2025年1月24日
1月24日、一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第49期棋聖戦七番勝負第2局、栃木県日光市の旅館「日光千姫物語」にて対局室の検分と前夜祭が行われました。この地での開催は昨年に続き2年連続となります。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
日光入りは東武鉄道の「スペーシアX」に乗りましたね。
(去年は乗れず)楽しみにしていました。初めて乗ることができてうれしかったですし、乗り心地もすごくよかったです。
去年のシリーズから白番が勝つ傾向がありますが、意識はしますか?
特に意識はしていないですが、1勝1敗と2連敗ではだいぶ違うので、重要な対局だと思っています。
今週は大相撲を観戦に行っていたそうで、テレビにもばっちり映っていました。
国技館自体も初めて行きましたし、迫力があって楽しかったですね。気分転換になりました。
明日からの対局に向けて
必勝祈願もしていただきました。体調も問題ないですし、自分にできるベストを尽くしたいです。2日間戦い抜きたいですね。
先勝して迎える2局目です。2連勝できるか、1勝1敗になるかでは大きく変わるのでは?
序盤ではありますし、深く意識することはないですが、第1局同様、自分のベストを尽くして、いいパフォーマンスができればと思っています。
過密日程が続いています。体調の方はいかがでしょう。
重要な対局が続くと日程はどうしても過密になり、大変さもありますが、それ以上に充実感を感じています。それもプラスに働いているのではないかと思います。
今日のネクタイピンは眼鏡ですか。オシャレですね。
いや、特に意図はないです(笑)。時々つけていますよ。
日光と言えば、去年は前夜祭で歌の歓迎がありましたが、今年もあるという話です。
去年を鮮明に覚えています(笑)。今まで数多く前夜祭は経験しましたが、初めての経験だったので。今年は去年の経験がありますから、それを踏まえて前夜祭に臨めれば。
今年もその伝統を引き継ぎ、手作り感あふれる素敵な会が開かれました。特に盛り上がりを見せたのは、地元の日光吹奏楽団による生演奏のコーナーです。音楽教室の先生が「囲碁の聖地日光の歌」と「囲碁よろしくの歌」というオリジナルソングを熱唱すると、会場は一体となって盛り上がりました。
井山裕太王座が「ほかにはない雰囲気の前夜祭でありがたい」と語り、一力遼棋聖も「熱烈な歓迎をうれしく思います」と挨拶しました。
1月25日、第1回日本女子囲碁リーグの第6ラウンド(第2試合)が、チーム名古屋のホームである「日本棋院中部総本部」で行われました。チーム名古屋がチーム福岡を相手に2勝1敗で勝利し、勝ち点1を獲得しました。
先に終わった2局、両チームが1勝ずつを挙げる接戦となりました。チーム福岡の向井千瑛六段は、チーム名古屋の羽根彩夏二段に勝利しました。一方、チーム名古屋の加藤千笑三段が謝依旻七段を下しました。
勝負の行方を決めたのは、チーム福岡の辻華三段とチーム名古屋の高雄茉莉二段の対局でした。辻三段は中盤まで優勢を保っていましたが、後半で流れを崩してしまい、最終的には高雄二段に逆転を許してしまいました。この結果により、チーム名古屋が勝利を収めました。
辻華三段にとって、この対局は2025年の公式戦初戦でした。優位を築きながらも勝利を逃してしまい、チームを勝利に導くことができなかったのは悔しい結果となりました。
主将戦: 向井千瑛六段 (勝) vs 羽根彩夏二段 (負)
副将戦: 辻華三段 (負) vs 高雄茉莉二段 (勝)
三将戦: 謝依旻七段 (負) vs 加藤千笑三段 (勝)
2024年9月20日
9月19日に行われた第63期大和ハウス杯十段戦最終予選で、高尾紳路九段が辻篤仁五段に勝利し、公式戦通算1100勝を達成しました。高尾九段は、これにより日本棋院所属の棋士として19人目の偉業を達成したことになります。
高尾紳路九段は、藤沢秀行名誉棋聖門下の棋士として知られ、本因坊3連覇を含む通算15のタイトルを誇ります。公式戦では1100勝541敗2引き分け1無勝負という見事な成績を収めており、その勝率は67.0%に達しています。特に本因坊としての活躍が目立ち、2005年から2007年にかけて本因坊位を3連覇しました。
今回の1100勝達成時の年齢は47歳10か月で、これは棋士としては比較的若い年齢での達成です。入段から1100勝までにかかった期間は33年5か月でした(最年少記録は結城聡九段の42歳1か月、最速記録は山下敬吾九段の28年5か月)。
1991年にプロ入りして以来、高尾九段は新人王やNEC杯などの数々の棋戦で優勝し、棋界での地位を確立してきました。特に2005年に本因坊位を初めて獲得し、翌年には九段に昇進。その後も名人や天元、十段などの主要タイトルを次々と獲得し、棋士としての実力と実績を積み重ねてきました。
2024年9月17日
第49期棋聖戦Sリーグで、残留をかけた一戦が本日行われました。高尾紳路九段(序列4位、0勝4敗)と余正麒八段(序列5位、1勝3敗)の対局は、Sリーグに残るか降級するかを決定づける重要な試合となりました。既に他の対局はすべて終了しており、今回の結果が孫喆七段(序列6位、2勝3敗)の運命も左右することになりました。
余正麒八段が高尾紳路九段に先番中押し勝ちし、リーグ成績を2勝3敗としました。一方、高尾九段はこれで0勝5敗となり、Sリーグ内での降級が確定しました。
