝負に。黒優勢とみられた最終盤、星合三段にミスが出て、最後は藤沢女流本因坊が最小差で白星をつかんだ。
藤沢女流本因坊は2期連続5度目のタイトルが懸かり、星合三段は初挑戦での奪取を目指す。
第2局は10月8日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。
2021-09-23
第60期十段戦最終予選決勝は23日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流本因坊が一力遼天元を破り、本戦トーナメント進出を決めた。
藤沢女流本因坊は初の十段戦本戦入りで、「一力天元に勝てると思っていなかったのでびっくりしている。本戦も今日みたいに伸び伸び打ちたい」と話した。一力天元は現在、七大タイトルの天元を保持し、名人戦7番勝負に出場しているトップ棋士。
十段戦の本戦は20人が出場し、許家元十段への挑戦権を争う。今期、女性では上野愛咲美女流棋聖も本戦入りを決めている。
2021-06-19
女流タイトル戦「第八期会津中央病院・女流立葵杯」の挑戦手合三番勝負第2局は19日、福島県会津若松市東山温泉の今昔亭で打たれ、郡山市ゆかりの藤沢里菜女流立葵杯が挑戦者の上野愛咲美女流棋聖に勝利した。通算二連勝で五連覇を達成し、名誉称号の資格を獲得した。
女流立葵杯での戴冠は、前身の「会津中央病院杯・女流囲碁トーナメント戦」での優勝を含め六度目。女流本因坊、女流名人、博多・カマチ杯(終了)も同時に保持する「女流四冠」を堅持し、女流タイトルの通算獲得を十八期に伸ばした。
今回の名誉称号を名乗るのは六十歳到達時、または引退時。
2021-06-18
「第8期会津中央病院・女流立葵杯」の挑戦手合三番勝負第1局は18日、福島県会津若松市東山温泉の「今昔亭」で打たれ、5連覇が懸かる郡山市ゆかりの藤沢里菜女流立葵杯が、挑戦者の上野愛咲美女流棋聖に240手で白番中押し勝ちした。
女流立葵杯で両者が三番勝負を打つのは、第6期以来2年ぶり。対局は上野女流棋聖が地合いで先行し、藤沢女流立葵杯が攻めシノぐ展開。中盤まで上野女流棋聖がリードしていたが、藤沢女流立葵杯が緩着をとがめて追い付き、冷静に終盤を攻め切った。
第2局は19日午前9時から同所で打たれる。藤沢女流立葵杯が勝てば2連勝で、5連覇と名誉称号の資格が決定する。上野女流棋聖が勝って1勝1敗のタイになれば、7月2日に東京都の日本棋院本院で決定局の第3局が行われる。
2020-11-25
第39期女流本因坊戦五番勝負(共同通信社主催)の最終第5局が25日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の藤沢里菜女流名人が上野愛咲美女流本因坊に274手で黒番半目勝ちを収め、シリーズ3勝2敗でタイトルを奪還した。
藤沢は前期、上野にタイトルを奪われ、リベンジを期して今期挑戦権を獲得。五番勝負でフルセットの激戦を制した。3日前の若手棋戦「若鯉戦」でも、女性として史上初めて男女競合の公式戦を制している。その決勝戦も、ポイント差にして最も小さい半目勝ち。ここ一番で勝負強さを発揮している。
藤沢は終局後、「第2、3局に負けて自信をなくしたが、最終戦は全力を出し切れた」と振り返った。
藤沢は今年初めには1冠だったが、10月に博多・カマチ杯で優勝。11月には女流名人戦再開に伴って女流名人に復位し、女流立葵杯と合わせた4冠となった。上野は扇興杯のみに後退した。両者は12月3日、女流棋聖戦の挑戦者決定戦でも顔を合わせる。
2020-11-22
広島アルミ杯・若鯉戦で22日、藤沢里菜女流立葵杯が果たした男女混合棋戦での女流初優勝は、男性優位が続いた囲碁界に新たな歴史の一ページを開く快挙だ。決勝で、孫喆七段との接戦を制して、332手までで白番半目勝ち。
「信じられない気持ちです。本当に光栄に思います」と終局後、快挙達成の喜びをかみしめた。
若鯉戦は30歳以下で七段以下の限定戦で、優勝賞金300万円。今回は、予選を突破した15人に、前期優勝の平田智也七段が加わった勝ち抜き戦で、21日に本戦1回戦と準々決勝を開催していた。
2020-10-31
上野愛咲美女流本因坊に藤沢里菜女流立葵杯が挑戦している第39期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第3局は31日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、午後4時52分、226手で上野女流本因坊が白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗として初防衛にあと1勝と迫った。
中盤、上野女流本因坊がポイントをあげて優位に立ち、押し切った。持ち時間各4時間のうち、残りは上野女流本因坊15分、藤沢女流立葵杯53分。第4局は11月7日、同棋院で行われる。
特製ページ:第39期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負
2020-10-18
