2019年9月18日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第3局が、9月17日、18日の両日にわたって岐阜県岐阜市「岐阜グランドホテル」で行われた。
結果は、芝野八段が234手まで白番中押し勝ちを収め連勝、シリーズ2勝1敗と一歩リードした。終局時刻は18時25分、残り時間は黒1時間1分、白2分だった。
第4局は、9月25、26日に兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」で行われる。
2019年9月16日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑む第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が17日、岐阜市の「岐阜グランドホテル」で始まる。ここまで両者1勝1敗のタイ。
岐阜県での対局は、芝野と同じ当時19歳の挑戦者だった井山裕太・現四冠(30)を張名人が迎え撃った2008年の第3局以来。このときは張名人がシリーズ初白星を挙げてタイトル防衛の足がかりとした。
16日の前夜祭には現地の関係者ら約70人が集まり、歓迎した。挑戦者は「3局目だからもう慣れたでしょと言われますが、3局目ともなると挨拶のネタもなくなって困ってます。岐阜には初めて来たのですが、タイトル戦だと観光する暇がないようなので、今回勝って好感度を上げて、また来たいと思います。」と話し、会場の笑いを誘った。名人は「1、2局目の内容は反省すべきところがいっぱいあって、まだまだ満足のいく内容ではなかった。明日からもっといい内容の碁を見せられるように頑張りたい」と述べた。
午前9時開始。持ち時間は各8時間で、18日夜までに決着する。立会人は羽根泰正九段。
2019年9月11日
第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は2日目の11日午後5時40分(日本時間午後6時40分)、挑戦者の芝野虎丸八段(19)が張栩(ちょうう)名人(39)に195手で黒番中押し勝ちを収め、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は17、18日に岐阜市で打たれる。
2019年9月9日
張栩名人(39)に芝野虎丸八段(19)が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局が台北市のシャングリ・ラファーイースタンプラザホテル台北で10日午前9時(日本時間午前10時)から打たれる。立会人は王銘琬九段。
第1局は張名人が黒番6目半勝ちを収め、好スタートを切った。第2局は芝野挑戦者が黒番となる。名人が故郷の台湾での応援を背に2勝目を挙げて防衛へ前進するか、挑戦者が初の10代名人誕生に向け、シリーズ成績をタイに戻すか、注目の一番が始まる。
9日夕の前夜祭には現地の囲碁関係者ら約130人が詰めかけた。抱負を述べる場面で挑戦者は「台湾対局なので張栩名人を応援する方が多いと思いますが、気にせずがんばりたい」。あいさつに中国語を盛り込み会場をわかせた。名人は中国語での決意表明に続いて日本語で「台湾で打てる感謝の気持ちを力に変え、いい碁を見せたい」と自らの思いを重ねて述べた。
ホテル内の一室に設けられた対局場を、両対局者が検分した。碁盤を置く机の高さは、通常の椅子対局と同じになるように微調整したという。囲碁盤や碁石は現地の海峰棋院が用意したもの。碁笥の箱には、林海峰名誉天元が1965年に名人位を獲得したときの揮毫がある。立会人の王銘琬九段は「当時4歳。この名人獲得がきっかけで、僕は囲碁を始めました」と懐かしそうに話した。
両対局者は碁笥を置く位置を確かめたり、椅子と碁盤の距離を調整したりしたあと、握手を交わした。
名人戦の海外対局は2002年の中国・北京での依田紀基名人(当時)対趙治勲挑戦者以来、17年ぶり11回目。
2019年8月28日
第44期名人戦7番勝負の第1局は27、28の両日、東京都文京区で打たれ、張栩名人(39)が230手で挑戦者の芝野虎丸八段(19)に黒番6目半勝ちし、先勝した。
張名人は2期連続6度目の名人を目指し、芝野八段は七大タイトル初挑戦での奪取を狙う。
第2局は9月10、11日に台湾・台北市で行われる。
2019年8月26日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が、27日に開幕する。プロ入りから4年11カ月、史上最速で七大タイトル戦の舞台に立つ挑戦者には初の10代名人が、連覇をめざす名人には通算6期目がかかる。
対局前夜の26日、両者は午後5時から第1局が打たれる東京都文京区「ホテル椿山荘東京」対局室の検分に臨み、使用する碁石や盤を確認した。午後6時からの前夜祭で、張は「また最高の舞台で戦えるのは光栄です。魅力的な碁を打つ芝野さんとの対戦は楽しみ。必ず盛り上がるシリーズにするよう自分らしい碁を打ちたい」、芝野は「自分が碁を始めたころに活躍されていた張名人の相手になるとは、思いもよらず不思議です。2日制の碁は初めてですが、盤面に集中していい碁を残せるよう頑張ります」と話した。
第1局は27日午前9時開始。持ち時間各8時間の2日制で、27日夜に打ち掛け、28日朝に再開し、同日夜までに決着する。立会人は大竹英雄名誉碁聖。
10代の挑戦者は11年前の井山裕太・現四冠(30)以来2人目。当時の井山を迎え撃ったのも張で、4勝3敗で退けた。井山は翌年再挑戦し、史上最年少の20歳4カ月で名人になった。11月生まれの芝野は、10月の第6局までにタイトルを奪取すれば19歳名人に、第7局で獲得しても七大タイトルを通じて史上最年少のタイトル獲得記録となる。
2019年8月15日
中国の国際囲碁大会、第9回世界囲棋巓峰対決が8月15日に阜阳で閉幕した。日本からは井山裕太九段、芝野虎丸八段の2名が出場している。井山裕太九段と芝野虎丸八段は1回戦で敗退した。中国の柁嘉熹九段が優勝。
2019年8月8日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8日、同星首位によるプレーオフが打たれ、芝野虎丸七段(19)が河野臨九段(38)に208手で黒番半目勝ちし、張栩(ちょうう)名人(39)への挑戦を決めた。芝野は規定により、9日付で八段に昇る。七番勝負は27日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。
10代の名人挑戦は、2008年、19歳3カ月で当時の張名人に挑戦した井山裕太四冠(30)に次いで2人目。このとき井山は張に敗れており、今期19歳9カ月で七番勝負を迎える芝野には史上初の10代の名人がかかる。張との対戦成績は4勝1敗と勝ち越している。芝野が七大タイトル戦に挑戦するのは初めて。プロ入りから4年11カ月での挑戦は史上最速となる。
神奈川県相模原市出身。幼稚園児のころ、ゲームプランナーの父が購入したソフトで囲碁を覚えた。
2019年8月1日
大詰めを迎えた第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8月1日午前10時、最終ラウンド4局が東京と大阪で一斉に始まった。挑戦者争いに絡むのが3局、リーグ残留争いに絡むのが1局。消化試合は一つもなく、例年以上の「囲碁界の一番熱い日」になりそうだ。
