上野愛咲美女流立葵杯が、男女混合の七大タイトル戦である本因坊戦において、女性初のベスト4進出を果たしました。
3月20日、大阪・北浜の関西棋院で行われた本因坊戦準々決勝で、村川大介九段と対戦し、逆転勝利を収めました。
「第一回北海新繹杯世界囲碁オープン戦」が、2025年4月9日から20日にかけて中国・広西チワン族自治区北海市で開催されます。
本大会には、日本・中国・韓国をはじめとする各国・地域のトップ棋士64名が集結します。
日本からは、以下の10名が本戦に出場します。
(※曽富康三段は東南アジア代表として出場)
産経新聞社が主催する「大和ハウス杯 第63期十段戦五番勝負」の第2局が3月17日、和歌山県和歌山市の「ダイワロイネットホテル和歌山」で行われました。
挑戦者・芝野虎丸九段が白番2.5目勝ちを収め、シリーズ2連勝となりました。十段復位に王手をかけました。
十段戦第3局は4月3日(木) 長野県大町市「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われます。
検分が行われました。
前日インタビュー
井山十段:「和歌山にはプライベートで何度も来ているが、番勝負では初めてなので楽しみ。気持ちを新たに盛り上げていきたい。」
芝野九段:「和歌山は海鮮がおいしいイメージで、対局後にはいろいろと回ってみたい。五番勝負は始まったばかりなので、あすは碁盤に集中したい。」
前夜祭
9時30分 - 立会人 山下敬吾九段 の合図で対局開始
12時 昼食時間
13時 対局再開
15時 おやつ時間
17時40分 終局
芝野虎丸九段が白番2.5目勝ちを収め、シリーズ2連勝!
SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025の決勝戦が3月16日、東京都江東区のホテル櫂会で行われました。
日本代表の上野梨紗三段は、韓国の女流最強棋士崔精九段と対戦し、大逆転劇の末、白番で半目勝ちを収め、初優勝を果たしました。
対局は序盤から激しい戦いとなりました。
崔九段はこれまで数々の国際タイトルを制してきたトップ棋士であり、中盤では一時AIの評価値が90%以上崔九段に傾き、形勢は大きく開いていました。
しかし、上野三段は冷静に局面を判断し、粘り強く勝機を探しました。
終盤に入ると、崔九段が小さなミスを重ね、上野三段は少しずつ差を詰めました。
そして、1線の絶妙な手(208手目)が勝負を決定づける一手となり、大逆転に成功しました。
「まだ実感が湧きません。尊敬する崔精九段と決勝で戦えただけでも嬉しかったのですが、まさか勝てるとは思っていませんでした。
正直、途中はかなり苦しかったです。でも、自分の打ちたい碁を最後まで貫こうと思いました。」
上野三段は、2022年に姉の上野愛咲美女流六段がSENKO CUPを制して以来、姉妹での優勝という快挙を達成しました。
姉妹で同じ国際タイトルを獲得したのは囲碁界でも極めて珍しい記録です。
SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025の準決勝が3月15日、東京都江東区のホテル櫂会で行われました。
上野梨紗三段は169手で台湾の盧鈺樺五段に黒番中押し勝ちし、決勝進出を果たしました。
決勝戦では、韓国の崔精九段と対戦することが決まりました。
崔九段は、準決勝で中国の唐嘉雯六段に大逆転勝ちを収め、3連覇を目指しています。
⭕️ 上野梨紗三段(日本) ― 盧鈺樺五段(中華台北) ❌
⭕️ 崔精九段(韓国) ― 唐嘉雯六段(中国) ❌
上野三段:「初めての相手だったので慎重に進めましたが、自分の碁を打つことができました。
崔九段はずっと女流囲碁界のトップを走っている棋士です。
こうして決勝で対局できることがとても光栄ですし、全力でぶつかりたいと思います。」と対局後に語りました。
決勝戦は3月16日に行われます。
決勝戦では、韓国の崔精九段と対戦することが決まりました。
崔九段は、準決勝で中国の唐嘉雯六段に大逆転勝ちを収め、3連覇を目指しています。
決勝戦は3月16日に行われます。
優勝賞金は1,000万円。
また、同日には3位決定戦として唐嘉雯六段 vs 盧鈺樺五段の一戦も予定されています。
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第7局が、3月12日と13日の両日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で打たれました。一力遼棋聖が井山裕太王座に白番中押し勝ちし、棋聖4連覇を果たしました。
3月12日,第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)的最終局,1日目的对局在山梨县甲府市的「常磐酒店」进行。白番的一力辽棋圣在124手后封手,1日目结束。
3月11日 - 检分 👈👈
3月12日 8:53 - 一力棋圣先入室,擦拭棋盘
3月12日 8:55 - 井山王座入室
3月12日 9:00 - 握子决定,井山王座执黑先行
3月12日 9:00 - 立会人石田芳夫九段宣布对局开始
3月12日 9:00 - 井山王座落下第一手
3月12日 10:30 - 上午茶点
3月12日 12:00 - 午餐
3月12日 13:00 - 对局恢复
3月12日 15:00 - 下午茶点
3月12日 17:30 - 一力棋圣封手
3月12日 17:40 - 收拾棋子,1日目结束
1日目结束时,一力棋圣(白番)的胜率为48%