上野愛咲美女流本因坊に藤沢里菜女流立葵杯が挑戦している第39期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第2局は18日、鳥取県湯梨浜町の望湖楼で打たれ、午後5時25分、201手で上野女流本因坊が黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイとした。
右下から下辺の黒模様を大きな地にまとめた上野女流本因坊が勝ちきり、今シリーズ初勝利を収めた。
持ち時間各4時間のうち、残りは上野女流本因坊20分、藤沢女流立葵杯15分。
第3局は31日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。
特製ページ:第39期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負
2020-10-09
第1回博多・カマチ杯女流オープン戦の決勝が9日、福岡市で行われ、藤沢里菜女流立葵杯が231手までで、上野愛咲美女流本因坊に黒番中押し勝ちし優勝した。タイトル獲得は通算14期。
同オープン戦は次回から「第32期博多・カマチ杯 女流名人戦」として実施すると日本棋院が発表した。「女流名人戦」は産経新聞社と日本棋院が主催し、第31期まで行われ、平成31年3月の三番勝負決着後、休止していた。予選をへて7人総当たりによるリーグ戦で挑戦者を決め来年4月、藤沢女流名人(第31期優勝者)との三番勝負を実施するという。
女流棋戦は女流本因坊戦・女流名人戦・女流立葵杯・女流棋聖戦・扇興杯女流最強戦の5つになる。
2020-08-27
第39期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)本戦決勝は27日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流立葵杯が204手で星合志保二段に白番中押し勝ちし、挑戦権を獲得した。藤沢女流立葵杯は、前期、上野愛咲美女流本因坊に奪取されたタイトルへの返り咲きを目指す。
藤沢女流立葵杯は今日の碁について「後半得をしたけどずっと細かくて、振り返ると苦しい碁だったかなと思う」。上野愛咲美女流本因坊へのリターンマッチについては「昨年失冠したのはとても悔しかったが、また5番勝負を打てるのが今から楽しみです」と話しました。
星合志保二段はこれまで女流本因坊戦本戦での勝利がありませんでしたが、今期、初勝利を挙げると4連勝で挑戦者決定戦まで進出しました。「あんまり縁がなかった棋戦なので、ここまで来られたのはよかった」と話しました。
2020-07-29
29日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流立葵杯が229手までで、挑戦者の鈴木歩女流棋聖に黒番8目半勝ちし、シリーズ2連勝で4連覇を達成した。タイトル獲得は通算13期。鈴木女流棋聖は初の女流立葵杯獲得を逃した。
藤沢女流立葵杯は対局後、「半目の差で勝った第1局(27日)は運がよかった。その勢いにのってきょうも勝つことができた」と笑顔を見せた。新型コロナウイルスの感染拡大のため、対局が休止になっていた4、5月は「ひとり暮らしの生活で掃除や料理が成長した」と笑わせたあと、「毎年この棋戦は福島県会津若松市で対局が行われる。コロナが収束し、来年は訪れることができたら」と話した。
特設ページ:第7期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2020-07-27
第7期女流立葵杯三番勝負の第1局が27日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流立葵杯が259手までで、挑戦者の鈴木歩女流棋聖に白番半目勝ちし、4連覇へあと1勝とした。第2局は29日に同所で打たれる。
次戦に向けて、藤沢女流立葵杯は「自分の力を精いっぱい出し切れるように頑張りたい」。
鈴木女流棋聖は「気持ちを切り替えて自分らしく打てるように頑張りたいと思います」と話した。
特設ページ:第7期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2020-02-16
第1回博多・カマチ杯2回戦は今日日本棋院東京本院で行われました。
上野愛咲美女流本因坊、向井千瑛五段、牛栄子二段(黒嘉嘉七段に半目勝ち)、藤沢里菜女流立葵杯(辻華初段に中押し勝ち)は準決勝へ進出しました。準決勝は4月13日、決勝戦は4月14日日本棋院東京本院で行われます。
http://www.igo-kifu.com/kifu/5221
http://www.igo-kifu.com/kifu/5222
http://www.igo-kifu.com/kifu/5223
http://www.igo-kifu.com/kifu/5224
2019-12-19
第45期棋聖戦(読売新聞社主催)予選トーナメント3回戦が19日行われ、上野愛咲美女流二冠が横塚力七段に黒番中押し勝ちし、準決勝に進んだ。上野女流二冠は今年43勝目(25敗)で、藤沢里菜女流三冠が昨年マークした女流の年間最多勝記録に並んだ。
2019-11-18
藤沢里菜女流名人は18日、東京都千代田区の日本棋院で行われた第45期名人戦の最終予選決勝で、女性棋士初のリーグ入りをかけて一力遼八段と対局したが、敗れた。