挑戦の可能性を残しているのは、リーグ序列順に前名人の井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段。5勝2敗の同星首位で並ぶ3人の直接対決はすべて終えており、それぞれ別の棋士と対戦する。ここで単独1位が決まらなければ、序列上位2人によるプレーオフに持ち込まれる。
最終ラウンドの残る一局、村川大介十段対孫喆七段戦は、どちらも負ければリーグ陥落の「鬼勝負」となる。序列上位の村川は勝てば残留。同時に、孫のほかに同じリーグ初参加組の鈴木伸二七段、六浦雄太七段3人の陥落が決まる。孫は勝てば六浦との残留プレーオフにまわる。同時に打たれる芝野対鈴木戦で鈴木が勝てば、リーグ初参加組3人で1人の残留枠を争う3者プレーオフとなる。
朝日新聞デジタルでは、全4局を対局開始からライブ中継。戦いが佳境を迎える午後3時からは、先にリーグ全局を打ち上げている六浦七段が、井山対羽根直樹九段戦を終局まで同時解説。自身の残留にもかかわる他の対局についてもコメントする。
午後6時44分
大阪・北浜の関西棋院で打たれていた村川対孫戦が終局。村川が白番中押し勝ちし、リーグ残留が決定。同時に孫、鈴木、六浦3人のリーグ落ちが決まった。東京・市ケ谷の日本棋院で芝野と接戦を演じている鈴木は、この結果を知らない。
午後8時56分
芝野が鈴木に黒番中押し勝ち。対局中の井山、河野が敗れればリーグ優勝=名人挑戦が決まる。井山、河野のどちらかが勝てばプレーオフとなる。検討陣によると、井山は混戦で勝敗不明、河野は劣勢、との評。
午後9時41分
井山は羽根直樹九段に白番中押しで敗れ、挑戦者争いから脱落。河野は山下敬吾九段と対局を続けており、形勢不明のヨセ合いが続いている。
午後10時45分
河野が山下に白番3目半勝ち。これにより挑戦権争いは芝野と河野のプレーオフに持ち込まれた。今年の本因坊戦プレーオフに続く同一カード。本因坊戦では河野が勝って挑戦者に。今回はどうか。8日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれる。
2019年7月19日
天才棋士・芝野虎丸七段(19)と囲碁AI世界大会優勝を目指すAI「GLOBIS-AQZ」の強化学習5日目.verが7月19日に対局し、黒番の「GLOBIS-AQZ」が267手、3目半勝ちを収めた。
「GLOBIS-AQZ」は、日本棋院の理事も務める堀義人代表のグロービス、世界2位の囲碁AI「AQ」開発者の山口祐氏、日本棋院、囲碁AI「Raynz」を開発したトリプルアイズによる共同プロジェクト。海外の囲碁AIが世界を席巻する中、将来的な若手棋士育成のために、囲碁AI世界一を目指している。
囲碁界史上最年少で七段まで昇段を果たした芝野七段に対して、序盤は拮抗していたものの、中盤以降は確実にリードを広げ、芝野七段の反撃を許さなかった。
山口祐氏のコメント
「トラブルなく最後まで打ち切れて安心しております。芝野虎丸七段という非常に強いトッププロに勝利できたのは、学習がうまくいっている証拠なのかなと思います。学習5日目のものですが、人間のトップレベルより強くなっていると思っていて、それを実証できたかなと思います。コウの絡んだ攻防の読みの正確性、評価値のぶれがまだ大きいので、改善の余地はあると思います。ハードウェアまわりでレスポンスが遅い部分もあったので、しっかり対応したいと思います。1カ月後にAIの世界大会があるので、世界一を目指して頑張りたいです。」
芝野虎丸七段のコメント
「途中で黒の勝率が上がって、そこからはチャンスがなかったということなので、中盤から終盤にかけて、非常に強かったです。普段通りの力は出せたなと思います。圧倒的に負けたらどうしようとは思っていましたが、自分なりには打てました。もちろんできれば勝ちたかったですが、自分としてそんなに後悔する手はなかったです。(AIは)今後も有効活用できればいいかなと思います。」
2019年7月18日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は18日、前名人の井山裕太四冠が、星一つ差で首位の河野臨九段を破った。これで芝野虎丸七段を加えた3人が5勝2敗の同星首位に。張栩名人への挑戦者争いの決着は8月の最終ラウンドにもつれ込む。
名人返り咲きをねらう井山はリーグ前半戦を1勝2敗と出遅れたが、その後4連勝し、先行する河野をとらえた。最終ラウンドは8月1日、4局が一斉に打たれる。首位3人の直接対決はすでに終えており、いずれも他の棋士と対戦。リーグ優勝が決まらず同星首位が複数並べば、同8日に序列上位2人によるプレーオフが行われる。首位3人の序列は、上位から井山、芝野、河野の順。
井山は「前半戦を考えれば、挑戦者争いに加わって最終局を迎えられたのはよかった。次も精いっぱい打ちたい」と話した。一方、河野は「まだ挑戦者になる可能性を残している。悔いのないよう最終局を打ちたい」と話した。
2019年7月11日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は11日、第8ラウンドの2局があり、4勝2敗同士の2位決戦となった山下敬吾九段対芝野虎丸七段戦は、芝野が黒番中押し勝ちして2敗を守り、名人挑戦に望みをつないだ。
来週18日にある、5勝1敗で首位を走る河野臨九段と4勝2敗で追う前名人、井山裕太四冠の首位攻防戦で河野が敗れれば、井山、芝野、河野の3者が同星首位に並んで8月1日の最終一斉対局になだれ込むことになる。芝野に敗れた山下は4勝3敗となり、今期の名人挑戦の望みを断たれた。
もう一局は、六浦雄太七段(2勝5敗)対孫喆七段(2勝4敗)戦。残留を争う者同士の対戦は、六浦が白番中押し勝ちした。これで六浦は他のリーグ棋士8人に先駆け
2019年6月14日
中国の団体リーグ戦・乙級リーグ、丙級リーグ、女子リーグが、6月14日に中国浙江省衢州市で開幕する。日本からは乙級リーグに、中日友好チームとして許家元八段、本木克弥八段、余正麒八段、芝野虎丸七段が参加する。
また、個人として大西竜平四段が乙級リーグの河北省チームに、牛栄子二段が女子リーグのハルピン六合中天チームに参加する。
2019年5月17日
30歳以下の棋士16名によって争われる、第10回おかげ杯囲碁トーナメント戦(伊勢市おかげ横丁、協賛:濱田総業)の準決勝と決勝、3位決定戦が5月15日(水)に行われた。
午前に行われた準決勝では、前回優勝の許家元おかげ杯を安達利昌六段が、また芝野虎丸七段が一力遼八段を降し決勝に進んだ。
午後の決勝では芝野が安達を降し、初優勝した。
同時に行われた3位決定戦では一力が許を降した。
秋に行われるおかげ杯国際精鋭囲碁対抗戦には芝野七段、安達六段、一力八段と藤沢里菜四段、上野愛咲美二段が出場する。
2019年5月6日
2018年の棋戦優勝者と賞金ランキング上位者による2018年グランドチャンピオン戦(主催:日本棋院・関西棋院、後援:内閣府・文部科学省、特別協力:囲碁・将棋チャンネル)の準決勝・決勝が5月6日に東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われた。
準決勝では、井山裕太2017グランドチャンピオンが一力遼阿含桐山杯を、芝野虎丸七段が許家元碁聖をそれぞれ下し決勝に進出した。
公開対局で行われた決勝戦では芝野が井山に白番中押し勝ちし初優勝を決めた。
2019年4月26日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は25日、第5ラウンドの残り2局が打たれた。1敗同士の上位対決となった羽根直樹九段―芝野虎丸七段の一戦は、羽根が白番中押し勝ちを収め、通算3勝1敗でリーグ2位に躍り上がった。敗れた芝野は3勝2敗で挑戦者レースから一歩後退した。山下敬吾九段―六浦雄太七段戦は、山下が白番中押し勝ちで3勝1敗とし、羽根と並ぶ2位につけた。
