
1月20日、ソウル韓国棋院特別対局室で行われた第29回LG杯朝鮮日報棋王戦決勝三番勝負の第1局、卞相壹九段が柯潔九段に敗れました。284手の熱戦の末、2.5目差での黒番勝ちとなりました。
1997年生まれの同い年による韓中決勝戦は、中盤で訪れたチャンスを卞相壹九段が逃したことで苦しい展開に陥りました。解説の白洪淅九段は「勝機を難しい形で掴みながら、あまりにも簡単に手放してしまった」とコメントしています。特に問題となったのは142手目の一手。左側のノゾキを選択しなかったことで、白が外側に抜ける余地を与えてしまいました。この大きなミスにより形勢は黒に傾き、卞相壹九段は新たな戦機を模索せざるを得ませんでした。
終盤では、黒の勝率が97%を超える場面もありましたが、柯潔九段の思わぬミスと卞相壹九段の粘りで勝負は振り出しに戻りました。しかし、その後も勝利の女神は卞相壹九段に微笑まず、試合は午後4時13分、約6時間に及ぶ激闘の末に幕を閉じました。これで卞相壹九段は柯潔九段に対して7連敗となり、2015年の初対決以来、まだ1勝も挙げられていません。
1996年に創設されたLG杯は、これまで韓国が13回、中国が12回、日本が2回、台湾が1回優勝を果たしています。優勝賞金は3億ウォン、準優勝賞金は1億ウォンであり、メジャー国際棋戦です。
両棋士ともに今回がLG杯決勝進出2回目であり、いまだ優勝経験はありません。卞相壹九段は第28回大会で申眞諝九段に0-2で敗北し、柯潔九段も第25回大会で申旻埈九段に1-2で敗れています。
三番勝負の第2局は1月22日に同じ会場で行われる予定です。卞相壹九段が勝利して1勝1敗のタイに持ち込めば、翌23日に最終局が行われ、第29回LG杯の優勝者が決定します。持ち時間は各3時間、秒読み40秒5回の形式で進行します。

日本棋院の2024年賞金ランキングが確定しました。このランキングは、2024年1月1日から12月31日までの全公式戦の賞金と対局料を集計したものです。賞金ランキングの1位に輝いたのは、一力遼棋聖です。一力棋聖は昨年に続き、2年連続での1位となり、獲得賞金は1億2181万5066円に達しました。
女流棋士の中では、藤沢里菜女流本因坊が1位となりました。藤沢女流本因坊が賞金ランキングで女流棋士トップになるのは3年ぶりで、これで通算7回目です。賞金総額は3518万7216円となりました。
10代の若手棋士からは福岡航太朗七段と上野梨紗女流棋聖がトップ10入りを果たし、新世代の活躍が注目されています。
| 順位 | 棋士名 | 賞金額 |
|---|---|---|
| 1 | 一力 遼 棋聖 | 121,815,066円 |
| 2 | 井山 裕太 王座 | 57,449,414円 |
| 3 | 芝野 虎丸 九段 | 48,370,316円 |
| 4 | 藤沢 里菜 女流本因坊 | 35,187,216円 |
| 5 | 上野 愛咲美 女流立葵杯 | 20,390,526円 |
| 6 | 許 家元 九段 | 15,562,094円 |
| 7 | 山下 敬吾 九段 | 13,423,000円 |
| 8 | 関 航太郎 九段 | 11,952,000円 |
| 9 | 福岡 航太朗 七段 | 11,645,000円 |
| 10 | 上野 梨紗 女流棋聖 | 9,770,000円 |

「第1回日本女子囲碁リーグ」の第6ラウンドが1月18日(土)、東京イーストサイドホテル櫂会で開催されました。ホームのチームセンコーグループが「チーム囲碁・将棋チャンネル」と対戦し、2勝1敗で勝利を収めました。この勝利でチームセンコーグループは4勝目を挙げ、首位の座をしっかりと守りました。
個人成績では、チームセンコーグループ所属の上野愛咲美女流立葵杯がここまで5戦全勝中です。
主将戦 - (勝)藤沢里菜女流本因坊 vs 井澤秋乃五段(負)

副将戦 - (負)高山希々花初段 vs 上野愛咲美立葵杯(勝)

