2019 年 12 月 09 日
第45期天元戦五番勝負 2勝2敗に戻す、18日に最終局
第45期天元戦五番勝負の第4局が9日、兵庫県洲本市で打たれ、カド番に追い込まれていた井山裕太天元が挑戦者の許家元八段に177手で黒番中押し勝ちし、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻した。最終第5局は18日、徳島市で打たれる。
井山は10日前に芝野虎丸名人に王座を奪われ、三冠に後退したばかり。しかし本局は序盤から優位に立ち、粘る許を寄せつけなかった。
最終局に名誉天元の資格を得る5連覇がかかる井山は「最終局までいけるのは非常にうれしい。最後なので悔いのないよう打つだけです」。敗れた許は「きょうの碁の内容はまずかった。最後は力を出し切りたい」と話した。
2019 年 11 月 29 日
第67期王座戦 芝野虎丸が最年少二冠
10月に囲碁史上初の10代名人となった芝野虎丸名人が井山裕太王座に挑む第67期王座戦5番勝負の第4局が29日、愛知県蒲郡市で打たれ、芝野が282手までで白番半目勝ちした。3勝1敗で王座を奪取、史上最年少の20歳0カ月で2冠となった。
終盤、井山が盛り返したが芝野はミスをせず熱戦を制した。「苦しんだ時間のほうが多かった。本当に運がよかった」。囲碁界の今後を占う戦いだった。平成の囲碁界は2度の7冠独占を果たすなど、井山が「一強時代」を築いてきた。
虎丸名人が直接対決で絶対王者を倒し、「ポスト井山世代」の先頭に躍り出た。2冠保持の最年少記録も8年ぶりに更新した。これまでの記録は11年に井山が達成した21歳11カ月。2冠について「ぜんぜん実感がわかないです」と、はにかんだ。虎丸名人がマイペースで突き進む。
2019 年 11 月 22 日
第45期天元戦第3局 許が中押しで2勝目
井山裕太天元に許家元八段が挑戦している第45期天元戦5番勝負(西日本新聞社主催)の第3局が22日、福岡県久留米市のホテルマリターレ創世久留米で打たれ、午後4時56分、黒番の許が157手で中押し勝ちした。許は通算2勝1敗でタイトル獲得まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち、残りは許1分、井山2分。第4局は12月9日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。
井山の白18(16十一)のハサミで戦いが始まり、右辺の小競り合いで井山がリード。左上の攻防では、許が地を稼いでポイントを挙げた。さらに上辺と中央の攻防で、井山が白128(10九)と打ったことで、結果的に右辺の白石が取られた。その代償として井山は左上の黒を攻めたが、許は堅実に生きを確保し、井山の投了となった。
立会人の坂口隆三・九段は「最初は白の方が面白かったが、中央の戦いで井山天元に読み違いがあったようだ。両者気迫のこもった熱戦だった」と総括した。
第3局は、ホテルマリターレ創世開業40周年記念として行われた。特別協賛は木下株式会社、協賛は日本製紙、宝酒造。
2019 年 10 月 25 日
第67期王座戦第1局 芝野名人が先勝
第67期王座戦五番勝負の第1局が25日、大阪市北区で行われ、芝野虎丸名人が271手までで、井山裕太四冠に黒番半目勝ちし、初の王座奪取と2冠に向け発進した。7冠制覇を2度成し遂げた井山王座と、今月8日に史上最年少で名人を奪取した芝野名人が、七大タイトル戦で顔を合わせるのは初めて。
終局後、芝野名人は「これからも大変だと思うので、これまで通り頑張れれば」、井山王座は「次の対局まで少しあく。いい状態で臨めるよう準備したい」とそれぞれ話した。
井山王座は今年出場した棋聖戦と本因坊戦を防衛。現在、天元戦でも許家元八段の挑戦を受けている。5連覇または通算10期獲得で名乗れる「名誉称号」を棋聖・本因坊・碁聖で保持しており、今シリーズではさらに「名誉王座」の獲得がかかる。
2019 年 10 月 21 日
第45期天元戦5番勝負第2局 井山1勝でタイに
第45期天元戦五番勝負の第2局が21日、北海道ニセコ町で行われ、井山裕太四冠が161手までで、挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。第3局は11月22日、福岡県久留米市で打たれる。
2019 年 10 月 11 日
第45期天元戦挑戦手合五番勝負第1局 挑戦者の許が先勝
第45期天元戦5番勝負の第1局は11日、岐阜市で打たれ、挑戦者の許家元八段が179手で井山裕太天元に黒番中押し勝ちし、先勝した。
許八段は8月に碁聖を失って以来のタイトルを狙い、井山天元は5期連続8度目のタイトルを目指す。
第2局は21日、北海道ニセコ町で行われる。
2019 年 09 月 20 日
第74期本因坊就位式 8連覇祝う
第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社・日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)を制した本因坊文裕の就位式・祝賀会が20日、東京都文京区のホテル椿山荘東京であった。ファンや関係者約200人が駆け付け、歴代単独3位の8連覇を祝った。
今期七番勝負で文裕は、挑戦者の河野臨九段に連敗する苦しい出だしとなったが、第3局に逆転勝ちして流れを引き寄せると、その後連勝し4勝2敗で防衛を果たした。棋聖、王座、天元と合わせた4冠を保持している。
式では、毎日新聞社の丸山昌宏社長、日本棋院の小林覚理事長、関西棋院の正岡徹理事長、大和証券グループ本社の竹内由紀子執行役員があいさつ。允許(いんきょ)状や本因坊盾を受け取った文裕は「第4局以降は、自分なりにベストの対局ができた。本因坊8連覇は自分自身想像もできず、最も相性のいい棋戦になっている。気持ちを新たに次の戦いに臨みたい」と謝辞を述べた。
2019 年 08 月 29 日
三星火災杯本戦開幕 井山、趙善津、許家元が出場
第24回三星火災杯ワールド囲碁マスターズ本戦が8月30日に韓国大田市の三星火災大田儒城研修院で開幕する。 本戦はシード13名(前回ベスト4、韓国4、日本2、中国2、主催者推薦1)と統合予選通過者19名(一般14、シニア2、女流2、ワールド1)の合計32名で争われる。
日本からは国シードで井山裕太九段と許家元八段の2名と統合予選シニア組で通過した趙善津九段の3名が出場する。対戦カードは以下:
井山裕太九段 VS 唐韦星九段
許家元八段 VS 李欽誠九段
趙善津九段 VS 陶欣然七段
2019 年 08 月 01 日
名人戦リーグ 芝野と河野プレーオフに、井山脱落
大詰めを迎えた第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8月1日午前10時、最終ラウンド4局が東京と大阪で一斉に始まった。挑戦者争いに絡むのが3局、リーグ残留争いに絡むのが1局。消化試合は一つもなく、例年以上の「囲碁界の一番熱い日」になりそうだ。
挑戦の可能性を残しているのは、リーグ序列順に前名人の井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段。5勝2敗の同星首位で並ぶ3人の直接対決はすべて終えており、それぞれ別の棋士と対戦する。ここで単独1位が決まらなければ、序列上位2人によるプレーオフに持ち込まれる。
最終ラウンドの残る一局、村川大介十段対孫喆七段戦は、どちらも負ければリーグ陥落の「鬼勝負」となる。序列上位の村川は勝てば残留。同時に、孫のほかに同じリーグ初参加組の鈴木伸二七段、六浦雄太七段3人の陥落が決まる。孫は勝てば六浦との残留プレーオフにまわる。同時に打たれる芝野対鈴木戦で鈴木が勝てば、リーグ初参加組3人で1人の残留枠を争う3者プレーオフとなる。
朝日新聞デジタルでは、全4局を対局開始からライブ中継。戦いが佳境を迎える午後3時からは、先にリーグ全局を打ち上げている六浦七段が、井山対羽根直樹九段戦を終局まで同時解説。自身の残留にもかかわる他の対局についてもコメントする。
午後6時44分、大阪・北浜の関西棋院で打たれていた村川対孫戦が終局。村川が白番中押し勝ちし、リーグ残留が決定。同時に孫、鈴木、六浦3人のリーグ落ちが決まった。東京・市ケ谷の日本棋院で芝野と接戦を演じている鈴木は、この結果を知らない。
午後8時56分、芝野が鈴木に黒番中押し勝ち。対局中の井山、河野が敗れればリーグ優勝=名人挑戦が決まる。井山、河野のどちらかが勝てばプレーオフとなる。検討陣によると、井山は混戦で勝敗不明、河野は劣勢、との評。
午後9時41分、井山は羽根直樹九段に白番中押しで敗れ、挑戦者争いから脱落。河野は山下敬吾九段と対局を続けており、形勢不明のヨセ合いが続いている。