第49期棋聖戦七番勝負第7局は、3月12日から13日にかけて山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われます。「常磐ホテル」はタイトル戦における名勝負の舞台として知られております。これまで数々の歴史的対局が繰り広げられてきた会場において、今期の棋聖が決定する運命の二日間が、まもなく幕を開けます。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
その後、一力棋聖と井山王座は前日インタビューに応じ、それぞれ最終局への意気込みを語りました。
「ここまで来ると、スコアを気にすることもないですし、2日間、目の前の碁盤に集中し、精一杯やるだけです。(きょうで東日本大震災から14年)こういう素晴らしい舞台で対局できることは本当にありがたいことだと思います。東日本大震災が起きた14年前は、ちょうどこのホテルで棋聖戦が行われていて、井山さんが挑戦者として戦われていました。それだけ長い間、第一線で活躍されるのは本当に大変なことと思います。自分自身、いろんな思いはありますが、まずは一手一手集中してやっていきたいと思います。」
「(第6局以降は)技術的なことというよりは、体調面、気持ちの面を重視して整えてきました。一度、大阪にも戻りました。(3勝3敗となり)ここまで来たのにも意味があると思っています。自分自身のやるべきことを遂行することに全力を尽くしたいです。東日本大震災が起きた日のことは年月がたっても覚えています。(あの日からこれまで)前を向いて戦ってきた方がたくさんおられますし、自分もそういった気持ちで自分の力を出しきりたいと思います。」
SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025が、3月14日に東京都江東区のホテル櫂会で開幕しました。今大会には、日本、中国、韓国、中華台北、ベトナムの代表棋士計8名が参加し、トーナメント方式で争われます。持ち時間は各2時間、秒読み5分という設定で、日本ルールが採用されています。優勝賞金は1,000万円です。
大会初日は1回戦4局が行われ、ベスト4が決まりました。結果は以下の通りです:
⭕️崔精九段(韓国) ― 藤沢里菜七段(日本)❌
⭕️唐嘉雯六段(中国) ― 上野愛咲美六段(日本)❌
⭕️盧鈺樺五段(中華台北) ― 王景怡四段(日本)❌
⭕️上野梨紗三段(日本) ― Quynh Anh Haアマ六段(ベトナム)❌
日本勢は4名が出場しましたが、初戦を突破したのは上野梨紗三段のみとなりました。藤沢里菜七段、上野愛咲美六段はともに強豪と対戦し、惜しくも敗れています。
準決勝は3月15日に行われ、決勝戦は3月16日に予定されています。
3月8日、東京・市ケ谷の日本棋院東京本院で行われた第36期博多・カマチ杯女流名人戦リーグ最終戦で、加藤千笑三段が牛栄子四段に半目勝利し、リーグの全対局が終了しました。
序列 | 棋士 | 上野愛 | 謝 | 上野梨 | 星合 | 牛 | 加藤 | 横田 | 成績 | 昇降 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 上野愛 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 6-0 | 挑戦者 | |
2 | 謝 | × | 〇 | 〇 | × | × | 〇 | 3-3 | 3位 | |
3 | 上野梨 | × | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | 3-3 | 4位 | |
4 | 星合 | × | × | × | 〇 | × | 〇 | 2-4 | 陥落 | |
4 | 牛 | × | 〇 | × | × | × | 〇 | 2-4 | 陥落 | |
4 | 加藤 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 5-1 | 2位 | |
4 | 横田 | × | × | × | × | × | × | 0-6 | 陥落 |
上野愛咲美女流立葵杯は初戦から好調を維持し、6戦全勝で藤沢里菜女流名人への挑戦権を獲得しました。
今期リーグ戦では加藤千笑三段が5勝1敗で2位に入りました。唯一の敗戦は上野愛咲美女流立葵杯戦のみで、安定した成績を残しました。この結果、碁力ランキングで女流棋士7位に浮上しました。
碁力ランキング 👈👈
加藤千笑三段の個人ページ 👈👈
星合志保四段(2勝4敗)、牛栄子四段(2勝4敗)、横田日菜乃二段(0勝6敗)がリーグ陥落となりました。一方、謝依旻七段(3勝3敗・3位)、上野梨紗女流棋聖(3勝3敗・4位)がリーグ残留に決まりました。
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第6局が、3月6日と7日の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で打たれました。一力遼棋聖が井山裕太王座に2目半勝ちし、頂上決戦の決着を最終戦に持ち込みました。
第7局は3月12日(水)3月13日(木)山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われます。
3月6日、第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第6局、1日目の対局が神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で打たれました。黒番の井山裕太王座が99手目を封じて1日目が終了しました。