1人8局打つ名人戦リーグは、3敗を喫すると挑戦権獲得は極めて難しく、過去の例でも大半が全勝~2敗者が挑戦している。5月以降の残り4ラウンドで、河野から井山まで上位5人が挑戦圏内といえ、鈴木以下4人は残留の可否に焦点が移りつつある。
2019年4月19日
グロービス杯世界囲碁U-20が19日、グロービス大学院で行われ、
芝野虎丸七段、六浦雄太七段、広瀬優一三段、上野愛咲美二段、牛栄子二段が1勝1敗で本戦3回戦へ、大西竜平四段が2連敗で敗退した。韓国の申旻埈九段、申眞諝九段と朴常鎭三段、中華台北の陳祈睿五段が2連勝でベスト8入りした。グロービス杯は日本で開催される唯一の世界棋戦です。
20歳未満とし、日本6名、韓国3名、中国3名、中華台北1名、欧州1名、北米1名、アジア・オセアニア1名
2019年4月10日
本因坊戦リーグプレーオフ、挑戦者決定の一局は、河野臨九段が芝野虎丸七段を降し本因坊文裕(井山裕太九段)に挑むことになりました。河野九段は本因坊初挑戦。今年公式戦14勝1敗という圧倒的な戦績。リーグが現行方式になってから初めて連敗スタートから挑戦権を掴みとりました。
劣勢を意識していたそうですが、ヨセ勝負で勝利を手繰り寄せました。河野九段は、これまで5回7大タイトル戦で井山裕太5冠と戦い、フルセットの熱戦を繰り広げるなどしていますが、タイトル奪取には至らず。「苦戦は間違いないが、精一杯自分の力を出し切りたい」と述べました。
芝野七段は、正確に打てれば良いかと意識する局面もあったようですが、史上最年少挑戦には、あと一歩届きませんでした。いつも「残留が目標」と口にしていた芝野七段ですが「初めて、しっかりと挑戦争いには絡めた気がします」と語りました。
来期(第75期)本因坊戦リーグの順位は下記の通りです。
1位 河野臨九段か井山裕太5冠
2位 芝野虎丸七段
3位 羽根直樹九段
4位 山下敬吾九段
2019年4月8日
本因坊戦リーグ、プレーオフ第1戦、羽根直樹九段と河野臨九段の対局は、河野九段が黒番中押し勝ちしました。10日の第2戦、挑戦者決定の一局は河野九段と芝野虎丸七段によって争われることになりました。共に本因坊初挑戦がかかります。
本因坊戦リーグ、連敗スタートから挑戦者決定戦まで駆け上がった河野臨九段。これで今年公式戦13勝1敗。いったんの連勝ストップ後も、再び4連勝と勢いが止まりません。芝野虎丸七段との決戦で、果実を掴み取れるか。
2019年4月5日
本因坊文裕(29)への挑戦者を決める第74期本因坊戦リーグ(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の最終7回戦が5日、東京都千代田区の日本棋院で一斉に打たれ、首位の羽根直樹九段(42)が山下敬吾九段(40)に敗れた。挑戦者決定は、5勝2敗で並んだ羽根と芝野虎丸七段(19)、河野臨九段(38)の3人によるプレーオフに持ち越された。
最終戦で、芝野は黄翊祖八段(31)を降し、河野は一力遼八段(21)との同率対決を制し、2敗を守った。
プレーオフは、まずリーグ序列が下位の羽根と河野が8日に対戦。その勝者が10日に上位の芝野と戦い、挑戦者を決める。
今期リーグは6回戦終了時点で、4人に挑戦の可能性が残る混戦となっていた。挑戦者決定プレーオフの実施は、2014年の第69期以来5年ぶり。3人のプレーオフは、06年の第61期以来13年ぶりとなる。
一方、来期リーグへの残留を決めたのは、羽根に加え、山下と芝野、河野の4人となった。
2019年4月4日
平成最後のリーグを制し、新時代最初の挑戦者となるのは誰か。第74期のリーグ最終戦は4月5日(金)、トップ棋士8人が東京本院に集結し、一斉に対局します。
最終戦のカードは次の通りになっています。※名前の左はリーグ順位:
羽根九段が首位に立ち、芝野七段、河野九段、一力八段が追う展開です。この4人に本因坊文裕(井山裕太九段)への挑戦の可能性があります。
羽根九段は、山下九段に勝てば挑戦決定です。しかし、敗れると、河野-一力戦の勝者とのプレーオフ、または芝野七段も加わった3者プレーオフとなります。残留争いについては、羽根九段がプレーオフ進出以上を決め、黄八段と安斎七段の陥落が決まっているほかは、すべて最終戦の結果によります。山下九段は他の対局の結果に関係なく、勝てば残留、敗れれば陥落。余八段は勝利して勝ち越しても、他の対局の結果いかんで陥落がありうる状況です。
挑戦のかかる羽根九段と、残留をかけた山下九段の四天王対決の行方は?挑戦、残留、陥落、すべての命運が紙一重の河野九段と一力八段の決戦はどうなるか?芝野七段、7大タイトル初挑戦への夢はつながるか。余八段に運命の女神は、ほほ笑むか。黄八段の意地の1勝、安斎七段のリーグ初
平成11年(1999年)11月9日生。神奈川県出身。平成26年夏季入段(平成27年度採用)。27年二段、28年三段、29年七段。令和元年八段、同年九段。芝野龍之介二段は実兄。
2025 年1月17日掲載
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日と17日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われました。挑戦者の井山裕太三冠(王座、碁聖、十段)が白番中押しで一力遼四冠(棋聖、名人、天元、本因坊)に勝利し、開幕戦を制しました。
1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。
1月17日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2025 年1月15日掲載
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第49期棋聖戦七番勝負第1局は対局前日の14日、会場となるホテル椿山荘東京で前夜祭が行われました。
一般の囲碁ファンも参加して開かれた前夜祭、決意表明で井山王座は「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい」。
一力棋聖も「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす」とそれぞれ力強く語りました。
新聞解説を担当する許家元九段は注目するポイントとして「井山王座の読みの深さと視野の広さ、一力棋聖のすきのなさと直線の読みの正確さ」と独特の表現で解説。「フルセットになる可能性が高いと思うが、年明け最初の大一番ということで、第1局をとった方が有利になる」と話しました。
ゲストとして読売日本交響楽団・次席第1バイオリン奏者の對馬哲男さんがバイオリンを演奏しました。對馬さんは地方で行われる演奏会でも空き時間を見つけて、地元の碁会所に囲碁を打ちに行くほどの囲碁好きだといい、新聞解説の許九段のファンであることが明かされました。ファンとともに作り上げた前夜祭は温かい雰囲気に包まれて幕を閉じました。
2024年12月27日
12月26日、第25期阿含・桐山杯日中決戦が中国西安の大唐西市文化観光地で開催されました。日本阿含・桐山杯者の一力遼九段と中国阿含・桐山杯者の陳梓健八段と対戦し、最終的に白番の陳八段が勝利を収めました。
一力九段にとって、2024年は飛躍の年でした。棋聖、名人、本因坊、天元という日本の四つタイトルを同時に保持し、さらに応氏杯世界囲碁選手権で初優勝を果たしました。