午後10時45分、河野が山下に白番3目半勝ち。これにより挑戦権争いは芝野と河野のプレーオフに持ち込まれた。今年の本因坊戦プレーオフに続く同一カード。本因坊戦では河野が勝って挑戦者に。今回はどうか。8日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれる。
2019 年 07 月 25 日
井山が再婚 お相手は25歳の一般女性
井山裕太四冠が20日に結婚したと25日、日本棋院が発表した。相手は一般女性という。井山四冠は平成24年に最初の結婚をしたが、27年末に離婚。井山四冠は現在、七大タイトルのうち棋聖・本因坊・王座・天元を保持している。
井山四冠のコメントは次の通り。
「この度、私事ではございますが、今月20日に一般女性の方と入籍をいたしましたことをご報告させていただきます。これからも一層精進し、棋士道を歩んでいく所存です。今後も変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」
2019 年 07 月 18 日
名人戦リーグ 井山が河野を破る、3人が同星首位に
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は18日、前名人の井山裕太四冠が、星一つ差で首位の河野臨九段を破った。これで芝野虎丸七段を加えた3人が5勝2敗の同星首位に。張栩名人への挑戦者争いの決着は8月の最終ラウンドにもつれ込む。
名人返り咲きをねらう井山はリーグ前半戦を1勝2敗と出遅れたが、その後4連勝し、先行する河野をとらえた。最終ラウンドは8月1日、4局が一斉に打たれる。首位3人の直接対決はすでに終えており、いずれも他の棋士と対戦。リーグ優勝が決まらず同星首位が複数並べば、同8日に序列上位2人によるプレーオフが行われる。首位3人の序列は、上位から井山、芝野、河野の順。
井山は「前半戦を考えれば、挑戦者争いに加わって最終局を迎えられたのはよかった。次も精いっぱい打ちたい」と話した。一方、河野は「まだ挑戦者になる可能性を残している。悔いのないよう最終局を打ちたい」と話した。
2019 年 07 月 04 日
本因坊8連覇 歴代3位の記録
第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第6局が3、4の両日、大阪府吹田市であり、井山裕太本因坊が、挑戦者の河野臨(こうのりん)九段に171手までで黒番中押し勝ちし、シリーズ通算4勝2敗で8連覇を果たした。
井山本因坊は開幕から2連敗したが、第3局で逆転勝ちして勢いに乗り、地元・大阪での対局も制して4連勝でタイトルを防衛した。井山本因坊は「第3局は運がよかっただけだが、それ以降は自分なりに今の力を出し切れた。8連覇はうれしいが、内容的にはまずい手も多い。少しでも成長できるように頑張りたい」と話した。
本因坊8連覇は、歴代3位の記録。1位は趙治勲二十五世本因坊が達成した10連覇。
2019 年 07 月 04 日
本因坊戦第6局 封じ手は「9の三」
本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負の第6局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、阪急電鉄協力)は4日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで2日目の対局が始まった。
朝の吹田市内は雨が上がり、時々日も差している。対局室には前日とは逆に、文裕、河野の順で入った。定刻の午前9時、両対局者が前日の盤面を再現すると、立会の坂口隆三九段が文裕の封じ手を開け、「9の三の押さえです」と読み上げた。白への攻めを急がず、上辺に地を確保する手厚い一着だ。
文裕は黒85のツケから左上隅をコウにした。黒91のコウダテに河野は堅く受けず、白92と反発。文裕は「うん、うん」とうなずきながら考えている。
解説の結城聡九段は「受けるのは利かされと考えたのでしょう。右下の白の形がどうなっていくかも見どころです」と話した。
2019 年 07 月 03 日
本因坊戦第6局 文裕8連覇なるか、河野逆王手か
本因坊文裕に河野臨九段が挑戦し、文裕の3勝2敗で迎える第74期本因坊決定戦七番勝負の第6局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、阪急電鉄協力)が3日から、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで打たれる。連敗スタートの後、3連勝して歴代単独3位の8連覇にあと1勝と迫る文裕。一方、逆転での初戴冠を目指す河野。今期もいよいよ佳境を迎える。
両対局者は2日、囲碁ファンが詰めかけた前夜祭に臨んだ。河野は「七番勝負も終盤を迎えたが、今まで通り精いっぱい自分の碁が打てるよう頑張りたい」、文裕は同ホテルが来年2月末で営業を終了することを踏まえ、「このホテルでは印象深い対局が多い。感謝の気持ちを込めて戦いたい」と決意を述べた。
対局は文裕の先手番で3日午前9時開始。午後5時に手を封じて、4日に打ち継がれる。持ち時間は各8時間。立会は坂口隆三九段、解説は結城聡九段、記録は小松大樹三段と西岡正織二段が務める。
2019 年 06 月 19 日
本因坊戦第5局 8連覇へあと1勝
長野県松本市の松本ホテル花月で打たれた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第5局は19日午後6時23分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に200手で白番4目半勝ちした。
文裕は対戦成績を3勝2敗とし、歴代単独3位となる8連覇にあと1勝と迫った。持ち時間各8時間のうち残り時間は河野9分、文裕32分。第6局は7月3、4の両日、大阪府吹田市のホテル阪急エキスポパークで行われる。
文裕が先に厚みを築いた中央での勢力争いをどちらが制するかの戦いとなった。文裕は白70、72と強気の手を繰り出し、白78で着実に模様を築いた。これに対し、河野は黒79で白模様を消しに行き、昼休憩直前の黒87のキリから黒107まで右辺に地を稼いだ。しかし文裕は、白98から白102と白二子を捨てて中央を広く囲ってリードを奪った。さらに白112と制して黒の動きを抑え、河野の追い上げを封じた。
解説の六浦雄太七段は「右上の地を明け渡す代わりに、中央の広さを取るのが良いと判断した文裕の構想が光った一局だった」と話した。
本因坊文裕の話「左下方面が割と大きくまとまって少しいけるのではないかと思った。次局は、勝負はこれからと思って精いっぱい打ちたい。」
河野臨九段の話「序盤で遅れてしまい、右辺を白に手厚くまとめられてチャンスがなかった。次局まで時間が空くので少しでも状態を良くしたい。」
2019 年 06 月 14 日
本因坊戦第4局 2勝2敗のタイに
静岡県沼津市の旧沼津御用邸で繰り広げられた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第4局は14日午後7時35分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に203手で黒番中押し勝ちして連勝し、対戦成績を2勝2敗のタイに持ち込んだ。持ち時間各8時間のうち残り時間は文裕2分、河野5分。第5局は18、19の両日、長野県松本市の松本ホテル花月で打たれる。
1日目は文裕が地合いでリードして終え、白70(12の四)の河野の封じ手から2日目の戦いに突入した。中央をめぐる囲い合いも考えられたが、河野の白86が黒地を制限する手で、ヨセ勝負の碁になった。
右辺の攻防に移り、文裕の黒97サガリが、白の死活に直結する右上隅のコウ争いを秘めたひねった手で、難しい中盤戦が続いた。
終盤、河野がジワジワとプレッシャーをかけたが、文裕が手厚いヨセで勝ちきった。
解説の金秀俊九段は「1日目のコウ争いの判断で本因坊がポイントを取った。挑戦者にとってはチャンスらしいチャンスが訪れず、本因坊の快勝といえる」と総括した。
本因坊文裕の話「2日目はヨセ勝負だと思い、右上でそれなりのヨセを打てて、勝ちになったと思った。次局も体調を整えて精いっぱい打ちたい。」
河野臨九段の話「序盤でコウを仕掛けたが、成果が上がらず失敗した。本局は内容が悪く、次は少しでも納得のいく碁が打てるよう頑張りたい。」
2019 年 06 月 12 日
本因坊戦第4局 シリーズの山場を迎える
本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第4局が13、14の両日、静岡県沼津市の旧沼津御用邸で打たれる。河野連勝の後、文裕が逆転で1番返して迎えた本局。文裕がタイに持ち込むか、河野が初の本因坊獲得にあと1勝と迫るか、シリーズも山場を迎える。
