2024 年8月28日
8月27日から28日にかけて、神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」で行われた第49期名人戦第1局で、一力遼棋聖が芝野虎丸名人に対し、199手まで黒番で中押し勝ちを収めました。第2局は9月4日宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われます。
初日の27日、白番の芝野虎丸名人は116手目を封じて打ち掛けとしました。両者の消費時間は、一力棋聖が3時間43分、芝野名人が3時間49分でした。28日の午前9時に封じ手が開封され、対局が再開されました。立会人には石田秀芳二十四世本因坊が務め、対局は16時42分に終局しました。
終局後、芝野名人と一力棋聖は大盤解説会に登場しました。先勝した一力棋聖は、「序盤から攻めに行くことができ、まずまずの内容でした」と語りました。一方、敗北した芝野名人は「序盤から白地を削られるような展開が続き、厳しい戦いとなりました」と、1日目からの苦しい展開を振り返りました。
一力棋聖は「次も熱戦をお届けできるよう全力を尽くします」と意気込みを見せました。芝野名人も「本局の結果は残念ですが、次局で挽回できるよう頑張りたい」と力強く語りました。
2024 年8月19日
第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦の本戦準決勝で、一力遼三冠と許家元九段が対決しました。過去の対戦成績では一力三冠が16勝4敗とリードしており、この対局でもその優位を保ち、勝利を収めました。2年連続決勝に進出しました。
決勝で待ち受けるのは、3日前の準決勝で井山裕太九段を破った芝野虎丸名人です。この二人は名人戦七番勝負でも対戦することが決まっており、阿含・桐山杯の決勝も含め、再びの頂上決戦となります。さらに、両者は王座戦本戦でも準決勝に進出しており、芝野名人は天元戦でも一力三冠への挑戦まであと1勝のところまで来ています。
2024 年8月14日
8月14日、中国重慶市のニコロホテルで行われた第10回応氏杯世界プロ囲碁選手権決勝第2局で、一力遼九段が中国の謝科九段を260手で9点勝ちし、五番勝負で2勝0敗とリードを広げ、応氏杯初優勝に王手をかけました。
謝科九段が黒番を持ち、積極的な姿勢で挑みました。特に序盤から黒棋は空角を占めずに中央を意識した打ち方を見せ、一力九段の白を右上で猛攻しました。しかし、その後一力九段は大きな損失を被る形で右上の白石を捨てる選択をし、形勢は一時、黒に有利となりました。
対局が進むにつれて、謝科九段の優位はますます明確になり、勝率も80%以上に達しました。しかし、一力九段はここで諦めることなく、冷静に対応を続けました。特に、上辺で白石が薄い状況を生かしながらも、黒大石を攻めることで逆転のチャンスを狙いました。
最も決定的な局面は、中腹での黒大石が活きるかどうかにかかっていました。謝科九段は冷静さを欠き、一力九段に逆転の糸口を与えることになりました。特に、最後の局面で黒石が不必要な手を打ち、白石の厚みを作らせる結果となりました。これにより、白が一気に逆転し、最終的には謝科九段が大逆転負けを喫する形となりました。
2024 年8月12日
8月12日、中国重慶市江北区で行われた第10回応氏杯世界プロ囲碁選手権決勝の第1局で、日本の一力遼九段が中国の謝科九段を1点差で破り、先勝を飾りました。これにより、一力九段は五番勝負で1勝0敗とリードし、世界一に向けて好スタートを切りました。次の第2局は8月14日に行われる予定です。
今回の対局は一力九段が黒番(罰2点)で、難解な読み合いが続く中、最終的には1点の差で勝利を収めました。特に、序盤から中盤にかけては、謝科九段が白番で実地を優位に進め、積極的な攻勢を仕掛けましたが、中盤戦での失着により一力九段に逆転のチャンスを与える展開となりました。一力九段は冷静にそのチャンスを捉え、AIが推奨する最善手を次々と打ち、形勢を逆転させました。
両者のこれまでの対戦成績では、謝科九段が4戦全勝でリードしていましたが、今回の勝利により、一力九段がその壁を打ち破った形です。今大会では、最初の応氏杯と同様に、各プレーヤーに持ち時間3時間半が与えられ、35分の遅延ペナルティも採用されています。この長時間にわたる緊張感の中で、両者は計341手を打ち合い、最終的に一力九段が勝利を手にしました。
終局段階、謝科九段が一力九段の対局時計を押し忘れていることに気づきました。教えもしないし、着手もしないです。一力九段のペナルティ罰点を狙う疑惑があります。これに対しては、一部の囲碁ファンから「棋士としての品位に欠ける」との批判も聞かれました。
2024 年7月22日
22日、第49期名人戦リーグ最終ラウンドが行われ、一力遼九段が黒番中押しで富士田明彦七段を破り、8戦全勝でリーグ1位となり、在位名人の芝野虎丸九段への挑戦権を獲得しました。
一力さんにとって名人戦七番勝負の決勝に進出するのは2回目のことです。これまで名人戦のタイトルを獲得したことがない一力さんにとって、再びチャンピオンシップに挑戦する機会です。
在位名人の芝野虎丸九段は、既に名人戦2連覇を果たしています。過去5年間、芝野さんは3度の名人戦優勝を果たし、井山さんは2度の優勝を遂げています。一力さんは名人戦で一度もタイトルを獲得したことがなく、決勝進出は2021年の第46期名人戦のみで、その時は井山さんに3対4で敗れ、挑戦に失敗しました。
一力さんは「幸福な悩み」に直面することになりそうです。名人戦決勝第5局の日程と応氏杯決勝第3局の日程が重なっているのです。
(Twitter: リンク)
2024 年7月11日
第49期囲碁名人戦の挑戦者決定リーグ戦が、朝日新聞社主催で行われました。このリーグ戦では、6戦全勝の一力遼棋聖(27歳)と余正麒八段(29歳)が直接対決し、一力が勝利して7戦全勝となり、芝野虎丸名人(24歳)への挑戦権を獲得する大きな前進を果たしました。
一力遼棋聖は、棋聖、天元、本因坊の三冠を保持する日本の第一人者です。また、9日に中国で行われた世界戦「応氏杯」準決勝を突破し、日本勢として7年ぶりの世界メジャー決勝進出を果たしています。帰国後の国内棋戦でも大一番を制し、3期ぶり2度目の名人挑戦まであと1勝となりました。
挑戦者争いはすでに2人に絞られており、22日の最終一斉対局で一力が負け、余が勝って両者が7勝1敗の同星となった場合、29日の挑戦者決定プレーオフで決着がつけられます。
一力さんの相手は富士田明彦七段、余さんは山下敬吾九段です。一力さんが負けて余さんが勝利した場合のみ、29日の挑戦者決定プレーオフが行われます。
成績表:
2024 年7月10日