一方、対戦相手の陳梓健八段も若手ながら中国囲碁界で頭角を現している棋士です。中国00年代生まれで初めてプロ棋士となった新星として、国内外で数々の実績を積み重ねてきました。近年の囲碁甲級リーグでも安定した成績を残しており、勢いに乗る棋士の一人です。
これまで25回開催され、中国勢が19回優勝しており、日本棋勢が6勝となります。
2024年12月3日
第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第8局が、12月3日に釜山の農心ホテルで行われました。中国チームの謝爾豪九段が一力遼九段に中押し勝ちを収め、2連勝を果たしました。
中盤での攻防で一力九段がミスを重ね、謝九段が着実にリードを広げました。対局は143手で中押し勝ちという結果に終わりました。謝九段は前回大会でも一力九段に勝利しており、これで一力九段に対する戦績を4勝0敗としています。
8局終了時点でのチーム成績は以下の通りです。
日本1名、韓国チームは3名、中国3名が残っています。
2024年11月28日
11月28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジにて第50期天元戦の第4局が打たれました。黒番の一力遼天元が芝野虎丸九段に中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で防衛を決めました。
11月27日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
一力天元「一進一退の攻防でどの碁も非常に難しい。毎局、新たな発見がある」、「国内で一年の締めくくりになる重要なタイトル戦。今持っている力を精いっぱい出したい」と語りました。
芝野九段「1勝2敗で後がないですけど、やることに変わりはない。準備して集中して打てたらいい。一局一局の積み重ねでやっていくしかない」と語りました。
11月28日 8時50分 - 芝野虎丸九段が先に入室、しばらくして一力天元も入室しました。
9時 - 立会人の後藤俊午九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:かんきつ類のジュース。芝野九段:ラ・フランスのパンナコッタ と アイスティー。
12時 - 昼食。両対局者とも海鮮淡路島ぬーどるを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:「ラ・フランスのパンナコッタ」と「ホットティー」。芝野九段:「苺のショートケーキ」と「アイスティー」。
15時30分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛を果たしました。
2024年11月14日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの第3日目となる14日、中国からは初日の16強戦で4名全員が勝ち残り、15日の後半戦でも2試合の中国内対決が予定されていることから、最低6枠を8強で確保する見込みです。日本勢は32強戦で一力遼九段が、16強戦で芝野虎丸九段が敗れ、今大会を終えました。
2024年11月13日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズ1回戦が12日と13日、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで開催されました。芝野虎丸九段が初戦で中国の檀嘯九段に勝利を収め、2回戦進出を果たしました。一力遼九段は中国の連笑九段と対戦し、惜しくも逆転負けを喫しました。
2024年11月11日
11日午後、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで、2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの抽選会が開催されました。本大会には韓国から12名、中国16名、日本2名、台湾1名、タイ1名が参加し、日本の一力遼九段は連笑九段、芝野虎丸九段は檀嘯九段と対戦することが決まりました。
日本代表の一力遼九段は、「応氏杯優勝が自信につながり、日本囲碁界もさらに活気づいている」と話し、意欲を見せました。抽選会は出場選手が多い国順に進行され、各国間での対戦を考慮して準決勝まで同国対決を極力避けるように配慮されました。
1回戦は正午に開始され、決勝まで休息日なしで進行します。また、準決勝までの各ラウンドは対局を2日間に分けて実施し、視聴者に多くの解説を届けるため、配信にも工夫が凝らされます。
范胤八段
Pongsakarnアマ
許嘉陽九段
許皓鋐九段
王星昊九段
申眞諝九段
謝爾豪九段
金恩持九段
李軒豪九段
崔明勲九段
陳正勲八段
安正己八段
辜梓豪九段
崔精九段
謝科九段
劉昌赫九段
韓一洲八段
申旻埈九段
金禹丞八段
偰玹準九段
丁浩九段
姜東潤九段
陳賢八段
金明訓九段
檀嘯九段
芝野虎丸九段
柯潔九段
卞相壹九段
連笑九段
一力遼九段
党毅飛九段
朴廷桓九段
2024年11月9日
11月9日、福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」にて第50期天元戦の第3局が行われました。白番の一力遼天元が中押し勝ちを収め、対戦成績を2勝1敗とリードしています。天元位防衛まであと1勝。
第4局は、11月28日に兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で開催される予定です。芝野九段が勝利しフルセットに持ち込むか、それとも一力天元が3勝目を挙げてタイトル防衛を決めるか、見逃せない一局となります。
11月8日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
11月8日18時 - 前夜祭。一力遼天元の世界一のお祝い、芝野虎丸九段の誕生日のお祝いが行われました。
一力天元のコメント
一力天元「明日は虎丸さんのお誕生日ということですが、私も以前福岡の対局で誕生日を迎えたことがありまして、そのときは井山さんに容赦なくボコボコにされましたので、明日は井山先輩を見習いたいと思います」
こども記者の質問
11月9日9時 - 立会人の坂口隆三九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:久留米黒棒本舗さんのリーフパイ。芝野九段:銀のスプーンさんの「モンブラン」。
12時 - 昼食。両対局者とも福岡天然真エビカレーを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:銀のスプーンさんのフルーツのショットケーキ。芝野九段:久留米黒棒本舗さんのやわらか黒棒「福大黒」。
17時05分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛に王手をかけました。
【第50期天元戦挑戦手合第3局】(黒)芝野虎丸九段 対 一力遼天元(白)
2024年10月31日
第49期名人戦七番勝負の第6局が千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行われました。挑戦者の一力遼棋聖が芝野虎丸名人に勝利し、シリーズ4勝2敗で念願の名人位を獲得しました。
10月30日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は33%です。