同市は、江戸時代後期に活躍し碁聖とたたえられる十二世本因坊丈和の出生地とされ、12日に到着した両対局者は、二十五世本因坊治勲(趙治勲九段)が揮毫(きごう)した記念の石碑に献花して健闘を誓った。この日の前夜祭では、河野が「ファンの方にも丈和先生にもよい碁を見せられるよう努力したい」、文裕は「丈和先生は囲碁史に残る棋譜をたくさん残された。少しでもよい棋譜を残せるよう頑張りたい」と決意を語った。
対局は持ち時間各8時間。13日午前9時開始。午後5時に打ち掛けとなり、翌日に打ち継がれる。立会は二十四世本因坊秀芳(石田芳夫九段)、解説は金秀俊九段、記録は小池芳弘四段と藤村洋輔三段が務める。
2019 年 06 月 05 日
本因坊戦第3局 井山が逆転勝ち
北海道函館市の五稜郭内にある箱館奉行所で打たれていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第3局は5日午後6時34分、本因坊文裕が挑戦者の河野臨九段に289手で白番半目勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。持ち時間各8時間のうち残り時間は、河野13分、文裕10分。第4局は13、14の両日、静岡県沼津市の旧沼津御用邸で行われる。
河野が封じた黒65のツケから2日目の対局が始まった。文裕が白72と右辺で戦いを誘って新たな競り合いに入ったが、河野に攻め筋が多く、文裕が神経をより使う展開で推移した。河野は黒99と上辺に着手すると、右上隅の黒との連絡に成功して地を稼ぎ、控室は「河野優勢」とした。
しかし、文裕は下辺のスキを突いて白142から黒地に侵入し、さらに中央に白地を築いて一気に差を詰めた。最後は、長いヨセ勝負を制した文裕が逆転勝ちを収めた。
解説の鈴木伸二七段は「河野九段は取られている黒をうまく活用して局面をリードしました。文裕は、左下隅での黒の見落としを突いて差を詰め、最善を尽くして粘りました。逆転したのは最後の最後でした」と総括した。
2019 年 05 月 29 日
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦2回戦 井山が敗れ日本勢は敗退
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦(韓国京畿道金浦市「ホテルマリーナベイソウル」)の2回戦が5月29日に行われた。日本から出場している井山裕太九段は中国の柯潔九段に敗れ、準々決勝へ進むことが出来なかった。これで日本勢は敗退が決まった。
2019 年 05 月 27 日
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦 井山が快勝、2回戦の相手は柯潔
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦が5月27日に韓国京畿道金浦市の「ホテルマリーナベイソウル」で開幕した。1回戦では井山が勝ち上がり2回戦へと進んだが、張と許は敗退した。
29日の2回戦で井山は中国の柯潔九段と対戦する。柯潔が絶好調、4月26日から公式戦11連勝中です。柯潔の連勝を止めるか、2回戦の見どころ。
井山裕太(日本) VS 李軒豪(中国)
2019 年 05 月 26 日
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦1回戦 日本からタイトル保持者3名が出場
第24回LG杯朝鮮日報棋王戦本戦は5月27日韓国で開催される。日本からタイトル保持者3名が出場し世界王者を目指す。
2019 年 05 月 23 日
本因坊戦第2局 河野臨九段が中押し勝ちで2連勝
甲府市の山梨県立文学館の茶室「素心菴(そしんあん)」で打たれていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第2局は23日午後6時27分、挑戦者の河野臨九段が本因坊文裕に白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝とした。持ち時間各8時間のうち残り時間は文裕3分、河野47分。
1日目の最後に始まった左辺の攻防が、文裕の封じ手黒81で再開された。文裕は右辺に大きな黒地を確保しており、河野が左辺の黒を攻めつつ左上隅に広い白地を築けるかどうかが焦点になった。2日目再開当初、控室では河野が打ちやすいとの評判だったが、文裕は黒97から左上隅へ進出すると一転、「文裕優勢」の声が上がった。
しかし、文裕が黒125のマゲからさらに上辺を攻めると、双方の石が細かく絡み合う混戦に。難解な戦いの中、下辺で黒石が切られる手を文裕が見落として大石が取られる形となり、急転直下の終局となった。解説の本木克弥八段は「文裕が険しい道を選び、かえって混戦にしてしまった。文裕の見落としがなければ、まだ難しいヨセ勝負が続いていた」と振り返った。
第3局は6月4、5の両日、北海道函館市の五稜郭内の箱館奉行所で行われる。
河野臨九段の話 「黒にいい手があれば一気に差が開いても文句が言えないと思っていた。最後に黒を切断でき、勝ちになったと思った。」
本因坊文裕の話 「白162と出られて負けになってしまった。連敗は厳しい状況だが、第3局は自分の納得のいく碁が打ちたい。」
2019 年 05 月 22 日
本因坊戦第2局 井山が81手目封じて1日目終了
本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第2局が22日、甲府市の山梨県立文学館の茶室「素心菴(そしんあん)」で始まり、午後5時2分、井山が81手目を封じて1日目の対局を終えた。
持ち時間各8時間のうち消費時間は文裕3時間15分、河野3時間47分。23日午前9時に再開する。
2019 年 05 月 16 日
井山vs 山下再び 第44期名人戦挑戦者決定リーグ戦
張栩名人への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は16日、前名人の井山裕太四冠と、山下敬吾九段が対局する。今春の棋聖戦七番勝負でフルセットの激闘を交わした2人が、舞台を変えて再び相まみえる。朝日新聞デジタルでは対局開始の午前10時からライブ中継し、戦いが中盤の佳境を迎える午後3時から終局まで、内田修平七段が同時進行で解説する。持ち時間は各5時間。夜までに終局する。
井山はここまで2勝2敗と苦戦。過去43期の名人戦リーグで3敗者が挑戦権を獲得したのは1度しかなく、名人返り咲きには絶対に負けられない一戦で、難敵を迎える。一方の山下は、3勝1敗とリーグ暫定2位の好位置をキープ。4戦全勝で首位をゆく河野臨九段とは8月最終ラウンドの直接対局を残しており、自力優勝に向けて1敗死守をめざす。
同日にはこの対局のほか、首位の河野と現在1勝3敗の孫喆七段が対局する。現在本因坊戦七番勝負で井山に挑戦中の河野は絶好調。今月11、12日の第1局を制した。勢いに乗って名人戦でも無敗を守るか、リーグ残留に向けて剣が峰に立つ孫が意地を見せるか、これも注目の一局だ。
2019 年 05 月 14 日
関西囲碁将棋記者クラブ賞 井山棋聖は8年連続12回目の受賞
第27回「関西囲碁将棋記者クラブ賞」は、囲碁の井山裕太棋聖と将棋の豊島将之棋聖に決まり、14日、大阪市福島区の関西将棋会館で表彰式が行われた。特別賞には、将棋の最年少プロ、藤井聡太七段の師匠で、順位戦B級2組への昇級を決めた杉本昌隆八段と、50年以上将棋教室を開くなど、アマチュアの指導や普及に大きく貢献した、若松政和八段に贈られた。
井山棋聖は8年連続12回目の受賞。「昨年から厳しい戦いの連続だが、碁の内容は自分の感覚では悪くないと思っている。来年も受賞できるよう頑張りたい」。初の受賞となった豊島棋聖は、昨年初タイトルの棋聖を獲得した後、王位も手に入れ、現在、名人戦に挑戦している。「昨年は飛躍の一年だった。今年度も頑張りたい」と話した。
2019 年 05 月 12 日
河野が先勝 本因坊戦第1局
岩手県大船渡市の「おおふなぽーと(防災観光交流センター)」で行われていた第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)の第1局は12日午後5時12分、169手で挑戦者の河野臨九段(38)が本因坊文裕(もんゆう、29)=井山裕太九段=に黒番中押し勝ちし、初の本因坊位獲得に向けて好スタートを切った。残り時間は河野38分、文裕45分。
1日目の最後に起こった右下隅の競り合いで、文裕が封じ手で白76とアテたのに対し、河野は隅で生きることに成功し、リードを奪った。河野が左下隅や下辺でも手堅く地を稼ぐ間に、文裕は左辺で白106、114の連打から左上隅で広大な地を手に入れ、混戦でヨセに入った。最後は、河野が中央の黒を捨てて下辺の白を取りに行ったのが好手順となり、文裕の追い上げを振り切った。