今回の結果により、孫喆七段(2勝3敗)も降級することになりました。余八段は2勝3敗ながら、高尾九段や孫喆七段に対して直接対決で勝利していたため、リーグ内順位で4位に入り、Sリーグ残留を果たしました。
井山裕太王座(4勝1敗)と芝野虎丸名人(4勝1敗)がそれぞれ1位、2位の成績で挑戦者決定トーナメントに進出していますが、高尾九段と孫喆七段が降級となりました。
2024年8月23日
8月22日に行われた第49期棋聖戦Sリーグで、井山裕太王座が高尾紳路九段に対し、白番中押しで勝利を収めました。この勝利により、井山王座は挑戦者決定トーナメントへの進出に確定しました。一方、高尾九段はSリーグから陥落になりました。
この試合は、序盤から互いに慎重な手が続きましたが、中央の戦いを境に井山王座が有利な展開を作り出しました。特に終盤における井山王座の冷静な対応と的確な手順が、勝利への道を開きました。対する高尾九段は、最後まで粘り強く戦いましたが、劣勢を覆すことはできないので投了しました。
次局では芝野虎丸名人と井山裕太王座の対決です。勝者はSリーグ1位として挑戦者決定トーナメント進出になります。
2024年5月13日
第49期棋聖戦(主催・読売新聞社)のSリーグ第1ラウンド最後の1局が行われました。対局者は高尾紳路九段と孫喆七段で、孫喆七段が白番で4.5目の勝利を収めました。
348手の熱戦を繰り広げました。終盤、コウが絡んで大混戦に。形勢が激しく揺れ動いた末、孫喆七段がコウ争いの転換を利用し、勝利を手にしました。
成績表:
2024年2月13日
日本国内予選のシニア枠は、高尾紳路九段が山下敬吾九段に勝利し枠抜けを果たしました。
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠決勝】(黒)山下敬吾九段 対 高尾紳路九段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選、許家元九段と広瀬優一七段が予選通過。一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段を含めた日本代表の5名は、3月19、21日に江蘇省泰州市で行われる本戦へ出場します。
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)佐田篤史七段 対 許家元九段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)関航太郎九段 対 広瀬優一七段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)関航太郎九段 対 酒井佑規五段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)広瀬優一七段 対 余正麒八段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)許家元九段 対 富士田明彦七段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)佐田篤史七段 対 福岡航太朗五段(白)
第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン日本国内予選シニア枠の1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠1回戦】(黒)山田規三生九段 対 山下敬吾九段(白)
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠1回戦】(黒)高尾紳路九段 対 結城聡九段(白)
2019年5月25日
久しく遠ざかっている日本勢の囲碁世界タイトルの奪還を期して、今春、日本ナショナルチーム監督に元名人本因坊の高尾紳路九段(42)が就いた。前世紀まで一頭地を抜く存在だった日本は、なぜ中韓の後塵(こうじん)を拝するようになったのか。タイトル奪還の課題は何か。高尾新監督に聞いた。
「いま世界で一番強いのは中国、次が韓国、その次が残念ながら日本ということになると思う。中韓の世界トップクラスと日本の第一人者、井山裕太四冠(29)の実力差はほとんどないが、日本は井山さん一人で戦っている。井山さんといえども、世界戦のトーナメントで頂点まで勝ち続けるのは並大抵ではない」
「対して中国の世界トップクラスは、少なく見積もっても20人以上はいる。韓国も5人ぐらい。トップクラスの人数が多ければ多いほど、その国の棋士が頂点に立つ確率が高まる」
「最強といっても、断トツで強いわけではなかった。世界戦のさきがけとなった勝ち抜き団体戦『日中スーパー囲碁』は、1984年の第1回から3回連続で中国が日本を破っている。ただ、その後はっきり中韓に越され、差も広がっていった」
「原因の一つは、囲碁人口の差だと思う。僕の小中学校9年間で、僕以外に学年で碁を打つ人は一人もいなかった。対して中国は子ども教室が大人気で、生徒数が何万人という教室もある。そこから若くて強い棋士がどんどん出ている」
「ここ最近、日本にも若くて優秀な棋士が出てきた。たとえば世界最強の中国の柯潔(かけつ)九段(21)に勝ったことがある日本の棋士は井山さんしかいなかったが、昨年に芝野虎丸七段(19)、今年に一力遼八段(21)が柯潔さんに勝った。明るい材料だが、さて実際に世界戦で優勝できるかとなると、まだ足りない。何回か打って1回勝てても、それで何十人のトーナメントで優勝するには無理がある。ただ、もう手が届くところまで、あとちょっとという感じはあるが、そのあとちょっとがたいへん。それが何かがわからない。わかれば僕も世界タイトルを取っている」