囲碁ではタイトル保持者への挑戦者を決めるため棋聖戦と名人戦、本因坊戦でリーグ制を実施している。これまでは平成23年の第36期棋聖戦で、鈴木歩六段が最終予選決勝に進出、12人によるリーグ入りにあと1勝と迫ったのが最高で、またしても壁を崩せなかった。
藤沢女流名人は「予選Cから勝ち上がってこれたのはよかったが、決勝は内容も悪く残念。実力が足りない。力をつけて、もう一度臨むことができれば」と淡々と語った。
一方、これまで3度、チャンスがありながら逃していた一力八段は、プロ10年目で初の名人戦リーグ入りを決めた。9月には上野愛咲美女流棋聖と竜星戦決勝で対戦、女性初の一般棋戦優勝を阻止している。「そういう役回りなのかな、と思っていた。竜星戦で追い込まれた局面を経験したので、きょうは慎重に打った」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
5つある女流タイトルのうち女流立葵杯・扇興杯とあわせ3冠を保持する藤沢女流名人は今期の名人戦で、王銘琬九段や大西竜平四段、志田達哉八段らを破ってきた。
9人による名人戦リーグ入りはならなかったが、藤沢女流名人は今年1月、第45期天元戦の本戦1回戦で男性棋士に勝利。七大タイトル戦の予選を勝ち抜いた女流棋士は小林泉美六段ら過去10人(のべ12例)いるが、本戦(天元戦は32人)で勝利したのは13例目の藤沢女流名人が初めてだった。
2019-11-15
上野愛咲美女流棋聖が15日、2冠目のタイトルを獲得した。東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた第38期女流本因坊戦挑戦手合5番勝負第4局で、藤沢里菜女流本因坊(女流立葵杯、女流名人、扇興杯)に200手までで白番中押し勝ちした。これで対戦成績を3勝1敗とし、女流本因坊を初めて獲得した。藤沢は3冠に後退した。
上野が女流本因坊をもぎ取った。初戦こそ落としたが、第2局から3連勝。現在、囲碁界に5つある女流タイトルを二分する藤沢との頂上対決で、タイトルを奪った。「中盤乱れたが、最後にうまくまとめられた」と第4局を振り返った。
昨年1月、第21期女流棋聖戦で謝依旻(しぇい・いみん)六段を下して初タイトル。16歳3カ月での獲得は、この棋戦史上最年少記録だ。今年は藤沢を下して初防衛した。9月の第28期竜星戦決勝では、一力遼竜星(22)に敗れて準優勝だったが、全員に参加資格がある棋戦で、女流棋士として初めて決勝進出を果たした。勢いに乗って挑戦権を得て、2冠となった。「満足いくシリーズになった。テレビで見ていた女流本因坊戦に出られて、打つ前からうれしかった」。タイトル獲得で喜びも倍増した。
相手の弱い守備陣に強烈なパンチを打ち込んで粉砕する。その戦い方は、囲碁界で「上野ハンマー」と呼ばれる。師匠の藤沢一就八段(55)も、「ライオンみたいな囲碁。女子高生がニコニコしながらハンマーを持って追いかける」と、称する。「本人の長所を伸ばして好きなように打たせる。ただし、一生懸命考えて打つこと」との教えを忠実に守った。
ふだんはのんびり屋。通常朝10時からの対局だが、午後8時開始の竜星戦決勝の前には、妹の梨紗(りさ)初段と鬼ごっこをして遊んでから会場入りしたという。それが研究会などでいったん盤に向かうと、周囲の話しにまったく気付かないほど集中する。今回も同じだった。
対戦相手の藤沢は師匠の長女でもあり、盤から離れれば一緒にボルダリングを楽しむ仲でもある。「運動は嫌いだけど、運動神経の良くない里菜先生よりはできるかな?」が、2カ月ほど前に始めた理由だった。ライバル心は、盤上でもしっかり表現した。
2019-10-31
31日、「第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権」2回戦が行われ、藤沢里菜四段が中国の陸敏全五段に勝利し、準決勝に進出した。準決勝は中国の周泓余五段と対戦する。
中盤で白が大きな取捨選択を迫られた。AIは「A位」で後ろ半分を取るだけで局面が十分だと示す。藤沢四段が「B位」で最強手を選んで、激しい戦いを制し、黒の大石を全部取れた。中押し勝ちとなった。
2019-10-30
30日、「第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権」1回戦が行われ、藤沢里菜四段が2回戦に進出した。上野愛咲美三段、謝依旻六段は敗退となった。藤沢里菜四段2回戦の相手は中国の陸敏全五段。
上野愛咲美三段は33手目で致命的なミスが出た。白の34手目に分断された後、黒の調子が崩れた。
芮廼偉九段の48手目「絶妙の一手」の後、局勢が白有利になった。後半は謝依旻六段がかなり頑張ったが、残念ながら逆転できず1.5目負けになった。
↑↑AIの予想図↑↑
↑↑実戦の手順↑↑
2019-10-29
第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権は30日に中国で開幕、日本より藤沢里菜四段、上野愛咲美三段、謝依旻六段の3名が出場する。