解説の趙善津九段は「河野九段が序盤からリードを奪いましたが、その後堅めに打ったため際どい勝負になりました。黒155のハネ出しが読みの入った絶妙な手でした」と話した。
第2局は22、23の両日、甲府市の山梨県立文学館で打たれる。
河野臨九段の話 序盤の作戦に自信はなく、遅いかもしれないけど厚いからそれなりに勝負になると思っていた。中央でいい手が見えて勝ちになったと思った。
本因坊文裕の話 序盤途中までは予定通りだったが、1日目で少し悪くした。際どくなったと思ったが黒155のハネ出しがいい手で、正しく打たれたら負けだと思った。
2019 年 05 月 10 日 大船渡で本因坊戦第1局 あす開幕
本因坊文裕に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊決定戦七番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院・関西棋院主催、大和証券グループ協賛)が11日から、岩手県大船渡市の「おおふなぽーと(防災観光交流センター)」で始まる。8連覇が懸かる文裕と本因坊初挑戦の河野との戦いは、東日本大震災被災地で「囲碁のまち」を掲げて観光振興を進める大船渡で幕を開ける。
対局会場一帯は津波で壊滅的な被害を受けた。10日に大船渡入りした両者は復興の象徴として整備が進む商店街「キャッセン大船渡」などを視察し、歓迎会に臨んだ。
戸田公明・大船渡市長は「大船渡の魅力を全国に発信する絶好の機会」と歓迎。文裕は「震災で大変な思いをしながら着実に歩みを進める皆さんをいい手本に、大船渡の地から少しでも前進していきたい」、河野は「復興は想像もつかないほど険しい中、盛大に歓迎してもらい感謝している。力を精いっぱい出せるように努力したい」と決意を語った。
対局は午前9時開始で持ち時間は各8時間。立会は王銘エン九段、解説は趙善津九段、記録は外柳是聞三段と横塚力三段が務める。
2019 年 04 月 23 日
第44期碁聖戦 井山のタイトル戦連続出場記録29でストップ
第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦の準決勝が23日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、一力遼八段が本因坊文裕に219手で黒番中押し勝ちし、羽根直樹九段との決勝に進んだ。2015年の第70期本因坊戦以降、文裕がタイトルをかけて競う「挑戦手合」の連続出場記録は、歴代最長の29で止まった。
文裕は「ここまで続けられたのが信じられない。励みにしていた記録の一つなので残念だが、仕方ない」と振り返った。
日本棋院によると、文裕以外の7大タイトル戦挑戦手合の連続出場記録は、小林光一名誉棋聖と張栩名人の6が最長。
文裕は来月11日に岩手県大船渡市で開幕する第74期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛)で防衛戦に臨む。
2019 年 04 月 19 日 平成最後のタイトル戦 村川が制す
囲碁の第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第4局が19日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれ、挑戦者の村川大介八段が井山裕太十段に226手までで白番中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で十段のタイトルを初めて奪取した。規定により、20日付で九段に昇段する。一方の井山は、昨年の碁聖、名人に続く失冠で、四冠に後退した。
村川・新十段は兵庫県西宮市出身。2002年、11歳10カ月で関西棋院にプロ入り。名人戦リーグには7期連続で在籍中だ。
14年末に初の七大タイトルとなる王座を井山から奪ったが、その後は対井山戦で13連敗。しかし、今期十段戦第2局で連敗を止めると、第4局まで3連勝で初の十段獲得を決めた。村川は「連敗していた相手で信じられない。王座を取った時は満足してしまったので、気を引き締めたい」と話した。
一方、井山が四冠に戻るのは3年5カ月ぶり。15年11月の王座奪還以降、五冠以上を維持していた。年内の七冠再復帰も消えた。「また一から力を蓄えて戻ってきたい」と語った。
1歳上の井山裕太前十段(29)とは、小学2年生のころ碁を打ってもらって以来、一緒に囲碁を研究してきた仲だ。その井山前十段は七大タイトルを2度独占するなど、囲碁界の第一人者へ上り詰めた。目標にしてきた存在から、平成最後のタイトル戦となった今回、十段位を奪取することができた。
井山前十段は平成14年4月、自身はその7カ月後にプロ入り。井山前十段は16歳で史上最年少の棋戦優勝、20歳で史上最年少名人となるなど、いつも一歩先を進んでいた。
「子供のころから実力差があり、ライバルとはいかない。でも1つ年上なので、自分も次の年には同じぐらいに活躍しなければと思ってきた」と話す。
タイトル戦の頂点で戦うのは5回目で、相手は全て井山前十段だ。26年の王座戦では奪取したが、翌年の王座戦、28年の碁聖戦、30年の十段戦ではいずれもストレート負けを喫した。
井山前十段はぎりぎりの勝負で形勢を入れ替え、悪い局面をひっくり返す。強さを実感した。「もう勝てないのでは」とくじけそうにもなった。
だが、「ミスしたり、相手に想定以上の手を打たれたりして思い通りにいかなくても、粘り強く戦う」と臨んだ今期の十段戦。第2局で勝利をつかみ、26年12月からの対井山戦の連敗を「13」で止め、そのままの勢いで十段戦を制した。
平成最後にタイトルを獲得。「井山さんを目標にしてきた。それが自分にとっての平成かな」
2019 年 04 月 12 日 第43期棋聖就位式
囲碁の第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)を制した井山裕太棋聖の就位式が12日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われ、約200人が祝った。井山棋聖は挑戦者の山下敬吾九段を4勝3敗で下し、7連覇を達成した。
老川祥一・読売新聞グループ本社取締役最高顧問・主筆代理から正倉院宝物の金銅鳳形裁文(こんどうおおとりがたさいもん)を写した鳳を刻み込んだ純銀製の棋聖大賞メダルと、賞金4500万円の目録が贈られた。
最終第7局で立会人を務めた大竹英雄名誉碁聖が「本当にすごい対局で、感動した。井山さんは囲碁界の宝、日本の宝だと思う」と7連覇を祝福。井山棋聖は「最終局は大変な碁だったが、最後は運も味方してくれたと思う。昨年から厳しい戦いが続いているが、こういう状況にも慣れてきた。これからも一局一局、目の前の一手一手を精いっぱい打っていきたい」と謝辞を述べた。
2019 年 04 月 11 日 村川八段連勝 十段奪取に王手
囲碁の第57期十段戦5番勝負の第3局は11日、長野県大町市で打たれ、挑戦者の村川大介八段(28)が151手で井山裕太十段(29)に黒番中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で十段奪取にあと1勝とした。残り時間は黒が3分、白が1分(各3時間持ち)。
第4局は19日に大阪市の日本棋院関西総本部で行われる。
2019 年 04 月 10 日 十段戦前夜祭 井山十段「ベスト尽くす」 村川八段「一矢報いる」
井山裕太十段に村川大介八段が2期連続で挑戦している産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第3局が長野県大町市のくろよんロイヤルホテルで行われる。これを前に10日、同ホテルで前夜祭が行われた。
井山十段の先勝で迎えた第2局は村川八段が熱戦を制し、1勝1敗のタイとなった。頂点に近づくのはどちらか、山場の一番だ。
前夜祭で井山十段は「明日の対局は厳しい戦いになる。ベストを尽くして頑張りたい」、村川八段は「平成最後のタイトル戦。これまでたくさん井山さんに負かされたので、一矢報いたい」と抱負を述べた。
持ち時間各3時間の1日打ち切り制で、立会人は馬場滋(しげる)九段。
第57期十段戦五番勝負第2局詳解
第1局とは先後を入れ替えた本局は、下辺で白18の様子見に、黒19が井山らしい反発。
白26が黒二子を分断し、32と下がったのが明るい打ち回しだった。
白52のあと、左辺が治まっていないなか、時間を使わず着手した黒53は、井山の厳しい踏み込み。対する村川は白56、58と厳しい攻めを続行。
井山は63、65と踏ん張って難しい戦いとなった。
白92が好手。中央の黒と、右上の白のせめぎあいに。
さらに白102、106と緩まず、左辺白116となり黒がやや苦しい形になった。
