2019年6月14日
中国の団体リーグ戦・乙級リーグ、丙級リーグ、女子リーグが、6月14日に中国浙江省衢州市で開幕します。日本からは乙級リーグに、中日友好チームとして許家元八段、本木克弥八段、余正麒八段、芝野虎丸七段が参加します。
また、個人として大西竜平四段が乙級リーグの河北省チームに、牛栄子二段が女子リーグのハルピン六合中天チームに参加します。
2019年3月3日
「プロ棋士ペア碁選手権2019」(日本ペア碁協会主催)の決勝が3日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流名人(20)・一力遼八段(21)組が、大沢奈留美四段(42)・許家元(きょ・かげん)碁聖(21)組を破り初優勝しました。藤沢・一力組は今夏に行われる世界ペア碁最強位戦に日本代表として出場します。
ペア碁選手権には16組32人が出場し、2月9日に1回戦から準決勝が行われ、両ペアとも3勝しました。相談して打つことはできないため、2人の息が合わないとうまく進めることができないところがペア碁の難しさでもあり、魅力でもあります。藤沢女流名人は「一力八段とは安心して打つことができた。優勝できてうれしい」と言い、一力八段も「ひとりで打っているときのように違和感がなかった」と笑顔を見せました。藤沢女流名人は平成29年に羽根直樹九段と組み優勝していますが、一力八段は初の優勝です。藤沢・一力組はともに10代だった27年にも組んで、そのときは1回戦で負けています。
藤沢女流名人は6日に開幕する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)で、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)の挑戦を受けます。ペア戦での優勝を弾みに、女流名人3連覇を目指します。
平成9年(1997年)12月24日生。台湾出身。高林拓二七段門下。平成25年入段、26年二段、27年三段、28年四段、29年七段、30年八段。令和3年九段。
2024年12月19日
12月19日、中国海南省で行われた第15回春蘭杯世界プロ囲碁選手権大会準決勝で、日本の芝野虎丸九段は韓国の朴廷桓九段と対戦しました。激戦の末、芝野九段は中押し負けを喫し、初の決勝進出は叶いませんでした。
(勝)朴廷桓九段 vs 芝野虎丸九段(負)
(勝)楊楷文九段 vs 卞相壹九段(負)
2024年12月17日
12月17日、第15回「春蘭杯」世界プロ囲碁選手権の八強戦が中国・海南省昌江で行われました。芝野虎丸九段は丁浩九段(中国)との対局、黒番で中押し勝ちを収め、自身初となる春蘭杯ベスト4進出を果たしました。
準決勝が19日11:30に行われます。優勝賞金:15万ドル(約2300万円)
(勝)芝野虎丸九段 vs 丁浩九段(負)
(勝)卞相壹九段 vs 芈昱廷九段(負)
(勝)朴廷桓九段 vs 辜梓豪九段(負)
(勝)楊楷文九段 vs 李軒豪九段(負)
前夜祭と記者会見
【第15回春蘭杯世界囲碁選手権3回戦】(黒)芝野虎丸九段 対 丁浩九段(白)
【第15回春蘭杯世界囲碁選手権3回戦】(黒)芈昱廷九段 対 卞相壹九段(白)
2024年12月6日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第4局が12月6日、神奈川県秦野市「陣屋」で行われました。黒番を持った井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段を下しました。対戦成績を3勝1敗とし、4連覇を果たしました。今回の優勝で、井山裕太王座は通算10期のタイトルを獲得し、規定に基づき「名誉王座」の資格を得ました。
12月5日 - 対局前日に「検分」が行われました。
12月6日 10時 - 立会人の張栩九段の合図で対局が始まりました。
12時 - 昼食。井山王座:伊勢海老カレー。芝野九段:冷たい天ぷらうどん。黒番の井山王座の勝率は68%です。
13時 - 対局再開しました。
15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー。芝野九段:チョコレートケーキ。
18時5分 - 終局。芝野九段の投了で、井山王座が4連覇達成。通算10期のタイトルを獲得し、規定に基づき「名誉王座」の資格を得ました。
2024年11月28日
11月28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジにて第50期天元戦の第4局が打たれました。黒番の一力遼天元が芝野虎丸九段に中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で防衛を決めました。
11月27日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
一力天元「一進一退の攻防でどの碁も非常に難しい。毎局、新たな発見がある」、「国内で一年の締めくくりになる重要なタイトル戦。今持っている力を精いっぱい出したい」と語りました。
芝野九段は「1勝2敗で後がないですけど、やることに変わりはない。準備して集中して打てたらいい。一局一局の積み重ねでやっていくしかない」と語りました。
11月28日 8時50分 - 芝野虎丸九段が先に入室、しばらくして一力天元も入室しました。
9時 - 立会人の後藤俊午九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:かんきつ類のジュース。芝野九段:ラ・フランスのパンナコッタ と アイスティー。
12時 - 昼食。両対局者とも海鮮淡路島ぬーどるを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:「ラ・フランスのパンナコッタ」と「ホットティー」。芝野九段:「苺のショートケーキ」と「アイスティー」。