「世界戦では速く、正確に手が見える棋士が有利。その点では一力さん、芝野さん、それに許家元(きょかげん)碁聖(21)は頼もしい存在ではある。でもその特長は、当然ながら中韓の棋士も身につけている。それだけではないプラスアルファを身につけるには、努力しかない。若くて優秀な棋士が一人でも多いほど競争が厳しくなり、必然的にレベルが上がる。井山さんクラスが5人そろえば、日本も世界で優勝できる。5年以内に優勝したい。その可能性は十分にある」
「囲碁は個人競技なので、監督としてやれることは限られているが、若い人の刺激になる環境を整えたい。これまでチームの研究会を不定期にやってきたが、とりあえず隔週土曜日に東京でやることにした。夏冬の年2回の合宿も続けていく。中韓トップ棋士との交流も積極的に進めていきたい。直接接することで、棋譜では得られない空気に触れてほしい」
「チームには井山さん、張栩さんら第一線の棋士のほかに、仲邑菫(なかむらすみれ)初段(10)など10代の育成選手がいる。囲碁AI(人工知能)との付き合い方は全棋士の課題だが、若い人ほど柔軟にAIの考えを採り入れている。研究会でもAIで検討しているが、彼ら、彼女たちが、僕らとはまったく違う発想で強くなっていくのか、たいへん興味深い」
2019年4月8日
囲碁の高尾紳路九段(42)は18日、第75期本因坊戦予選で大西研也三段(23)に勝ち、公式戦通算千勝(468敗2持碁1無勝負)を達成した。史上26人目。
高尾九段は勝率68%での到達。日本棋院によると、関西棋院所属の結城聡九段(47)の73%に続いて史上2位の高勝率で、日本棋院所属棋士では1位となる。
高尾九段は千葉市出身で、1991年にプロ入りした。名人、本因坊などの獲得実績があり、現在、囲碁ナショナルチームの監督を務めている。
昭和51年(1976年)10月26日生。千葉県千葉市出身。故田岡敬一氏に師事。故藤沢秀行名誉棋聖門下。平成3年入段、4年二段、5年三段、6年四段、8年五段、10年六段、12年七段、14年八段、17年九段。
2020年8月14日
第45期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第3局が14日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の一力遼八段が羽根直樹碁聖に160手で白番中押し勝ちし、3連勝で碁聖位を奪取した。一力は6度目の7大タイトル挑戦で初の栄冠を手にした。
一力は若手棋士の筆頭格の実力者。2016年以降、棋聖戦で1回、王座戦と天元戦で各2回挑戦者となったが、いずれも井山裕太九段の高い壁に阻まれてきた。
今シリーズは、第1局で接戦を制し、第2局は羽根のミスを突いて勝利を収めると、第3局は中盤でリードを奪って押し切り、ストレート勝ちを収めた。
一力は終局後、「全体を通して今持っている力を出せたのは良かった。(タイトル挑戦が)6度目で結構時間がかかってしまったが、なんとか結果を出すことができた」と喜びをかみ締めるように語った。
一力は仙台市出身で、宋光復九段門下。河北新報社の一力雅彦社長の長男で、今年3月に早稲田大社会科学部を卒業し、4月1日付で同社東京支社編集部の記者になり、新聞記者を兼ねる異色の棋士となった。
特設ページ:第45期碁聖戦挑戦手合五番勝負
2020年8月7日
第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終ラウンド、羽根直樹碁聖が張栩九段に223手までで黒番中押し勝ちし、リーグ成績3勝5敗で残留を決めた。敗れた張九段は2勝6敗となり、名人通算5期を含む18期在籍したリーグからの陥落が決まった。
ともに2勝5敗で、勝った方がリーグ残留、負けた方が陥落するという「平成四天王」同士の“鬼勝負”だった。
終局後、張九段は「勝った碁を含めて内容が全体的によくなかった。落ちて当然だと思う。もうちょっといい碁を打たないといけない」とリーグ全体を振り返った。来期に向けては「リーグに入るのも大変なこと。とにかく一生懸命やるだけですね」と話した。
関連話題:第45期名人戦リーグ戦
2020年7月18日
羽根直樹碁聖に一力遼八段が初挑戦する第45期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)五番勝負の第1局は18日、金沢市の北國新聞会館で打たれ、午後7時50分、261手で一力八段が白番1目半勝ちし、先勝した。
長いヨセ勝負となり、白がわずかに抜け出した。一力八段は初の七大タイトル獲得を目指し、羽根碁聖は2期連続の碁聖位が懸かる。
持ち時間各4時間のうち、残りは共に1分。
第2局は8月3日、名古屋市の日本棋院中部総本部で行われる。
特設ページ:第45期碁聖戦挑戦手合五番勝負
2020年6月8日
芝野虎丸名人への挑戦権をかけた第45期名人戦リーグ戦は8日、単独首位の井山裕太3冠が羽根直樹碁聖を白番中押しで破った。これで開幕5連勝とし、挑戦権獲得に向けて大きく前進した。敗れた羽根は2勝3敗となり、挑戦権争いから脱落。残留争いに回る。