夢百合杯は本戦には16名が出場し、出場者の内訳は中国6名、日本3名、韓国3名、中華台北2名、欧米2名となっている。優勝賞金は30万元(約480万円)、準優勝は10万元(約160万円)、対局料は1局8000元(約13万円)。
1回戦の対局カード:
2019-10-09
藤沢里菜女流本因坊に上野愛咲美女流棋聖が挑戦する第38期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第1局は9日、岩手県花巻市の佳松園で打たれ、午後7時17分、308手で藤沢女流本因坊が白番3目半勝ちし、先勝した。
藤沢女流本因坊は2期連続、通算4期目のタイトルを目指し、上野女流棋聖は初挑戦での奪取が懸かる。
長手数の熱戦を藤沢女流本因坊が制した。
第2局は27日、秋田県能代市の旧料亭金勇で行われる。
2019-08-29
藤沢里菜女流本因坊(20)への挑戦者を決める第38期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)の本戦決勝は29日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、上野愛咲美女流棋聖(17)が鈴木歩七段(35)に白番中押し勝ちし、初挑戦を決めた。
上野女流棋聖は東京都出身。藤沢一就八段門下で、2016年プロ入り、18年二段。同年1月、初タイトルの女流棋聖を獲得、今年は藤沢女流本因坊の挑戦を退け初防衛した。今回は二冠目を目指す。
5番勝負第1局は10月9日、岩手県花巻市の佳松園で行われる。
2019-08-25
史上最年少プロ・仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が25日、広島・広島市の中国新聞ホールで開催された「日本棋院広島県本部創立40周年記念イベント」で、藤沢里菜女流4冠(20)と記念公開対局を行い、藤沢4冠が187手までで中押し勝ちした。
序盤は仲邑初段が積極的に攻め、押す場面も。見守った約300人からは健闘をたたえる拍手が湧いた。終盤、藤沢4冠に現役女流最強の底力を見せつけられ、突き放された。終局後の会見で仲邑初段は「憧れの藤沢先生とできてうれしかった。強かったです」と照れ笑いを浮かべた。
藤沢4冠は「10歳なのに、集中力とか、形勢判断力とか碁盤全体を見ている。数年後と言わず、数か月後に(タイトル戦が)あるかもしれないなという勝負強さがありました」と、小学生プロ棋士をたたえた。
解説には、父の仲邑信也九段(46)も登場。自宅では「よくしゃべる」と明かし、父娘で対局もしていると語った。
2019-07-14
囲碁の第4回扇興杯女流最強戦の決勝が14日、滋賀県東近江市で行われ、藤沢里菜女流名人(20)が281手までで、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)に黒番1目半勝ちし、第2回以来の優勝を果たした。5つある女流タイトルのうち女流名人・女流本因坊・女流立葵(たちあおい)杯を保持する藤沢は平成29年11月以来、自身2度目の4冠になった。
藤沢女流名人は対局後、「二転三転、四転五転する難しい対局でしたが、よい結果に結びつけることができた。(トーナメント戦を勝ち抜いて)また来年、この場で成長した姿を見せられたら」と語った。
藤沢女流名人は22年に11歳6カ月でプロ入り。26年に第1回会津中央病院杯(現女流立葵杯)で優勝するなど女流タイトル獲得は通算12期で、謝六段(27期)に次ぎ単独2位になった。今年1月には女流棋士としては初めて、七大タイトル戦の本戦で勝利するなど、男性棋士にも劣らない活躍をみせている。
囲碁界の女流トップである2人は、27年以降、何度もタイトル戦の大舞台で戦ってきた。28年には史上初めて、5つある女流タイトルを独占した謝六段だが、台頭してきた藤沢女流名人に奪われることが多くなり昨秋、第37期女流本因坊戦五番勝負を1勝3敗で落とし、11年1カ月ぶりに無冠へ転落していた。平成最後の女流タイトル戦になった今春の第31期女流名人戦三番勝負でも、藤沢女流名人に1勝2敗で敗れ奪還はならなかった。謝六段は「序盤から苦しかった。途中、持ち直したかと思ったが(最終的)足りなかった」と話した。
2019-07-03
2019三星火災杯ワールド囲碁マスターズ(主催:中央日報・KBS、主管:韓国棋院、協賛:三星火災海上保険株式会社)の統合予選が6月30日からソウル市の韓国棋院で始まった。予選4日目を終えて、日本勢5名:藤沢里菜四段、趙善津九段、柳時熏九段、大矢浩一九段、中野寛也九段が予選準決勝に進出した。
2019-06-25
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」で初めて十段位を獲得した村川大介十段(28)と「第31期女流名人戦三番勝負」で3連覇を果たした藤沢里菜女流名人(20)の合同就位式が25日、東京都港区のグランドハイアット東京で行われ、関係者ら約150人が祝福した。
村川十段に日本棋院と関西棋院から、藤沢女流名人には日本棋院から允許状がそれぞれ授与された。
対井山裕太四冠(30)戦に勝って初の十段位を獲得した村川十段は「人工知能(AI)のマネではなく自分の頭で考え強くなっていき、防衛を続けたい」と謝辞。また、謝依旻六段(29)に勝利した藤沢女流名人は「国内、国際棋戦に関わらず自分らしい碁を打っていきたい」とさらなる活躍を誓った。