15時30分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛を果たしました。
2024年11月26日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第3局が11月26日、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われました。井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段に白番中押し勝ちを収めました。防衛まであと1勝となりました。
第4局は12月6日、神奈川県秦野市の「陣屋」で行われる予定です。
11月25日 - 対局前日に「検分」が行われました。
11月26日10時 - 立会人の山田規三生九段の合図で対局が始まりました。
11月26日12時 - 昼食。井山王座:ビーフと淡路島オニオンのハヤシライス、黒烏龍茶。芝野九段:鮭いくら丼、アイスココア。白番の井山王座の勝率は45%です。
11月26日13時 - 対局再開しました。
11月26日15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー、芝野九段:レアチーズケーキとアイスココア。
11月26日17時5分 - 終局。芝野九段の投了で、井山王座がシリーズ2勝目を挙げました。
2024年11月14日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの第3日目となる14日、中国からは初日の16強戦で4名全員が勝ち残り、15日の後半戦でも2試合の中国内対決が予定されていることから、最低6枠を8強で確保する見込みです。日本勢は32強戦で一力遼九段が、16強戦で芝野虎丸九段が敗れ、今大会を終えました。
2024年11月13日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズ1回戦が12日と13日、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで開催されました。芝野虎丸九段が初戦で中国の檀嘯九段に勝利を収め、2回戦進出を果たしました。一力遼九段は中国の連笑九段と対戦し、惜しくも逆転負けを喫しました。
一力遼九段 vs 連笑九段 (負)
檀嘯九段 vs 芝野虎丸九段 (負)
王星昊九段 vs 申眞諝九段 (負)
辜梓豪九段 vs 崔精九段 (負)
金恩持九段 vs 謝爾豪九段 (勝)
安正己八段 vs 陳正勲八段 (勝)
謝科九段 vs 劉昌赫九段 (勝)
崔明勲九段 vs 李軒豪九段 (負)
許嘉陽九段 vs 許皓鋐九段 (勝)
范胤八段 vs ポングスカーン (勝)
卞相壹九段 vs 柯潔九段 (負)
朴廷桓九段 vs 党毅飛九段 (負)
韓一洲八段 vs 申旻埈九段 (負)
姜東潤九段 vs 丁浩九段 (勝)
金明訓九段 vs 陳賢八段 (負)
偰玹準九段 vs 金禹丞八段 (負)
2024年11月11日
11日午後、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで、2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの抽選会が開催されました。本大会には韓国から12名、中国16名、日本2名、台湾1名、タイ1名が参加し、日本の一力遼九段は連笑九段、芝野虎丸九段は檀嘯九段と対戦することが決まりました。
日本代表の一力遼九段は、「応氏杯優勝が自信につながり、日本囲碁界もさらに活気づいている」と話し、意欲を見せました。抽選会は出場選手が多い国順に進行され、各国間での対戦を考慮して準決勝まで同国対決を極力避けるように配慮されました。
1回戦は正午に開始され、決勝まで休息日なしで進行します。また、準決勝までの各ラウンドは対局を2日間に分けて実施し、視聴者に多くの解説を届けるため、配信にも工夫が凝らされます。
2024年10月31日
第49期名人戦七番勝負の第6局が千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行われました。挑戦者の一力遼棋聖が芝野虎丸名人に勝利し、シリーズ4勝2敗で念願の名人位を獲得しました。
10月30日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は33%です。
10月31日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2024年10月30日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が、10月30日に千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝2敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。手番だった芝野名人が99手目を封じ、1日目を終えました。
2024年10月26日
2024「三星杯」世界囲碁マスターズが11月12日より開催される予定です。日本から一力遼九段と芝野虎丸九段が出場します。優勝賞金は3億韓ウォンです。
今大会の32強戦はトーナメント方式で行われ、決勝戦は3番勝負で決着がつく予定です。大会前日の11日には、囲碁ファン60名が招かれる対局抽選会も行われ、ファンと世界の囲碁スターが交流する貴重な機会となります。
2024年10月25日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第2局が行われ、井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸名人に黒番中押し勝ちを収めました。対戦成績は1勝1敗のタイとなり、シリーズは振り出しに戻りました。