三将戦 - (負)星合志保四段 vs 牛栄子四段(勝)











第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日と17日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われました。挑戦者の井山裕太三冠(王座、碁聖、十段)が白番中押しで一力遼四冠(棋聖、名人、天元、本因坊)に勝利し、開幕戦を制しました。
1月15日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。



1月15日 - 前夜祭
井山王座「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい。」
一力棋聖「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす。」




1月16日 8:53 - 一力棋聖が入室。


1月16日 8:54 - 井山王座も入室。


1月16日 9:00 - 立会人の高尾紳路九段の合図で対局が始まりました。

1月16日 9:05 - 黒番の一力棋聖が右上隅小目に打ちました。

1月16日 12:00 - 昼食時間。
一力棋聖:魚介のリングイネ トマトソース。
井山王座:うどん(冷)。


1月16日 13:00 - 対局が再開されました。

1月16日 15:00 - おやつが運ばれました。
一力棋聖:和菓子と抹茶・紅茶(ホット)。
井山王座:フルーツ盛り合わせ・アイスコーヒー。


1月16日 17:50 - 手番だった一力棋聖が「封じ手」を行いました。

1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。
1月17日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。

1月17日 9:10 - 封じ手を立会人の高尾紳路九段が開封しました。


1月17日 9:10 - 一力棋聖がその場所に打って対局が再開された。

午前のおやつ - 一力棋聖:グレープフルーツジュース。井山王座:ホットコーヒー。


1月17日 12:00 - 2日目の昼食。
一力棋聖:そば(冷)。井山王座:にぎり寿司。


1月17日 13:00 - 対局が再開されました。


1月17日 15:00 - 2日目の午後おやつ時間。両者ともにフルーツ盛り合わせ。

1月17日 18:00 - 終局しました。
井山裕太三冠(白番)が一力遼四冠(黒番)に中押し勝ちを収めました。

1月17日18:00の時点で、井山三冠が中押し勝ちを収めました。

第28期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負の第1局が、1月16日に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で行われました。初防衛を目指す上野梨紗女流棋聖は、挑戦者の向井千瑛六段を黒番中押しで下し、好スタートを切りました。

上野女流棋聖は「形勢判断する余裕がないぐらい難しい碁でしたが、夢中で打ちました」と語りました。

第2局は1月23日、日本棋院東京本院で行われます。





第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われます。昨年と同じ顔合わせで、一力遼棋聖と井山裕太王座が再び激突する注目の頂上決戦です。
1月15日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。



1月15日 - 前夜祭
井山王座「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい。」
一力棋聖「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす。」




1月16日 8:53 - 一力棋聖が入室。


1月16日 8:54 - 井山王座も入室。


1月16日 9:00 - 立会人の高尾紳路九段の合図で対局が始まりました。

1月16日 9:05 - 黒番の一力棋聖が右上隅小目に打ちました。

1月16日 12:00 - 昼食時間。一力棋聖:魚介のリングイネ トマトソース。井山王座:うどん(冷)。


1月16日 13:00 - 対局が再開されました。

1月16日 15:00 - おやつが運ばれました。一力棋聖:和菓子と抹茶・紅茶(ホット)。井山王座:フルーツ盛り合わせ・アイスコーヒー。


1月16日 17:50 - 手番だった一力棋聖が「封じ手」を行いました。

1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。

第28期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負の第1局を前に、1月15日、神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で前夜祭が行われました。
上野女流棋聖は「去年平塚で女流棋聖戦に挑んでから1年が経ち、またこの地に来られて嬉しいです。防衛できるように頑張ります」と語りました。挑戦者の向井六段については「戦闘型の棋風で強いと感じます」とし、姉である上野愛咲美女流棋士からは「最強に頑張りなさい」との励ましを受けたことを明かしました。また、第1局に向けては「去年の悔しい敗北があるので、もう怖いものはありません。思い切って頑張りたい」とコメントしました。
「本戦トーナメントでは逆転の対局もあり、幸運だったと思います。このチャンスを活かせるように全力を尽くします」と述べました。上野女流棋聖については「普段は可愛らしくニコニコしていますが、囲碁に対する姿勢は真剣そのもので、私も見習いたいと思います」と評しました。そして、「これまでの挑戦手合では第1局で負けることが多かった気がするので、明日は精一杯頑張りたい」と意気込みを語りました。
辻華三段