井山の次戦は、3勝1敗で2位につけている許家元八段。「言うまでもなく強敵。まだ先は長いので、悔いの残らないよう戦いたい」と話した。許は井山戦までに2局あり、今月11日に河野臨九段(1勝3敗)と、18日に林漢傑八段と対戦。連勝して井山戦を迎えれば、挑戦権のゆくえを左右する大一番となる。
リーグ戦はこの日もう一局あり、ここまで0勝4敗だった山下敬吾九段が張栩九段に白番11目半勝ちし、リーグ初白星を挙げた。張栩は2勝4敗。
山下にとって、コロナ禍で2カ月にわたり中断されていた対局再開後初の手合だった。「なにより碁を打てるのがうれしい。対局中断中、家に引きこもっていたが、気持ちをリセットできた部分があるかもしれない。初戦を勝てたので、これからも気持ちよく打てる気がする」と話した。
2019年10月24日
羽根直樹碁聖が24日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた第61期王冠戦予選A、片山安雄八段との対局に勝ち、通算1000勝(520敗3持碁1無勝負)を達成した。史上27人目。
羽根は1991年にプロ入り(入段)。今年8月に碁聖を奪取し、7大タイトル通算獲得は本因坊2期など9期。
2019年8月23日
碁聖戦五番勝負第5局が23日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の羽根直樹九段が許家元碁聖に白番中押し勝ちし、3勝2敗でタイトルを奪取した。羽根の七大タイトル獲得は2011年の碁聖以来8年ぶり。
羽根は中部総本部所属。張栩名人らと「平成四天王」のひとりに数えられ、00年代に名人と並ぶタイトルの棋聖、本因坊を獲得するなど活躍したが、井山裕太・現四冠に碁聖を奪われた12年以降、七大タイトルから遠ざかっていた。終局後、「シリーズを通して出来不出来があったが、最後に力を出し切れてよかった」と話した。
許は昨年、七大タイトルを独占していた井山から碁聖位を奪ったが、連覇はならなかった。
2019年7月5日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は4日、第8ラウンドが始まり、羽根直樹九段が鈴木伸二七段に白番2目半勝ちして4勝3敗とし、今期リーグの残留を決めた。鈴木は2勝5敗となり、リーグ陥落の崖っぷちに追い込まれた。
鈴木が勝てば羽根と同星で並ぶ残留争いの一番は、羽根の地元、名古屋市の日本棋院中部総本部で打たれた。
黒番の鈴木は序盤、左辺におよそ50目の大地を築いた。その代わりに羽根に与えた中央白の大模様を外周から消す得意のヨセ勝負に持ち込んだが、届かなかった。ふだん地に辛い羽根は、鈴木の誘いに乗って珍しい模様の碁にしたが、微細な碁をものにした。終局は午後10時8分。午前10時の対局開始から12時間あまりにわたる熱戦だった。
これで最下位に2勝5敗の鈴木と村川大介十段、六浦雄太七段の3人が並んだ。羽根は8月最終局の井山裕太四冠との対戦に敗れても4敗にとどまり、リーグ陥落の3枠から逃れた。一方の鈴木が残留するには、最終局の芝野虎丸七段との対戦に勝つのが絶対条件。そのうえで、他の棋士の結果次第で残留プレーオフに持ちこめる可能性がある。
2019年6月28日
張栩名人への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は27日、第7ラウンドの残り2局が打たれ、東京・市ケ谷の日本棋院の河野臨九段対羽根直樹九段の首位攻防戦は、河野が黒番中押し勝ちを収め5勝1敗とし、単独首位を守った。羽根は3勝3敗と後退し、挑戦者争いから脱落した。大阪・梅田の日本棋院関西総本部であった前名人の井山裕太四冠対孫喆(まこと)七段の一戦は、井山が黒番中押し勝ちして4勝2敗とし、2位をキープした。
第7ラウンドを終えて、首位の河野を井山、芝野虎丸七段、山下敬吾九段の3人が星一つ差の4勝2敗で追うデッドヒート。残るは各2局。7月の第8ラウンド最大の注目局は、河野と井山の直接対決。2人は現在本因坊戦七番勝負で争っており、河野2連勝のあと井山が3連勝し、来週に第6局がある。その翌週に第7局、さらにその翌週7月18日に名人戦リーグでぶつかる。河野は「井山さんに3連敗しているが、決して悲観していない。いい形で名人戦リーグに臨みたい」と、対井山3連戦に意欲をのぞかせた。一方、井山は「最初1勝2敗だったことを思えば、現時点で挑戦者争いに絡めているのはよかった。河野さんは一番打てている棋士。悔いのないように戦いたい」と話した。
2019年4月23日
第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦の準決勝が23日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、一力遼八段(21)が本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=に219手で黒番中押し勝ちし、羽根直樹九段(42)との決勝に進んだ。2015年の第70期本因坊戦以降、文裕がタイトルをかけて競う「挑戦手合」の連続出場記録は、歴代最長の29で止まった。
文裕は「ここまで続けられたのが信じられない。励みにしていた記録の一つなので残念だが、仕方ない」と振り返った。
日本棋院によると、文裕以外の7大タイトル戦挑戦手合の連続出場記録は、小林光一名誉棋聖(66)と張栩名人(39)の6が最長。