第49期棋聖戦七番勝負第6局は、3月6日から7日にかけて神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われます。一力棋聖が最終局に持ち込むのか、それとも井山王座が棋聖位を奪還するか、注目が集まります。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
その後、一力棋聖と井山王座は前日インタビューに応じ、それぞれ第6局への意気込みを語りました。
「花月園さんには棋聖戦で4年連続で来ていますが、ここまで雪が降った記憶はないですね。
第5局で勝って、一つ返しましたが、まだカド番であることには変わりないので、目の前に集中してやるだけです。
少しずつ調子は上がってきているので、明日からの二日間は体調を整えてベストを尽くしていきたいです」
「花月園さんでは、毎回、気持ちよく対局させてもらっています。
(過密日程が続くが、)今のようなスケジュールはこれまでも経験してきていますし、それをヒントにプラスに変えていけるかは自分次第です。
シンプルに自分の今できるパフォーマンスを最大限発揮することにフォーカスしていきたいと思います」
上野愛咲美女流立葵杯が3日、東京・市ケ谷の日本棋院東京本院で行われた第36期女流名人戦博多・カマチ杯の挑戦者決定リーグ最終戦で横田日菜乃二段に勝利、リーグ6戦全勝で藤沢里菜女流名人への挑戦権を獲得しました。
今期リーグ戦では、初戦で謝依旻七段との接戦を制し、その後も順調に勝利を重ねました。
牛栄子四段、星合志保四段、妹の上野梨紗女流棋聖を次々と破り、5局目では同じ4戦全勝だった加藤千笑三段を下しました。
序列 | 棋士 | 上野愛 | 謝 | 上野梨 | 星合 | 牛 | 加藤 | 横田 | 成績 | 昇降 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 上野愛 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 6-0 | 🟢 挑戦者 |
2 | 謝 | × | - | 〇 | × | × | 〇 | 2-3 | ||
3 | 上野梨 | × | × | - | 〇 | 〇 | × | 〇 | 3-3 | 🟢 残留 |
4 | 星合 | × | × | - | 〇 | × | 〇 | 2-3 | ||
4 | 牛 | × | 〇 | × | × | - | 〇 | 2-3 | ||
4 | 加藤 | × | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | 4-1 | 🟢 残留 | |
4 | 横田 | × | × | × | × | × | × | - | 0-6 | 🔴 陥落 |
女流名人獲得を目指す挑戦手合三番勝負は、4月14日に日本棋院東京本院で開幕します。
産経新聞社が主催する囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第63期十段戦五番勝負」の第1局が3日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われました。挑戦者・芝野虎丸九段が黒番中押し勝ちを収めました。井山裕太十段に対し、十段タイトル奪還に向けて良いスタートを切りました。
第2局は、17日に和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山で行われます。
対局前日に「検分」が行われました。
検分の後、井山十段と芝野九段は前日インタビューに応じ、それぞれ開幕戦への意気込みを語りました。
終局。233手で黒番中押し勝ちとなり、芝野九段が第1局の勝利を手にしました。
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第5局が、2月26日と27日の両日、千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で打たれました。一力遼棋聖が井山裕太王座に293手までで黒番1目半勝ちし、シリーズを2勝3敗に戻しました。
第6局は3月6日(木)3月7日(金)神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われます。
2月25日 - 検分 👈👈
2月26日 - 1日目 👈👈
2月27日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2月27日 9:10 - 封じ手を立会人の張栩九段が開封しました。
2月27日 9:15 - 井山王座がその場所に打って対局が再開された。
午前のおやつ - 一力棋聖:アップルジュース。井山王座:ホットコーヒー。
2月27日 12:00 - 2日目の昼食。一力棋聖:そば(天ぷら)・アイスティー。井山王座:刺身定食・アイスティー。
2月27日 13:00 - 対局が再開されました。
2月27日 15:00 - 2日目の午後おやつ時間。一力棋聖:イチゴのショートケーキ。井山王座:チョコレートケーキ。
2月27日 19:10 - 終局。一力遼棋聖が293手までで黒番1目半勝ちし、崖っぷちから1勝を挙げました。
一力遼棋聖(名人、天元、本因坊)に井山裕太王座(碁聖、十段)が挑む第49期棋聖戦七番勝負第5局は、26日から千葉県勝浦市で打たれている。四冠と三冠による頂上決戦は、ここまで井山王座の3勝1敗で、カド番の一力棋聖にとっては正念場だ。この重要対局で新聞解説を務めるのは、芝野虎丸九段だ。昨年まで両対局者と七大タイトルを分け合う“3強”の一角だったが、棋士人生最悪とも言える経験を経て、「今年の自分には期待していいかも」と不敵に笑う。