小林泉美七段

佃亜紀子六段

加藤優希初段


一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第49期棋聖戦七番勝負第1局は対局前日の14日、会場となるホテル椿山荘東京で前夜祭が行われました。
一般の囲碁ファンも参加して開かれた前夜祭、決意表明で井山王座は「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい」。

一力棋聖も「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす」とそれぞれ力強く語りました。

新聞解説を担当する許家元九段は注目するポイントとして「井山王座の読みの深さと視野の広さ、一力棋聖のすきのなさと直線の読みの正確さ」と独特の表現で解説。「フルセットになる可能性が高いと思うが、年明け最初の大一番ということで、第1局をとった方が有利になる」と話しました。

ゲストとして読売日本交響楽団・次席第1バイオリン奏者の對馬哲男さんがバイオリンを演奏しました。對馬さんは地方で行われる演奏会でも空き時間を見つけて、地元の碁会所に囲碁を打ちに行くほどの囲碁好きだといい、新聞解説の許九段のファンであることが明かされました。ファンとともに作り上げた前夜祭は温かい雰囲気に包まれて幕を閉じました。











2024年中国囲碁甲級リーグが中国海南省三亜市で幕を閉じました。韓国の申真諝九段の活躍により、蘇泊爾杭州チームが柯潔九段率いる深圳龍華チームを下し、優勝を果たしました。
申真諝九段は今シーズン、15戦全勝という完璧な戦績を記録しました。蘇泊爾杭州チームは2年ぶり、通算7回目の優勝を達成しました。
決勝第2Rの主将戦では、申真諝九段が深圳龍華チームのエース柯潔九段と対局しました。この試合は4時間53分、304手に及ぶ激戦となり、申真諝九段が5目半勝ちを収めました。申真諝九段は柯潔九段との対戦成績を10連勝としました。

1位 蘇泊爾杭州チーム
申真諝九段、連笑九段、李欽誠九段、謝科九段、胡子豪五段、段博堯四段
2位 深圳龍華チーム
柯潔九段、朴廷桓九段、時越九段、陶欣然九段、戎毅七段、石豫来三段
3位 上海聚申体育チーム
李維清九段、王星昊九段、韓一洲八段、胡耀宇八段、黄明宇六段
4位 成都懿錦控股チーム
党毅飛九段、謝爾豪九段、廖元赫九段、屠曉宇八段、馬逸超六段
5位 龍元明城杭州チーム
丁浩九段、金禹丞七段、卞相壹九段、葉長欣五段、馬靖原四段、戴琪高三段
6位 重慶野狐囲碁チーム
李軒豪九段、楊鼎新九段、何語涵七段、李翔宇六段、劉宇航七段、何暘五段