10月31日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2024年10月30日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が、10月30日に千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝2敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。手番だった芝野名人が99手目を封じ、1日目を終えました。
2024年10月29日
第49期棋聖戦の挑戦者決定変則三番勝負第1局が関西総本部で行われ、180手まで白番を持つ井山裕太王座が山下敬吾九段に中押し勝ちを収めました。井山王座は一力遼棋聖との棋聖位七番勝負に挑む権利を手にしました。
井山裕太王座と一力遼棋聖の七番勝負は、2025年1月16日(木)・17日(金)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で幕を開けます。最高峰の対局に臨む井山王座は、「厳しいリーグ戦やトーナメントを勝ち抜き、この最高の舞台に戻れてうれしい。一力棋聖は現在充実しているが、自分が出せる最高の力を尽くして臨みたい」と意気込みを語りました。
年明けから始まる七番勝負に向け、井山王座は「棋聖への挑戦権を獲得する事ができました。年明けから始まる7番勝負に良いコンディションで臨めるよう、年内の対局も引き続きベストを尽くしたいと思います。」とコメントしました。
2024年10月26日
2024「三星杯」世界囲碁マスターズが11月12日より開催される予定です。日本から一力遼九段と芝野虎丸九段が出場します。優勝賞金は3億韓ウォンです。
今大会の32強戦はトーナメント方式で行われ、決勝戦は3番勝負で決着がつく予定です。大会前日の11日には、囲碁ファン60名が招かれる対局抽選会も行われ、ファンと世界の囲碁スターが交流する貴重な機会となります。
2024年10月23日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が行われ、芝野虎丸名人が挑戦者の一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収めました。シリーズは一力棋聖の3勝、芝野名人の2勝となり、芝野名人が後のない状況で勝利を挙げ、シリーズを第6局に持ち越しました。
第6局は、10月30日と31日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行わる予定です。
10月21日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。
10月22日 9:00 - 立会人の山下敬吾九段の「始めてください」の合図で対局が始まりました。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
10月22日 17:35 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行いました。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月22日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
10月23日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
10月23日 9:10 - 封じ手を立会人の山下敬吾九段が開封し、一力遼棋聖がその場所に打って対局が再開された。
10月23日 12:00 - 2日目の昼食。芝野名人:天ぷらうどん。一力棋聖:天ぷらそば。
10月23日 13:00 - 対局が再開されました。
10月23日 15:00 - おやつ時間。両者とも「フルーツ盛り合わせ」を選びました。飲み物は、芝野名人:桃ジュース。一力棋聖:アイスコーヒー。
10月23日 16:15 - 終局。一力遼棋聖が投了しました。142手まで白番の芝野名人の中押し勝ちです。
2024年10月22日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が、10月22日に神奈川県箱根町のホテル花月園で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝1敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。
10月21日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。
10月22日 9:00 - 立会人の山下敬吾九段の「始めてください」の合図で対局が始まりました。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
10月22日 17:35 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行いました。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月22日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
2024 年10月18日
第50期天元戦五番勝負の第2局が10月18日、北海道札幌市の京王プラザホテル札幌で行われました。対局は、2連覇を狙う一力遼天元(27)と、天元初挑戦の芝野虎丸名人(24)の間で繰り広げられ、白番を握った芝野名人が178手で勝利を収めました。この結果、シリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。
第3局は、11月9日に福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」で開催されます。
9時 - 立会人の武宮正樹九段の合図で対局が始まリました。
9時05分 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、立会人たちが退席します。
10時10分 - 午前のおやつ時間。両者ともに【ポピンズ】さんのシマエナガ フェデフォレスティエールを選びました。
12時 - 昼食。黒番の一力天元の勝率は48%です。両者ともに【あきず】さんの海老天麩羅・刺身定食を選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。両者ともにフルーツ盛り合わせを選びました。
15時25分 - 117手目は問題手のようです。AIの推薦はコスミです。
16時40分 - 終局。一力天元の投了で、シリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。
【第50期天元戦挑戦手合第2局】(黒)一力遼天元 対 芝野虎丸名人(白)
2024 年10月11日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が、10月10日、大阪府守口市にあるホテルアゴーラ大阪守口で行われました。142手までで白番の一力遼棋聖が中押し勝ちを収めました。一力棋聖はシリーズで3勝1敗とリードを広げ、名人奪取に王手をかけました。