文裕は来月11日に岩手県大船渡市で開幕する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)で防衛戦に臨む。
2019年4月8日
本因坊戦リーグ、プレーオフ第1戦、羽根直樹九段と河野臨九段の対局は、河野九段が黒番中押し勝ちしました。10日の第2戦、挑戦者決定の一局は河野九段と芝野虎丸七段によって争われることになりました。共に本因坊初挑戦がかかります。
本因坊戦リーグ、連敗スタートから挑戦者決定戦まで駆け上がった河野臨九段。これで今年公式戦13勝1敗。いったんの連勝ストップ後も、再び4連勝と勢いが止まりません。芝野虎丸七段との決戦で、果実を掴み取れるか。
2019年4月7日
本因坊文裕(29)への挑戦者を決める第74期本因坊戦リーグ(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の最終7回戦が5日、東京都千代田区の日本棋院で一斉に打たれ、首位の羽根直樹九段(42)が山下敬吾九段(40)に敗れた。
白の形は悪いですが、このあと攻め方が難しいので、黒が持て余してしまうかもしれません。
白34利かしにいったのはなかなか気づかない手です。黒37ノビは少し意外でした。
直接戦っていくのは少し無理と見たのでしょう。
白48三々は少し意外でした。黒から打たれてもそれほど地にならなそうなところなので、まだ早いかと思いましたが、徹底した実利作戦です。
白62全然予想外のところから仕掛けていきました。
直接いくのは少し自信がなかったのかもしれません。ただ黒は利きが多くてかなり動きが不自由なので、打つ手が難しいところです。
黒63凄い手がでました。利きが増えるということでしょうか。
82手まで、白が良さそうに見えます。
白86手はやり過ぎます。右辺はA位でコウが残っています。
黒は全部取れないと少し地合が大変かもしれません。なので、取りに行くことを真剣に考えていそうです。
黒165手まで、中央の白が全部取られました。羽根九段が投了しました。
2019年4月1日
許家元碁聖(21)への挑戦権を争う第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦は1日、名古屋市の日本棋院中部総本部で準決勝が打たれ、羽根直樹九段(42)が余正麒八段(23)を破り、挑戦者決定戦となる決勝に進出した。
その他、準々決勝が2局行われ、井山裕太五冠(29)が山下敬吾九段(40)、一力遼八段(21)が瀬戸大樹八段(35)にそれぞれ勝ち、準決勝に進出した。井山五冠と一力八段の対局は23日に行われ、その勝者が羽根九段と決勝を争う。
昭和51年(1976年)8月14日生。三重県出身。平成3年入段、同年二段、4年三段、同年四段、6年五段、8年六段、10年七段、12年八段、14年九段。羽根泰正九段は実父。羽根しげ子初段は夫人。羽根彩夏初段は実娘。門下に加藤千笑初段。
2024年10月29日
第49期棋聖戦の挑戦者決定変則三番勝負第1局が関西総本部で行われ、180手まで白番を持つ井山裕太王座が山下敬吾九段に中押し勝ちを収めました。井山王座は一力遼棋聖との棋聖位七番勝負に挑む権利を手にしました。
井山裕太王座と一力遼棋聖の七番勝負は、2025年1月16日(木)・17日(金)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で幕を開けます。最高峰の対局に臨む井山王座は、「厳しいリーグ戦やトーナメントを勝ち抜き、この最高の舞台に戻れてうれしい。一力棋聖は現在充実しているが、自分が出せる最高の力を尽くして臨みたい」と意気込みを語りました。
年明けから始まる七番勝負に向け、井山王座は「棋聖への挑戦権を獲得する事ができました。年明けから始まる7番勝負に良いコンディションで臨めるよう、年内の対局も引き続きベストを尽くしたいと思います。」とコメントしました。
2024年10月21日
第49期棋聖戦挑戦者決定トーナメントが10月20日に行われ、山下敬吾九段が先番を握り、217手までで中押し勝ちを収めました。
山下九段は挑戦者決定戦最後のステージに進出し、10月28日に井山裕太王座との対戦です。決勝は変則三番勝負で、Sリーグ優勝者である井山王座には1勝のアドバンテージが与えられています。
名人戦や王座戦、天元戦と忙しいスケジュールの中で戦う芝野名人にとって、重要な関門となる一局でした。対局では中盤まで芝野名人が優勢に進め、終盤に向けて勝利が見えた瞬間もありました。しかし、ヨセの段階で痛恨の見損じがあり、その後山下九段に逆転されてしまいました。名人戦第4局での敗北後、王座戦や天元戦での勝利が続いた芝野名人でしたが、3連勝とはなりませんでした。
2024年10月10日
第49期棋聖戦挑戦者決定トーナメントが、10月9日に東京の日本棋院で行われました。対局したのは、Aリーグ優勝のベテラン棋士・山下敬吾九段(46)と、若手の新鋭・酒井佑規五段(20)です。結果は、山下九段が214手までで白番中押し勝ちを収め、次戦へと進みました。
山下九段は、これまで棋聖位を5期にわたって、棋聖戦七番勝負に通算11度目の出場をしてきた「棋聖戦男」として知られております。一方、酒井五段は挑戦者決定トーナメントの1回戦で村川大介九段を破り、その勢いをもってこの対局に臨んでいましたが、山下九段の経験に屈する形となりました。
山下九段は10月20日に行われる次戦で、Sリーグ2位の芝野虎丸名人との対決に挑みます。芝野名人は昨年の名人位を保持しており、現在も実力を伸ばしている若手棋士です。山下九段がその勢いを止めることができるか、注目が集まります。