4年に1度開催される「第10回応氏杯世界選手権」の準決勝第3局が9日、中国の寧波市で行われ、日本の一力遼棋聖が中押し勝ちしました。対戦成績は2勝1敗で、初の決勝進出を果たしました。第1局を落とした後、連勝しての快挙です。
一力遼棋聖は試合後、「序盤から前例のない展開でしたが、難しい戦いがずっと続きました。全体的に自分の力を出し切ることができたかなと思います。1局目は見せ場のない負け方でしたが、切り替えて2局目、3局目をどうやっていこうかなと思っていたので、結果を出すことができてうれしく思います」と語りました。
決勝進出を果たした一力遼棋聖の相手は、中国の謝科九段。「謝科さんには前回の応氏杯準決勝でやられているので、そのリベンジをする気持ちで頑張りたいと思います」と話していました。
決勝は5番勝負で、最初の2局は来月に予定されています。一力遼三冠は初めての決勝進出で、優勝すれば日本人初の快挙となります。
決勝戦は五番勝負で、優勝賞金は40万ドル(約6400万円)です。日程は8月12日、14日(重慶)、10月24日、26日、28日(福州)に行われます。
【第10回応氏杯準決勝三番勝負第3局】(黒)柯潔九段 対 一力遼九段(白)
【第10回応氏杯準決勝三番勝負第2局】(黒)柯潔九段 対 一力遼九段(白)
【第10回応氏杯準決勝三番勝負第1局】(黒)一力遼九段 対 柯潔九段(白)
2024 年5月31日
囲碁の七大タイトルの中で最も歴史がある「本因坊戦」の第3局が三重県で行われ、一力遼三冠(26歳)が挑戦者の余正麒八段(28歳)に勝利して「本因坊」のタイトルを初めて防衛しました。
今期から五番勝負に縮小された「本因坊戦」は、タイトルを持つ一力三冠が挑戦者の余八段に対してここまで2勝0敗で、防衛まであと1勝としていました。
対局は三重県鳥羽市で行われ、序盤から速い展開で進み、形勢判断の難しい複雑な局面が続きました。
終盤、後手で白番の一力三冠が余八段を突き放し、午後6時16分、258手までで余八段が投了しました。一力三冠は3連勝で「本因坊」のタイトルを初めて防衛しました。
対局後、一力三冠は「結果を出せてほっとした。シリーズを通して持っている力はそれなりに出せたかなと思うが、自信のない展開もあり、よくしていける余地はあるのかなと感じた」と話していました。
一方、敗れた余八段は、「3局ともはっきりとよかった局面はなかったが、精いっぱい打った結果なので仕方ないと思う。次につながるように頑張りたい」と話していました。
2024 年5月24日
一力遼本因坊(26)に余正麒八段(28)が挑戦し、第79期本因坊決定戦五番勝負の第2局が23日、高山村の山田温泉「藤井荘」で行われました。午後6時、一力本因坊が219手で黒番中押し勝ちし、初防衛にあと1勝としました。持ち時間各3時間のうち、残り時間は共に1分です。
序盤から中盤で一力遼本因坊が好調な打ち回しを見せましたが、後半戦で余正麒八段の強打から勝負は振り出しに。一進一退の攻防が続く中、一力本因坊が機敏な守りを見せて、2勝目を掴みました。
第3局は30日、三重県鳥羽市の旅館「戸田家」で行われる予定です。
2024 年5月14日
一力遼本因坊(26)に余正麒八段(28)が挑戦する第79期本因坊決定戦五番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛、東京国立博物館協力)が14日、東京都台東区の東京国立博物館で打たれ、同日午後5時32分、一力本因坊が188手で白番中押し勝ちした。一力本因坊は2連覇に向け、好スタートを切った。持ち時間各3時間のうち、残り時間は余八段1分、一力本因坊1分。第2局は23日、長野県高山村の「藤井荘」で打たれる。
同博物館で囲碁のタイトル戦が打たれるのは初めてで、一力本因坊と余八段によるタイトル戦も初となる。対局場の同博物館は、1872(明治5)年に設立された日本最古の博物館。平成館や東洋館などからなる日本最大級の博物館で、国宝89件など約12万件の美術品や工芸品を所蔵する。
対局室は、敷地の一角にある九条館に設けられた。午前10時、立会の張栩九段の掛け声で対局が始まり、ニギリの結果、余八段が先番(黒番)に。形勢互角のまま中盤戦に突入するが、戦いが中央に移った局面で一力本因坊が若干リードを奪う。余八段は左辺の白の大石を狙って黒109~119と打つが、一力本因坊は白120、122と的確な対応を見せてシノギ切り快勝した。
解説の河野臨九段は「お互いが秘術を尽くした面白い碁になった。一力さんの充実ぶりが光ったが、余さんも随所に好手を繰り出し、悲観する内容ではなかった。2局目以降もレベルの高い熱戦が期待できる」と話した。
一手一手判断が難しかった。左辺をつながることができ、よほど大きく取られない限りは、という形になった。今後も毎週対局が続くので、気を引き締めたい。
実戦の進行は悲観していた。白の大石を取りに行かねばならない形勢になった時点でだめだった。来週すぐに次局があるので、体調を整え全力で頑張りたい。
2024 年5月13日
一力遼本因坊(26)に余正麒八段(28)が挑戦する第79期本因坊決定戦五番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ特別協賛、東京国立博物館協力)が14日、東京都台東区の東京国立博物館で開幕します。
この博物館で囲碁のタイトル戦が行われるのは初めてで、両者によるタイトル戦も初めてです。前期に本因坊位を獲得した一力本因坊は2連覇を目指しています。一方、初挑戦の余八段は本因坊初獲得を目指しています。
両対局者は13日午後に対局場を検分し、碁石や碁盤の感触、照明の具合などを確認しました。その後、囲碁ファンや関係者が参加する形式で前夜祭が行われ、日本棋院の小林覚理事長や関西棋院の池坊雅史理事長、大和証券の坂東歳晃上野支店長らがあいさつしました。
一力本因坊は「2年前の本因坊戦では九州の国立博物館で対局させていただきました。私自身は国立博物館での対局は今回が2度目です。歴史のある本因坊戦で歴史のある博物館で対局できることを棋士として光栄に思っております。じつは中学・高校と台東区の学校に通っていましたので、上野には非常にゆかりを感じておりまして、よくこのあたりに遊びに来ていました。そのような場所で対局できることも光栄に感じております。余正麒さんとは今回が初めてのタイトル戦となります。各棋戦で活躍しているたいへんな相手ですが、自分自身のベストを尽くせるように頑張りたいと思います。」と述べました。
余八段は「今回始めて博物館の対局ということで、自分自身楽しみにしております。明日は厳しい戦いになると思いますが、自分らしく精一杯戦いたいと思います。」と意気込みを語りました。
一力本因坊は前期、11連覇中(歴代1位)だった本因坊文裕を4勝3敗で破り、初めて本因坊位を獲得しました。今期は初防衛を目指しています。