舞台となっている「蒲郡の銀波荘」の対局室からは、美しい海が眺められる絶好のロケーションが広がっています。対局者の井山裕太王座や芝野虎丸名人も、落ち着いた環境で集中しやすく、良い雰囲気の中で戦いに臨めると好評です。
第3局は11月26日、兵庫県神戸市の「ホテルオークラ神戸」で行われる予定です。
10月25日13時 - 対局再開しました。
10月25日15時 - おやつ時間。井山王座:銀波荘さんのフルーツ盛り合わせ 芝野名人:蒲郡市内にある洋菓子店ガトウ福寿軒さんのチーズケーキ。
2024年10月23日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が行われ、芝野虎丸名人が挑戦者の一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収めました。シリーズは一力棋聖の3勝、芝野名人の2勝となり、芝野名人が後のない状況で勝利を挙げ、シリーズを第6局に持ち越しました。
第6局は、10月30日と31日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行わる予定です。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
10月23日 13:00 - 対局が再開されました。
10月23日 15:00 - おやつ時間。両者とも「フルーツ盛り合わせ」を選びました。飲み物は、芝野名人:桃ジュース。一力棋聖:アイスコーヒー。
2024年10月22日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が、10月22日に神奈川県箱根町のホテル花月園で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝1敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
2024年10月21日
第49期棋聖戦挑戦者決定トーナメントが10月20日に行われ、山下敬吾九段が先番を握り、217手までで中押し勝ちを収めました。
山下九段は挑戦者決定戦最後のステージに進出し、10月28日に井山裕太王座との対戦です。決勝は変則三番勝負で、Sリーグ優勝者である井山王座には1勝のアドバンテージが与えられています。
名人戦や王座戦、天元戦と忙しいスケジュールの中で戦う芝野名人にとって、重要な関門となる一局でした。対局では中盤まで芝野名人が優勢に進め、終盤に向けて勝利が見えた瞬間もありました。しかし、ヨセの段階で痛恨の見損じがあり、その後山下九段に逆転されてしまいました。名人戦第4局での敗北後、王座戦や天元戦での勝利が続いた芝野名人でしたが、3連勝とはなりませんでした。
2024年10月18日
第50期天元戦五番勝負の第2局が10月18日、北海道札幌市の京王プラザホテル札幌で行われました。対局は、2連覇を狙う一力遼天元(27)と、天元初挑戦の芝野虎丸名人(24)の間で繰り広げられ、白番を握った芝野名人が178手で勝利を収めました。この結果、シリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。
第3局は、11月9日に福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」で開催されます。
【第50期天元戦挑戦手合第2局】(黒)一力遼天元 対 芝野虎丸名人(白)
2024年10月16日
第72期囲碁王座戦五番勝負の第1局が、10月16日東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われました。井山裕太王座と芝野虎丸名人の対局は、序盤から井山王座が優勢に進めていたものの、中盤以降に芝野名人が逆転し、黒番中押し勝ちで勝利を収めました。
井山王座は昨年、3連覇を果たし通算9期の王座を獲得しました。名誉王座の資格獲得には通算10期が必要で、あと1期に迫っています。一方、芝野名人は5年前の五番勝負で井山王座に勝利し、井山の5連覇による名誉王座の達成を阻んだ実力者です。
第2局は10月25日、愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われる予定です。
2024年10月11日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が、10月10日、大阪府守口市にあるホテルアゴーラ大阪守口で開始されました。この対局は、名人位を防衛する芝野虎丸名人と、初の名人位を目指す挑戦者一力遼棋聖との緊張感あふれる一戦です。
開幕から一力棋聖が2連勝し、芝野名人が第3局で1勝を返して迎えた今回の第4局。名人戦の行方を左右する重要なラウンドです。芝野名人がタイに持ち込むのか、それとも一力棋聖が名人位に王手をかけるか、囲碁ファンの期待が高まっています。
10月10日 13:00 - 対局が再開されます。
10月10日 15:00 - おやつが運ばれます。芝野名人:プレミアムモンブラン。一力棋聖:苺のフレジェ。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は13%です。
2024年10月7日
10月7日に行われた第50期天元戦五番勝負の第1局は、阿含・桐山杯決勝に続き、またしても一力遼棋聖と芝野虎丸名人の間で緊迫した半目勝負となりました。今回も一力棋聖がわずかな差で芝野名人を退け、289手で勝利を収めました。
注目の一戦となる第50期天元戦五番勝負の第1局が愛知県名古屋市の「文化のみち橦木館」で行われました。対戦は天元保持者の一力遼棋聖と、名人位を保持する芝野虎丸名人によるものでした。両者は、9月25日に開催された第31期阿含・桐山杯決勝でも対戦し、こちらでも一力棋聖が半目で勝利しています。そのため、2回連続で半目勝負という稀に見る接戦が繰り広げられ、両者の実力が非常に拮抗していることが改めて証明されました。