2024年5月17日
16日、名人戦挑戦者決定リーグ戦が行われ、井山裕太王座が山下敬吾九段に黒番中押しで勝利しました。この結果、井山はスコア3勝2敗で白星先行となり、山下は2勝3敗と負け越し、リーグ残留争いに突入しました。
両者はこれまでにあまたの番勝負を繰り広げており、今回の対戦でも2勝2敗と互角の戦いを繰り広げました。一方、5戦全勝で首位を走る一力遼棋聖、余正麒八段に後れを取り、リーグ陥落の心配さえもたげていた井山と山下の激突は注目を集めました。
井山は中盤、鮮やかなカウンターパンチを決めて大きな白星を手にしました。山下は自身の黒模様に深々と突入していたが、井山は陣構えの不備を突いて強烈なカウンターを決めました。相手の一群に対して攻勢を仕掛け、山下は粘りましたが陣取り合戦で後れを取り、最終的には井山の弱石も見当たらず、投了せざるを得ない状況となりました。
成績表:
2024年4月4日
第49期棋聖戦(主催・読売新聞社、特別協賛・サントリーホールディングス)Aリーグは4月から第3ラウンドが始まった。2連勝の山下敬吾九段と1勝1敗の林漢傑八段が4日、日本棋院東京本院で対戦、結果は林が白番3目半勝ちし、白星を先行させた。
関連棋譜:【第49期棋聖戦Aリーグ】山下敬吾九段 対 林漢傑八段(白)
Bリーグも第3ラウンド開始。4月1日、平田智也八段―張瑞傑六段戦が日本棋院東京本院で行われ、平田が白番中押し勝ち、2勝1敗とした。4日に予定されていた大西竜平七段―洪爽義五段戦は洪の不戦勝。これで洪は3連勝。
2024年2月13日
日本国内予選のシニア枠は、高尾紳路九段が山下敬吾九段に勝利し枠抜けを果たしました。
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯国内予選シニア枠決勝】(黒)山下敬吾九段 対 高尾紳路九段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選、許家元九段と広瀬優一七段が予選通過。一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段を含めた日本代表の5名は、3月19、21日に江蘇省泰州市で行われる本戦へ出場します。
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)佐田篤史七段 対 許家元九段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯日本国内予選決勝】(黒)関航太郎九段 対 広瀬優一七段(白)
第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)関航太郎九段 対 酒井佑規五段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)広瀬優一七段 対 余正麒八段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)許家元九段 対 富士田明彦七段(白)
関連棋譜:【第15回春蘭杯世界囲碁選手権日本国内予選1回戦】(黒)佐田篤史七段 対 福岡航太朗五段(白)
第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン日本国内予選シニア枠の1回戦の結果は以下の通り。
【1回戦の結果】(左側が勝者)
2020年8月7日
市ケ谷の日本棋院で6日に打たれた第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦最終ラウンドの山下敬吾九段と許家元八段の対戦は、山下九段が205手までで黒番中押し勝ちし、通算3勝5敗でリーグ戦を終えた。大阪で行われた井山裕太棋聖―林漢傑八段戦で林八段が敗れて3勝5敗となったため、シード順位の差でリーグ残留が決まった。
すでに残留を決めていた許八段は通算4勝4敗となり、リーグ4位が確定した。
関連話題:第45期名人戦リーグ戦
2019年8月6日
韓国の国際囲碁大会、第6回国手山脈杯が8月5日に韓国で閉幕した。日本からは井山裕太九段、村川大介九段、山下敬吾九段、山田規三生九段と辻華初段の5名が出場している。
井山裕太九段と村川大介九段は1回戦で敗退した。山下敬吾九段は2回戦で敗退した。山田規三生九段と辻華初段ペアは2連敗で4位。山下敬吾九段を下した中国の陳耀燁九段が優勝。
中国の陳耀燁九段
2019年8月3日
第6回国手山脈杯は8月3日、韓国で開催される。山下九段が朴廷桓九段を下し、ベスト8進出。辻華新初段/山田規三生九段ペア、井山九段、村川九段が敗退した。8強戦は明日(4日)行われ、相手は中国の陳耀燁九段。
日程
8月2日(金):開幕式
8月3日(土):世界プロ最強戦16強、ペア碁戦準決勝
8月4日(日):世界プロ最強戦8強、世界プロ最強戦準決勝
8月5日(月):世界プロ最強戦決勝、ペア碁戦決勝
賞金
世界プロ最強戦:優勝(5000万ウォン)、準優勝(1500万ウォン)
ペア碁戦:優勝(2000万ウォン)、準優勝(1000万ウォン)
2019年7月11日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は11日、第8ラウンドの2局があり、4勝2敗同士の2位決戦となった山下敬吾九段対芝野虎丸七段戦は、芝野が黒番中押し勝ちして2敗を守り、名人挑戦に望みをつないだ。