1月9日、日本棋院東京本院で行われた第4回テイケイグループ杯レジェンド戦予選決勝で、淡路修三九段が福井正明九段を破り、公式戦通算1100勝(693敗3持碁1無勝負)を達成しました。これは日本棋士として20人目です。
1949年8月13日生まれの淡路修三九段は、東京都出身で伊藤友恵七段門下の棋士です。1968年に入段し、1984年に九段に昇段しました。主なタイトルとして、第21期と第25期首相杯優勝、第9期と第11期新鋭トーナメント優勝があります。さらに、1983年第8期碁聖戦、1984年第39期本因坊戦、1989年第14期名人戦などで挑戦者の座を獲得しました。
淡路九段の通算成績は1100勝693敗3持碁1無勝負、勝率は61.3%となります。達成時の年齢は75歳4カ月で、入段から56年9カ月を要しました。最多勝記録は趙治勲名誉名人の1611勝、最高勝率は結城聡九段の71.2%がそれぞれ保持しています。また、最年少達成は結城聡九段の42歳1カ月、最短期間での達成は山下敬吾九段の28年5カ月です。
| ID | 棋士 | 達成日 | 年齢 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 林海峰 名誉天元 | 1998年03月02日 | 55歳9か月 | 42年11か月 |
| 2 | 加藤正夫 名誉王座 | 1999年03月18日 | 52歳0か月 | 34年11か月 |
| 3 | 小林光一 名誉棋聖 | 2002年02月28日 | 49歳5か月 | 34年10か月 |
| 4 | 趙治勲 名誉名人 | 2002年04月04日 | 45歳9か月 | 34年0か月 |
| 5 | 大竹英雄 名誉碁聖 | 2004年07月22日 | 62歳2か月 | 48年3か月 |
| 6 | 羽根泰正 九段 | 2008年06月19日 | 63歳11か月 | 50年2か月 |
| 7 | 武宮正樹 九段 | 2012年06月21日 | 61歳5か月 | 47年2か月 |
| 8 | 山城宏 九段 | 2012年12月20日 | 54歳4か月 | 40年8か月 |
| 9 | 王立誠 九段 | 2013年05月23日 | 54歳6か月 | 41年1か月 |
| 10 | 本田邦久 九段 | 2013年10月02日 | 68歳3か月 | 52年8か月 |
| 11 | 結城聡 九段 | 2014年03月31日 | 42歳1か月 | 30年0か月 |
| 12 | 小林覚 九段 | 2016年11月03日 | 57歳6か月 | 42年7か月 |
| 13 | 依田紀基 九段 | 2017年06月29日 | 51歳4か月 | 37年2か月 |
| 14 | 石田秀芳 二十四世本因坊 | 2019年01月17日 | 70歳5か月 | 55年8か月 |
| 15 | 片岡聡 九段 | 2020年07月23日 | 61歳11か月 | 48年3か月 |
| 16 | 王銘琬 九段 | 2020年09月03日 | 58歳9か月 | 43年5か月 |
| 17 | 山下敬吾 九段 | 2022年09月15日 | 44歳0か月 | 28年5か月 |
| 18 | 工藤紀夫 九段 | 2024年01月22日 | 83歳5か月 | 68年9か月 |
| 19 | 高尾紳路 九段 | 2024年09月19日 | 47歳10か月 | 33年5か月 |
| 20 | 淡路修三 九段 | 2025年01月09日 | 75歳4か月 | 56年9か月 |
2025-01-09

初開催「ソパルコサノル世界最高棋士決定戦」の本戦メンバー9名が確定しました。日本からは福岡航太朗七段が代表として参加し、中国の柯潔九段がワイルドカード枠で選出されました。
大会は2月5日にソウル・江南での前夜祭で幕を開け、6日から10日まで第1ラウンドが開催されます。
第2ラウンドは6月9日から12日まで行われます。
9名の棋士が総当たり形式で対戦し、順位を競います。
最終的にリーグ戦の上位2名が10月に三番勝負の決勝戦で対決します。
持ち時間は各1時間、さらに1手ごとに30秒の加算がある累積時間制で進行されます。
優勝賞金は2億ウォン(約2000万円)、準優勝賞金は1億ウォン(約1000万円)とされています。

【第36期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)謝依旻七段 対 上野愛咲美立葵杯(白) 実戦からの問題です。△黒石をどう取るかどうかが課題、手順は大事です。
失敗図
白1、3とアテても、黒は捕まないです。

正解図
白1のゲタが手筋。a、bはどの逃げ道でも助かれないです。

変化図1
ハンマーパンチ🔨

変化図2
ハンマーパンチ🔨🔨


かなめ石の◯の二子をどう取るかどうかが課題。
失敗図
黒1のケイマは白を封鎖することはできるが、緩んでいるため、白4、6と出切られてうまくいかない。白8、10のナラビが手筋、黒攻め合い負け。

正解図
黒1のツケが手筋。その後、一本道。黒の攻め合い勝ち。


◯の白二子をどうとるか。広い意味でゲタのバリエーションの一つ。解決するまでの手数は長く、最後まで読めるかどうか。
失敗図
まずシチョウは成立しない。

正解図
黒7のアテ込みが手筋。白全体がダメヅマリとなり、最後は攻め合いは黒勝ち。


このような形の◯白一子を取ろうとする場合、まずシチョウ、次にゲタ、最後に緩みシチョウを考えるのが手順というもの。
失敗図
まずシチョウは成立しない。黒1、3から5とダメをつめて追っていっても、白6、8と愚形に逃げられる。