第2局は、10月18日に北海道札幌市の「京王プラザホテル札幌」で開催されます。
【第50期天元戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸名人 対 一力遼天元(白)
2024年9月25日
9月25日、第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦の決勝戦が京都府京都市山科区の「阿含宗本山総本殿 蝸牛庵」で行われました。一力遼桐山杯が白番半目勝ちで芝野虎丸名人を下し、2連覇を達成し、通算で3度目の優勝を果たしました。
両者は序盤から鋭い攻防を展開しました。互いにスピード感のある手を打ち合い、次第に盤面は激しさを増していきました。終盤段階では、左下での劫争が非常に激しくなり、対局の行方はまったく予測がつかない状況になりました。劫争を繰り返す中で、形勢は何度も逆転し、最後に勝負を決めたのは一力桐山杯の冷静な読みでした。
プロとアマが対戦する唯一のオープン戦として、1994年にアコム杯全日本早碁オープン戦が創設され、1999年第6期より阿含・桐山杯となります。
2024年9月18日
第49期名人戦挑戦手合第3局が三重県鳥羽市の「戸田家」で行われ、芝野虎丸名人が白番で挑戦者の一力遼棋聖を204手で中押し勝ちし、シリーズ初勝利を飾りました。これで芝野名人は1勝2敗とし、巻き返しを図っています。
対局場所となった「戸田家」は、一力挑戦者にとって過去に良い思い出のある場所です。昨年の本因坊戦七番勝負第7局では、井山裕太本因坊(当時)との大一番を制して4勝3敗で自身初の本因坊を獲得しました。また、今年5月には余正麒八段を相手にした本因坊戦五番勝負第3局にも勝利し、3連勝で初防衛を果たしています。
前日の取材で一力棋聖は、「戸田家さんは本因坊戦の獲得と防衛を決めたゲンのいい場所です。いいイメージを持って対局に臨めます。今日はおいしい食事と温泉でリフレッシュして、明日からの対局に備えます」と笑顔で語っていました。
一方、芝野名人にとっても「戸田家」での対局は今回で5回目となります。初対局は2020年の本因坊戦七番勝負第5局で、井山裕太現三冠に3連敗を喫しましたが、2022年の名人戦七番勝負第2局では井山名人(当時)に勝利し、名人位奪還のきっかけとなりました。
芝野名人は前日の取材で「戸田家さんには何度か来ていますが、自分の場合、対局場所と内容が結びつかないんです。でも、景色が良く、ゆっくり過ごせるので気に入っています」と自然体の笑顔を見せていました。
名人戦第3局は、一力挑戦者の大石をめぐる複雑な攻防となり、両者のシノギ勝負が繰り広げられました。芝野名人は壮絶な読み合いを制し、最後には挑戦者のコウでの粘りを振り切って勝利を収めました。これにより、シリーズは1勝2敗となり、無敗で勢いに乗る一力棋聖に初めて土をつけ、流れを引き戻しました。
2024年9月13日
第49期棋聖戦Sリーグは、9月12日に井山裕太王座が芝野虎丸名人を相手に先番で2目半勝ちを収め、Sリーグの優勝者として挑戦者決定トーナメントへの進出を決定しました。
この対局は午後10時22分に終局を迎え、大一番にふさわしい大熱戦となりました。井山王座は序盤から積極的な展開を見せ、芝野虎丸名人にプレッシャーをかけ続けました。中盤に入ると芝野名人も反撃を開始し、一時は均衡した展開となりましたが、終盤で井山王座が冷静に形勢を立て直し、最終的に2目半の差で勝利を手にしました。
今回の勝利で井山王座はSリーグの1位に輝きました。芝野名人もSリーグ2位となり、両者ともに次の挑戦者決定トーナメントへ進むことが決まりました。これにより、井山裕太王座と芝野虎丸名人の再戦の可能性が高まり、今後の対局も注目されることになります。
2024年9月5日
第49期名人戦挑戦手合七番勝負の第2局が9月5日、宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われました。芝野虎丸名人と一力遼棋聖の対局は、4日から始まった2日制の対局となり、5日午後7時12分、292手で一力棋聖が1目半の白番勝ちを収めました。
対局は両者ともに細かい形勢判断と巧妙な手順で進み、終局まで緊張感のある戦いが続きました。最終的に一力棋聖が芝野名人に1目半差で勝利し、これで名人戦七番勝負を2勝とリードしました。次の第3局は9月17日、18日に三重県鳥羽市「戸田家」で行われる予定であり、一力棋聖が3連勝を達成するのか、それとも芝野名人が反撃に出るかが注目されます。
一力棋聖は、3年前の第46期名人戦でも名人位に挑戦し、井山裕太名人(当時)をあと一歩まで追い詰めながら、惜しくも連敗して奪取に至りませんでした。今回は、そのリベンジを果たすべく、挑戦手合いでの優勢を維持しています。
2024年9月3日
第50期天元戦挑戦者決定戦が2日、東京・市ケ谷にある日本棋院東京本院で行われ、芝野虎丸名人が許家元九段を下し、一力遼天元への初挑戦権を獲得しました。対局は午後3時59分、190手で芝野名人が白番中押し勝ちを収めました。
芝野名人と一力天元は、すでに名人戦や王座戦で対戦しており、今回の天元戦が3つ目のタイトル戦での顔合わせとなります。特に、8月30日に行われた第72期王座戦挑戦者決定戦では、芝野名人が一力天元に勝利し、井山裕太王座(35)への挑戦権を獲得したばかりです。さらに、今月25日には京都市で第31期阿含・桐山杯決勝で再び対戦する予定です。
天元戦五番勝負は10月7日に開幕し、全国各地を巡って行われます。第1局は名古屋市の文化のみち橦木館で開催され、その後、札幌市、福岡県久留米市、兵庫県洲本市、徳島市での対局が予定されています。
2024年8月30日