一方、初挑戦の余八段は本因坊初獲得を目指しており、関西棋院所属棋士としては故・半田道玄九段以来62期ぶりの挑戦となります。
2024 年5月9日
第49期名人戦リーグ(朝日新聞社主催)は9日に行われ、余正麒(よ・せいき)八段が志田達哉八段に黒番中押し勝ちして、負けなしの5連勝となりました。この結果、一力遼棋聖と同星首位に並びました。一方、敗れた志田は白星なしの6連敗でリーグ陥落が確定しました。
試合は異なる事情を抱えながらも、熱戦となりました。序盤から石と石が接触する白兵戦が繰り広げられ、中盤で余が志田の見ていなかった痛烈な決め手を放ち、一瞬で勝負を決めました。特に下辺の白の大石が生死を左右する本コウとなり、志田は盤上を4分間見つめてそのまま手を下さず、投了しました。
首位の一力と余はともに残り3戦を戦います。7月の直接対決を前に、余は6月に関航太郎九段(1勝3敗)と、一力は許家元九段(4勝2敗)と対局します。関と許はともに残留争いの渦中におり、激しい戦いが予想されますね。
成績表:
2024 年4月18日
第79期本因坊戦本戦トーナメントの挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、余正麒八段(28歳)が芝野虎丸名人(24歳、十段)に238手で白番中押し勝ちし、一力遼本因坊(26歳)への挑戦権を獲得しました。余八段は初挑戦であり、関西棋院所属棋士としては故・半田道玄九段以来62期ぶりの挑戦となります。
終局後、余八段は「本因坊戦は昔から憧れていた棋戦です。挑戦できてうれしいです。一力さんは本当に強いですが、自分なりに精いっぱい頑張りたいと思います」と語りました。余八段は本戦トーナメントから参加し、結城聡九段と小池芳弘七段、井山裕太王座を破って挑戦者決定戦に進出しました。
対局は午前10時に開始され、ニギリの結果、芝野名人の黒番となりました。序盤から余八段がリードを奪い、中盤以降も隙のない打ち回しを見せて快勝しました。余八段は台湾出身で、2009年にプロ入りし、13年に当時史上最年少の18歳2カ月で第69期本因坊戦リーグ入りを果たしました。7大タイトル戦番勝負には、王座戦と十段戦に計5回出場していますが、いずれも敗退しています。
今期本因坊戦五番勝負は5月14日に東京都台東区の東京国立博物館で開幕する予定です。
2024 年4月17日掲載
仙台市出身の一力遼棋聖(26)が、第48期棋聖戦(読売新聞社主催)の7番勝負で優勝し、三冠(本因坊、天元、棋聖)に輝きました。就位式は16日、東京都内のホテルで行われ、一般参加者ら約120人が出席しました。
井山裕太王座は壇上で一力棋聖を祝福し、平田智也八段は「(カープファンですが)巨人を応援し、(父がキリン勤務だが)モルツを飲んで結果がついてきた」と話し、会場は笑いに包まれました。
一力棋聖は3連覇を達成したことについて、「今期の7番勝負は一進一退で、最後は運が良かったかなというのが正直なところだ。自分の足りないところが見つかり、自分にとって成長できたシリーズだった」と謝意を述べました。
村岡彰敏・読売新聞東京本社社長からは、正倉院宝物の金銅鳳形裁文を写した鳳を刻み込んだ純銀製の棋聖大賞メダルと、賞金4300万円の目録が贈られました。主催者代表である村岡彰敏社長は、「幾度となくタイトル争いを演じてきた2人が最高位の棋聖戦で再び相まみえ、2年前と同様にフルセットの大熱戦を繰り広げた」と評価しました。一力棋聖には日本棋院から允許(いんきょ)状が手渡されました。
2024 年4月4日掲載
2024年4月4日、第49期名人戦リーグの第5ラウンドが日本棋院東京本院で行われ、一力遼棋聖と志田達哉八段が対局しました。
一力遼棋聖はここまで4連勝を記録しており、その勢いを保ったまま対局に臨みました。一方、志田達哉八段は4連敗中で、残留に危機感を抱えている状況でした。
この対局では、一力遼棋聖が序盤からリードを保ち、最終的に完勝を収めました。これで一力遼棋聖は開幕5連勝を達成しましたが、挑戦権争いはまだ予断を許さない状況です。現在、第5ラウンド終了時点で4勝0敗の余正麒八段が後ろに迫っており、7月には一力と余の直接対決が予定されています。
名人リーグの現時点での順位は以下の通りです:
一力の今後の動向に注目が集まります。
関連棋譜【第49期名人戦リーグ】志田達哉八段 対 一力遼棋聖(白)
2024 年3月26日掲載
3月26日、日本の京都で、第24回阿含・桐山杯日中決戦に出場する楊鼎新九段と一力辽九段が、日中のメディアの共同取材に応じました。楊鼎新は、対戦相手である一力遼の実力は非常に強く、特に棋風が力強いと述べ、勝利するには容易ではないと述べ、一力遼は、「日本の囲碁を振興するためには、まずは手合いに勝つことが大切だ」と述べました。
楊鼎新についてよく知っていますか?そして、今回の意気込みを教えてください。
一力:はい、責任感はありますが、今のところ大きな行動はしていません。まずは良い成績を残すことが大事です。
この間家族経営会社の取締役になりました。一力さんは初めての日本の棋聖が持ちつつ、かなり特殊な経歴を持つ棋士ですが、この新しい役職とプロ棋士とのバランスをどう保つ予定ですか?
一力:僕の立場は変わっていません。依然として囲碁を中心に、プロ棋士を中心にしています。
興味深い質問ではありますが、一力さんは早稲田大学を卒業し、卒業後囲碁の記事を執筆しています。将来、自分の手合いを記事に書くつもりはありますか?
一力:今後は自分について、囲碁に関する話題について、皆さんが興味を持つような話題についても書くつもりです。
AIの登場以降、日本にも実力と将来性を持つ若い棋士が現れています。将棋の藤井聡太さんのように、今後の日本囲碁界を導くエリート棋士は見つかりますか。
一力:今誰でもAIを使えます。AIが登場してから、日本でも研究熱心な若い棋士が現れました。今後自分よりレベルが高い棋士が出られると思います。日本のナショナルチームもスケジュールに応じて調整を行い、AIを利用して研究しています。特に最近は明日行われる1時間の棋戦のために早碁の研究をしています。
かつて、李昌鎬九段が独走した際、日本の「七番勝負の鬼」である趙治勲九段は「2日制だったら、李昌鎬に勝てるかもしれない」と述べましたが、一力さんは柯潔九段や丁浩九段と2日制で対局したい考えはありますか?
一力:やってみないとわかりませんが、明日の1時間の対局と8時間の2日制の対局は、考え方も全然違います。
対戦相手の一力遼九段の実力について、そして明日の意気込みを教えてください。
楊:現在、どの対戦相手も非常に強力です。自分の実力を発揮できるよう、バランス感覚を保ちたいです。
一力遼は現在、棋圣三連覇を達成し、井山裕太さんに何度も勝利しています。これは年齢的の差か、それとも実力の差ですか?