賞金目録と賞杯を手渡した産経新聞社の飯塚浩彦社長は「平成生まれのお二人が、令和の囲碁界も牽引されることを期待しています」と激励した。
2019-04-28
中国主催の女流世界戦、第2回呉清源杯世界女流囲碁選手権は4月28日に2回戦が行われた。
2回戦には日本から藤沢里菜四段と上野愛咲美二段が出場し、藤沢は敗れたものの上野が勝って準々決勝に進出した。準々決勝では中国の芮廼偉九段と対戦する。
呉清源杯世界女流囲碁選手権には、日本から藤沢里菜四段、上野愛咲美二段、万波奈穗四段、謝依旻六段、牛栄子二段が出場している。
準々決勝対局カード
芮廼偉九段(中国)―上野愛咲美二段
王晨星五段(中国)―呉侑珍六段(韓国)
李赫五段(中国)―王爽四段(中国)
高星四段(中国)―崔精九段(韓国)
2019-03-22
囲碁の第31期女流名人戦3番勝負の第3局は22日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流名人(20)が挑戦者の謝依旻六段(29)に白番中押し勝ちし、2勝1敗で3連覇を達成、女流本因坊、女流立葵杯と合わせ三冠を守った。
藤沢女流名人は今回の防衛で、女性棋戦優勝の通算回数を10とした。
謝六段は昨年12月に女流本因坊を失い、挑戦手合制の棋戦で11年ぶりに無冠となった。それ以来のタイトル復帰が懸かったが、あと一歩届かなかった。
藤沢女流名人は平成10年、埼玉県出身。藤沢秀行名誉棋聖門下。22年に女流棋士特別採用では最年少となる11歳6カ月でプロ入り。26年には16歳1カ月の史上最年少で女流本因坊を獲得した。29年に第29期女流名人を奪取。昨年の女流本因坊戦でも謝を破っていた。今回のタイトル防衛により、タイトル獲得は通算10期となった。
「シリーズを通して難しい碁ばかりだったので、3連覇することができうれしい。第3局はミスもあり反省点が多かったが、最も自分らしく打つことができた。このあと国際棋戦も多く出場できる。忙しくなるのはうれしいです」
2019-03-18
囲碁の第四十五期天元戦の本戦トーナメント二回戦が十八日、大阪市の関西棋院で打たれた。女性で初めて七大タイトル戦本戦で白星を挙げたことで注目を集める藤沢里菜女流三冠が、坂井秀至八段に敗れ、八強入りを逃した。
坂井八段は関西棋院所属で、七大タイトルの一つ名人戦の本戦リーグに九期在籍した実績がある。黒番の藤沢女流三冠は、積極的に攻めたが、経験に勝る坂井八段に巧みにかわされ、二百六手までで中押しで敗れた。対局後、「本局は完敗だったので悔しさが残る。まだまだ実力が足りない。本戦でもっと上に行けるよう力をつけて頑張りたい」と話した。坂井八段は「結果的に逃げ切れた。(藤沢女流三冠は)ここまで勝ち上がっても何ら不思議がない強豪。特に男女を意識しなかった」と話した。
2019-03-14
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第2局が14日午前9時半から、京都市上京区の平安女学院大学「有栖館」で行われ午後5時4分、藤沢里菜女流名人(20)が189手までで、挑戦者の謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。持ち時間各3時間で残りは藤沢が9分、謝は1分。最終第3局は22日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。
謝の先勝で迎えた第2局は、下辺白46、48と我慢した謝が左上と右下を、藤沢が右上と左下を占める展開で、長期戦の気配だった。
白の薄みを狙う藤沢は、右下黒33とハネ出しから戦いを仕掛け、激しい競り合いに突入した。
謝は中央の白12手目から早々に残り1分の秒読みに突入したが、白18ツケコシのあと、白26から30まで黒8子を取り込み優勢を築いた。持ち時間に余裕のあった藤沢が、上辺の黒模様をどれだけまとめられるかが、勝負の分かれ目になった。そのなかで白36が謝の失着。白は39などに打ち、上辺を黒地にさせないほうがよかった。
「黒1が上辺を大きく囲うがんばった一着」で藤沢が逆転に成功した。謝も白2と反発し、取るか取られるかの際どい戦いになったが、藤沢が黒23、25と正確にトドメをさして勝敗は決した。
藤沢女流名人の話「黒137で手応えを感じた。内容がよかったとは言えない。次は自分らしく精いっぱい打ちたい」
謝六段の話「ずっと難しいと思っていた。勝負どころの後半に持ち時間を残すような打ち方をしないと」
2019-03-13
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第2局(平安女学院大学協力)が14日、京都市上京区の同大所有の登録有形文化財「有(あり)栖(す)館」で行われる。同館での対局は8年連続。
今期の三番勝負は、3連覇が懸かる藤沢里菜女流名人(20)に、平成28年まで女流名人9連覇の謝(しぇい)依(い)旻(みん)六段(29)が挑む。第1局は、謝六段が先勝。藤沢女流名人がタイに戻すか、謝六段が一気に奪還を決めるか、注目の一局だ。