正解図
黒1のアテ、白2と逃げたとき、黒3とかけるのが手筋。手数は長いが、一本道。


追い落としで石を取るには、相手をダメヅマリに追い込むことが条件となる。
失敗図
黒1のトビは、白をダメヅマリにする工夫が感じれない。白2のトビが好手で、左方に連絡できる。

正解図
黒1の押しが手筋。これが白をダメヅマリに追い込む急所の一手となる。

変化図
前図黒3のカケに、白1のトビなら、黒2から4と詰める手順。


逃げ道をふさぐ石の取り方がゲタだから、本形はその変則的なバリエーション。◯二子をどう取るか。
失敗図
黒1から3のアテても、白は捕まらない。白の逃げ道をふさぐ手筋が必要。

正解図
黒1のハサミツケが手筋。白二子はダメヅマリとなり、どう打っても逃げられない。


死活やヨセに限らずダメヅマリの石には、弱点や欠陥が生じやすい。
失敗図
黒1から3のアテでは白のダメヅマリをとがめていない。この程度ではものたりない。

正解図
黒1のワリコミがダメヅマリを攻めた手筋。白2、4が最強の抵抗だが、黒5で白石が全部取れる。


隅の黒を切断している白二子をどう取るか。白からの利きも考慮する。
失敗図
黒1のハネは、初めに思いつく手段だろう。しかし白2と切られてみると、すぐ失敗に気づく。

正解図
黒1のケイマが手筋。AとBが見合いとなっていて、手筋の正しさがわかる。


逃げ道を塞いで白石を取る。その考え方からすれば、形は異なるが、本形はゲタの仲間とも言える。
失敗図
黒1に白2のマガリがいい手で、白4、6の手順で捕まらない。

正解図
黒1カケが逃げ道を塞ぐ手筋。白の形の急所に当たる。応用範囲が広い手筋である。


黒が三方に分けれていて、一見して苦しそうな局面。◯二子を取る手筋を考えていただきたい。
失敗図
黒1から3のアテまで先手で決めたが、AとBを同時に守るのが無理だ。

正解図
黒1のハサミツケがこの際の手筋。黒9まで、全ての黒が生き返った。


白⚪︎の三子を取る問題です。黒は棒ツギするか、押さえるか、どちらにしても読みを必要とする。
正解図
黒1のマクリが手筋。黒5まで白二子を取り込んで、大きな成果であろう。白は被害を最小限に食い止めた。

変化図
黒1に白2と取るのは、黒3とアテられていかにも無理な形。

正解図(続き)
続いて、白4のツギに黒5とツイで、攻め合いは黒勝ち。白は大損である。


白⚪︎の三子を取る問題です。黒は棒ツギするか、押さえるか、どちらにしても読みを必要とする。
失敗図
黒1の棒ツギは安全策で、危険はない。ただし白2の「イタチの腹ヅケ」と呼ばれる攻め合いの手筋がある。

正解図
強く黒1と押さえる手が成立する。白2の切りが怖いが、黒3で対応できる。

正解図(続き)
続いて、白6のツギに黒7からアテればシチョウになる。グルグル回しという。


⚪︎の三子を取れば隅の黒石が復活する。左方に白の壁が控えているからちょっと厄介だ。どう打って⚪︎の白石を取るか?

黒1と3の二段バネは、白を取ることができず、黒石の復活が断念になる。

黒1のケイマが手筋。白2のツケには黒3のハネ込みが関連した手筋になる。白4には黒5のアテから7まで、追い落としが成立する。

かなめ石を取る問題。簡単な手筋だが、知らなければなかなか打てないかもしれない。読みを少々必要とする。

黒1とアテたくなるものだが、これは失敗。黒3、5と白一子を取っても、白8とアテられ、上辺の黒が傷んでしまう。

黒1のツケが手筋。白2とツイでも、黒3から5、7と追って、白は逃げられない。

これもかなめ石を取る問題。応用範囲の広い手筋である。知らない人はこれをきっかけに自家薬籠中のものにしていただきたい。

黒1のアテから3は俗手である。黒9まで分断はしたものの、白10まで生きられてみれば黒三子はダメヅマリ。

アテを保留して単に黒1とツケるのが手筋。白2に黒3の切りも手筋。

黒1に白2の抵抗も考えられるが、心配はいらない。強く黒3にサガって良い。白4、6のハネツギには黒7としっかり守り、白は打っただけ取られ。この一連の流れ、大いに参考になるだろう。