楊:一力さんは以前に井山さんに何度も負けていたので、この時かなりの力を蓄えていたと思います。年齢的には今が絶頂期にあたりますが、井山さんとの実力はほぼ互角だと思います。
楊さんの早碁は非常に強く、西南王戦で2度優勝経験がありますが、昨年の阿含・桐山杯ではようやく初優勝を果たしました。阿含・桐山杯日中決戦では初出場ですが、この棋戦によく適応できなかったのですか?
楊:碁というものは確かに難しいものです。西南王戦は2日間で終わり、1日2局行われます。毎回成都での対局に行くと、気持ち面でもリラックスできます。他の早碁棋戦、阿含・桐山杯も含めて、特に良い成績を収めたことがないので、多分早碁での実力は強くないかもしれません。持ち時間が長い棋戦の成績は近年あまり良くありませんが、以前は世界戦で優勝したり、早碁に関しては柯潔や范廷鈺のような実力もないですが、今回の阿含・桐山杯で優勝できたのは運が良く、多分その時期の良い状態で優勝できたと思います。
今回の阿含・桐山杯で、特に印象深い対局はありましたか?
楊:全体的に順調でした。特に難しかった時間帯はなかったようです。
先程、一力さんが柯潔や丁浩との2日制の対局について「やってみないとわかりません」と言いましたが、もし楊さんが一力さんと対局することになったら、どのような結果になりますか?
楊:まず2日制適応する必要があります。僕は子供の頃から2日制の対局をしたことがないので、正座したりあぐらを組んだりすることに慣れないでしょう。2日制の対局では、夜に電子機器を使えないので、それも適応できないかもしれないし、退屈になるかもしれません。中国棋士や韓国棋士の対局のリズムは比較的速いですが、2日制の対局ではかなりの時間がかかりますので、最初は適応することが必要かなと思います。適応した後は、多分いい勝負ができるかと思います。
京都での阿含・桐山杯日中決戦は初参戦ですが、京都の環境には適応できていますか?
楊:京都の本当に綺麗で、空気もとても良いです。ここでひと息できてとても良かったです。日本はどこでも綺麗で、礼儀正しいです。
楊さん棋風は日本棋士と似てて、あまり好戦的ではないように感じますが、本当ですか?
楊:実は、そうではありません。山下敬吾九段から始まり、井山裕太、一力遼、芝野虎丸といった棋士たちはみな力戦派だと思います。彼らの読みは非常に強いです。自分自身、2020年の棋風が比較的に激しく、その年に国内のタイトル戦、天元戦で初めて優勝しました。しかし、2021年から棋風が変わったようで、どんどん抑え気味になってきました。その結果、先日芝野虎丸に力でやられました。今の碁はある程度の腕力がなければ勝てないので、自分の棋風を改善する必要があると思います。
3月27日、第24回阿含・桐山杯日中決戦が京都の阿含宗本山総本殿・釈迦山大菩提寺で開催され、楊鼎新九段と一力遼九段が対戦。阿含・桐山杯日中決戦は、中国国際友好連絡会、中国囲碁協会、日本棋院が主催し、阿含宗が協賛。優勝者と準優勝者には賞金500万円と200万円。これまでの22回の対抗戦では、中国棋士の16勝、日本棋士は6勝している。
2024 年3月19日掲載
第15回春蘭杯世界囲碁選手権が3月19日に中国福建省の「武夷山悦華酒店」で開幕しました。日本からは、一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段、許家元九段、広瀬優一七段が出場し、1回戦の対局結果では、一力、芝野、許が2回戦進出を決めました。2回戦は3月21日(木)11時30分から行われます。
【第15回春蘭杯1回戦】芈昱廷九段 対 井山裕太九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】申旻埈九段 対 芝野虎丸九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】Alexander初段 対 一力遼九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】広瀬優一七段 対 李維清八段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】許家元九段 対 Simaraアマ(白)
2024 年3月10日掲載
NHK杯テレビ囲碁トーナメントは、日本囲碁界のトップ棋士50人によって行われるテレビ棋戦で、半世紀以上の歴史を誇ります。一手30秒の早打ちで行われる対局は、棋士たちの真剣な表情と緊迫した勝負のだいご味を、全国の囲碁ファンに伝えています。今年度で71回目の開催となりました。
決勝戦では、序列1位の一力遼棋聖(26歳)と同2位の芝野虎丸名人(24歳)が激突しました。序盤から読み比べの難戦を展開し、形勢は二転三転する緊迫した戦いが続きました。先の見えない戦いが終盤まで続いたが、一力がわずかに抜け出し、4度目の優勝を飾りました。初優勝を目指した芝野はあと一歩届かず、涙を飲みました。
2024 年3月11日掲載
第49期名人戦(主催・朝日新聞社)リーグ。3月11日は、一力遼棋聖と関航太郎九段の一戦が日本棋院東京本院で行われた。一力は対局前まで3連勝で、同じく3連勝の余正麒八段とトップに立っていました。
関は1勝1敗(1回手空き)で、井山裕太王座と山下敬吾九段と並んでいました。結果は一力が勝利を収め、暫定単独首位に躍り出ました。
他の選手の成績は、富士田明彦七段2勝1敗、許家元九段2勝2敗、張栩九段3連敗、志田達哉八段4連敗となっています。
第50期天元戦(主催・新聞三社連合)は本戦トーナメント1回戦、富士田明彦七段と好調の横塚力七段による1回戦が日本棋院東京本院で行われた。
横塚七段が勝利し、2回戦進出を果たしました。次戦では本木克弥八段との対決が待ち構えています。
【第50期天元戦本戦1回戦】富士田明彦七段 対 横塚力七段(白)
第3回テイケイグループ杯レジェンド戦1回戦では、小林光一名誉棋聖と石榑郁郎九段が激突。石榑郁郎九段が勝利し、ベスト8進出を果たしました。次局では林海峯名誉天元との対決が待ち構えています。
中部総本部では、名古屋のレジェンド・羽根泰正九段と女流レジェンド戦ベスト4進出の大澤奈留美五段が半目の接戦を繰り広げました。羽根泰正九段が勝利しました。
【第3回テイケイグループ杯レジェンド戦1回戦】小林光一名誉棋聖 対 石榑郁郎九段(白)
【第3回テイケイグループ杯レジェンド戦1回戦】羽根泰正九段 対 大澤奈留美五段(白)
第49期棋聖戦Aリーグでは、林漢傑八段と広瀬優一七段が対決。両者の対戦成績は2勝2敗です。広瀬優一七段が勝利しました。第49期棋聖戦Bリーグ、張栩九段が柳時熏九段に勝利し、リーグ成績は1勝1敗となりました。
2024 年3月9日掲載
一力遼棋聖(26歳)が囲碁の最高位を争う第48期棋聖戦七番勝負で3連覇を達成しました。第7局で井山裕太王座(34歳)を挑戦者として迎え、フルセットまでもつれた末に4勝3敗で制しました。一力棋聖は最終局について、「序盤から思い切りよく打てた。結果を恐れずに(厳しい手を)決断できたのは、収穫だったと思います」と振り返りました。