13日は学内で前夜祭が行われた。藤沢女流名人は「明日の対局は厳しい戦いになる。自分らしく精いっぱい力を発揮できれば」と意欲を示し、謝六段は「昨年は(対局者として)来られず悔しい思いをした。長い戦いとなるが、頑張りたい」と闘志を見せた。持ち時間各3時間の1日打ち切り制で、立会人は円田秀樹九段。
14日午後2時から、同大学室町館Mホールで大盤解説会がある。関西棋院の今村俊也九段と、妻で囲碁インストラクター、康子さんが解説する。入場無料。
2019-03-07
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第1局が6日午前9時半から、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時58分、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)が241手までで、藤沢里菜女流名人(20)に黒番中押し勝ちし、3期ぶりの奪還へ向け先勝した。持ち時間各3時間で残りはともに1分だった。第2局は14日、京都市上京区の平安女学院大学「有栖館」で行われる。
白10ツケや黒15の“ダイレクト三々”など、AI(人工知能)搭載囲碁ソフトが推奨する手順が頻出する布石で始まった一局は、黒の実利VS白の模様の展開に。
黒43マガリが評価の分かれる着手で「黒62にツイだほうが打ちやすかったのでは」と立会人・石井邦生九段の指摘。白48カケが好手で、中央白68まで藤沢が主導権を握った。
黒105の強烈な切りに対し白106、108の出切りなど、右下の折衝が難解な勝負どころになった。
劣勢を意識したか、左辺の黒141は勝負手。対する白146が打ちすぎ。147とノビていれば優勢だったが、残り1分の秒読みに追われて不本意な手を連発。一方、黒161まで生きた謝が逆転に成功した。
この後のヨセも冷静に打った謝。地合が足りないとみた藤沢が投了し、3期ぶりの奪還に向け発進した。
「アチコチで戦いが起こった難解な一局。両者の持ち味が存分に出た見応えある対局だった」と石井九段は振り返った。
謝六段の話「左辺を生きて、少し残りそうだと思った。第2局も一生懸命打つだけです」
藤沢女流名人の話「中盤以降、よくなる図が見えなかった。気持ちを切り替えて次に臨みたい」
2019-03-03
ペアを組んだ男女が交互に打つ「プロ棋士ペア碁選手権2019」(日本ペア碁協会主催)の決勝が3日、東京都千代田区の日本棋院で行われ藤沢里菜女流名人(20)・一力遼八段(21)組が、大沢奈留美四段(42)・許家元(きょ・かげん)碁聖(21)組を破り初優勝した。藤沢・一力組は今夏に行われる世界ペア碁最強位戦に日本代表として出場する。
ペア碁選手権には16組32人が出場、2月9日に1回戦から準決勝が行われ、両ペアとも3勝した。相談して打つことはできないため、2人の息が合わないとうまく進めることができないところがペア碁の難しさでもあり、魅力でもある。藤沢女流名人が「一力八段とは安心して打つことができた。優勝できてうれしい」と言えば、一力八段も「ひとりで打っているときのように違和感がなかった」と笑顔をみせた。藤沢女流名人は平成29年に羽根直樹九段と組み優勝しているが、一力八段は初の優勝。藤沢・一力組はともに10代だった27年にも組んで、そのときは1回戦で負けている。
藤沢女流名人は6日に開幕する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)で、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)の挑戦を受ける。ペア戦での優勝を弾みに、女流名人3連覇を目指す。
平成10年(1998年)9月18日生。埼玉県出身。故藤沢秀行名誉棋聖門下。平成22年入段(11歳6ヶ月で入段。女流棋士特別採用最年少記録)、25年二段、27年三段、30年四段。令和5年賞金ランキング昇段で六段へ昇段、令和6年七段。藤澤一就八段は実父、横塚力七段は夫
2024-12-16
第28期ドコモ杯女流棋聖戦(主催:日本棋院、協賛:株式会社NTTドコモ、協力:関西棋院)の挑戦者決定戦が12月16日(月)、日本棋院東京本院で行われました。上野愛咲美女流立葵杯と向井千瑛六段が対戦し、299手までの激戦の末、向井六段が黒番5目半勝ちを収め、上野梨紗女流棋聖への挑戦権を獲得しました。
向井千瑛六段にとって、上野愛咲美女流立葵杯との対戦は15回目にして初白星。これまで苦戦を強いられていた強敵を乗り越え、「自分が一番ビックリしてます」と感想を述べました。向井六段にとっては17期ぶりの挑戦手合三番勝負出場となり、長い時を経ての快挙となりました。
上野梨紗女流棋聖と向井千瑛六段による第28期女流棋聖戦 挑戦手合三番勝負は、2025年1月16日(木)に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で開幕します。
2024-12-12
【第36期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)謝依旻七段 対 上野愛咲美立葵杯(白) 実戦からの問題です。△黒石をどう取るかどうかが課題、手順は大事です。