第72期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が8月30日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。午後4時3分、芝野虎丸名人が188手で一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収め、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
芝野名人と井山王座の五番勝負第1局は、10月16日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われます。芝野名人は、これまでのトーナメント戦で苦しい局面も多かったと語り、「挑戦まで来られてよかった。挑戦手合いでも全力を出し切りたい」と、意気込みを見せました。
芝野名人は、鋭い攻めと冷静な形勢判断を兼ね備えた棋風で知られています。2019年には七大タイトル史上最年少の19歳11カ月で名人位を獲得し、同年には井山王座から王座のタイトルを奪取しました。翌年には王座初防衛を果たしましたが、2021年の五番勝負で井山王座にタイトルを奪還されました。井山王座との対戦成績は25勝31敗で、今年6月から7月にかけての碁聖戦では3連敗を喫しており、今回の対決でリベンジを果たすことを目指します。
2024年8月28日
8月27日から28日にかけて、神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」で行われた第49期名人戦第1局で、一力遼棋聖が芝野虎丸名人に対し、199手まで黒番で中押し勝ちを収めました。第2局は9月4日宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われます。
初日の27日、白番の芝野虎丸名人は116手目を封じて打ち掛けとしました。両者の消費時間は、一力棋聖が3時間43分、芝野名人が3時間49分でした。28日の午前9時に封じ手が開封され、対局が再開されました。立会人には石田秀芳二十四世本因坊が務め、対局は16時42分に終局しました。
終局後、芝野名人と一力棋聖は大盤解説会に登場しました。先勝した一力棋聖は、「序盤から攻めに行くことができ、まずまずの内容でした」と語りました。一方、敗北した芝野名人は「序盤から白地を削られるような展開が続き、厳しい戦いとなりました」と、1日目からの苦しい展開を振り返りました。
一力棋聖は「次も熱戦をお届けできるよう全力を尽くします」と意気込みを見せました。芝野名人も「本局の結果は残念ですが、次局で挽回できるよう頑張りたい」と力強く語りました。
2024年8月27日
第49期囲碁名人戦七番勝負が8月27日、神奈川県相模原市で幕を開けました。この対局は芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する形で進行します。今回の舞台となる相模原市は、芝野名人が約20年間住んでいた場所であり、彼にとって特別な意味を持つ地です。対局が行われる「杜のホールはしもと」は、2001年に開館し、普段は市民が音楽や演劇を楽しむ場として親しまれています。
対局に先立ち、前夜祭が相模原市緑区の老舗日本料理店「小田原屋」で行われました。前夜祭には関係者約40人が集まり、日本棋院の武宮陽光理事長があいさつに立ちました。武宮理事長は、自身の祖父が市内で開業医をしていた際に近くの碁会所に通っていたというエピソードを披露し、「芝野名人は相模原が生んだスター。この対局はまさに頂上決戦だ」と期待を寄せました。
前夜祭には腎臓がんの手術を終えたばかりでこの日退院した本村賢太郎市長も出席しました。市長は「市制70周年を迎える中で、囲碁界を牽引する二人をここに迎えられて非常に嬉しい。素晴らしい一局が見られるとワクワクしている」と語り、地元の名士としての誇りを感じさせました。
さらに、市から芝野名人と一力棋聖に対して「勝風」と書かれた相模の大凧など、地元の名産品が贈られました。この贈り物には、両者に「勝利の風」が吹くようにとの願いが込められています。名人戦の結果がどうなるか、地元住民のみならず全国の囲碁ファンが注目しています。
2024年8月20日
第49期棋聖戦Sリーグの重要な一戦が8月19日に行われ、芝野虎丸名人が孫喆七段に対し、白番中押しで勝利を収めました。この勝利により、芝野名人はリーグ唯一の全勝キープ、挑戦者決定トーナメントへの進出に確定しました。
この対局は、両者にとってリーグの行方を大きく左右する重要な戦いでした。芝野名人は既に3勝0敗でリーグのトップを走り続けており、一方の孫喆七段も2勝1敗で追いかける状況でした。この勝利により、芝野名人はリーグ戦で無傷の4連勝を記録しました。Sリーグ2位以上での枠抜けが確定しました。
次局では、芝野名人が井山裕太王座と対戦することが決まっており、全勝優勝を狙います。一方、孫喆七段は次に許家元九段との対局、両者に対してリーグ残留に関わる一戦です。
2024年7月22日
22日、第49期名人戦リーグ最終ラウンドが行われ、一力遼九段が黒番中押しで富士田明彦七段を破り、8戦全勝でリーグ1位となり、在位名人の芝野虎丸九段への挑戦権を獲得しました。
一力さんにとって名人戦七番勝負の決勝に進出するのは2回目のことです。これまで名人戦のタイトルを獲得したことがない一力さんにとって、再びチャンピオンシップに挑戦する機会です。
在位名人の芝野虎丸九段は、既に名人戦2連覇を果たしています。過去5年間、芝野さんは3度の名人戦優勝を果たし、井山さんは2度の優勝を遂げています。一力さんは名人戦で一度もタイトルを獲得したことがなく、決勝進出は2021年の第46期名人戦のみで、その時は井山さんに3対4で敗れ、挑戦に失敗しました。
名人戦と応氏杯のスケジュール衝突:一力さんは「幸福な悩み」に直面することになりそうです。名人戦決勝第5局の日程と応氏杯決勝第3局の日程が重なっているのです。
応氏杯五番勝負の後ろの3局:
10月24日、26日、28日
名人戦決勝第5局:
10月22日~23日
4つの日程衝突の解決可能案、あなたの予想は?