一力遼棋聖は「希望」と揮毫した色紙を手に笑顔で写真撮影に応じ、その後、山梨県甲斐市の「サントリー登美の丘ワイナリー」で記念撮影に臨みました。彼は会見で、「何とか2カ月間戦い抜けてほっとした」と喜びを語りました。「少しずつ実感がわいてきたかなという感じ。今回はフルセットでしたので本当に厳しい戦いでしたし、なんとか2か月間戦い抜け、ほっとした気持ちが強い」と述べました。
囲碁の七大タイトルで最高位の「棋聖戦」七番勝負は、最終・第7局までもつれこみました。井山王座は2013年から9連覇を達成して以来、3年ぶりの返り咲きを逃しました。通算の対戦成績は一力棋聖の34勝51敗となりました 。
2024 年3月1日掲載
第48期棋聖戦第6局 井山王座が一力棋聖に勝ち3勝3敗、決着は最終・第7局に持ち込まれました。
神奈川県の「箱根花月園」で行われた七大タイトルの最高位・棋聖戦七番勝負の第6局は、一力遼(いちりき・りょう)棋聖(26)と井山裕太(いやま・ゆうた)王座(34)の激闘となりました。午前9時から始まった対局は、囲碁界の最高峰を争う熱戦で、注目を集めました。
一力棋聖はこれまで3勝2敗とリードしていましたが、井山王座は3年ぶりの返り咲きを狙って臨みました。午後6時前、井山王座が見事に勝利し、対戦成績は3勝3敗のタイとなりました。
最終・第7局は甲府市内のホテルで7日と8日に行われます。一力棋聖の3連覇を阻むか、それとも井山王座の返り咲きが実現するのか、囲碁ファンにとっては緊迫した瞬間が待ち遠しいですね。
棋聖戦の優勝賞金は囲碁界最高の4300万円です。両者の熱い戦いが続く中、最終局でどんな展開が待っているのか、注目していきましょう。
2024 年2月24日掲載
第49期天元戦で、一力遼天元(棋聖・本因坊=26)が3年ぶりの復位を果たし、自身初の3冠を獲得しました。この就位式は22日に都内で行われました。今期は、3連覇を目指した関航太郎前天元(22)との5番勝負で3勝1敗。一昨年1勝3敗で失ったタイトルを奪い返しました。
一力遼天元は、本因坊戦7番勝負でV12を目指した本因坊文裕(井山裕太=34)からフルセットの末、4勝3敗で初の本因坊を獲得しました。さらに、同年9~10月のアジア大会囲碁男子団体戦(中国・杭州)では日本代表メンバーとして銅メダルに輝いています。勢いに乗って挑んだ10月10日の第1局(愛知県岡崎市「龍城神社」)こそ落としましたが、第2局(札幌市「ホテルエミシア札幌」)で逆転勝ちしてから3連勝しました。第3局は過去4回の天元戦で勝ったことがなかった福岡(福岡市「大濠公園能楽堂」)で勝利。第4局は、関にタイトルを奪われた兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」でリベンジを果たしました。
一力遼天元は「2局目に逆転勝ちして運が良かった。内容は改善できる点が多い。課題が見つかった」と謝辞を述べています。
2024 年2月16日掲載
第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)、一力遼棋聖(26)と挑戦者、井山裕太王座(34)の第5局が15、16日に千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で行われ、一力棋聖が井山王座に勝ち、シリーズ3勝2敗で3連覇まであと1勝とした。
第6局は29日から3月1日まで、神奈川県箱根町のホテル花月園で行われる。
2024 年2月15日掲載
棋聖戦第5局、一力遼棋聖が88手目封じ、初日の対局を終えました。
左辺から始まった戦いが盤面全体に広がる、まさに「全面戦争」のような展開になっています。
左上から上辺に伸びる黒の一団も依然、不安定なのですが、井山王座は全部頑張ってしまおうという強気の態度を崩しません。
控室やAIの評価によれば、やや白の方が打ちやすい局面のようですが、張栩九段は「具体的にどういうふうに打つかとなると、白も難しい」と話します。険しく際どい競り合いが続いています。
対局は明日午前9時から再開します。
2024 年2月14日掲載
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負第5局は2月15、16日、千葉県勝浦市で行われます。対局会場となるのは「三日月シーパークホテル勝浦」。棋聖戦の開催は3年連続となる南房総屈指のリゾートホテルです。
対局会場の庭に残雪があった1週間前の仙台対局とうってかわって、現地は最高気温が18度近くまで上がる春のような陽気に。対局室からは日差しを浴びて光り輝く海と気持ちよさそうに風に揺れるヤシの木が臨めます。
対局前日の14日午後4時半過ぎ、現地に到着した両対局者はホテル前の砂浜で海を背景にフォトセッション。両者は12日にも名人戦挑戦者決定リーグ戦で激突したばかりですが、さわやかな海風を感じながら、笑顔を見せました。
2024 年2月13日掲載
第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は12日、井山裕太王座(1勝0敗)VS.一力遼棋聖(2勝0敗)の優勝候補同士の一戦が行われ、一力が白番中押し勝ちして負けなしの3連勝を飾り、余正麒八段(3勝0敗)と並ぶリーグ同星首位に立った。
現在進行中の棋聖戦七番勝負で第4局まで2勝2敗とがっぷり四つの戦いを見せている両者が、名人戦に舞台を変えて激突。両者の気迫は盤上にストレートに反映し、一力が四隅を占めると、井山が背中の模様で勝負する、極端な対照をなす布石で始まった。
中盤、上辺の模様に突入した一力の白石に井山が猛襲をかければ、一力がフリカワリ覚悟の逆襲に出て、容易に先を見通せない難戦に。双方に眼形のない大石が混在するぎりぎりの読み合いは、井山に分があるかと思われたが、勝負どころで有力手を逃して一気に暗転。青息吐息の左辺の一力の大石が中央に脱出し、なおも殺しにいく井山の勝負手を一力が振り切り、大きな1勝を挙げた。
これにより、リーガー9人のうち無敗は同星首位の一力、余のふたりだけに。次戦、一力は関航太郎九段(0勝1敗)、余は井山と対戦する。
2024 年2月13日掲載
名人リーグは一力遼三冠が井山裕太二冠に白番中押し勝ちし、リーグ3連勝としました。敗れた井山二冠は1勝1敗。左辺で際どい攻防となった本局。一力三冠が難解な読み合いを制しました。
【第49期名人戦リーグ】(黒)井山裕太王座 対 一力遼棋聖(白)
【第49期棋聖戦Aリーグ】、富士田明彦七段が安達利昌七段に黒番5目半差をつけて勝利し、リーグ初戦で白星を挙げました。
【第49期棋聖戦Aリーグ】(黒)富士田明彦七段 対 安達利昌七段(白)
第79期本因坊戦本戦トーナメント(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)が12日、東京都千代田区の日本棋院で始まった。芝野虎丸名人や井山裕太王座、上野愛咲美(あさみ)女流立葵杯ら16人の棋士が、一力遼本因坊への挑戦権をかけて争う。1回戦開幕局の小池芳弘七段―洪爽義五段戦は、小池七段が勝利を収めた。
2日制七番勝負だった本因坊戦は、今期から1日制五番勝負に移行し、挑戦者を決める方法もリーグ制(8人)からトーナメント制(16人)に変更となった。
【第79期本因坊戦本戦1回戦】(黒)小池芳弘七段 対 洪爽義五段(白)