芝野九段にとって、昨年は「自分の中では一番悪い一年だった」という。名人と十段の二冠を保持していたが、4月に十段をフルセットの末、井山王座に奪われ、10月には一力棋聖に名人初 戴冠たいかん を許した。これらの防衛戦も含めて5棋戦で挑戦手合を戦い、「充実感はあった」というが、2年ぶりに無冠となった。「無冠になったのが大きすぎて、実際は思い出したくない」
3連覇に失敗した名人戦後、王座戦と天元戦の挑戦手合に、国際棋戦「春蘭杯」も出場が決まっていた。「最後の勝負を楽しもうという気持ちだった。全部負けたら、本当に棋士を辞めようと思っていた」。春蘭杯では自身初の国際棋戦ベスト4まで進んだ。しかし、タイトル挑戦はいずれも失敗し、気持ちが切れた。年末年始の約3週間、手合以外は碁盤から離れた。
そんなどん底の状態から復調するきっかけとなったのは、今年の年明けに気心の知れた棋士仲間と遊んだトランプだったという。たわいない時間を過ごしながら、「遊ぶのはいつでもできるけど、辞めるのは、ここまで頑張った自分がかわいそう。もうちょっとやってあげようかな」と気持ちを持ち直した。2月に国際棋戦「農心杯」の対局が予定されていたことも幸いし、再び囲碁と向き合えるようになった。
一時は三冠を保持し、若くして碁界の先頭を走った。ただ、「タイトルを取りたいとか、世界戦で優勝したいという目標が、元々あまりない」。その後、一度は無冠となり、2022年に名人を奪還した際、「次に無冠になったら、棋士を辞めよう」とさえ考えていたという。
そんなモチベーションを保つのが難しいタイプながら、今も棋士を続けられるのは、「囲碁もやりたい時にやればいいという心の持ちように変われたから」と打ち明ける。この考え方は、名人を昨年失冠する以前にはなかったものだ。
以前から好きだというミュージシャン、米津玄師さんの曲「サンタマリア」には、〈全て正しいさ(中略)間違いさえも〉という一節がある。最近になって納得できるようになり、「何も正解じゃないし、何も不正解じゃない。囲碁を勉強していないことさえも、プラスの可能性がなくはない」と話す。
3月3日から始まる十段戦五番勝負では、挑戦者としてリターンマッチに臨む。「自分は以前までと違う状態なので、どういうふうに自分が戦うのかが、ただただ楽しみ」。そんな自然体の境地に達した25歳は「もう棋士を辞めたいとは思わないかな」とはにかんだ。
--From: 読売新聞(文化部 江口武志さん)
2月26日、第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第5局、1日目の対局が千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で打たれました。白番の井山裕太王座が102手目を封じて1日目が終了しました。
2月25日 - 検分 👈👈
2月26日 8:53 - 一力棋聖が先に入室、碁盤を拭きました。
2月26日 8:55 - 井山王座も入室。
2月26日 9:00 - 立会人の張栩九段の合図で対局が始まりました。
2月26日 9:00 - 一力棋聖が初手を打ちました。
2月26日 10:30 - 午前のおやつ
2月26日 12:00 - 昼食
2月26日 13:00 - 対局再開
2月26日 15:00 - 午後のおやつ
2月26日 17:30 - 手番だった井山王座が「封じ手」を行いました。
2月26日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は64%です。
人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。
そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。
今回登場していただくのは、昨年11月22日に入籍した囲碁界のビッグカップル、横塚力七段と藤沢里菜女流本因坊。
出会いから20年弱、交際開始から7年の月日を経ての結婚。出会いのときも入籍の“直後”も、二人の間には碁盤があった。
ご両人が記憶する巡り合いの場は2006年。里菜さんが小2、力さんが小6のときの囲碁大会だ。里菜さんが通う囲碁道場に力さんが春季特訓で訪れたこともあったため、互いの顔を見知ってはいたが、対局はこの大会が初めてだった。
小学生にとって4歳の年齢差は大きく、力さんが勝利し、その勢いで優勝した。彼が打ち上げの席で「1回戦は普通に勝って……」と話すのを聞いた里菜さんは「イラッとしましたね」と憤慨したのを覚えている。
その後も大会に行けば顔を合わせた。しかし、母親同士が喋りはすれど、力さんにとっては里菜さんの3歳上の兄のほうが年は近く、彼女のことは「あいつの妹か」程度の認識だった。
それでも里菜さんは史上最年少(当時)の11歳6カ月でプロ棋士となり、逆に遅咲きの力さんは20歳でプロに。プロの世界では里菜さんが5年先輩だ。力さんはプロを目指していた時期、プロに交じって研究会にいくつも所属。うち3研究会には彼女もいて、そこでも幾度となく対局した。
「小学生時より差は詰まっていたものの、最初の2年ぐらいは僕のほうが勝っていたのに、やはり(里菜さんが)プロにもまれて、その後は急に強くなった」と力さん。互いの連絡先は知らなかったが、研究会のグループラインで知ることに。若手棋士らと集団で遊びに行ったり、その帰り道で二人きりになったり。力さんがプロ棋士になってからもそんな関係は続き、時には帰路にゲームセンターで取った景品を里菜さんにプレゼントしたことも。
知らず知らずのうちに距離は縮まっていった。
17年10月、朝と午後に仕事が入っていた力さん。合間のランチに里菜さんを誘い、「付き合っていただけませんか」。普通のランチと思っていた里菜さんはびっくりするも「はい」。
互いに囲碁の研究で多忙な中、定番のデートスポットは富士急ハイランド。囲碁では沈思黙考するのが常の二人がジェットコースターで絶叫。「帰りには喉が痛いほどだけど、それも含めて楽しくて」と力さん。