Twitter: https://x.com/igo_kifu_com/status/1815383790954623061
関連棋譜:
【第49期名人戦リーグ】(黒)一力遼棋聖 対 富士田明彦七段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)余正麒八段 対 山下敬吾九段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)井山裕太王座 対 関航太郎九段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)張栩九段 対 志田達哉八段(白)
2024年7月19日
7月19日、東京の日本棋院で「碁聖戦」第3局が行われ、井山裕太三冠が挑戦者の芝野虎丸名人に勝利しました。これにより、井山三冠は「碁聖戦」を4連覇し、七大タイトルを含む全てのタイトルの通算獲得数が「76」となり、趙治勲名誉名人の持つ歴代最多記録に並びました。
五番勝負の「碁聖戦」で、井山三冠は既に2勝を上げており、タイトル防衛にあと1勝と迫っていました。第3局は19日の午後、日本棋院で行われ、黒番の井山三冠が終盤で粘る芝野名人を振り切り、午後7時46分、287手までの激闘を制しました。これで井山三冠は3勝負けなしでタイトル防衛を決め、「碁聖戦」を4連覇しました。
試合後、井山三冠はインタビューで「自分なりに力を出し切れたかなと思い、防衛できてうれしいです。趙先生の記録ははるか先だと思っていたので、並べたことは感慨深いです」と語りました。
一方、敗れた芝野名人は「第3局も含めてミスが出てしまった。結果はしかたがないかなと思う」と悔しさをにじませました。
特設ページ:
第49期碁聖戦挑戦手合五番勝負
2024年5月7日
井山裕太碁聖への挑戦をめざす第49期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦はいよいよ準決勝戦。今期のベスト4は非常に新鮮で、楽しみな顔合わせ。5月6日には芝野虎丸名人―酒井佑規五段戦が日本棋院東京本院で行われた。
芝野虎丸名人(24)が酒井佑規五段(20)を破り、挑戦者決定戦となる決勝に進出した。芝野名人は初の碁聖戦5番勝負出場にあと1勝と迫った。
もう一方の準決勝は、安達利昌七段(33)―福岡航太朗五段(18)のカード。9日に打たれ、その勝者が芝野名人と決勝を争う。
2024年4月18日
第79期本因坊戦本戦トーナメントの挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、余正麒八段(28歳)が芝野虎丸名人(24歳、十段)に238手で白番中押し勝ちし、一力遼本因坊(26歳)への挑戦権を獲得しました。余八段は初挑戦であり、関西棋院所属棋士としては故・半田道玄九段以来62期ぶりの挑戦となります。
終局後、余八段は「本因坊戦は昔から憧れていた棋戦です。挑戦できてうれしいです。一力さんは本当に強いですが、自分なりに精いっぱい頑張りたいと思います」と語りました。余八段は本戦トーナメントから参加し、結城聡九段と小池芳弘七段、井山裕太王座を破って挑戦者決定戦に進出しました。
対局は午前10時に開始され、ニギリの結果、芝野名人の黒番となりました。序盤から余八段がリードを奪い、中盤以降も隙のない打ち回しを見せて快勝しました。余八段は台湾出身で、2009年にプロ入りし、13年に当時史上最年少の18歳2カ月で第69期本因坊戦リーグ入りを果たしました。7大タイトル戦番勝負には、王座戦と十段戦に計5回出場していますが、いずれも敗退しています。
今期本因坊戦五番勝負は5月14日に東京都台東区の東京国立博物館で開幕する予定です。
2024年3月20日
第15回春蘭杯世界囲碁選手権が3月19日に中国福建省の「武夷山悦華酒店」で開幕しました。日本からは、一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段、許家元九段、広瀬優一七段が出場し、1回戦の対局結果では、一力、芝野、許が2回戦進出を決めました。2回戦は3月21日(木)11時30分から行われます。
【1回戦 結果】(左が勝者、△が先番)
一力遼九段 vs △Alexander Qi初段(アメリカ)
芝野虎丸九段 vs △申旻埈九段(韓国)
△羋昱廷九段(中国)vs 井山裕太九段
△許家元九段 vs Jan Simara初段(欧州)
李維清九段(中国) vs △広瀬優一七段
【2回戦】
一力遼九段 vs 李軒豪九段(中国)
芝野虎丸九段 vs 楊鼎新九段(中国)
許家元九段 vs 丁浩九段(中国)
関連棋譜:
【第15回春蘭杯1回戦】芈昱廷九段 対 井山裕太九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】申旻埈九段 対 芝野虎丸九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】Alexander初段 対 一力遼九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】広瀬優一七段 対 李維清八段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】許家元九段 対 Simaraアマ(白)
2024年3月18日
大和ハウス杯 第62期十段戦が、囲碁のタイトル戦として開幕しました。この五番勝負の第1局は、2月27日に大阪商業大学で行われました。
対局前には、特別協賛企業である大和ハウス工業の芳井敬一社長と、囲碁棋士の芝野虎丸十段が記念対談を行いました。この対談では、十段戦に対する意気込みや囲碁の楽しみ、魅力について語られました。
芳井社長は、創業者の言葉を引用して「文化を力強くサポートすること、継続は力なり」と述べました。勝つことも大切ですが、負けてもあきらめずに戻ってくることの大切さを強調しました。
芝野十段は、自身の棋士としての経験を共有しました。彼は一時期、勉強量が減り、集中力が落ちたことを悔やんでいますが、無冠になって気持ちを切り替え、次は絶対に勝つという思いで戦っています。
芳井社長は、リセットするために持ち物を変えることを実践しており、好きなものに囲まれて気分を変えることで新しい気持ちになれると語りました。
芝野十段は、囲碁を始めたのは幼稚園の頃で、家族と一緒にルールを覚えたことから囲碁に親しんできました。彼は囲碁の魅力を「盤の上に何もない状態から始めるボードゲームで、自由度が高い」と語りました。