第3期テイケイグループ杯女流レジェンド戦準決勝、小林泉美七段が桑原陽子六段に勝利し、決勝進出を果たしました。決勝は小山栄美七段と対決します。
【第3回テイケイグループ杯女流レジェンド戦準決勝】(黒)桑原陽子六段 対 小林泉美七段(白)
第35期女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦、牛栄子扇興杯が星合志保三段に勝利し、リーグ成績は2勝2敗となりました。次局は2月19日に仲邑菫三段と対決します。
【第35期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)牛栄子扇興杯 対 星合志保三段(白)
第50期名人戦予選Cで、仲邑菫三段が柳時熏九段に白半目勝ちとなりました。仲邑三段の韓国棋院へ移籍前に行われる国内戦最後の対局は、2月19日の女流名人戦博多・カマチ杯リーグ戦(対牛栄子扇興杯)です。
2024 年2月9日掲載
囲碁界の最高位を争う第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)、一力遼棋聖(26)と挑戦者・井山裕太王座(34)の第4局が8、9日に仙台市の宮城県知事公館で行われ、9日午後5時41分、井山王座が166手までで白番中押し勝ちして、通算成績を2勝2敗のタイに戻した。
井山王座の封じ手は、右下の黒の眼形を奪う白92。一力棋聖は左辺の黒地をまとめに行ったが、井山王座は白106と突入。中央の白を巡って難解な戦いとなったが、ここで井山王座は巧みな打ち回しでポイントを挙げた。地元・仙台での対局となった一力棋聖は粘りを見せたが、井山王座は隙を見せずに快勝した。
第5局は15、16日に千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で行われる。
井山王座の話「中央と右辺の白をある程度の形で処理できて、地合いでいけそうだと思った。自分なりに精いっぱい準備して、次局に臨みたい」
一力棋聖の話「中央などの打ち方は、もう少しいい図があったかもしれない。(仙台対局は)始まってしまえば、普段と変わらなかった。精いっぱいやった結果なので仕方がない」
本局の立会人は高尾紳路九段、新聞解説は孫喆七段、記録係は青木裕孝三段と徐文燕二段の2人が務めます。
持ち時間各8時間白・井山7・31分、黒・一力7・58分
2024 年2月8日掲載
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第48期棋聖戦七番勝負第4局は8日午前9時、宮城県仙台市の宮城県知事公館で1日目の対局が始まりました。
一力棋聖にとっては地元への凱旋対局となる本局。対局会場となる宮城県知事公館には朝から地元のテレビ局など多くの報道陣が集まり、注目の高さを感じさせました。
両対局者は午前8時半杉、滞在先のホテルからタクシーで知事公館入り。村井嘉浩知事や立会人の高尾紳路九段の待つ対局室にはこれまでのシリーズと同様、一力棋聖が先に入りました。
午前9時、高尾九段の声掛けで一礼して対局開始。黒番の一力棋聖は右上の小目、井山王座は左上小目と応じました。対局室では「第2局のようにたすき掛けにするか」という声があがりましたが、一力棋聖は右下星に打ちました。
井山王座は白2、4と、向かい小目にしました。一力棋聖は黒5のカカリ。ここで、控室では孫喆七段が「井山王座は黒のカカリに手を抜き、左上を締まるかもしれません」と話していました。実戦もその通りに、井山王座が左上で白6と締まる進行になりました。一力棋聖は左下、黒7のカケ。これも控室で予想された手です。開始15分ほどで、白12のカカリまで進みました。
本局の立会人は高尾紳路九段、新聞解説は孫喆七段、記録係は青木裕孝三段と徐文燕二段の2人が務めます。
2021 年12月6日掲載
第47期天元戦5番勝負の第4局は6日、兵庫県洲本市で打たれ、挑戦者の関航太郎七段が199手で一力遼天元に黒番中押し勝ちし、3勝1敗で天元を奪取、プロ入りから最速の4年8カ月で七大タイトル保持者となった。
これまでの記録は2019年に芝野虎丸王座(22)が名人を獲得した時の5年1カ月。
七大タイトル初挑戦の関新天元は20歳0カ月での奪取で、芝野王座の19歳11カ月に次ぐ2番目の年少記録を達成した。今回のタイトル獲得で、7日付で八段に昇段。
関新天元は東京都出身で、17年に15歳でプロ入り。昨年、新人王戦で優勝した。囲碁AI(人工知能)の戦法に精通し、「AIソムリエ」の異名を取る。
2021 年11月25日掲載
第47期天元戦5番勝負の第3局は25日、福岡県久留米市で打たれ、挑戦者の関航太郎七段が182手で一力遼天元に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗としてタイトル奪取にあと1勝と迫った。
第4局は12月6日に兵庫県洲本市で行われる。
2021 年11月5日掲載
第46期名人戦7番勝負の第7局は4、5の両日、静岡県河津町で打たれ、井山裕太名人が129手で挑戦者の一力遼天元に黒番中押し勝ちし、4勝3敗で防衛、棋聖、本因坊、碁聖と合わせ四冠を維持した。名人獲得は2期連続8度目。
井山名人は今年、棋聖、本因坊に続くタイトル防衛で、2日制の7番勝負で争う3タイトルを全て守った。8月に奪取した碁聖を加え現在四冠で、進行中の王座戦に五冠復帰が懸かる。芝野虎丸王座との王座戦5番勝負は第1局が終わり、井山名人が先勝している。
2021 年10月19日掲載
静岡県熱海市で19日から打たれていた第46期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局は20日午後6時7分、井山裕太名人が挑戦者の一力遼天元に159手までで黒番中押し勝ちした。対戦成績は3勝3敗のタイとなり、決着は最終局に持ち越された。
持ち時間各8時間のうち、残りは井山名人が12分、一力挑戦者は9分だった。第7局は11月4、5日に静岡県河津町の「今井荘」で打たれる。
2021 年10月12日掲載
甲府市の常磐ホテルで12日から打たれていた第46期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は13日午後6時2分、挑戦者の一力遼天元が井山裕太名人に189手までで黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で初の名人位獲得にあと1勝とした。
持ち時間各8時間のうち、残りは一力挑戦者が9分、井山名人は9分だった。第6局は19、20日に静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打たれる。
2021 年9月29日掲載
井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する 第46期名人戦挑戦手合七番勝負(主催:朝日新聞社・日本棋院・関西棋院)第4局が9月28日(火)・29日(水)に神奈川県箱根町「強羅環翠楼」で打たれ、井山が167手までで黒番中押し勝ちをおさめ、シリーズ2勝2敗のタイに戻した。終局時刻は17時39分。残り時間は井山が9分、一力が28分だった。