序盤から白番の一力遼棋聖は実利を重視する打ち方を選びました。一方、黒番の芝野虎丸名人は模様で対抗しました。中盤に入り、一力棋聖は黒の大模様に打ち込みました。この瞬間から両者の攻防が激しくなりました。最終的に、一力棋聖は黒石の包囲網を巧みに打開しました。芝野名人はこの状況を覆すことができず、投了を選択しました。
10月9日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所を確認します。
10月10日 9:00 - 立会人山田規三生九段の「時間になりました」の合図で対局が始まります。
10月10日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席します。
10月10日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:黒カレーと黒毛和牛サーロインステーキ&ミックスジュース。一力棋聖:にぎり寿司盛り合わせ&ウーロン茶。
10月10日 13:00 - 対局が再開されます。
10月10日 15:00 - おやつが運ばれます。芝野名人:プレミアムモンブラン。一力棋聖:苺のフレジェ。
10月10日 17:40 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行います。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月10日 18:30 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了します。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は13%です。
10月11日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直します。
10月11日 9:10 - 封じ手を立会人山田規三生九段が開封し、一力遼棋聖がその場所に打って対局が再開された。
10月11日 12:00 - 2日目の昼食。芝野名人:鰊と九条葱のお蕎麦 鉄火丼。一力棋聖:甘鯛と松茸の土鍋御飯。
10月11日 13:00 - 対局が再開されます。
10月11日 14:05 - 終局。142手まで白番一力遼棋聖の中押し勝ち。
2024 年10月11日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が、10月10日、大阪府守口市にあるホテルアゴーラ大阪守口で開始されました。この対局は、名人位を防衛する芝野虎丸名人と、初の名人位を目指す挑戦者一力遼棋聖との緊張感あふれる一戦です。
開幕から一力棋聖が2連勝し、芝野名人が第3局で1勝を返して迎えた今回の第4局。名人戦の行方を左右する重要なラウンドです。芝野名人がタイに持ち込むのか、それとも一力棋聖が名人位に王手をかけるか、囲碁ファンの期待が高まっています。
10月9日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所を確認します。
10月10日 9:00 - 立会人山田規三生九段の「時間になりました」の合図で対局が始まります。
10月10日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席します。
10月10日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:黒カレーと黒毛和牛サーロインステーキ&ミックスジュース。一力棋聖:にぎり寿司盛り合わせ&ウーロン茶。
10月10日 13:00 - 対局が再開されます。
10月10日 15:00 - おやつが運ばれます。芝野名人:プレミアムモンブラン。一力棋聖:苺のフレジェ。
10月10日 17:40 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行います。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月10日 18:30 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了します。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は13%です。
2024 年10月7日
10月7日に行われた第50期天元戦五番勝負の第1局は、阿含・桐山杯決勝に続き、またしても一力遼棋聖と芝野虎丸名人の間で緊迫した半目勝負となりました。今回も一力棋聖がわずかな差で芝野名人を退け、289手で勝利を収めました。
注目の一戦となる第50期天元戦五番勝負の第1局が愛知県名古屋市の「文化のみち橦木館」で行われました。対戦は天元保持者の一力遼棋聖と、名人位を保持する芝野虎丸名人によるものでした。両者は、9月25日に開催された第31期阿含・桐山杯決勝でも対戦し、こちらでも一力棋聖が半目で勝利しています。そのため、2回連続で半目勝負という稀に見る接戦が繰り広げられ、両者の実力が非常に拮抗していることが改めて証明されました。
第2局は、10月18日に北海道札幌市の「京王プラザホテル札幌」で開催されます。
2024/10/07 第50期天元戦挑戦手合第1局:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024/09/25 第31期阿含・桐山杯決勝:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024/09/18 第49期名人戦挑戦手合第3局:一力棋聖 ×-○ 芝野名人
2024/09/05 第49期名人戦挑戦手合第2局:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024/08/30 第72期王座戦挑戦者決定戦:一力棋聖 ×-○ 芝野名人
2024/08/28 第49期名人戦挑戦手合第1局:一力棋聖 ○-× 芝野名人
【第50期天元戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸名人 対 一力遼天元(白)
2024 年9月25日
9月25日、第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦の決勝戦が京都府京都市山科区の「阿含宗本山総本殿 蝸牛庵」で行われました。一力遼桐山杯が白番半目勝ちで芝野虎丸名人を下し、2連覇を達成し、通算で3度目の優勝を果たしました。
両者は序盤から鋭い攻防を展開しました。互いにスピード感のある手を打ち合い、次第に盤面は激しさを増していきました。終盤段階では、左下での劫争が非常に激しくなり、対局の行方はまったく予測がつかない状況になりました。劫争を繰り返す中で、形勢は何度も逆転し、最後に勝負を決めたのは一力桐山杯の冷静な読みでした。
プロとアマが対戦する唯一のオープン戦として、1994年にアコム杯全日本早碁オープン戦が創設され、1999年第6期より阿含・桐山杯となります。
2024/09/25 第31期阿含・桐山杯決勝:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024/09/18 第49期名人戦挑戦手合第3局:一力棋聖 ×-○ 芝野名人
2024/09/05 第49期名人戦挑戦手合第2局:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024/08/30 第72期王座戦挑戦者決定戦:一力棋聖 ×-○ 芝野名人