かなめ石をとるのがテーマ。白二子を取れれば黒は一気に厚くなるし、取れなければ黒不安定になる。

黒1から3とアテても成功するわけがない。白2、4と取られて、黒はバラバラ。こういう手段は反動もきびしく、きちんと読みを入れたうえで慎重に行動したいもの。

黒1で白二子は取れている。これで黒が一気に厚くなる。

一発で決まる手筋。黒の放つ手筋に対して、白も抵抗を試みる。それからの攻防を極めることが手筋を深く理解する道である。

黒1のアテコミは一見すると急所のように見えるが、白2のアテで事件は起きない。手順が大切で、初手を誤ると成功しない。

ワリコミが正解。白2のアテには黒3のアテコミが筋のいい手。白4のアテには黒5で切れている。白aなら黒b。黒3では5の切りでも大丈夫。

息もつかせぬ連続技が華麗な手筋を生むことがある。しかしその場合は、周囲の環境が整っていないと成立しない。

黒1のハネから3のツギは、何事も起こらない。

黒1のハネから3の二段ハネが手筋。白4の両アタリには黒5のツギ。白6の取りに黒7で切断できる。攻め合いは黒勝ち。

形には弱点というものが存在する。この弱点の発見が切断につながるだろう。


黒1のハネ込みから3と切る。白4の取りに、黒5から9となればコウになる。

黒1のアテ込みが手筋である。白2、4に黒5と切るのが手順。6と7が見合いとなる。

上辺の白は一眼しかないから右方との連絡を切断したいところ。

一見すると、黒1のツケで切断できそうだが、白2のハサミツケがシノギの好手。一線をするりと渡ってしまう。

黒1のノギが切断の手筋。白2なら黒3とハネで良い。このノゾキの手筋は実戦でも見過されることもあるから要注意だ。

ダメ詰まりを活用する手筋は死活やヨセの分野で頻繁に現れるが、これは切断に利用する手筋である。

黒1のサガリは白2と切られてうまくいかない。黒3には白4のツギで息が切れている。

黒1のアテコミがダメ詰まりを追及する手筋である。白2のツギなら、黒3とツイでよい。

黒1に白2のアテなら黒3と逃げてよい。白のダメ詰まりはまだ解消されていない。白4なら黒5と、白の石にくっつけて打つのがコツ。白は連絡できない。

意外性、飛躍した感のある手筋である。白の応対によって、影響の及ぶ方向が異なるのも意外性を増幅するだろう。

黒1のワリコミはそれほど恐れることはない。白2から4と受ける。黒5と切断できるが、白6から10と取れば白の実利も大きい。

黒1のワリコミのほうがきびしい。白2の受けなら黒3とヒキ、4と5が見合い。

黒1に白2から受けても事態はそれほど変わらない。黒3とひいて、やはり4と5が見合い。

切断の常用の手筋。実戦でも頻繁に現れる。戦いの端緒になることも多い。

黒1の出から3のアテはひとつの手段ではあろう。しかし白6まで眼形確保ができる。

格言「ケイマにツケコミあり」の黒1が手筋。白2に黒3の切りである。黒5で白二子を切り離す。

前図の結果が白不満なら、白4と切るしかない。勢い黒5の切りで地を稼ぐのは一本道である。白はまだ眼形がなく、黒は攻めの目標ができて楽しみである。

手筋というのは一発で決まるときも勿論あるんが、複合技で決まる場合もある。この場合は手順が重要となる。

黒1から3のワリコミは手順が間違えた。白に2から4と受けられて、連絡している。単独のワリコミだけではいけないし、ワリコミ二連発も手順を間違えば失敗する。

黒1と3のワリコミニ連発が手筋である。白4に黒5で切れていることはおわかりだろう。手順の大切さが知れよう。

白の形はなにやら欠陥が見えて。とは言っても、やはり手筋を行使しなければ、切断することができない。手順が大事。

黒1の出から3のハネ出しは、白4と受けられて連絡している。これは無策のそしりを免れない。

黒1の出から3のツケは、勝手読みのたぐいであろう。白4のツギが当然とはいえ好守。何事も起こらない。

黒1の出から3の切りを利かし、5の切り返しが手筋。白6の取りに黒7のブツカリが冷静。白七子が取り込まれる。