右上白140が冷静で中央の白四子を捨てた村川は、142までに優位を確定させた。
劣勢の井山は黒149から逆転を狙うが、村川が的確に対応。対井山戦の連敗を「13」で止めた。
村川八段の話、「右上(142)にまわって、形になったかなと。ようやく連敗が止められホッとしてる」
井山十段の話、「(黒59)ツケこしはふつうでは足りないと思って仕掛けたが、どうだったか。次も精いっぱい打つだけ」
2019 年 03 月 29 日 十段戦第2局、村川が勝ち1勝1敗
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第2局が29日午前10時から、東京都千代田区の日本棋院東京本院で始まり、午後5時23分、挑戦者の村川大介八段が154手までで、井山裕太十段に白番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイにした。第3局は4月11日に、長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われる。持ち時間各3時間で残りは村川1分、井山2分だった。
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第1局が5日午前9時半から、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時17分、井山裕太十段が184手までで村川大介八段に白番中押し勝ちし、4連覇へ向け先勝した。持ち時間各3時間で、残りはともに1分だった。第2局は29日に、日本棋院東京本院で行われる。
立会人・石田篤司九段の合図で先後を決めるニギリを実施、村川の先番で前期と同じカードは始まった。
黒135が冷静な一着のあと、黒139と勝負手を打った。
ただ、右辺黒157に切った局面では、中央162とノビていたほうがよかったようで、白172で勝敗は決した。
井山十段の話「左辺白72では、74とハネるのが最善だったかも。シリーズは始まったばかり。気を引き締めて次に臨みたい」
村川八段の話「右辺の(黒157)キリがまずかった。第2局まで間隔が空くので気持ちを切り替えたい」
第66期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負を制して五冠を維持した井山裕太王座(29)の就位式が11日、大阪市内のホテルで開かれた。関西棋院の正岡徹理事長が王座允許(いんきょ)状を、日本経済新聞社の阪本浩伸大阪本社代表がトロフィーなど王座賞をそれぞれ手渡した。
昨秋の五番勝負で2年連続挑戦となった一力遼八段(21)を3勝2敗で破って4連覇を果たした井山王座は、地元大阪で「ほかのタイトル戦でもフルセットが続いて苦しい中、王座戦の最終局でなんとか結果を出せたのは自分にとって大きかった。この経験を糧にして前向きに進んでいきたい」と喜びを語った。
日本、中国、韓国、台湾のトップ棋士8人による囲碁の国際棋戦「ワールド碁チャンピオンシップ2019」の準決勝が19日、東京都千代田区の日本棋院で行われた。日本代表の白番・井山裕太五冠(29)は193手までで、中国の柯潔(かけつ)九段(21)に中押しで敗れた。韓国勢対決となったもう1局は、朴廷桓(パク・ジョンファン)九段(26)が182手までで、申眞●(=ごんべんに婿のつくり)(シン・ジンソ)九段(19)に白番中押し勝ちした。20日の決勝は、3連覇を目指す朴九段と、数々の国際棋戦で優勝してきた柯九段で行われる。
井山五冠は平成29年に日本棋院で開催された「LG杯朝鮮日報棋王戦」で柯九段に勝利している。世界トップクラスの強い相手に違いないが、この日も果敢に打ち進め、中盤まで優勢を保った。日本棋院内で開催された大盤解説会でも、趙治勲(ちょう・ちくん)名誉名人が「いい打ち方をしている」と称賛し、見守るファンも決勝進出を信じていた。
しかし柯九段が鋭い手を連発。井山五冠の見損じもあり、昨年に続く決勝進出とはならなかった。
「勝つチャンスは多かったと思うが、結果に結びつけられず残念。精度の高い手を序盤から打てること、来たチャンスを逃さないところは、世界のトップの中のトップ」と振り返った井山五冠。一方、勝利した柯九段は「苦しい局面が多く、あきらめたときもあったが、勝つことができ運がよかった。あすもベストを尽くしたい」と語った。
「勝つチャンスは多かったと思うが、結果に結びつけられず残念。精度の高い手を序盤から打てること、来たチャンスを逃さないところは、世界のトップの中のトップ」と振り返った井山五冠。一方、勝利した柯九段は「苦しい局面が多く、あきらめたときもあったが、勝つことができ運がよかった。あすもベストを尽くしたい」と語った。
ふたたび舞台は国内棋戦に戻る。29日には「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」の第2局で、村川大介八段との一戦に向かう。
囲碁の世界戦、第3回ワールド碁チャンピオンシップ(WGC)は18日、東京都千代田区の日本棋院で開幕し、日本の井山裕太五冠(29)が中国の江維傑九段(27)に勝ち、準決勝に進出した。準決勝で世界トップの一角、中国の柯潔九段(21)と対戦する。
大会は日本、中国、韓国の3カ国から8人が出場し、優勝を争う。優勝賞金は2千万円。対局は持ち時間各3時間で、準決勝は19日、決勝は20日に行われる。
もう一方の準決勝は、朴廷桓九段(26)―申真ソ九段(19)で、韓国勢同士の組み合わせ。日本からは他に張栩名人(39)が出場したが、申九段に敗れた。
囲碁の井山裕太五冠が新潟県で行われた棋聖戦の七番勝負の最終局に勝ってタイトル防衛を果たし、棋聖戦7連覇を達成しました。
井山裕太五冠は、ことし1月から行われている、七大タイトルで最も序列の高い棋聖戦の七番勝負で、山下敬吾九段の挑戦を受け、ここまで3勝3敗で、勝負の行方は最終局にもつれ込んでいました。
14日から新潟県南魚沼市で行われた最終局は最終盤まで優劣つけがたい熱戦となりましたが、15日午後9時前に313手までで、白番の井山五冠の6目半勝ちとなりました。
井山五冠は4勝3敗としてタイトル防衛を決め、棋聖戦7連覇を果たして五冠を守りました。
2002年
関西枠1名で東大阪市立孔舎衙中学校1年生時にプロ入り。院生リーグで46連勝を含む71勝8敗という圧倒的な成績で入段(中学一年生)した。12歳の入段は林海峰名誉天元などに並ぶ記録。平成生まれ初の棋士であり、ちょうどこの頃『ヒカルの碁』のテレビ放送が始まった時期でもあり、同番組の本編終了後のミニコーナー『梅沢由香里のGOGO囲碁』で免状授与の様子が特集されたほか、様々な新聞に取り上げられた。入段記念対局としてNHK教育テレビでは張栩と対局。週刊碁主催の新初段シリーズでは山田規三生八段(当時)と対局。同年二段。この年の成績は21勝4敗。
2003年
第29期棋聖戦では本田満彦八段に勝利。第30期天元戦では佐坂志朗八段・土田正光九段に勝利。この年は三段に進んで32勝13敗。
2004年
第30期棋聖戦では吉田美香八段・石井新蔵九段・山城宏九段らに勝利し最終予選進出。第30期名人戦では中尾準吾八段・郡寿男九段・片山安雄八段・下島陽平七段らに勝利し最終予選進出。第53期王座戦では片山安雄八段・植木善大八段・彦坂直人九段に勝利。第44期十段戦では下島陽平七段に勝利。
2005年 初優勝
第30期棋聖戦最終予選では横田茂昭九段に勝利。第61期本因坊戦では中野寛也九段・後藤俊午九段に勝利し最終予選進出。3月、第52期NHK杯に出場する50名に選出。15歳10か月での出場は史上最年少記録。16歳になってすぐに第2回中野杯・U20選手権でも優勝、以後この大会で3連覇。9月、新人王戦準優勝。
10月8日、第12期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦で小林覚九段を破り優勝、早くも頭角を現した。16歳4か月での優勝は日本囲碁史上最年少(従来の最年少優勝は、1973年に新鋭トーナメント戦で優勝した趙治勲の17歳0か月、また全棋士出場の棋戦では1975年にプロ十傑戦で趙治勲の記録した18歳10か月)。張栩、王立誠、趙治勲、小林覚という超一流棋士を連破しての優勝であった。棋戦優勝で規定により七段へ昇段したが、これも史上最年少、四段から七段への飛び級昇段も史上初であった。第32期天元戦では山田規三生八段・松岡秀樹八段に勝利し初の本戦入り。40勝13敗(.755)で棋道賞勝率一位賞を受賞。
2006年
第31期棋聖戦最終予選では清成哲也九段・山田規三生八段に勝利し決勝に進むも張栩名人に敗北。第32期名人戦では山城宏九段・石井邦生九段に勝利し最終予選入り。第62期本因坊戦最終予選では中野泰宏九段・彦坂直人九段に勝利。第54期王座戦では小県真樹九段・郡寿男九段・大垣雄作九段・石田章九段に勝利し初の本戦入り。本戦では三村智保九段に勝利。第33期天元戦では本戦に進出。第32期碁聖戦では松岡秀樹八段・彦坂直人九段に勝利。第46期十段戦では小県真樹九段・今村善彰九段に勝利。