この十段戦は、思い入れの深い棋戦であり、短期決戦ながら一手に集中して戦いたいという芝野十段の抱負が込められています。芳井社長は笑顔で戦いを楽しむことを願っており、来年も再会できることを期待しています。
囲碁の世界では、将棋と同様に「観る将」など楽しみ方が広がっており、自分は打たないけれどお気に入りの棋士を応援する「推し活」も増えているそうです。楽しみ方はますます広がっているようですね。
2024年3月10日
NHK杯テレビ囲碁トーナメントは、日本囲碁界のトップ棋士50人によって行われるテレビ棋戦で、半世紀以上の歴史を誇ります。一手30秒の早打ちで行われる対局は、棋士たちの真剣な表情と緊迫した勝負のだいご味を、全国の囲碁ファンに伝えています。今年度で71回目の開催となりました。
決勝戦では、序列1位の一力遼棋聖(26歳)と同2位の芝野虎丸名人(24歳)が激突しました。序盤から読み比べの難戦を展開し、形勢は二転三転する緊迫した戦いが続きました。先の見えない戦いが終盤まで続いたが、一力がわずかに抜け出し、4度目の優勝を飾りました。初優勝を目指した芝野はあと一歩届かず、涙を飲みました。
2024年2月27日
産経新聞社が主催する囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第1局が27日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われました。芝野虎丸十段(24歳)は160手までで、挑戦者である碁聖の井山裕太王座(34歳)に白番中押しで勝利し、タイトル初防衛に向けて好発進しました。第2局は3月25日に東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われる予定です。
芝野虎丸十段は、20代でありながら、既に名人・十段の座についています。彼は囲碁界での才能を証明し、今回のタイトル戦で初防衛を目指しています。
一方、井山裕太王座は6期ぶりのタイトル奪還を狙っており、芝野十段との対戦は注目されています。
特設ページ: 第62期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年12月9日
9日朝から甲府市の常磐ホテルで打たれていた第69期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第5局は午後5時9分、挑戦者の井山裕太四冠が161手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で3期ぶりの王座に復位した。王座通算7期目。井山新王座は2年7カ月ぶりに五冠に返り咲いた。
対局後、井山新王座は「一時、三冠に後退したときは、再びタイトルを増やすのは難しいと思っていた。五冠に戻せてうれしい」と話した。井山新王座の通算タイトル獲得数は67になった。
この日の対局は、黒13まで第1局と同じ進行だった。序盤は中央を重視する芝野王座に対し、挑戦者が足早に地を稼ぐ展開になった。挑戦者が上辺黒57から白を分断する戦いを仕掛けると、王座は左上の白石を114、116と手堅く補強し、中央の黒の一団に圧力をかける作戦に出た。拮抗した攻防が続き、「半目を争うヨセ勝負になる」と立会人の三村智保九段ら検討陣はみていた。
形勢が急転したのは、王座が白150、152と中央の黒に迫った場面だ。「王座は黒の大石を厳しく攻めてポイントを挙げようとしたが失敗し、逆に地合いで大差をつけられた」と解説の鶴山淳志八段。「両者が持ち味を発揮し、手に汗を握る好局だった」と話した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年12月3日
3日朝から神奈川県秦野市の陣屋で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第4局は午後6時17分、芝野虎丸王座が205手で挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。対戦成績は2勝2敗のタイとなった。勝者がタイトルを手にする第5局は12月9日、甲府市の常磐ホテルで打たれる。
序盤は芝野王座が下辺にスケールの大きな黒模様を張って始まった。左辺に焦点が移ったあと、王座は上辺で黒6子を捨て石にして戦果を上げる作戦に出たが、挑戦者は周りの白石を62から70で安定させることに成功。「白に不満なし」と石田芳夫二十四世本因坊ら検討陣はみていた。
王座は黒81、83から下辺の白の一団の攻めに転じる。「厳しい攻めで白に窮屈な生き方を強要できた上、黒125まで右辺を大きくまとめて黒が主導権を奪い返した」と解説の山下敬吾九段。さらに中央黒131が白の薄みを突く厳しい手だった。黒157まで中央左上の白5子を制して優勢を築き、最後は粘る挑戦者を冷静に振り切った。
山下九段は「中盤まで井山四冠の流れだったにもかかわらず、落ち着いて機をうかがった芝野王座の粘り強さが光った一局だった」と話した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年11月19日
19日朝から新潟県南魚沼市のryugonで打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第3局は午後6時30分、183手で挑戦者の井山裕太四冠が芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちした。対戦成績は井山四冠の2勝1敗となり、3期ぶりの王座復位に王手をかけた。
持ち時間各3時間のうち、残りは両者ともに1分だった。第4局は12月3日、神奈川県秦野市の陣屋で打たれる。
序盤は両者とも模様を志向して始まったが、互いに相手の注文を外すような神経戦に入った。ほぼ互角の戦いが続いていた中盤、挑戦者の井山四冠が黒101と上辺の白の勢力に深く踏み込んだ。芝野王座も真っ向から迎え撃ち、中央から上辺一帯でいくつもの大石の生死をかけた「めったに見ることのない、極めて難解な攻め合い」(解説の張栩九段)に突入した。
読み勝っていたのは挑戦者だった。上辺で黒155から白に負担の重いコウになり、挑戦者が白の大石を取った。王座は見返りに中央の黒の一団に襲いかかる粘りを見せたが、最後は井山四冠が最強手で応じて振り切った。
立会人の王銘琬九段は「2人とも碁盤全体に目配りして局面を広く使っていた。複雑ながら拮抗した時間が長く続いた名勝負だった」とたたえた。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年11月12日