2024/08/28 第49期名人戦挑戦手合第1局:一力棋聖 ○-× 芝野名人
2024 年9月18日
第49期名人戦挑戦手合第3局が三重県鳥羽市の「戸田家」で行われ、芝野虎丸名人が白番で挑戦者の一力遼棋聖を204手で中押し勝ちし、シリーズ初勝利を飾りました。これで芝野名人は1勝2敗とし、巻き返しを図っています。
対局場所となった「戸田家」は、一力挑戦者にとって過去に良い思い出のある場所です。昨年の本因坊戦七番勝負第7局では、井山裕太本因坊(当時)との大一番を制して4勝3敗で自身初の本因坊を獲得しました。また、今年5月には余正麒八段を相手にした本因坊戦五番勝負第3局にも勝利し、3連勝で初防衛を果たしています。
前日の取材で一力棋聖は、「戸田家さんは本因坊戦の獲得と防衛を決めたゲンのいい場所です。いいイメージを持って対局に臨めます。今日はおいしい食事と温泉でリフレッシュして、明日からの対局に備えます」と笑顔で語っていました。
一方、芝野名人にとっても「戸田家」での対局は今回で5回目となります。初対局は2020年の本因坊戦七番勝負第5局で、井山裕太現三冠に3連敗を喫しましたが、2022年の名人戦七番勝負第2局では井山名人(当時)に勝利し、名人位奪還のきっかけとなりました。
芝野名人は前日の取材で「戸田家さんには何度か来ていますが、自分の場合、対局場所と内容が結びつかないんです。でも、景色が良く、ゆっくり過ごせるので気に入っています」と自然体の笑顔を見せていました。
名人戦第3局は、一力挑戦者の大石をめぐる複雑な攻防となり、両者のシノギ勝負が繰り広げられました。芝野名人は壮絶な読み合いを制し、最後には挑戦者のコウでの粘りを振り切って勝利を収めました。これにより、シリーズは1勝2敗となり、無敗で勢いに乗る一力棋聖に初めて土をつけ、流れを引き戻しました。
2024 年9月10日
第10回応氏杯五番勝負を3連勝で制した一力遼三冠が9日帰国し、日本棋院で記者会見に臨みました。記者会見での報道陣との主なやり取りは以下の通りです。
優勝を決めることができて、今日ここにいるのが不思議な気持ち。昨日、対局後の表彰式で重いトロフィーを抱えた時や、多くの人にお祝いしてもらってやっと少しずつ優勝の実感が湧いてきた。
応氏杯は初めて決勝に残ることができた。準決勝三番勝負で、中国の柯潔さんを2勝1敗で制することができたのが大きな自信になった。長い間、日本は優勝から遠ざかっていたし、今回の応氏杯で周囲の期待が大きいのも肌で感じていた。そういった重圧をあまり強く感じすぎず、一番上の舞台で中国の強い人と戦えるのを純粋に楽しもうと決勝五番勝負を戦ったのがいい結果につながった。
途中までかなり苦しくて、逆転してよくなったが最後まで気が抜けなかった。勝ちを意識した時は手が震えそうな場面もあった。「これでやっと長い五番勝負が終わったんだな」というのが、相手が投了した時の最初の感想だった。
まだまだ中国・韓国に強い棋士がたくさんいるし、ナンバーワンの申真諝(シン・ジンソ)さんにはまだ及ばない部分が多くある。少しでもそういう棋士との差を詰めていきたい。
持ち時間3時間半と長い持ち時間の対局であれば、昼食休憩のある5時間とか8時間の碁を経験している自分の方が有利と思っていた。謝科さんには今まで一度も勝てていなかったが、慣れている持ち時間設定だったので、優勝を狙えるという自信はあった。3時間半の持ち時間は、使い果たすと名人戦リーグ(5時間)と大体同じ。7月にあった名人戦リーグは、応氏杯を意識した時間配分で臨んだ。
2年前から、心技体の「心」の部分を強化してきた。いろいろ経験を積むにつれて、大舞台でも今までほど気負わなかったり動じなかったりするようになり、メンタル面の成長は感じている。
張栩さんは自分が院生時代にタイトルを一番多く取っていて、トップ棋士のオーラを一番感じた先生だった。入段した後も個人的にお世話になり、張栩さんのように世界戦で優勝するような棋士になりたいとずっと思い浮かべていた。昨日の第3局、日本棋院で大盤解説をすると聞き、(第3局で)決めたいという気持ちもあり、それが実現できて非常にうれしい。
ベスト16の時点で日本勢は私一人だったので不安な部分が多かったが、許家元さんが同行してくれたことで精神的にもかなり心強かった。前日に一緒に布石の研究ができた。4月の予選、7月の準決勝に同行してくれたことが優勝の原動力になった。決勝進出を決めた時、許さんは「世界チャンピオンになるのを間近で見たい」と言ってくれてうれしかった。それを果たすことができて少し恩返しをすることができた。
途中までは予定通りだったが、早い段階から想定から外れた。前日にいろいろ研究していて、多少違う局面になっても対応できた。間近で研究仲間としてやってくれたのは非常に心強かった。
将来は分からないが、許さんも選手として世界戦で上位で活躍してほしい気持ちもあるので、今後は2人で選手として残っていけたらいい。昨年、アジア大会で負けた時、世界戦に向けたサポート体制は中国・韓国に比べると弱いと感じた。韓国は選手のほかに別の選手が常に同行し、万全の状態という印象を受けたので、中国・韓国のいいシステムは積極的に取り入れていきたい。
もちろん二つやるのは大変な部分があるし、周囲にはそういう声もあったが、前例にないことに挑戦するのはやりがいも感じている。10年前は大学まで行ってタイトルを取る棋士はいなかった(が大学に進学してタイトルを取った)。そういう、今まで前例がなかったことをいい意味で覆していきたい気持ちはずっと持っている。
今までの中では一番いい状態に来ていると思うが、まだまだ成長していきたい。年齢のことは気にせず、日々成長を積み重ねていきたいので、今がピークとは考えていない。
世界戦で優勝できたのは大きかったが、これから二つ三つと優勝を重ねていくのは非常に大変だが、そこにチャレンジしていきたい気持ちはある。日本の棋士全体の底上げに自分が先頭を切ってやっていけたらと思う。年下の若手と対局したり研究会をやったりしていきたい。
まだ中国・韓国とは少し差があるが、トップの実力差は申真諝さんは一つ抜けている印象だが、その他の棋士は大きな差はない。トップ層の実力はAIの影響もあって拮抗(きっこう)してきている。ただ、中国ではトップに匹敵するような棋士が30~40人と層が厚い。トップを狙えるような層の厚さを日本でも築いていかないと厳しい。1人が結果を出すと次は自分も、と思う人が増えてくるのは他の業界でもある。若手の棋士がそう思ってくれれば、今回優勝したかいがある。
いつからかそう呼ばれていて少し気恥ずかしい。中国に行くと多くのファンがいて、日本にいる時よりもファンの密度が高い。ホテルでも出待ちがいる。昨日も優勝記者会見後にロビーで30人くらいの中国人がサインを求めて待っていた。中国の若者の熱の高さを感じたし、日本でも若い世代にもっと関心を持ってもらえたらうれしい。
2024 年9月9日
9月8日、第10回応氏杯世界囲碁選手権の決勝で初優勝を果たした一力遼九段が、中国メディアの記者団にインタビューを受けました。以下はその内容です。
ありがとうございます。決勝の第2局と第3局は非常に厳しい局面が多く、勝てるとは思っていませんでした。ですので、今はとても嬉しいです。
はい、中盤に入ったあたりから形勢が非常に悪いと感じていました。特に、持ち時間がなくなり罰点が加わった時は、かなり厳しい状況でした。しかし、一手一手を慎重に打ち、自分の最善を尽くそうと心掛けていました。終盤、上辺で形勢が複雑になった時に、左右に進出できたことで少しチャンスがあると感じました。