2024-12-07
12月7日、トップ女流棋士4人による囲碁イベント「女流囲碁アマノ杯青龍戦」が開催されました。このイベントの最大の特徴は、参加する全ての棋士が着物姿で対局に臨むというユニークなルールです。
参加者は、藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美女流立葵杯、上野梨紗女流棋聖という現役タイトルホルダーに加え、歴代最多タイトルを持つ謝依旻七段です。対局は1手30秒のNHK杯方式で進行し、2回戦のトーナメント形式で行われました。
決勝戦では、藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯を相手に黒番1目半勝ちで優勝を決めました。優勝者には柳田泰山先生が揮毫した記念皿「青龍」が贈られ、さらに井山裕太王座からの祝辞や真下玲奈さんから花束も贈呈されました。
2024-12-02
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権で初優勝を果たした上野愛咲美女流立葵杯が、12月2日に帰国し、東京都千代田区の日本棋院で記者会見を行いました。
冒頭では、「優勝できるとは思っていなかった」と語りながらも、笑顔でその喜びを表現しました。
「あまり実感はありませんが、謝依旻先生から花束をいただき、とてもうれしかったです」
「おなかがすいていたので、謝先生たちと洋食を食べ、その後にケーキとアイスをいただきました」
「第1局は序盤の戦いで、前日に謝先生と相談した形が出てきたので、それで流れをつかめました。第2局は相手の強さが光りまくっていて全然ダメでしたが、第3局は気楽に打てた部分もあって、いい碁が打てたかなと思います」
「ヨセ勝負になるとは思っていなかったので、自分はヨセが苦手だから『あーっ』という感じでした。でも、時間が少し残っていたおかげでなんとか踏ん張ることができました」
「ナショナルチームで世界戦に役立つ練習をするようになったことと、AIの普及によって実力差が縮まっていることが理由だと思います」
「『SENKO CUPワールド碁女流最強戦』での優勝を目指しています。また、男女混合の世界戦に出場し、楽しみながら打ちたいです」
「唐嘉雯六段とは初めての対局だったので、新鮮な気持ちで打てました。それがとても良い経験になりました」
2024-12-01
12月1日、第7回「呉清源杯・福建海峡銀行」世界女子囲碁選手権の決勝三番勝負最終局が中国・福州市の呉清源囲棋会館で行われました。上野愛咲美五段が中国の唐嘉雯六段に中押し勝ちし、2勝1敗で初優勝を飾りました。
本局で勝利を収めた上野愛咲美五段は、日本女流棋士として初の呉清源杯優勝者となりました。上野五段はこれまでにも2022年の扇興杯世界女子囲碁最強戦で優勝し、今年の黄龍士杯では準優勝するなど国際舞台で活躍を続けています。また、男子世界チャンピオンの謝爾豪八段を撃破するなど、その競技力は高く評価されています。
上野五段の優勝は、一力遼九段が今年9月に応氏杯で優勝した快挙と並び、日本囲碁界の復活を象徴するものとなりました。この2つの優勝により、日本囲碁は中韓の二強時代から三国鼎立の新たな時代へと進んでいることを強く印象付けました。
表彰式では中国囲棋協会の常昊主席がスピーチを行い、囲碁界を祝福しました。
「本日は特に上野愛咲美五段が優勝されたことをお祝い申し上げます。これは日本の棋士が初めて呉清源杯のタイトルを獲得した快挙です。数か月前、応昌期杯の決勝戦の際に、日本の『読売新聞』の記者から取材を受けました。その時、『日本の囲碁レベルについて率直に意見をお聞かせください。私が日本の記者だからといって遠慮せず、正直な考えを教えてほしい』と言われました。」
「日本の囲碁はかつて非常に輝かしい時代がありましたが、この20年以上は低迷期にありました。しかし、近年になって日本の囲碁の成績には目に見える変化が見られます。特に若い棋士たちの成長が著しく、その実力が急速に向上しているのが分かります。そして、彼らの囲碁への愛情と情熱は非常に強いものがあります。これから必ず素晴らしい成績を残していくことでしょう」
「今年9月、応昌期杯という男子棋戦の最高峰で日本の一力遼九段が優勝しました。そして今回、女子棋戦の最高峰である呉清源杯で上野愛咲美五段が優勝されました。これにより、日本の囲碁界における男女のレベルがともに大きく進歩していることが示されたと思います。もちろん、中国囲碁協会の主席としては、中国チームがこのタイトルを獲得することを望んでいましたが、今回唐嘉雯六段も非常に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。」
中国の芮乃偉(ルイ・ナイウェイ)九段が「呉清源杯レジェント賞」を受賞しました。この賞は、囲碁界で卓越した業績を残し、多くの後進に影響を与えた人物に贈られる特別な栄誉です。
2024-11-30
11月30日、「第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権」決勝三番勝負第2局が中国・福建省福州市の呉清源囲棋会館で行われ、中国の唐嘉雯(とう・かぶん)六段が日本の上野愛咲美五段を黒番中押しで破りました。これにより、両者の対戦成績は1勝1敗となり、優勝の行方は明日12月1日の最終第3局で決まることになりました。