交際開始から6年が過ぎる頃、力さんの周りでは結婚する人が多くなった。里菜さんは「結婚願望はなかったけれど、付き合ってきた期間は長いなあ」と思い、交際を知る棋士仲間たちに「いつ結婚するの?」と聞かれることも増えていた。
昨年1月、力さんは「自分の誕生日は“いい夫婦の日”(11月22日)だし、せっかくだから(入籍は)その日にしようか」と提案。実は里菜さんの母がその3年ほど前から、毎年11月22日が近づくと「プロポーズがあるんじゃないかしら」とソワソワしていたという。
その話を里菜さんから聞いていたせいもあり、この日を選んだ。指輪も花束もないプロポーズだったが、天のいたずらか、入籍から9日後、広島アルミ杯・若鯉戦のトーナメント準決勝で、二人は対戦。交際後は未対戦だったが、入籍発表前の夫婦対決は力さんが勝利し、さらに勝ち進み優勝した。
里菜さんは「相手が家族なので、家族に勝ってほしいという雑念も出ちゃったかな」と思い返す。
12月にはマカオへ新婚旅行。パリジャン・マカオで観光を楽しみ、点心に舌鼓を打った。棋士としてだけでなく、囲碁番組の解説役としても全国を回ることの多い力さんは「各地のお世話になっている方に二人であいさつして回りたい」と話す。
ともに運転免許を持っておらず、移動の足は主に公共交通機関。夫婦棋士の行脚が各地で見られそうだ。
「週刊新潮」2025年2月27日号 掲載
第49期棋聖戦七番勝負第5局は、2月26日から27日にかけて千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」で行われます。一力棋聖が反撃の狼煙を上げるか、それとも井山王座が棋聖位を奪還するか、注目が集まります。
対局室窓の外に広がる砂浜は、穏やかな潮風に包まれながら、寄せては返す波が優しく浜辺を撫で、遠くの水平線には澄み渡る青空が溶け込むように広がり、まるで時間がゆっくりと流れるような穏やかな光景が広がっています。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
その後、一力棋聖と井山王座は前日インタビューに応じ、それぞれ第5局への意気込みを語りました。
「一局一局勝っていくしかない。今の自分にできるベストを尽くせるように頑張りたい。」
「これまでの4局は精いっぱい戦えていると思う。いいコンディションで臨めるようにしたい。」
張栩九段のサイン入り本『ワタリ詰碁』が届きました!めちゃくちゃ嬉しいです✨🥳
早速、中を見てみたら、内容もすごく面白くて、華麗な大技も満載😄🩷🩷
第72期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)で五番勝負を制し、王座のタイトルを獲得した井山裕太王座の就位式が2月19日、大阪市内のホテルで開催されました。
井山王座にとって今回の王座獲得は通算10期目となり、これにより「名誉王座」の資格を得ました。式典では、日本棋院の武宮陽光理事長から「王座允許状」が授与され、日本経済新聞社の岡田直敏会長からはトロフィーと名誉王座獲得の功労金の目録が手渡されました。
昨年行われた王座戦五番勝負では、挑戦者の芝野虎丸九段と対戦し、3勝1敗で防衛に成功しました。井山王座はこれまで数々のタイトル戦で輝かしい実績を残してきましたが、王座の通算10期達成により、さらに歴史に名を刻むこととなりました。
名誉王座の称号は、60歳に達するか引退後に正式に名乗ることができます。式典で井山王座は「厳しい戦いの連続ですが、戦う姿や結果を通じて、何かを伝えられるよう今後も精進したい」と語りました。
井山王座の地元・大阪で行われた就位式には、多くの囲碁ファンも駆けつけました。約200人が会場に集まり、井山王座の偉業を祝福しました。
第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第11局が2月18日、中国・上海のグランドセントラルホテルで行われ、日本チームの最後の代表として芝野虎丸九段が登場しました。対局は序盤の下辺での攻防が大きな分岐点となりました。芝野九段はミスを犯し、早々に形勢が傾いてしまいました。その後、逆転を狙って粘り強く打ち続けましたが、朴廷桓九段の安定した打ち回しにより、チャンスをつかむことができませんでした。結果的に、芝野九段は11局目で敗れ、日本チームの今大会での戦いが終わりました。
芝野九段の敗退により、大会は韓国 vs 中国の一騎打ちとなりました。ここまでの成績は韓国5勝3敗、中国5勝3敗。残る棋士は、韓国が朴廷桓九段と申真諝九段、中国が李軒豪九段と丁浩九段となりました。
次戦の第12局では、朴廷桓九段が中国の李軒豪九段と対戦します。両者の対戦成績は朴廷桓九段の3勝2敗です。
白を全滅させてください。不注意に打つと、半分生きられてしまいます。
黒1の切りは、白2のマガリが好手で、白6まで行きます。
黒1が手筋。白2に黒3の打ち欠きで白全滅となります。
黒の手数は三手。初手を誤ると、白の手数を増やしてしまう。
黒1のサガリは白2と受けられて、黒一手負け。
黒1が手数を縮める手筋。白2は黒3で、黒一手勝ちになる。
黒二子と白三子の攻め合いである。手数は黒白とも同じ三手だが、手数を縮めるにはどう打てばいいか。
黒1のオキは、黒二子との関連もなく、白三子の手数も縮めていないので、失敗は明らか。
黒1のハネは白2と受けられて、白6のアテが利き、黒一手負けである。
黒1のオキは手筋。黒3、5と黒一手勝ちになる。
第26回農心辛ラーメン杯最終ラウンドとなる第3ラウンドは17日、中国・上海のグランドセントラルホテルで開幕しました。芝野虎丸九段が205手で謝爾豪九段に黒番中押し勝ちを収め、日本チームに今大会初勝利しました。