2007年 リーグ入り
第32期棋聖戦では林海峯名誉天元・後藤俊午九段・仲邑信也八段に勝利しリーグ入りを果たし、17歳10か月の3大リーグ入り最年少記録を作る。また第33期名人戦では山下敬吾棋聖・中小野田智己九段・河野臨天元に勝利しリーグ入りを果たし、黄翊祖が2005年に記録した18歳6か月を1月あまり更新した。第63期本因坊戦では岩田達明九段に勝利し決勝進出。第55期王座戦では高尾紳路名人に勝利。第33期天元戦では趙善津九段・王立誠九段・小林光一九段・森田道博九段に勝利し本戦決勝に進むも山下敬吾棋聖・王座に敗れる。第47期十段戦では小県真樹九段・植木善大八段に勝利。
2008年 最年少挑戦者
2008年には名人リーグを勝ち抜いて張栩名人への挑戦権を獲得、現行7大タイトル戦での最年少挑戦記録を塗り替えた(19歳3か月。これまでの記録は趙治勲が王座に挑戦した20歳4か月、名人戦では林海峰の23歳2か月)。名人戦挑戦者となったことで規定により7月11日に八段に昇段した。名人戦では3-4で惜敗。棋聖リーグA組優勝。第56期王座戦挑戦者決定戦進出。世界囲碁選手権富士通杯出場、2回戦進出。初の十段戦本戦入り。NECカップ囲碁トーナメント戦出場。第1回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦優勝。第2期幽玄杯精鋭リーグ優勝。48勝21敗(69局)で棋道賞最多対局賞を受賞。さらに、棋道賞優秀棋士賞を受賞。
2009年 名人位
第2回大和証券杯ネット囲碁グランドチャンピオン戦2連覇。7月本因坊リーグ入り(最年少)。名人リーグは8戦全勝で張栩名人に対する挑戦権を獲得、4-1で勝利し名人位を20歳4か月で獲得。七大タイトル獲得の最年少記録を更新した(これまでの記録は名人戦では林海峰の23歳4か月、7大タイトル戦では趙治勲が王座を獲得した20歳5か月)。
名人位を獲得することで規定により10月16日に九段に昇段した。この九段昇段により、入段からの8年10か月と九段昇段の最短記録を更新した。9月第18期竜星戦で張栩名人を破り優勝。初の碁聖戦本戦入り後、挑戦者決定戦進出。富士通杯出場、2回戦進出。LG杯世界棋王戦出場、2回戦進出。43勝14敗(57局)で棋道賞年間最多勝、最多対局賞。また、この年47回秀哉賞、棋道賞優秀棋士賞受賞。
2010年 名人連覇
2010年 2月(放映は3月)、第57回NHK杯テレビ囲碁トーナメントで準優勝。7月、第1回世界囲碁名人争奪戦に出場、中国の古力名人に敗れる。10月、第35期名人戦で挑戦者高尾紳路を名人戦では10年ぶりとなる4-0のストレートで降し、名人位初防衛。11月、アジア大会男子団体戦に出場、韓国戦で李世乭九段を破る健闘を見せるも、チームは銅メダル。12月、第6回大和証券杯ネット囲碁オープン戦で張栩棋聖を破り優勝。2010年の賞金ランキングは5648万円で3位。
2011年 十段・天元
2011年 3月、35期棋聖戦で張栩棋聖に挑戦するも2-4で敗れる。4月29日、十段戦第5局で張栩十段を下し、初の十段位獲得(21歳11か月での戴冠は十段戦での当時最年少記録・伊田篤史が更新)、自身初の二冠(史上最年少)となった。
5月、博賽杯金仏山国際囲碁超覇戦(非公式戦)で李世乭、古力を破り優勝。日本の棋士が、国際棋戦で優勝するのは、6年ぶり。6月、第16回LG杯において2回戦に進出するも、李昌鎬九段に敗れた。8月、24回世界囲碁選手権富士通杯で古力、崔哲瀚、坂井秀至を破り準決勝に進出するも、朴廷桓に敗れ3位決定戦に回る、決定戦で江維傑を破り、休止前の富士通杯最後の日本人棋士の入賞者となった。同月、第2回世界囲碁名人争覇戦では、朴永訓名人(韓国)、江維傑名人(中国)に敗れた。9月、第36期棋聖戦Aリーグ優勝。9月30日、第20期竜星戦で結城聡を降し、2回目の優勝。10月1日、第18期阿含・桐山杯で山下敬吾桐山杯を降し、2回目の優勝。阿含・桐山杯日中決戦では敗退。10月28日、第36期名人戦で山下敬吾本因坊に2-4で敗北し、3連覇ならず。
11月17日、第37期天元戦で結城聡天元を3-0で降し初の天元位獲得(22歳6か月での戴冠は天元戦での最年少記録)。48勝19敗で、日本棋院における最多勝利、最多対局。賞金総額は9151万円で、初の賞金ランキング1位となる。
2012年
2012年2月20日、将棋女流棋士の室田伊緒(井山と同年同月同日生)と5月に結婚することを発表し、予定通り両者の誕生日である5月24日に結婚し、12月23日に挙式した。3月24日、第7回大和証券杯ネット囲碁オープンで二十五世本因坊治勲を降し2連覇。4月18日、第50期十段戦で張棋聖を3-1で下し、十段位初防衛。4月、67期本因坊戦リーグで6勝1敗の成績で挑戦権獲得。7月19日、67期本因坊戦で山下道吾本因坊を4-3で降し、初の本因坊獲得。史上最年少での三冠に輝いた(23歳1か月)。
7月23日、37期碁聖戦で羽根直樹碁聖を3-0で下し、初の碁聖位獲得。史上最年少四冠となる(23歳2か月)。37期名人戦リーグで7-1の成績を挙げてプレーオフ進出も、羽根直樹に敗れて挑戦権を逸する。8月9日、第37期棋聖戦Bリーグ優勝。8月30日(放送は9月28日)、21期竜星戦決勝で林漢傑を下し、竜星戦2連覇。11月8日、棋聖戦挑戦者決定戦で高尾紳路を下し、棋聖戦挑戦者に。
11月22日、60期王座戦で張栩王座を3-0で下し、初の王座獲得。史上二人目の五冠となる。11月29日、38期天元戦で河野臨を3-0で降し、天元位防衛。2012年は51勝12敗(勝率8割1分)の成績を残した。2012年の賞金総額は1億620万円で、初の賞金1億超えとなった。
2013年
2013年3月14日、37期棋聖戦で張栩棋聖を4-2で下し、初の棋聖獲得(23歳10か月での獲得は史上最年少)。史上初の六冠となり、史上三人目のグランドスラムも達成(最年少記録)。4月26日、十段戦で結城聡に2-3で敗れ、五冠に後退。六冠保持は43日で終了した。6月30日、自身初、日本では2005年の張栩以来8年ぶりのテレビ囲碁アジア選手権戦優勝(初の公式世界棋戦優勝)。7月18日、高尾紳路を4-3で下し、本因坊連覇。8月23日、碁聖戦で河野臨を3-2で下し、碁聖を防衛(二連覇)。10月17日、第38期名人戦で山下敬吾名人を4-1で下し、六冠に復帰。これにより、趙治勲に続く史上2人目の大三冠を達成。また実力制8人目の名人本因坊でもある。11月28日、第39期天元戦で秋山次郎を3-0で下し、天元を防衛(三連覇)。12月2日、第61期王座戦で張栩を3-1で下し、王座位を防衛(連覇)。43勝18敗(防衛戦が増えたためにリーグやトーナメントの出場機会が少なくなり前年よりも勝ち数を減らした)。賞金・対局料の総額が史上最高の1億6461万円に昇り、3年連続の賞金王となった。2013年は七大タイトル戦の挑戦手合にフル出場(史上初)。自己初の1億円突破となった前年(1億620万円)の1.5倍以上を稼ぎ、獲得額は2位の約5倍(3524万円)。
2014年
2014年1月23日、第52期十段戦挑戦者決定戦決勝で高尾紳路に敗れ、七冠挑戦には至らなかった。3月13日、第38期棋聖戦で挑戦者の山下敬吾を4-2で下し、棋聖初防衛。3月22日、日本棋院90周年記念として創設された現役タイトルホルダーによる棋戦優勝者選手権決勝で山下敬吾に勝ち、初代優勝者となる。7月1日、第69期本因坊戦で初の年少の挑戦者伊田篤史を4-1で下し、本因坊3連覇。8月29日、第39期碁聖戦で挑戦者の河野臨を3-2で下し、碁聖3連覇。10月18日、第21期阿含・桐山杯で河野臨を降し、3回目の優勝。
10月30日、第39期名人戦で挑戦者の河野臨を4-2で下し、名人連覇。11月28日、第53期森ビル杯十段戦本戦準々決勝で小林覚に半目負けし、この時点で2015年中の七冠独占は無くなった。12月16日、第62期王座戦で村川大介七段に2-3で破れ失冠。五冠に後退。12月19日、第40期天元戦で高尾紳路十段に2-3で敗れ、四冠となる。賞金総額は1億4078万円で4年連続1位となり、3年連続で1億超えとなった。
2015年
2015年3月20日、第39期棋聖戦で山下敬吾の挑戦を受け、三連勝三連敗後、最終局で一勝を返し3連覇。6月30日、第70期本因坊戦で挑戦者の山下敬吾を4-1で下し4連覇。8月7日、第40期碁聖戦で山下敬吾の今年三度目の挑戦を受け、3-1で下し4連覇。10月6日、第40期名人戦で高尾紳路天元を名人戦では5年ぶりとなる4-0のストレートで下し3連覇。11月19日、第63期王座戦で村川大介を3-0のストレートで下し王座位を奪還。七大タイトル獲得数24となり張栩を抜いて歴代4位となる。11月25日、第41期天元戦で高尾紳路を3-0のストレートで下し天元位を奪還。黄雲嵩を下し阿含・桐山杯日中決戦初優勝。下半期に林海峰と並ぶ歴代2位となる公式戦24連勝を記録する。賞金総額は過去最高の1億7212万円で2013年の総額記録を更新したが、この年の年末に妻の室田と離婚した。