ファンイベントで「囲碁界で最もイケメンは誰?」と質問された際、謝依旻七段は「一力遼九段では?」と答えました。この回答に、会場は笑いと拍手で包まれました。
会場入口には大会のイメージキャラクターである戦鷹二段の塑像が設置され、多くの囲碁ファンの注目を集めました。この塑像を背景に記念写真を撮るファンが続出し、SNSでは「リアル戦鷹さんの頭はもっとデカイ」などといったコメントが投稿され、ユーモア溢れるやり取りが広がりました。
呉清源杯の決勝戦は明日、12月1日に行われる第3局で最終決着を迎えます。
2024-11-29
11月29日、中国福建省福州市の「呉清源囲棋会館」で「第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権」の決勝三番勝負第1局が行われました。日本の上野愛咲美五段が中国の唐嘉雯六段を破り、世界タイトル獲得に王手をかけました。第2局は翌30日に同会場で行われます。
唐嘉雯六段は下辺での重要な場面で大きなミスを犯しました。上野五段が白棋を攻めた際、唐六段は意外にも捨て石を選びましたが、この判断が本局最大の敗着となりました。黒棋が大きな利益を得た後、盤上の形勢は黒有利に傾きました。
優勢を確立した上野五段は、その後も積極的な打ち回しで形勢を一気に広げました。上辺で大胆に大空を囲む構想を実行し、唐六段の反撃も抑えしました。唐六段は中腹で模様を形成し逆転を狙いましたが、上野五段は冷静に周囲から侵略し、白棋の実地を削り取っていきました。最終的に唐六段は形勢の挽回が不可能と判断し、投了しました。
優勝:50万元(約1000万円)
準優勝:20万元(約400万円)
2024-11-27
第7回呉清源杯準決勝が27日に打たれ、上野愛咲美五段が於之瑩八段に黒番1.5目勝ちを収め、決勝三番勝負進出を決めました。対戦相手は唐嘉雯六段(中国)となります。決勝三番勝負は29日、呉清源囲碁会館で行われる予定です。
上野愛咲美五段 1.5目勝ち 於之瑩八段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 3.5目勝ち 金恩持九段(韓国)
2024-11-26
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月26日、準々決勝が行われ、上野愛咲美五段が勝利し準決勝進出しました。一方で、藤沢里菜七段は於之瑩八段(中国)に敗れ、敗退しました。準決勝は11月27日 13時より行われます。
於之瑩八段(中国) 中押し勝ち 藤沢里菜七段
上野愛咲美五段 1.5目勝ち 李赫六段(中国)
金恩持九段(韓国) 2.5目勝ち 羅楚玥六段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 中押し勝ち 呉侑珍九段(韓国)
2024-11-25
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月25日、2回戦が行われ、日本から出場している藤沢里菜七段と上野愛咲美五段勝利し、3回戦への進出を決めました。一方で、上野梨紗三段は羅楚玥六段(中国)に敗れ、2回戦で敗退しました。準々決勝は11月26日(火)13時より行われます。
藤沢里菜七段 中押し勝ち 王晨星五段(中国)
上野愛咲美五段 中押し勝ち 魏欣桐三段(中国)
羅楚玥六段(中国) 中押し勝ち 上野梨紗三段
於之瑩八段(中国) 中押し勝ち 曹又尹三段(中国)
呉侑珍九段(韓国) 中押し勝ち 周泓余七段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 中押し勝ち 芮廼偉九段(中国)
李赫六段(中国) 中押し勝ち 崔精九段(韓国)
金恩持九段(韓国) 中押し勝ち 秦思玥二段(中国)
2024-11-24
11月24日、中国福州市の三坊七巷郭柏蔭故居で、第7回「呉清源杯・福建海峡銀行」世界女子囲碁選手権の第1回戦が行われました。日本からの出場は、藤沢里菜七段、上野愛咲美五段、上野梨紗三段の3名です。2回戦にシードされており、25日から対局となります。
試合会場近くでは、劉小光九段による大盤解説が実施され、多くの囲碁ファンや観光客が足を止めて観戦しました。特に囲碁を学ぶ子どもたちからは、分かりやすい解説に歓声が上がりました。
2024-10-22
第一回「南洋杯」世界囲碁マスターズが11月1日に開幕する予定です。日本5名(うち1名が女性棋士)、中国11名(うち1名が女性棋士)、韓国6名(うち1名が女性棋士)、中華台北2名、欧州1名、北米1名、シンガポール1名、マレーシア1名、タイ1名、インドネシア1名となっており、主催者側のワイルドカードが2枚用意されています。
大会は2つのステージに分かれて開催されます。第1ステージは2024年11月1日から7日まで中国四川省成都市で行われ、32強から準決勝までの対局が進行します。決勝と3位決定戦は、2025年2月25日から3月2日までシンガポールで行われる予定です。