がっぷり四つ2勝2敗で迎える注目の第5局は、10月12日(火)、13日(水)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。
「黒55とカドに打ってからの出来上がりは普通は損したのかなと思って打っていたので、封じ手の辺りはどちらかというと自信が無かったです。 (封じ手のコスミツケに立った事について)その時点では白98と動きだされる手はそれなりにこちらもやれるのかなと思って打っていたんですけど、実際はそうじゃなかったのかもしれない。 中央を先着できた辺りでは一応成功しているのかなと思っていました。 前局は自分としてはかなりまずい内容になったのでそこから見れば良く打てたのかなと思います。 まだまだ長いのであまりスコアのことは意識せずに自分なりにしっかり準備して臨みたいと思います」
「右辺が一段落した辺りではそれなりに白地があったのでまずまずの進行かなと思っていました。 封じ手のコスミツケは白84に打った時の予定の行動では無かったのですが何が正しかったのかわからなかったです。 黒109と出られると苦しい戦いにしてしまったかなと思っていました。 その後も一本道の進行になって実戦が悪いとはわかっていましたが他に良い打ち方が見つからなかったので、振り返ると封じ手の辺りの攻防まで遡らなければいけないのかなと。 今日は一方的な流れになってしまったので内容的にもう少し良い碁が打てるように2週間空くので修正していきたいと思います」
2021 年9月16日掲載
井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する 第46期名人戦挑戦手合七番勝負 (主催:朝日新聞社・日本棋院・関西棋院) 第3局が9月15日(水)、16日(木)に愛知県田原市「角上楼」で打たれ、 一力が225手までで黒番中押し勝ちをおさめ、第2局に続いて連勝、シリーズ2勝1敗とした。終局時刻は19時46分。残り時間は黒番の一力が2分、白番の井山が1分だった。
一力がタイトル奪取にあと1勝とするか、井山がタイとするか注目の第4局は、9月28日(火)、29日(水)に神奈川県箱根町「強羅環翠楼」で行われる。
「封じ手の辺りではどういうプランでいくか非常に難しくて、その後もコウがどうなるかわかっていなかった。 良くなったと思った場面もあったが、ぬるい手を連発したかもしれない。また自分なりに準備して精一杯やりたい」
「(封じ手から右上がコウとなり)フリカワリとなり良い勝負かと思っていた。黒95のホウリコミにいったのはしつこかったかもしれない。 それからは厳しくいかないと、と考えていて、中央競り合いで負けにしたかと感じたが、ヨセで形ができてからは残るかなと思った。 手拍子もあったし錯覚もあったし内容的にはまずかった。もう少し良い碁を打てるように頑張りたい」
2021 年9月23日掲載
第60期十段戦最終予選決勝は23日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流本因坊が一力遼天元を破り、本戦トーナメント進出を決めた。
藤沢女流本因坊は初の十段戦本戦入りで、「一力天元に勝てると思っていなかったのでびっくりしている。本戦も今日みたいに伸び伸び打ちたい」と話した。一力天元は現在、七大タイトルの天元を保持し、名人戦7番勝負に出場しているトップ棋士。
十段戦の本戦は20人が出場し、許家元十段への挑戦権を争う。今期、女性では上野愛咲美女流棋聖も本戦入りを決めている。
2021 年9月9日掲載
井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する第46期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は9月9日、福島県郡山市の磐梯熱海温泉「四季彩一力」で2日目が打ち継がれ、午後7時59分、一力挑戦者が306手までで白番半目勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイとした。
持ち時間各8時間のうち、残りは両者1分だった。
第3局は15、16日、愛知県田原市の「角上楼」で打たれる。
2021 年8月30日掲載
第46期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)第5局が8月29日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、挑戦者の井山裕太九段が一力遼碁聖に180手で白番中押し勝ちし、3勝2敗でタイトルを奪取した。碁聖獲得は4期ぶり通算7期で、本因坊、棋聖、名人と合わせて4冠となった。
終局後の記者会見で、井山が「1日制のタイトル戦でいい結果を出せていなかったのでうれしく思う。これを世界戦にもつなげていけるようにしたい」と語った。また、若い世代とのタイトル戦が続いていることについて、「厳しいシリーズが続いているが、自分のベストを尽くせばチャンスがあることを証明できた」と話した。
一方、防衛を果たせなかった一力は終局後、「精いっぱいやった結果なのでしょうがない。来期ここに戻ってこられるように頑張りたい」と語った。
2021 年7月12日掲載
一力遼碁聖に井山裕太三冠が挑戦している第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)5番勝負の第2局は7月12日、仙台市のホテル佐勘で打たれ、午後7時38分、242手で一力碁聖が黒番半目勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイとした。
本局は中盤の戦いが終わってから長いヨセ勝負に。緊迫した終盤戦で一力碁聖がわずかに抜け出して勝ちきった。
第3局は7月17日、金沢市の北國新聞会館で行われる。
2021 年7月17日掲載
一力遼碁聖に、井山裕太三冠が挑戦している第46期碁聖戦5番勝負第3局(北國新聞社、新聞囲碁連盟、日本棋院、関西棋院主催)は7月17日、金沢市の北國新聞会館で打たれ、午後6時15分、一力碁聖が138手で白番中押し勝ちした。対戦成績を2勝1敗とし、タイトル初防衛にあと1勝となった。
序盤、右下隅から右上にかけて攻防が繰り広げられ、白の一力碁聖が黒模様の中で巧みにしのいだ。
中盤、一力碁聖が左辺の白模様を大きく広げた。序盤とは立場が入れ代わり、黒がサバキ、白が攻める展開となった。
やや劣勢とみた井山三冠が大きな白模様に勝負手黒91を放った。それに対し一力碁聖は揺るぎない攻めで白114、116と打ち、黒の大石を仕留めて決着をつけた。
一力碁聖は「相手のしのぐ手が見えなかったので、終盤の強手を決断した」と振り返った。井山三冠は「序盤、右下の分かれがやや甘かったのかもしれない。次局は気持ちを新たに頑張りたい」と話した。
立会人の中野寛也九段は「見応えのある対戦。両者力の入った一局だった。秒読みの中、一力碁聖が攻め切った」と評した。
持ち時間各4時間のうち、残り時間は一力碁聖が2分、井山三冠が1分だった。第4局は8月17日、新潟市の新潟グランドホテルで行われる。
2021 年8月17日掲載