12日朝から神戸市のホテルオークラ神戸で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は、午後6時39分、201手で芝野虎丸王座が挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。3連覇をめざす芝野王座が対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
持ち時間各3時間のうち、残りは芝野王座が1分、井山四冠が2分だった。第3局は11月19日、新潟県南魚沼市のryugonで打たれる。
互いに模様を志向する序盤戦で始まったが、上辺から主導権争いに入る。攻防中の55手目、芝野王座は持ち時間3時間のなか1手に1時間50分をかける大長考をする場面もあった。
右上での大きなコウの可能性をにらみつつ、焦点は左辺に転じた。芝野王座は中央で黒105、107と壁を築いてから左辺109と切って白を攻める。
戦いの過程で挑戦者は中央の黒石を制したが「黒は代償に下辺を大きくのみ込んで、地合いではっきりリードした」との見方が立会人の山田規三生九段ら検討陣に広がった。挑戦者は下辺に侵攻して粘ったが、最後は王座が押し切った。
解説の村川大介九段は「早い段階で秒読みに入った芝野王座だが、井山四冠の粘りにも正確に対応した。近年まれに見る熱戦だった」と評した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年10月29日
第69期王座戦5番勝負の第1局は29日、横浜市で打たれ、挑戦者の井山裕太四冠が205手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、先勝した。
井山四冠は3期ぶり7度目の王座獲得を目指し、芝野王座は3連覇が懸かる。
第2局は11月12日に神戸市で行われる。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年9月9日
第47期天元戦の挑戦者決定戦が9日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、関航太郎四段が芝野虎丸王座を破り、初の五番勝負進出を決めた。関四段は今期、横塚力七段や大西竜平七段、李沂修八段や本木克弥八段を下してきた。
昨年の新人王戦決勝三番勝負で優勝している関四段は、七大タイトルに挑戦するのは初めて。「トップ棋士相手に、どれだけ戦えるか楽しみ。しっかり準備して臨みたい」と語った。
プロ入り4年6カ月での挑戦は、芝野王座の4年11カ月を上回り史上最速。七大タイトル挑戦の規定により、10日付で七段に昇段。
初防衛を目指す一力遼天元とのシリーズは10月5日に開幕する。七大タイトルの開幕局を10代(19歳10カ月)で迎えるのは井山裕太四冠(平成20年の名人戦を19歳3カ月)、一力天元(平成28年の天元戦を19歳4カ月)、芝野王座(令和元年の名人戦を19歳9カ月)に続いて4人目。
2021年9月11日
第76期本因坊戦7番勝負を制し、10連覇を達成した本因坊文裕(井山裕太九段)の就位式が10日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われた。今期は開幕局を制した後、挑戦者の芝野虎丸王座に3連敗した。かど番に追い込まれながら、第5局から3連勝の大逆転劇。1989年の第44期から10連覇を果たした25世本因坊治勲(趙治勲九段)の大記録に肩を並べた。
文裕は、「第5局から気持ちを入れ替えて、内容的に上げていけた。下の世代が力を付けているなかで、偉大な記録にチャレンジできて忘れられないシリーズになった。来期、新たな記録にチャレンジするが、自分自身できることを精いっぱい積み重ねて、成長した姿をお見せしたい」と謝辞を述べた。
2021年6月30日
第76期本因坊戦七番勝負の第6局が6月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ井山裕太本因坊が153手までで、挑戦者の芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗とした。最終第7局は7月6、7日に甲府市で打たれる。
趙治勲二十五世本因坊に並ぶ史上最多の本因坊10連覇がかかる今期の七番勝負で、井山本因坊は第4局を終えた時点で1勝3敗と追い込まれた。第4局の翌日、世界のトップ棋士が参加する中国団体戦の甲級リーグで中国の強豪・謝科九段と対戦し勝利した。インターネット対局とはいえ、タイトル戦翌日に公式戦に出場する異例の対応で弾みをつけると、第5局、第6局と連勝し、対戦成績をタイに戻した。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月22日
本因坊文裕(井山裕太)に芝野虎丸王座が挑戦している、第76期本因坊戦挑戦手合7番勝負第5局(長野県松本市「松本ホテル花月」)は、218手までで井山が白番中押し勝ちした。これで対戦成績を2勝3敗とした。「どう決着するかの見通しが立たない状況で、どこまでいっても自信がなかった」と振り返った。
初戦に勝利した井山だが、第2局から3連敗。かど番に追い込まれたが、10連覇に向けて踏みとどまった。「前局までがまずすぎた。1つ返せたのは大きいが、まだまだ厳しい状況。自分なりに準備して、自分なりの碁を打ちたい」と気を引き締めた。
一方、敗れた芝野は「2日目の午前中にまずい図があった気がする。成績は気にせず、集中して打てたらいい」と話した。
井山がタイに追いついて最終第7局に望みをつなぐか、芝野がタイトルを奪取するか。第6局は29、30日、三重県鳥羽市「戸田家」で打たれる。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月11日
第76期本因坊戦7番勝負の第4局は10、11の両日、北九州市で打たれ、挑戦者の芝野虎丸王座が124手で井山裕太本因坊に白番中押し勝ちし、対戦成績を3勝1敗として奪取にあと1勝と迫った。
第5局は21、22日に長野県松本市で行われる。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月2日
大阪府守口市のホテル・アゴーラ大阪守口で打たれていた第76期本因坊決定戦七番勝負第3局は2日、挑戦者の芝野虎丸王座が本因坊文裕に149手で黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗としました。芝野王座が本因坊奪取に向けて一歩リードしました。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負