芝野九段が農心杯での通算成績は3勝5敗となりました。日本は今回の大会の「全敗」を回避しました。
18日には第11局が行われ、芝野虎丸九段が韓国の朴廷桓九段と対戦します。両者のこれまでの対戦成績は、朴廷桓九段の7勝2敗。農心杯では初の対決となります。
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第4局が、2月12日と13日の両日、静岡県熱海市「熱海後楽園ホテル」で打たれました。
挑戦者の井山裕太王座が316手まで一力遼棋聖に黒番4目半勝ちを収め、棋聖位奪還に王手をかけました。
第5局は2月26日(水)2月27日(木)千葉県勝浦市「三日月シーパークホテル勝浦」で行われます。
【第49期棋聖戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太王座 対 一力遼棋聖(白)
2月12日、第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第4局、1日目の対局が仙台市の宮城県知事公館で行われました。
黒番の井山裕太王座が113手目を封じて1日目が終了しました。
1日目終了時点: 一力遼棋聖(白番)の勝率は 17% です。
【第49期棋聖戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太王座 vs (白)一力遼棋聖
第49期棋聖戦七番勝負第4局は、2月12日から13日にかけて静岡県熱海市の「熱海後楽園ホテル」で行われます。一力棋聖が勝ってシリーズをタイに持ち込むか、それとも井山王座が王手をかけるか、注目が集まります。第4局を前に「熱海後楽園ホテル」で検分が行われました。
対局室窓の外に広がる青く輝く海は、穏やかな波が静かに打ち寄せ、太陽の光を浴びて水面がキラキラと煌めき、心を癒す素晴らしい景色が広がっています。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
その後、一力棋聖と井山王座は前日インタビューに応じ、それぞれ第4局への意気込みを語りました。
「これまで内容的にも苦しい時間が長いと感じている。いい方向に流れを変えていきたい。」
「対局が続く大変な面もあるが、それよりもいい緊張感で過ごせていることがプラスになっている。内容的には今の自分を出せている。」
11日夜、関係者や囲碁ファンを交えての食事会が開かれました。
上方の黒の大石に目がありません。相手の弱点はどこか。それを探すのが一番大切です。
黒1、3と、眼を作ることだけを考えていると、白6で終わり!黒は死んでしまいます。
黒1、3は手筋。AとBは見合いで、黒が生還できます。
白二子をどう取るか。急所を外すとうまく取れない。
黒1と詰めて3のオサエは普通の手だが、白2とさがられてうまくいかない。白2の点は双方の急所だ。
黒1のツケが白のダメをつめる手筋。この後、白6には黒7と下がり、白の手数は延びれない。
黒1のツケに白2のハネ出しは、黒3ときる。この変化も攻め合い黒一手勝ち。
韓国棋院は、アゲハマを正しく置かなかった場合の「反則負け規則」を廃止することを決定し、中国棋院に対して新たな規則が制定されるまで現行の判罰を適用しない立場を伝えました。中国棋院は6日、韓国棋院に公文を送り、この決定を歓迎する意向を示しました。
今回の合意を受け、第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁団体選手権の第3ステージは、予定通り今月17日から上海で開催されることになりそうです。また、第1回ソパルコサノル世界最高棋士決定戦も、近日中に開催される見通しとなっています。
この規則は、第29回LG杯朝鮮日報世界棋王戦の決勝戦で大きな問題となりました。先月20日から23日にかけて行われた三番勝負において、中国の柯潔九段は第2局で2回アゲハマを正しく置かなかったとして反則負けとなりました。その後、第3局では判罰の決定を受け入れずに途中棄権し、大会を辞退する事態となりました。
この判定に対し、中国棋院は抗議し、韓国棋院に対して適切な対応を求めました。また、中国側は、今月6日から10日まで開催予定だった第1回ソパルコサノル世界最高棋士決定戦への不参加を通達しました。しかし、韓国側が迅速に規則を変更する措置を取ったことを受け、中国棋院もそれに応じる姿勢を示し、両国間の対立は早期に解消されました。
この問題をめぐる中韓間の対立は一時激化しましたが、迅速な対応により、囲碁界の国際大会はスムーズに進められることになりました。今後の両国の関係にも注目が集まります。
韓国棋院は、アゲハマを正しく置かなかった場合の「反則負け規則」を廃止することを決定し、中国棋院に対して新たな規則が制定されるまで現行の判罰を適用しない立場を伝えました。中国棋院は6日、韓国棋院に公文を送り、この決定を歓迎する意向を示しました。
今回の合意を受け、第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁団体選手権の第3ステージは、予定通り今月17日から上海で開催されることになりそうです。また、第1回ソパルコサノル世界最高棋士決定戦も、近日中に開催される見通しとなっています。
この規則は、第29回LG杯朝鮮日報世界棋王戦の決勝戦で大きな問題となりました。先月20日から23日にかけて行われた三番勝負において、中国の柯潔九段は第2局で2回アゲハマを正しく置かなかったとして反則負けとなりました。その後、第3局では判罰の決定を受け入れずに途中棄権し、大会を辞退する事態となりました。