一力遼碁聖に井山裕太三冠が挑戦している第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)5番勝負の第4局は8月17日、新潟市の新潟グランドホテルで行われ、午後7時13分、198手で井山三冠が白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻して決着を最終局に持ち込んだ。
中盤でリードを奪った井山三冠が難解な終盤戦を戦い抜き、押し切った。持ち時間各4時間のうち、残りは共に1分。
第5局は29日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。
2021 年8月27日掲載
第46期名人戦七番勝負の第1局が8月26日、27日の両日、東京都文京区で行われ、井山裕太名人が212手までで、初の名人獲得を目指す一力遼天元に白番中押し勝ちし、防衛に向けて好スタートを切った。第2局は9月8日、9日に福島県郡山市で行われる。
井山裕太名人
井山は「ずっと難しい碁だった。自分なりに精いっぱい打てたので、次も同じように打てれば」と振り返った。
一力遼天元
一力は「1日目に不本意な形にしてしまった。2日目は精いっぱい打ったが、よくなるまでが大変だった」と残念そうだった。
両者は碁聖戦五番勝負でも立場を入れ替えて対戦し、ここまで2勝2敗。最終第5局が29日に打たれる予定。名人戦もフルセットまでもつれれば、11月まで続く井山と一力の〝十二番勝負〟となる。
2021 年6月26日掲載
第46期碁聖戦五番勝負の第1局が6月26日、岡山県倉敷市で行われた。挑戦者の井山裕太三冠が135手までで、初防衛を目指す一力遼碁聖に黒番中押し勝ちし、4期ぶりの復位に向けて好スタートを切った。第2局は7月12日に仙台市で行われる。
一力遼碁聖
一力はプロ10年目の昨年、初の七大タイトルである碁聖を奪取。今回が初めての防衛戦となる。井山とは平成28年の天元戦を皮切りに七大タイトル戦で5度対局し、いずれも敗北していたが、昨年の天元戦で初勝利し、2冠となった。
井山裕太三冠
井山は2012年から碁聖を6連覇しており、今期は4期ぶりの復位を目指す。6月21日、22日に長野県松本市で行われた第76期本因坊戦七番勝負第5局では芝野虎丸王座に勝利。中3日でこの日の対局に臨み、さらに中2日で6月29、30日に三重県鳥羽市で行われる本因坊戦第6局に臨む予定。
2020 年12月16日掲載
第46期天元戦(新聞三社連合主催)五番勝負の最終第5局が12月16日、徳島市で行われた。挑戦者の一力遼碁聖が、6連覇を狙う井山裕太天元に黒番中押し勝ち。シリーズ3勝2敗で、対井山6度目の七大タイトル挑戦にして初めてタイトルを奪取した。
これで一力は、芝野虎丸王座・十段に並ぶ二冠となり、井山裕太の「大三冠」を若手二冠が追い上げる構図が鮮明になった。
一力は七大タイトル初挑戦の2016年天元戦以降、井山に5度挑戦。17~18年の王座、天元、棋聖の3棋戦連続挑戦では勝ち星なしで10連敗を喫した。今回の勝利については、「井山先生にタイトル戦で勝つのがずっと目標だった。内容的にはまだまだだが、自分の力を出し切ることができた」と語った。
井山は一昨年の七冠崩壊後、昨年まで三冠に後退。今年は復調し、秋の名人戦で芝野からタイトルを奪取、自身3度目の大三冠を達成した。好調のまま天元戦を迎えたものの、フルセットで一力に屈した。「全体に大事なところで精度を欠き、パフォーマンスが今一つだった」と振り返った。
2020 年12月7日掲載
井山裕太天元に一力遼碁聖が挑戦している第46期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第4局は、12月7日午前9時から兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われた。午後4時38分、208手で白番の一力が中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。
一力遼碁聖の話
井山裕太天元の話
石田篤司九段
「終局直後の時点で、井山天元に敗着と言える手は見つかっていない。一力碁聖の好局で、本人も手応えを感じているのではないか」と評価した。
2020 年12月3日掲載
第46期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)が12月3日に開幕した。出場9人による総当たり戦で、8月までの長丁場で井山裕太名人への挑戦権を争う。
「令和三羽ガラス」と呼ばれる若手棋士の芝野、一力、許ら20代の棋士が5人を占め、リーグの顔ぶれはこれまでの「平成四天王」中心から大きく変化している。
「戦国リーグ」と称される今期の初戦では、優勝候補本命で前期2位の一力遼碁聖が、初リーグ参戦となる兄弟子の安斎伸彰七段に勝利し、初挑戦に向けて好スタートを切った。
一力碁聖は前期に7勝1敗の好成績を収めながらも、唯一敗れた井山名人が全勝優勝を果たし、挑戦権を逃した。その結果、1敗者がプレーオフにも出場できなかったのは名人戦史上初の出来事であり、今期にかける思いは格別だ。
2020 年11月28日掲載
第46期天元戦5番勝負の第3局は11月27日に福岡県久留米市で行われ、井山裕太天元が180手で挑戦者の一力遼碁聖に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗として防衛にあと1勝に迫った。
立会人の坂口隆三九段は「一力碁聖が白の大石への攻め方をもっと工夫すれば、勝負になったかもしれない。内容のある碁で、第4局も熱戦を期待したい」とコメントした。
「白2、4の『両三々』はあまり打ったことがない。本局はこれでいってみようと思った。白86と黒3子を取ることはできたものの、実際の形勢は難しい。黒101と出られたときの対応がまずく、黒に食いつかれてしまった。白152と飛んで、何とかしのぐことができるのではと思った。」
「白40と守られ、右下の白一団への攻めが効かなくなった。白52と打たれ大変かなと感じていた。白86と黒3子を取られ地合いでは負けているが、これからの勝負だと思った。黒109とポン抜くことができ食いつける格好になった。黒111と切った手は疑問だったかもしれない。」
第4局は12月7日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。
2020 年10月26日掲載
第29期竜星戦の決勝戦が10月26日に放送され、仙台市出身の一力遼碁聖が井山裕太四冠に221手で黒番中押し勝ちし、竜星戦史上初の3連覇を達成した。通算優勝回数は4回となり、これまで最多だった小林光一九段と井山四冠の3回を更新した。
決勝戦は黒の一力碁聖が右辺に星と小目からの二間ジマリ、白の井山棋聖が左辺に2連星の布石でスタート。序盤では黒が右上の黒石7個を捨て石にして上辺に地を確保し、右辺に模様を築いた。
中盤、黒が下辺に地を取る代償として白が右辺の黒模様に深く入り込む場面があり、ここから難解な攻防が続いた。終盤に黒は左下の白地を大きく削り取り、さらに左辺での戦いでポイントを稼ぎ、優勢を確立して押し切った。
「決勝戦は前例のない形の立ち上がりで難しい戦いが続いた。その中で最後まで強く打ち続けることができた。(3連覇は)苦しい碁が多く、自分でも出来過ぎだと思う。4連覇を目指してまた頑張りたい。」