白地には一見するとなにも欠陥がないように見えるが、じつは重大な傷が隠れている。白の形をじっくり眺めれば、なにかがみえてくるだろう。

黒1のサガリでは何も事件は起こらない。白2に黒3と切っても、攻め合いにもならない。

黒1の切り込み、そして白2に黒3の切り返しがセットの手筋である。白4なら黒5と突き出すまで。見事な手筋の効果だ。

黒1の切りに白2の変化は考えられる。それには黒3のハネが好手。白4に黒5のツギツギになるしかない。白三子を取り込んで、大戦果である。

星の定石から三三入りした場面。三三に打ち込んだ白と左方の白二子との連絡具合にやや薄みが感じられる。

黒1のハネ出しから6まで切断しようとする人が多いのではないかと思われる。しかしこれは白の実利がバカにならず、損が大きい。

黒1のワリコミが切断の手筋。白2のアテなら黒3のツケが連動した厳しい手筋。隅の白は眼がなく助けられない。

上辺の石の切断の問題。分かりやすい形なので、一目で手筋がわかってほしいもの。応用範囲の広い基本的手筋で、実戦でも広く用いられている。

黒1の抜きはお手伝いの一着。白2となって白の連絡の不備をわざわざ黒が補ってやっているような印象だ。知らなければやむをえないが、この際しっかり頭に入れ、実戦で使いこなしてほしい。

黒1のツケコシが辺でよく現れる切断の手筋である。白2とさえぎれば黒3と切ってあとは一本道。白4とかかえるしかなく、黒5がシチョウにかかえて一段落。見事に切断を果たした。

黒1に白2と応ずるのが、多少紛らわしい。この時は黒3のアテコミが手筋。白4なら黒5とハネるのが好手で、切断成功である。

上辺の白の形が整っていない。実戦でも広く応用できるので、ぜひ知っておきたい手筋。

黒1のノゾキは根拠を奪って白を攻めるときの手段。この局面にはマッチしていない。白6までとなって封鎖はならず。

黒1から3、5と白三子を取り込んで黒成功である。右辺の白はこの結果、自然消滅の形。

黒1のツケに、白2と元をツグ手は、自身の手数を延ばして、隅の黒との攻め合いを狙った手である。しかし、黒3と詰められ、白4にも5と打たれ、白の手負けは明白である。

切断の形は様々あっても、もっとも効果も大きい手段を選ぶのが常識。形に明るいことも手筋発見の力になる。

黒1はつい打ちたくなる手だが、都合よく白3とはツイでくれない。正しく白2と応じられると、黒はアキ三角の愚形になっている。

黒1のハネ出しは白2と抑えられて、切断できない。

黒1のツケが手筋。白2と受けても黒3のアテ込みが好手で、白は切断されている。隅の白にも生きはない。

星の三三入り定石から生じた形。白の形の薄みに切り込み、切断に繋げられるかどうか。形の欠陥を見抜く眼力、読みの力が問われる。

黒1、3のハネ切りは鋭い手段。しかし当然ながら、白4のヒキが冷静な着手で、あと一歩及ばない。

黒1と意外なところにツケるのが手筋の盲点。この一発で白四子は、連絡できない形となっている。

辺の切断の常用の筋。しかし落とし穴もあり、すんなり分断できるかどうか。白には分かれ道があり、その判断も考慮を要する。

「ケイマにツケコシあり」だが、黒1のツケコシは失敗に終わる。白8まで黒は無理形であろう。

黒1とこちら側のツケコシが厳しい。白2と左方を応じれば、黒3のハサミツケが第2弾の手筋となる。白4には黒5で、隅の白が助からない。

黒1に対して、白2で応じることもできる。黒は3と遮断し、強力な厚みが出来上がる。全図と本図、どちらかを選択するは周囲の配石によって判断する。

左方の白四子を味よく分断するテーマ。黒のテクニックが問われる場面でもある。

黒1、3とアテるのは凡手。これは白の連絡を阻止できない。

黒1と内側からアテるのが手筋。損を先にする手なので、白は気合で2と出たい。しかしその犠牲打により、黒3、5と味よく分断できる。黒は当初の目的を達し、白四子を取り込んでは大戦果である。