2016年 七冠達成
2016年1月21日、第54期十段戦挑戦者決定戦で余正麒を下し、伊田篤史への挑戦権を獲得する。2013年以来、3年ぶり2度目となる7大タイトル戦フル出場を果たす。2016年4月20日、伊田から十段を奪取し、囲碁界初・将棋界も合わせると羽生善治に次ぐ七冠となった。さらにタイトル獲得数36となり林海峰名誉天元・依田紀基九段を上回り歴代7位となった。さらに史上初の七大タイトル全て3期以上獲得を達成。6月30日、第71期本因坊戦挑戦手合七番勝負第5局で高尾紳路九段に黒番177手中押し勝ちし、シリーズ対戦成績4勝1敗で本因坊防衛を果たした。井山はこれで本因坊5連覇で、永世本因坊資格を獲得した(二十六世本因坊)。七大タイトルでの名誉称号資格獲得は1993年の林海峯名誉天元以来、23年ぶりとなる。7月28日、第41期碁聖戦で村川大介に3連勝し碁聖5連覇。史上3人目の名誉碁聖となる。9月9日の本因坊就位式で本因坊の号を「文裕(もんゆう)」とすると発表した。本因坊ゆかりの京都・寂光寺の大川定信(じょうしん)住職が、知恵を象徴する文殊菩薩(ぼさつ)と、井山の名前から1字ずつ借りて命名した。しかしながら2016年11月3日の囲碁名人戦第7局において、挑戦者である高尾紳路九段に3連敗3連勝ののち敗れ、七冠全独占は197日で終了した。第64期王座戦では3-0で余正麒七段を、第42期天元戦では3-1で一力遼七段をそれぞれ下し、6冠を保持した。またタイトル獲得数40となり張栩九段を上回り歴代6位になった。
2017年 年間グランドスラム達成
2017年3月10日、第41期棋聖戦挑戦手合い七番勝負第6局で河野臨九段に白番150手中押し勝ちし棋聖位を防衛、棋聖5連覇を果たして名誉棋聖資格を獲得した。名誉称号3つは小林光一と並び最多タイ。また七大タイトル通算獲得数は32となり故加藤正夫名誉王座を抜いて単独3位となった。3月19日、NHK杯トーナメント決勝で一力遼七段を下し、初優勝。公式戦で唯一手にしていなかったNHK杯を獲得し、現行の国内すべての公式棋戦で優勝を記録した(参加資格の無い王冠戦・女流棋戦、参加資格年齢に達していないマスターズカップ、創設当時にすでに七段昇段して参加資格が無かった若鯉戦を除く)。4月21日、第55期十段戦で余正麒七段を3-1で防衛。5月31日、第22回LG杯世界棋王戦で周睿羊九段に中押し勝ちしベスト8進出。この勝利により2007年以来2回目となる日本での準々決勝開催が決まった。6月16日、第72期本因坊戦で本木克弥8段を4-0で下し、七大タイトル獲得数を34に伸ばして小林光一の持つ歴代2位の記録にあと1と迫った。また三大タイトル(棋聖、名人、本因坊)の獲得数を16とし小林光一の歴代2位に並んだ。7月25日、第42期碁聖戦で山下敬吾九段を3-0で下し、七大タイトル獲得数を35に伸ばして歴代2位に並んだ。
7月28日、名人リーグ戦で村川大介八段を下し、最終戦を待たずに7-0で名人挑戦を決めた(最終的に8戦全勝)。名人失冠以後すべての(七大)タイトルを防衛しての挑戦となった。9月15日、第29回テレビアジア選手権1回戦で李世乭九段に破れ2回目の優勝はならなかった。9月25日、第22回三星火災杯世界囲碁マスターズでベスト16まで進出したが、申眞諝八段に破れ8強進出はならなかった。 10月17日、第42期名人戦で高尾紳路名人を4-1で下し、名人戦を奪取して2度目の七大タイトル完全制覇を達成した。2度の七冠同時制覇は囲碁・将棋界を通じて初。さらに再び大三冠となる。また、七大タイトル獲得数を36に伸ばし、小林光一名誉三冠を超えて歴代単独2位となり、さらに三大タイトル獲得数でも小林光一を超え歴代単独2位となった。11月13日、LG杯世界棋王戦準々決勝で中国の楊鼎新六段に勝利しベスト4進出。日本棋士が持ち時間2~3時間の世界大会での4強進出は2011年8月第24回富士通杯以後6年3か月ぶり(井山3位の時)。15日、LG杯準決勝で現在中国No.1 の柯潔九段に中押し勝ちし決勝進出を決めた。決勝は翌年2月に行われ謝爾豪五段と対局する。11月20日、第65期王座戦で一力遼八段をストレートで下し、王座位を防衛した。11月24日、第43期天元戦で一力遼八段をストレートで下し、天元位を防衛した。これにより2017年の七大タイトルをすべて井山が獲得し、囲碁・将棋界を通じて史上初の年間グランドスラムを達成した。また、NHK杯とあわせ8つのタイトル獲得は史上最多。天元位獲得6期は林海峰名誉天元・小林光一を抜き歴代最多。さらにタイトル獲得数が48となり加藤正夫名誉王座を上回り、大竹英雄名誉碁聖と並んで歴代4位タイとなった。
2018年
LG杯世界棋王戦決勝にて謝爾豪五段との対局を三番勝負総合成績1勝2敗で落とし、またしても世界一の称号には届かなかった。第1局のうっかり負けが響き、第2局は逆転で取り返したものの、最終局では及ばなかった。2月13日、「年間グランドスラムを含む囲碁界初の二度の七冠同時制覇という歴史に刻まれる偉業を達成し多くの国民に夢と感動を社会に明るい希望と勇気を与えた功」で将棋の羽生善治と共に史上26人目の国民栄誉賞を受賞。2月16日、第42期棋聖戦で一力遼八段に4連勝し6連覇。昨年から王座戦・天元戦・棋聖戦と3連続で続いた一力との挑戦手合は井山の10連勝と圧倒した。3月18日、ワールド碁チャンピオンシップにシード枠で出場。同じく日本勢である山下敬吾を下し、決勝進出を果たす。翌19日、韓国ランキング1位の朴廷桓に敗れ、惜しくも準優勝に終わる。
4月12日、第56期十段戦では村川大介八段に3連勝し3連覇。これにより七大タイトルを全て5期以上獲得したことになる。また史上初の七大タイトル全てで3連覇以上を達成。7月1日、第74期本因坊戦で山下敬吾九段に4勝1敗で防衛。二十三世本因坊栄寿に並ぶ歴代3位タイの7期・7連覇達成。七大タイトル獲得数歴代1位タイまであと「1」とした。
8月3日、第43期碁聖戦では許家元七段に3連敗し失冠。2016年名人戦以来13タイトルぶりの七大タイトル失冠となり、七冠から六冠に後退した。井山は七大タイトル挑戦手合49回目にして初のストレート負けを喫した。11月2日、第43期名人戦では挑戦者に張栩九段を迎え3-1と王手をかけたがその後3連敗し3-4で五冠に後退した。12月13日、第66期王座戦で挑戦者の一力遼八段にフルセットの末3勝2敗で防衛(4期連続、通算6期)し五冠を維持。七大タイトル獲得数が趙治勲の42期に並んだ。それから6日後の19日、第44期天元戦でも挑戦者の山下敬吾九段にフルセットの末3勝2敗で防衛(4期連続、通算7期目)し五冠を維持。七大タイトル獲得数を歴代最多となる通算43期に伸ばした。2009年の初タイトルからわずか9年で新記録を達成した。
5歳で父が買ってきたテレビゲームで囲碁を覚え、アマチュア高段者の祖父の薫陶を受ける。まだ小学校入学前の年齢にもかかわらず、碁を始めて半年で5級、さらに半年で3段になる。6歳の時、ミニ碁一番勝負に出場し、5人抜き。小学1年の夏に番組の解説者だった石井邦生九段に弟子入り。石井は囲碁の師弟としては異例の1000局もの対局(多くはネット対局)を通じて井山を鍛え上げた。この番組のインタビューで何になりたいかの問いに「野球選手」、誰のようになりたいかとの問いに「イチロー」と答えた。
1997年(東大阪市立孔舎衙東小学校2年)、少年少女囲碁大会全国大会で優勝。小学2年での優勝は昭和61年の山下敬吾(現九段)以来二人目。決勝の相手は後にプロになる万波奈穂だった。翌年に2年連続優勝。NHKの企画で小林千寿五段と3子で対局。この年、修行のため中国棋院で行われる全国児童囲碁大会に特別に参加した。また同年にはじまった全日本こども囲碁大会の初代優勝者にも輝き、平成生まれのチャンピオンとして話題を集めた。週刊碁の企画で山田規三生王座(当時)と3子で記念対局し勝利する。10月に日本棋院関西総本部の院生となる。小学4年生のこの頃、自ら研究会を開き、井山研究会を発足させた。当初は武井孝志、佃亜希子、井澤秋乃らすでに入段していた先輩を仲間に入れ、井山自身が入段してからは荒木一成、坂本寧生らも呼びかけた。
2001年、関西・中部で1名の入段者決定戦に関西代表として出場も、川田晃平に敗れ、最年少入段ならず(入段していれば、趙治勲の記録を1月あまり更新していた)。
平成元年(1989年)5月24日生。大阪府出身。石井邦生九段門下。平成14年入段、同年二段、15年三段、17年四段、同年七段、20年八段、21年九段。日本棋院関西総本部所属。史上初の2度の七冠独占。