この判定に対し、中国棋院は抗議し、韓国棋院に対して適切な対応を求めました。また、中国側は、今月6日から10日まで開催予定だった第1回ソパルコサノル世界最高棋士決定戦への不参加を通達しました。しかし、韓国側が迅速に規則を変更する措置を取ったことを受け、中国棋院もそれに応じる姿勢を示し、両国間の対立は早期に解消されました。
この問題をめぐる中韓間の対立は一時激化しましたが、迅速な対応により、囲碁界の国際大会はスムーズに進められることになりました。今後の両国の関係にも注目が集まります。
白二子をゲタにして捕まえられれば大成功だが、どう手順を尽くしてゲタに繋げるか。
黒1とカケるのが失敗。白8まで突破されてしまう。
黒1のケイマは前図のトビよりまだましだが、白2から6まで出られて止まらない。
黒1、3の利かしが手筋です。黒5にケイマすれば、白は突破できない形になる。
上辺の黒五子を助けるのがテーマ。そのためには、白二子か三子のどちらかを取らなければいけない。
黒1のアタリを決めてしまうのは味気ない。黒3とトンでも白4と逃げられる。
黒1のトビが左右の白を見合いにした手筋である。黒5のツギまで、AとBの白を取ることが見合いとなる。
右上隅の白の死活を脅かして、大戦果を上げる。
黒1からツケヒキは、白4で生きる相場。
黒1のノゾキから白2のとき、黒3のアテツケが強烈コンビネーション手筋である。かなめ石の白二子が落ちてしまう。
黒1に白2とツグのは、黒15までは白全滅になる。かなめ石の白二子を捨てるしかない。
黒を二分しているかなめ石の◯の一子をどう取るかどうかが課題。
黒1のアテから白2ツギに黒3のカケは、すぐ浮かぶ着想だが、白4、6に切られて、包囲網は破れる。
黒1と迫り、白2のツギなら黒3のケイマが筋に当たる。白はどう打っても逃げられない。
黒1に白2のコスミツケも考えられる。この場合は黒3とアテ、5のハネが急所。以下黒15まで、白が取られる。
今回のLG杯における規則論争について、柯潔九段と卞相壹九段はともにこの争議の犠牲者であり、両国の棋院も大きなプレッシャーを受けている状況です。
LG杯争議事件を契機に、統一された世界大会のルール整備や国際組織の創設が進む可能性があると期待されています。
AlphaGoが登場し囲碁ブームを巻き起こしたにもかかわらず、囲碁は英語の名称すら統一されていないという点は非常に残念です。
日中韓三国がその好機を十分に活かして世界普及に努めなかったのが反省すべきです。
今回のLG杯争議事件は、囲碁界にとって大きな危機であると同時に、改革の機運を高める絶好の機会でもあります。
新たな大会制度の導入、資源の集中、賞金の大幅な引き上げといった施策を通じ、国際的な影響力を高める意見もあります。
これにより、より多くの注目とスポンサーシップを集め、囲碁界全体の発展につなげることが期待されます。
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第3局が、2月5日と6日の両日、宮城県仙台市の「宮城県知事公館」で打たれました。
挑戦者の井山裕太王座が274手で一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収め、シリーズ成績を2勝1敗としました。
第4局は2月12日(水)、2月13日(木)静岡県熱海市「熱海後楽園ホテル」で行われます。
9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
9:10 - 封じ手を立会人の山下敬吾九段が開封しました。
9:10 - 一力棋聖がその場所に打って対局が再開された。
午前のおやつ
12:00 昼食
13:00 - 対局が再開されました。
15:00 午後のおやつ
19:40 終局
【第49期棋聖戦挑戦手合第3局】(黒) 一力遼棋聖 対 井山裕太王座(白)
関西棋院賞の選考委員会が2025年1月31日(金)に開催され、2024年の成績をもとに受賞者が決定しました。
表彰式は2025年3月10日(月)に開催予定です。
賞 | 受賞者 | 受賞回数・備考 |
---|---|---|
最優秀棋士賞 (1年間で最も活躍した棋士に贈られる) | 余正麒 八段(29歳) | 8回目(5年連続) |
利仙賞(敢闘賞) (最優秀棋士賞に準ずる賞) | 村川大介 九段(34歳) | 6回目(7年ぶり) |
道玄賞(殊勲賞) (利仙賞に準ずる賞・対象は八段以下) | 佐田篤史 七段(29歳) | 初受賞 |
新人賞 (六段以下で26歳未満または入段後3年以内の棋士が対象・再選不可) | 辻 篤仁 五段(22歳) | 初受賞 |
連勝賞 (1年間の最多連勝者) | 原 正和 四段(26歳) | 11連勝・初受賞 |
山野賞 (普及に貢献した棋士に贈られる) | 関山利道 九段(51歳) | 初受賞 |
永井賞 (30歳未満の優秀棋士に贈られる) | 呉 柏毅 六段(29歳) | 2回目(8年ぶり) |
吉田賞 (交流対局で10勝以上の最多勝者に贈られる) | 村川大介 九段(34歳) | 16勝・4回目(6年ぶり) |
余正麒 八段(29歳) | 16勝・10回目(10年連続) | |
田中康湧 五段(23歳) | 16勝・初受賞 | |
谷口賞 (26歳未満の若手棋士に贈られる激励賞) | 田中康湧 五段(23歳) | 初受賞 |
第58回棋道賞の受賞者が1月28日に決定しました。棋道賞は、月刊誌『月刊 碁ワールド』の前身である『棋道』の時代に創設され、日本棋院所属の棋士を対象に、前年の成績をもとに選出される賞です。
選考は、タイトル戦を主催・協賛する新聞各社やテレビ局の囲碁担当者によって行われ、最優秀棋士賞、優秀棋士賞、新人賞、女流賞、国際賞、最多勝利賞、勝率第1位賞、連勝賞、最多対局賞 の各部門で受賞者が選ばれます。