追い落しにする基本的な問題。標的は、黒一団を左右に切断している隅の石だ。手順を誤ると上手くいかない。


黒1のホウリコミは手順を誤った。黒3から5とツイでも白6とツガれて間に合わない。



黒1のホウリコミを先にして、白2と取らせてから3とホウリコミのが絶対の手順である。黒5から7でぴったり間に合う。

切断の手筋として、有効な働きを持つ手段で、ここではそれを封鎖に活用する。一子を犠牲打とする代表的な封鎖の形。

黒1のツケは白2とノビられて、相当味悪の形。白8のハネ出しが厳しくなる。

黒1のツケコミが封鎖の手筋。白2、4は仕方なく、黒5から7まで味の良い封鎖形である。

白はスマートな進出のように見えるが、手筋一発で決まる。白の対応にも注意が必要。形に明るくなるためには、瞬間的に手筋が見えるようになりたいもの。

黒1、3は初級の手です。白は2から4と黒を裂いて堂々の進出。

黒1のハネ込みが目の覚めるような手筋。黒5まで切断に成功した。黒1は切断と封鎖を兼ねた手筋ともいえる。白2から4は、石の調子に見えるが、この場合はいけない。

白は2のツギから4と内側からアテて辛抱するしかない。白6、8とハネツいで、無条件生き。黒は先手で厚みを築いた。失敗図と本図の違いは天地の差。これは手筋の威力。
2025-01-24

女流本因坊5連覇を果たした藤沢里菜女流3冠の第43期女流本因坊就位式が、1月24日に東京都内のホテルで行われました。5連覇を達成した藤沢女流3冠は「連覇はとても大変だが、これから少しでも連覇を積み重ねていけたらいい」と意欲を語りました。
昨年11月に入籍した夫で囲碁棋士の横塚力七段も花束を手に祝福に駆け付け、「10連覇でも20連覇でも続けていただきたい」とお祝いの言葉を述べました。
藤沢女流3冠が5連覇を決めた第43期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負(共同通信社・日本棋院主催、JA共済連・共栄火災協賛)は、昨年9月18日に岩手県花巻市の温泉旅館「佳松園」で第1局が開始されました。藤沢女流3冠は2連勝でスタートしましたが、挑戦者の牛栄子四段が2連勝で追い上げる展開となりました。そして昨年11月15日に行われた第5局では、藤沢女流3冠が勝負強さを発揮して制し、同じ年齢のライバルである牛四段の挑戦を退けました。
主催者の株式会社共同通信社・三土正司社長は、「藤沢女流3冠の5連覇とご結婚は、日本棋院が創立100周年を迎えた昨年にふさわしい慶事です」と、公私ともに充実した藤沢女流3冠を祝福しました。また、花巻市で第1局を主催した岩手日報社・川村公司社長は、「花巻は多くの人に力や幸運を与える“パワースポット”です」と地元の喜びを語りました。
日本棋院の武宮陽光理事長は「実力者同士の熱戦でしたが、いくつもの修羅場を乗り越えてきた藤沢さんが素晴らしい実力を発揮して勝利しました」と称賛しました。藤沢女流3冠のファンである宮本文義さんも「夫である横塚力さんの力も得て、さらなる高みを目指していただきたいです。」
就位式には関係者約80人が参加しました。協賛社であるJA共済連・共栄火災からは、5連覇を記念してJAタウンギフト券やおコメ券の副賞が藤沢女流3冠に贈られました。











2024-12-07

12月7日、トップ女流棋士4人による囲碁イベント「女流囲碁アマノ杯青龍戦」が開催されました。このイベントの最大の特徴は、参加する全ての棋士が着物姿で対局に臨むというユニークなルールです。
参加者は、藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美女流立葵杯、上野梨紗女流棋聖という現役タイトルホルダーに加え、歴代最多タイトルを持つ謝依旻七段です。対局は1手30秒のNHK杯方式で進行し、2回戦のトーナメント形式で行われました。
決勝戦では、藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯を相手に黒番1目半勝ちで優勝を決めました。優勝者には柳田泰山先生が揮毫した記念皿「青龍」が贈られ、さらに井山裕太王座からの祝辞や真下玲奈さんから花束も贈呈されました。