虎丸名人は小学6年生の時に柯潔九段とルーマニアで会っています。ワールドユース碁チャンピオンシップというものがあり、そのジュニアの部(12歳未満)の日本代表に虎丸名人が選ばれたのです。この大会は中国からはプロ棋士が毎回出てきていて、中国のシニアの部(15歳未満)の代表が当時四段、14歳の柯潔さんでした
第80期本因坊戦予選A 中小野田智己九段―辻華三段
チーム福岡研究会
8月17日、日本女子囲碁リーグ の第2Rが行われ、チーム福岡の 辻華 三段がリーグ戦で初めて登場しました。デビュー戦の相手は奥田あや四段でした。
記録係、辻華 @女流立葵杯挑戦手合三番勝負第1局
辻華 @日本女子囲碁リーグ第1R
@浴衣囲碁まつり2024in東京
日本棋院の創立100周年祝賀会
【日本女子囲碁リーグ】辻華三段インタビュー【チーム福岡】from 『棋道web』
https://nihonkiin.net/n/n9993a736eccb
愛媛ねんりんピック
辻華@NHK杯読み上げ 放送日:2023.06.11
トランポリンパークwith上野愛咲美女流二冠
棋聖戦のファーストトーナメント予選は決勝が打たれ、辻華二段がマイケル・レドモンド九段を破り初のCリーグ入りを決めました。女性棋士としては鈴木歩七段、上野愛咲美女流二冠、謝依旻七段、藤沢里菜女流本因坊、仲邑菫女流棋聖に次いで6人目。
辻華@第47期棋聖戦挑戦手合第6局 熱海プリン
プロ棋士ペア碁選手権2023 準優勝
天元戦第2局 記録の辻華二段
with 首藤瞬八段、富士田明彦七段
第70回NHK杯囲碁トーナメント 2022年8月1日放送 読み上げ 辻華
第70回NHK杯囲碁トーナメント 2022年8月28日放送 読み上げ 辻華
6.12 お誕生日おめでとうございます!
@SENKO CUP ワールド碁女流最強戦 2022 with森初段、徐初段
@NHK杯テレビ囲碁トーナメント 青木二段、長島三段
第46期棋聖戦のダイジェスト with山下九段
@ペア碁2022 with木部二段
NHK杯3人組 辻華 星合志保 茂呂有紗
華ポン@ポン抜き情報局
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年09月12日放送 読み上げ 辻華
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年10月10日放送 読み上げ 辻華
第46期名人戦七番勝負1局 記録係 辻華
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年08月22日放送
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年08月29日放送 読み上げ 辻華
第8期会津中央病院・女流立葵杯3番勝負第1局記録係 辻華
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年05月09日放送
第69回NHK杯囲碁トーナメント 2021年05月16日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年12月20日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年12月27日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2021年01月10日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2021年01月17日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2021年03月07日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2021年03月14日放送
16日、東京都千代田区「日本棋院東京本院」で打たれた第46期新人王戦予選1回戦で、辻華初段が仲邑菫初段に勝利し白星発進。
午前10時からで始まった対局は、午後6時43分、284手までで白番(後手)の辻が1目半勝ち。勝った辻は、「中盤で優勢になったと思ってから緩んでしまい、最後まで自信がなかった。勝てるとは思っていなかった。運が良かった」と話した。
仲邑は初戦で姿を消した。終局後、「どこか後悔している手はありますか」「今はまだ分かりませんか」との問いに、黙ってうなずくのがやっとだった。
仲邑は英才特別採用推薦棋士第1号、辻は女流特別採用推薦で、ともに昨年4月にデビューした。同期対決で黒星を喫した。
第39期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負第4局 解説with張豊猷八段
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年10月18日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年10月25日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年11月1日放送
第45期名人戦第5局 解説with鶴山八段
辻華@第45期名人戦第5局記録係
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年10月04日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年10月04日放送
第45期新人王戦決勝第2局 解説with横塚七段
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年09月06日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年09月20日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年09月27日放送
https://igo-kifu.com/kifu/6418
三連勝、おめでとう!
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年06月07日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年06月14日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年06月21日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年07月12日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年07月19日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年07月26日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年08月02日放送
第68回NHK杯囲碁トーナメント 2020年08月30日放送
早く慣れるように頑張って!!
NHK杯読み上げでデビュー!!
新入段した棋士を師匠が紹介する連載「師匠が見た!NEWフェイス」。今月号は釼持丈(けんもち・じょう)八段が、辻 華(つじ・はな)新初段について語ります。
私は5年ほど前から院生師範を務めています。これまでたくさんの院生たちを見てきましたが、その中でも検討を熱心に志願してきたのが辻さんです。そのときの様子からは、かなりの負けず嫌いで根性がある女の子だと感じられました。
性格はとても真面目で、過去に負けた相手と再戦するときは、過去にどういう負け方をしたかなどをきちんと研究してから対局に臨んでいるほどの徹底ぶりです。棋風のほうは応用力のあるバランス型で、オールマイティーに何でもこなせます。最近は戦いを好む力戦派の若手が多い中で少し珍しいかもしれません。
そのうち私が主催している研究会にも参加するようになり、入段後も一緒に勉強しています。辻さんは自由参加の国際棋戦の予選にも参加するなど積極的に研さんを積んでいます。そのかいあって成績もまずまずのようで私はうれしく思っているのですが、当の本人はこんなものでは満足していないでしょうね(笑)。
囲碁普及については棋士になる前から意欲があり、世界中で半分の人には囲碁ができるようになってもらいたいという目標を持っています。
対局も囲碁普及も積極的に頑張ってくれると思うので、今後の活躍を楽しみにしております。
辻華初段 @ 2019臺灣精銳 vs 日本精銳交流賽
華ぽんを応援しましょう。