来週18日にある、5勝1敗で首位を走る河野臨九段と4勝2敗で追う前名人、井山裕太四冠の首位攻防戦で河野が敗れれば、井山、芝野、河野の3者が同星首位に並んで8月1日の最終一斉対局になだれ込むことになる。芝野に敗れた山下は4勝3敗となり、今期の名人挑戦の望みを断たれた。
もう一局は、六浦雄太七段(2勝5敗)対孫喆七段(2勝4敗)戦。残留を争う者同士の対戦は、六浦が白番中押し勝ちした。これで六浦は他のリーグ棋士8人に先駆けて、3勝5敗で全8局を終了。8月の孫と村川大介十段(2勝5敗)の対局で孫が勝てば、残留プレーオフに進むことができる。
2019年6月13日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は13日、山下敬吾九段が村川大介十段を破って4勝2敗とし、首位の河野臨(りん)九段(4勝1敗)を星一つ差で追う好位置をキープした。残り2局の山下は、来月に同星の芝野虎丸七段(4勝2敗)との2位決戦、8月最終局に河野との直接対決を控える。6年ぶりの名人戦七番勝負出場に向けて、いよいよ正念場を迎える。
敗れた村川は2勝5敗となり、リーグ残留に赤信号がともった。来月は手空きで、8月最終局の相手は現在2勝3敗の孫喆(そん・まこと)七段。これに負ければ、他の対局と関係なくリーグ落ちが決まる。
2019年5月16日
張栩名人(39)への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は16日、前名人の井山裕太四冠(29)と、山下敬吾九段(40)が対局する。今春の棋聖戦七番勝負でフルセットの激闘を交わした2人が、舞台を変えて再び相まみえる。朝日新聞デジタルでは対局開始の午前10時からライブ中継し、戦いが中盤の佳境を迎える午後3時から終局まで、内田修平七段(29)が同時進行で解説する。持ち時間は各5時間。夜までに終局する。
井山はここまで2勝2敗と苦戦。過去43期の名人戦リーグで3敗者が挑戦権を獲得したのは1度しかなく、名人返り咲きには絶対に負けられない一戦で、難敵を迎える。一方の山下は、3勝1敗とリーグ暫定2位の好位置をキープ。4戦全勝で首位をゆく河野臨九段(38)とは8月最終ラウンドの直接対局を残しており、自力優勝に向けて1敗死守をめざす。
同日にはこの対局のほか、首位の河野と現在1勝3敗の孫喆七段が対局する。現在本因坊戦七番勝負で井山に挑戦中の河野は絶好調。今月11、12日の第1局を制した。勢いに乗って名人戦でも無敗を守るか、リーグ残留に向けて剣が峰に立つ孫が意地を見せるか、これも注目の一局だ。
2019年4月26日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は25日、第5ラウンドの残り2局が打たれた。1敗同士の上位対決となった羽根直樹九段―芝野虎丸七段の一戦は、羽根が白番中押し勝ちを収め、通算3勝1敗でリーグ2位に躍り上がった。敗れた芝野は3勝2敗で挑戦者レースから一歩後退した。山下敬吾九段―六浦雄太七段戦は、山下が白番中押し勝ちで3勝1敗とし、羽根と並ぶ2位につけた。
第5ラウンドを終えての暫定順位は①河野臨九段=4勝0敗②山下、羽根=3勝1敗④芝野=3勝2敗⑤井山裕太四冠=2勝2敗⑥鈴木伸二七段=2勝3敗⑦孫喆七段=1勝3敗⑧村川大介十段、六浦=1勝4敗。
1人8局打つ名人戦リーグは、3敗を喫すると挑戦権獲得は極めて難しく、過去の例でも大半が全勝~2敗者が挑戦している。5月以降の残り4ラウンドで、河野から井山まで上位5人が挑戦圏内といえ、鈴木以下4人は残留の可否に焦点が移りつつある。
2019年4月7日
本因坊文裕(29)への挑戦者を決める第74期本因坊戦リーグ(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の最終7回戦が5日、東京都千代田区の日本棋院で一斉に打たれ、首位の羽根直樹九段(42)が山下敬吾九段(40)に敗れた。
白の形は悪いですが、このあと攻め方が難しいので、黒が持て余してしまうかもしれません。
白34利かしにいったのはなかなか気づかない手です。黒37ノビは少し意外でした。
直接戦っていくのは少し無理と見たのでしょう。
白48三々は少し意外でした。黒から打たれてもそれほど地にならなそうなところなので、まだ早いかと思いましたが、徹底した実利作戦です。
白62全然予想外のところから仕掛けていきました。
直接いくのは少し自信がなかったのかもしれません。ただ黒は利きが多くてかなり動きが不自由なので、打つ手が難しいところです。
黒63凄い手がでました。利きが増えるということでしょうか。
82手まで、白が良さそうに見えます。
白86手はやり過ぎます。右辺はA位でコウが残っています。
黒は全部取れないと少し地合が大変かもしれません。なので、取りに行くことを真剣に考えていそうです。
黒165手まで、中央の白が全部取られました。羽根九段が投了しました。
2019年3月15日
囲碁の第43期棋聖戦7番勝負の第7局は14、15の両日、新潟県南魚沼市で打たれ、井山裕太棋聖(29)が313手で挑戦者の山下敬吾九段(40)に白番6目半勝ちし、4勝3敗で棋聖7連覇を達成、本因坊、王座、天元、十段と合わせ五冠を守った。七大タイトル獲得は通算44期となり、自身の最多記録を更新した。
2019年3月8日