実際、どの対局も非常に厳しかったです。特に、準々決勝で許嘉陽八段と対戦した時は、終盤まで時間がなく、非常に難しい局面でした。また、準決勝での柯洁九段との第1局と第2局も相当な苦戦でした。この大会で優勝できたのは、中国のトップ棋士たちとの逆転劇が自信をもたらしてくれたおかげです。
19年間、日本が世界タイトルを獲得できなかったことはとても長い時間です。この優勝は、私にとっても大きな栄誉ですし、これからも自身を奮い立たせたいと思います。また、日本の若手棋士たちにも頑張ってほしいです。もし私が彼らの手本になれるのであれば、とても嬉しく思います。
2024 年9月9日
9月8日、第10回応氏杯決勝五番勝負の第3局が上海市宝山区の途易ブルーホテルで行われ、一力遼九段が黒番で237手の末、謝科九段に勝利し、3連勝で自身初の世界タイトルを手にしました。これは日本棋院にとって2005年の張栩九段以来、19年ぶりとなる世界大会優勝となります。
8月に重慶で行われた五番勝負の第1局と第2局で、一力九段は連勝し、謝科九段を追い詰めました。その後、日本国内の棋戦に戻った一力九段は、阿含桐山杯決勝や王座戦挑戦者決定戦でも好調を維持していました。さらに名人戦七番勝負では挑戦者として登場し、芝野虎丸名人に対して2連勝を果たしています。王座戦挑戦者決定戦では芝野九段に敗北し、唯一の黒星となりました。
第3局は一波乱万丈の展開となりました。序盤は右下隅での戦いから始まり、謝科九段が鋭い手を放ち、局面をリードしました。中央から右辺への展開でも謝科九段は巧みな打ち回しを見せ、大きな白地を築きましたが、形勢は僅差のまま推移しました。
昼食休憩を挟んで再開された対局では、謝科九段が致命的なミスを犯し、一力九段に決定的な分断のチャンスを与えてしまいました。白の大石は黒に封じ込められ、生命線を断たれる危機に陥りました。
しかし、一力九段も一度はミスを犯し、謝科九段にチャンスが訪れます。白の大空間を確保しつつ、黒の大石を狙う局面で、謝科九段はさらなるミスを重ね、最終的に一力九段が勝利を収めました。
一力九段は、「途中は形勢が苦しく、正直厳しいかなと思っていましたが、最後まで諦めないように心がけていました。優勝できるとは思っていなかったので、今は本当にほっとしています。日本から応援してくださった皆さんに心から感謝を伝えたいです」と、喜びの気持ちを語っていました。
一力九段の師匠である宋光復九段は、ホテルの別の部屋で対局の様子をテレビで見守っていました。一力九段の勝利が確定すると、彼は手で顔を覆い、喜びをかみしめました。
宋九段は「小学2年生からの門下生として、長い年月を共に過ごし、いろいろな苦労をしてきました。彼の努力が報われて、感無量です。これからも彼はさらなる高みを目指すと思いますが、その成長を見守っていきたいです」と話しました。また、「泣き虫だった少年が、学業や経営との両立の中で、数多くの試練を乗り越え世界一になったことを誇りに思います。これからも全力で走り続けてほしいですが、どうか体調には気をつけて」と、温かいメッセージを送りました。
日本棋院の武宮陽光理事長は、「二連勝後のプレッシャーは非常に大きかったと思いますが、その重圧の中で偉業を成し遂げたことに、心から称賛の意を表します。特に日本棋院創立100周年という節目の年に、ファンが長く待ち望んでいた国際棋戦優勝を達成できたことは感慨深いものです」と、感謝と称賛の言葉を贈りました。
【第10回応氏杯決勝五番勝負第3局】(黒)一力遼九段 対 謝科九段(白)
2024 年9月7日
明日(9月8日)、一力遼棋聖は国際棋戦「応氏杯世界選手権」の決勝五番勝負第3局に臨みます。2連勝中であるので、19年ぶりに日本が世界タイトルを奪取するまで、あと1勝というところまで迫っています。対局は中国・上海のホテルで行われます。
記者会見で、一力棋聖は「ここまで決勝まで来られたこと、そして2連勝できたことはとても嬉しいです。上海でも普段通りにベストを尽くしたいと思っています」とコメントをしました。
日本棋院では9月8日に応氏杯第3局の解説会が開催され、13時30分(10:30開場)から対局の詳細が解説される予定です。来場者全員に特製応援うちわがプレゼントされ、さらに抽選で揮毫色紙が当たる特典も用意されています。「一力九段を応援しよう」というイベントは、家族や友人と一緒に楽しむことができます。
2024 年9月5日
第49期名人戦挑戦手合七番勝負の第2局が9月5日、宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われました。芝野虎丸名人と一力遼棋聖の対局は、4日から始まった2日制の対局となり、5日午後7時12分、292手で一力棋聖が1目半の白番勝ちを収めました。
対局は両者ともに細かい形勢判断と巧妙な手順で進み、終局まで緊張感のある戦いが続きました。最終的に一力棋聖が芝野名人に1目半差で勝利し、これで名人戦七番勝負を2勝とリードしました。次の第3局は9月17日、18日に三重県鳥羽市「戸田家」で行われる予定であり、一力棋聖が3連勝を達成するのか、それとも芝野名人が反撃に出るかが注目されます。
一力棋聖は、3年前の第46期名人戦でも名人位に挑戦し、井山裕太名人(当時)をあと一歩まで追い詰めながら、惜しくも連敗して奪取に至りませんでした。今回は、そのリベンジを果たすべく、挑戦手合いでの優勢を維持しています。
2024 年9月3日
第50期天元戦挑戦者決定戦が2日、東京・市ケ谷にある日本棋院東京本院で行われ、芝野虎丸名人が許家元九段を下し、一力遼天元への初挑戦権を獲得しました。対局は午後3時59分、190手で芝野名人が白番中押し勝ちを収めました。
芝野名人と一力天元は、すでに名人戦や王座戦で対戦しており、今回の天元戦が3つ目のタイトル戦での顔合わせとなります。特に、8月30日に行われた第72期王座戦挑戦者決定戦では、芝野名人が一力天元に勝利し、井山裕太王座(35)への挑戦権を獲得したばかりです。さらに、今月25日には京都市で第31期阿含・桐山杯決勝で再び対戦する予定です。
天元戦五番勝負は10月7日に開幕し、全国各地を巡って行われます。第1局は名古屋市の文化のみち橦木館で開催され、その後、札幌市、福岡県久留米市、兵庫県洲本市、徳島市での対局が予定されています。
2024 年8月30日
第72期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が8月30日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。午後4時3分、芝野虎丸名人が188手で一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収め、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
芝野名人と井山王座の五番勝負第1局は、10月16日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われます。芝野名人は、これまでのトーナメント戦で苦しい局面も多かったと語り、「挑戦まで来られてよかった。挑戦手合いでも全力を出し切りたい」と、意気込みを見せました。
芝野名人は、鋭い攻めと冷静な形勢判断を兼ね備えた棋風で知られています。2019年には七大タイトル史上最年少の19歳11カ月で名人位を獲得し、同年には井山王座から王座のタイトルを奪取しました。翌年には王座初防衛を果たしましたが、2021年の五番勝負で井山王座にタイトルを奪還されました。井山王座との対戦成績は25勝31敗で、今年6月から7月にかけての碁聖戦では3連敗を喫しており、今回の対決でリベンジを果たすことを目指します。