賞 | 受賞者 | 主な成績 |
---|---|---|
最優秀棋士賞 | 一力遼 棋聖・名人・天元・本因坊 | 国内四冠、応氏杯優勝 |
優秀棋士賞 | 井山裕太 王座・碁聖・十段 | 国内三冠 |
新人賞 | 福岡航太朗 竜星 | 竜星戦優勝 |
女流賞 | 藤沢里菜 女流本因坊・女流名人・扇興杯 | 女流三冠 |
国際賞 | 一力遼 棋聖・名人・天元・本因坊・応氏杯 | 応氏杯優勝、国内四冠 |
上野愛咲美 女流立葵杯 | 呉清源杯優勝 | |
最多勝利賞 | 藤沢里菜 女流本因坊 | 53勝(27敗) |
勝率第1位賞 | 三浦太郎 新人王 | 0.8039(41勝10敗) |
連勝賞 | 六浦雄太 八段 | 13連勝(2024/1/8~2024/5/2) |
鶴田和志 七段 | 13連勝(2024/5/6~2024/9/9) | |
最多対局賞 | 藤沢里菜 女流本因坊 | 80局 |
2月5日、第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第3局、1日目の対局が仙台市の宮城県知事公館で行われます。黒番の一力棋聖が83手目を封じて1日目が終了しました。
1月24日 - 検分と前夜祭 👈👈
2月5日 8:53 - 一力棋聖が入室。
2月5日 8:55 - 井山王座も入室。
2月5日 9:00 - 立会人の山下敬吾九段の合図で対局が始まりました。
2月5日 10:30 - 午前のおやつ。
2月5日 12:00 - 昼食時間。
2月5日 13:00 - 対局が再開されました。
2月5日 15:00 - 午後のおやつ。
2月5日 17:30 - 一力棋聖が「封じ手」を行いました。
2月5日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
一力遼棋聖(黒番)の勝率は 41% です。
第49期棋聖戦七番勝負第3局は、2月5日から6日にかけて宮城県知事公館で行われます。一力棋聖が地元で白星を挙げるのか、それとも井山王座が勝ち越しを決めるのか、注目が集まります。第3局を前に、2月4日、宮城県知事公館で検分が行われました。
宮城県知事公館は、国内外の賓客を迎える迎賓館として利用されており、歴史的価値の高い建物です。特に正門は、大正9年(1920年)に取り壊された仙台城の中門(寅門)の部材を使用しており、仙台城の歴史を今に伝える貴重な遺構の一つとされています。
対局室は、雪見障子越しに美しい庭園を望む和室で、床の間には伊達政宗公の像が飾られています。昨年も同じ部屋で対局が行われたことから、検分は数分で終了しました。その後、一力棋聖と井山王座は前日インタビューに応じ、それぞれ第3局への意気込みを語りました。
碁石や碁盤の感触、室内の温度、トイレの位置などを確認した両対局者は、数分で検分を終えました。
「3年連続で棋聖として地元に戻ってこられたことをうれしく思います。第2局以降は、研究会でほかの方と打ったり、自分で勉強したりしながら、比較的リラックスして過ごせました。第2局で勝てたのは大きかったですが、内容的には押されていた部分もあり、そこが課題です。1勝1敗で仕切り直しということで、集中して第3局に臨みたいと思います。」
「これまでの2局はいずれも難しい内容でしたが、自分なりにそれなりのパフォーマンスは出せていると思います。これまで通り、その場で感じたことを最優先に考えて打っていくつもりです。仙台での対局はアウェーではありますが、温かく迎えていただいているので、気持ちよく打てています。スポーツとは違い、観客がその場で応援することもないので、一手一手に全力を尽くしていくだけです。」
同日夜には、仙台市の仙台国際ホテルで前夜祭が行われました。前夜祭には、第3局の共催者である河北新報社の一力雅彦社長や郡和子仙台市長をはじめ、多くの囲碁ファンが参加し、国内外で活躍する地元の英雄・一力棋聖を応援しました。
特に注目を集めたのは、記念の花束贈呈を担当したプレゼンターの存在でした。贈呈を務めたのは、一力棋聖が幼少期に指導を受けた大沢伸一郎さんの娘、巴さんと希さん。一力棋聖は、意外なプレゼンターの登場に思わず笑顔を見せました。
大沢さんは当時の一力棋聖について、「教えられたことを頭の中で整理して処理する能力がずば抜けて高かった。その一方で、負けたら悔しくて泣くこともあり、すごく情緒豊かでした」と振り返りました。また、第3局について「一力棋聖の性格上、『周りの期待』を感じるかもしれませんが、こういう局面を乗り越えてほしいですね。自然体でいれば、きっと勝てると思います」とエールを送りました。
ヨセは、通常対局終盤に打たれる地の境界に関する着手のこと。かつては「侵分」とも呼んだが、現在では一般的ではない。布石、中盤を通じて明らかになってきた双方の地を確定していく段階であるが、中盤とヨセの境目は明確ではない。
力戦(りきせん)とは、定石(定跡)から外れた戦いのことである。前例がない対局であれば、対局者自身の実力のみで戦うという意味からか。
白と黒の眼のない石が接触し、先にダメの詰まった方が取られてしまう状態をいう。
フリカワリは、相手に利益を与える代わり、自分も別の場所で利益を取って変化することを指す。漢字では「振り替わり」と表記される。布石からヨセに至るまで、幅広く用いられる概念である。
打ち込みや模様の消しの際に、石の強弱を適切に判断して「弱い石や孤立した石の始末をうまくつけること」(大辞泉)。全てを助けようとするのではなく、捨て石の手筋を活用して形を整えるなどが代表的なサバキの手筋で、高度なテクニックに属する。敵の重包囲網下でなんとか二眼を作り、生きを求めるような打ち方は「シノギ」と呼ばれ、サバキと区別される。