囲碁の第43期棋聖戦7番勝負の第6局は7、8の両日、神奈川県箱根町で打たれ、挑戦者の山下敬吾九段(40)が250手で井山裕太棋聖(29)に白番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗として決着を最終局に持ち込んだ。
第7局は14、15日に新潟県南魚沼市で行われる。
昭和53年(1978年)9月6日生。北海道旭川市出身。菊池康郎氏(緑星囲碁学園)に師事。平成5年入段、同年二段、7年三段、8年四段、9年五段、10年六段、12年七段、15年九段(棋聖獲得により)
2024年11月11日
第50期名人戦最終予選決勝が行われ、福岡航太朗七段が張栩九段に白番中押しで勝利し、初の名人リーグ入りを果たしました。広瀬優一七段は依田紀基九段との対局で黒番中押し勝ちを収め、初のリーグ進出を果たしました。
福岡七段18歳10カ月でのリーグ進出は、名人戦リーグの歴史で5番目の若さです。「令和三羽ガラス」に続く期待の若手とされており、次期のエースとして頭角を現しています。
広瀬七段は依田紀基九段との対局で黒番中押し勝ちを収め、藤沢一門が誇る「新人王トリオ」の一人として初のリーグ進出を果たしました。依田九段は17期ぶりのリーグ入りを逃しました。
2024年5月20日
第49期名人リーグ戦(朝日新聞社主催)は20日、張栩九段が関航太郎九段に白番半目勝ちし、リーグ初白星を挙げました。通算スコアは関と同じ1勝4敗となり、リーグ残留の望みを残しました。
張は本局に負ければリーグ陥落確定の崖っぷちにいました。1勝3敗の関も残留に黄信号が点灯しており、非情の“落とし合い”は両者必死の読み合いとなり、序盤から見応えのある応酬が繰り広げられました。
リーガー9人のうち4人が陥落する総当たりリーグ。すでに0勝6敗の志田達哉八段の陥落が決定しています。残る三つの陥落枠をめぐり、熾烈(しれつ)なサバイバル戦が続いています。1勝4敗の張と関は、ともに残り3戦。負ければ即陥落の状況で、張の次戦は2勝3敗の山下敬吾九段との残留争い直接対決。関は一力遼棋聖とともに5戦全勝で挑戦者争いを演じている余正麒八段と対戦します。
成績表:
2024年4月12日
第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は、井山裕太王座が張栩九段に対して白番中押しで勝利し、星を2勝2敗の五分に戻しました。一方、張栩九段は開幕から4連敗と苦戦しており、リーグ残留には黄信号が灯った状態です。
試合は互いに一つの陣地につき100目を超える大規模な囲い合いとなりました。張栩九段は形勢が不利と判断し、井山裕太王座の中央の模様を消しにいきました。しかし、井山裕太王座は見返りに、張栩九段の確定地とされていた黒陣をコウ材有利を背景に強気に荒らし、一気に勝負を決めました。
2024年2月2日
名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は1日、富士田明彦七段が張栩(ちょうう)九段を破り、リーグスコアを2勝1敗とし、白星先行。張は開幕3連敗を喫し挑戦者レースから脱落、厳しい残留争いに回る。
手厚く構えて中盤以降に追い上げる戦法を得意とする富士田だが、今回は定型にとらわれない自在の打ち回しを見せ、歴戦の勝負師の張に対抗。形勢不明の勝負どころで刺し違え覚悟の飛び技を繰りだし、抜き差しならぬ戦いの過程で優位を確立、そのまま押し切った。
前期は1勝7敗と初リーグの洗礼を浴びた富士田だが、今期は実利よりも重厚な厚みを尊ぶ独自の棋風に磨きをかけ、結果が出ている。3月の次戦の相手は山下敬吾九段(1勝1敗)。張栩は3月手空きで、4月に井山裕太王座(1勝0敗)と対戦する。
2020年9月18日
第68期王座戦の挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、許家元八段が張栩九段を破り、初の王座戦五番勝負登場を決めた。初防衛を目指す芝野虎丸王座とのシリーズは、10月23日に横浜市で開幕する。
台湾出身の許八段はプロ8年目。初めて七大タイトルに挑んだ平成30年の第43期碁聖戦では、当時の井山裕太碁聖を3連勝のストレートで破り、七冠独占状態を崩した。芝野虎丸三冠や一力遼碁聖と並ぶ若手実力者だ。今期は、結城聡九段や山下敬吾九段といったタイトル獲得経験者を撃破した。
「王座戦は前期も挑戦者決定戦までいきながら、負けてしまったので、挑戦することができてうれしい」と許八段。芝野三冠には前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていた。
2020年8月7日
第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終ラウンド、羽根直樹碁聖が張栩九段に223手までで黒番中押し勝ちし、リーグ成績3勝5敗で残留を決めた。敗れた張九段は2勝6敗となり、名人通算5期を含む18期在籍したリーグからの陥落が決まった。
ともに2勝5敗で、勝った方がリーグ残留、負けた方が陥落するという「平成四天王」同士の“鬼勝負”だった。
終局後、張九段は「勝った碁を含めて内容が全体的によくなかった。落ちて当然だと思う。もうちょっといい碁を打たないといけない」とリーグ全体を振り返った。来期に向けては「リーグに入るのも大変なこと。とにかく一生懸命やるだけですね」と話した。
関連話題:第45期名人戦リーグ戦