2020-08-27
第39期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)本戦決勝は27日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流立葵杯が204手で星合志保二段に白番中押し勝ちし、挑戦権を獲得した。藤沢女流立葵杯は、前期、上野愛咲美女流本因坊に奪取されたタイトルへの返り咲きを目指す。
藤沢女流立葵杯は今日の碁について「後半得をしたけどずっと細かくて、振り返ると苦しい碁だったかなと思う」。上野愛咲美女流本因坊へのリターンマッチについては「昨年失冠したのはとても悔しかったが、また5番勝負を打てるのが今から楽しみです」と話しました。
星合志保二段はこれまで女流本因坊戦本戦での勝利がありませんでしたが、今期、初勝利を挙げると4連勝で挑戦者決定戦まで進出しました。「あんまり縁がなかった棋戦なので、ここまで来られたのはよかった」と話しました。
2020-07-29
29日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流立葵杯が229手までで、挑戦者の鈴木歩女流棋聖に黒番8目半勝ちし、シリーズ2連勝で4連覇を達成した。タイトル獲得は通算13期。鈴木女流棋聖は初の女流立葵杯獲得を逃した。
藤沢女流立葵杯は対局後、「半目の差で勝った第1局(27日)は運がよかった。その勢いにのってきょうも勝つことができた」と笑顔を見せた。新型コロナウイルスの感染拡大のため、対局が休止になっていた4、5月は「ひとり暮らしの生活で掃除や料理が成長した」と笑わせたあと、「毎年この棋戦は福島県会津若松市で対局が行われる。コロナが収束し、来年は訪れることができたら」と話した。
特設ページ:第7期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2020-07-27
第7期女流立葵杯三番勝負の第1局が27日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流立葵杯が259手までで、挑戦者の鈴木歩女流棋聖に白番半目勝ちし、4連覇へあと1勝とした。第2局は29日に同所で打たれる。
次戦に向けて、藤沢女流立葵杯は「自分の力を精いっぱい出し切れるように頑張りたい」。
鈴木女流棋聖は「気持ちを切り替えて自分らしく打てるように頑張りたいと思います」と話した。
特設ページ:第7期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2020-02-16
第1回博多・カマチ杯2回戦は今日日本棋院東京本院で行われました。
上野愛咲美女流本因坊、向井千瑛五段、牛栄子二段(黒嘉嘉七段に半目勝ち)、藤沢里菜女流立葵杯(辻華初段に中押し勝ち)は準決勝へ進出しました。準決勝は4月13日、決勝戦は4月14日日本棋院東京本院で行われます。
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2019-12-19
第45期棋聖戦(読売新聞社主催)予選トーナメント3回戦が19日行われ、上野愛咲美女流二冠が横塚力七段に黒番中押し勝ちし、準決勝に進んだ。上野女流二冠は今年43勝目(25敗)で、藤沢里菜女流三冠が昨年マークした女流の年間最多勝記録に並んだ。
2019-11-18
藤沢里菜女流名人は18日、東京都千代田区の日本棋院で行われた第45期名人戦の最終予選決勝で、女性棋士初のリーグ入りをかけて一力遼八段と対局したが、敗れた。
囲碁ではタイトル保持者への挑戦者を決めるため棋聖戦と名人戦、本因坊戦でリーグ制を実施している。これまでは平成23年の第36期棋聖戦で、鈴木歩六段が最終予選決勝に進出、12人によるリーグ入りにあと1勝と迫ったのが最高で、またしても壁を崩せなかった。
藤沢女流名人は「予選Cから勝ち上がってこれたのはよかったが、決勝は内容も悪く残念。実力が足りない。力をつけて、もう一度臨むことができれば」と淡々と語った。
一方、これまで3度、チャンスがありながら逃していた一力八段は、プロ10年目で初の名人戦リーグ入りを決めた。9月には上野愛咲美女流棋聖と竜星戦決勝で対戦、女性初の一般棋戦優勝を阻止している。「そういう役回りなのかな、と思っていた。竜星戦で追い込まれた局面を経験したので、きょうは慎重に打った」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
5つある女流タイトルのうち女流立葵杯・扇興杯とあわせ3冠を保持する藤沢女流名人は今期の名人戦で、王銘琬九段や大西竜平四段、志田達哉八段らを破ってきた。
9人による名人戦リーグ入りはならなかったが、藤沢女流名人は今年1月、第45期天元戦の本戦1回戦で男性棋士に勝利。七大タイトル戦の予選を勝ち抜いた女流棋士は小林泉美六段ら過去10人(のべ12例)いるが、本戦(天元戦は32人)で勝利したのは13例目の藤沢女流名人が初めてだった。
2019-11-15
上野愛咲美女流棋聖が15日、2冠目のタイトルを獲得した。東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた第38期女流本因坊戦挑戦手合5番勝負第4局で、藤沢里菜女流本因坊(女流立葵杯、女流名人、扇興杯)に200手までで白番中押し勝ちした。これで対戦成績を3勝1敗とし、女流本因坊を初めて獲得した。藤沢は3冠に後退した。
上野が女流本因坊をもぎ取った。初戦こそ落としたが、第2局から3連勝。現在、囲碁界に5つある女流タイトルを二分する藤沢との頂上対決で、タイトルを奪った。「中盤乱れたが、最後にうまくまとめられた」と第4局を振り返った。
昨年1月、第21期女流棋聖戦で謝依旻(しぇい・いみん)六段を下して初タイトル。16歳3カ月での獲得は、この棋戦史上最年少記録だ。今年は藤沢を下して初防衛した。9月の第28期竜星戦決勝では、一力遼竜星(22)に敗れて準優勝だったが、全員に参加資格がある棋戦で、女流棋士として初めて決勝進出を果たした。勢いに乗って挑戦権を得て、2冠となった。「満足いくシリーズになった。テレビで見ていた女流本因坊戦に出られて、打つ前からうれしかった」。タイトル獲得で喜びも倍増した。
相手の弱い守備陣に強烈なパンチを打ち込んで粉砕する。その戦い方は、囲碁界で「上野ハンマー」と呼ばれる。師匠の藤沢一就八段(55)も、「ライオンみたいな囲碁。女子高生がニコニコしながらハンマーを持って追いかける」と、称する。「本人の長所を伸ばして好きなように打たせる。ただし、一生懸命考えて打つこと」との教えを忠実に守った。
ふだんはのんびり屋。通常朝10時からの対局だが、午後8時開始の竜星戦決勝の前には、妹の梨紗(りさ)初段と鬼ごっこをして遊んでから会場入りしたという。それが研究会などでいったん盤に向かうと、周囲の話しにまったく気付かないほど集中する。今回も同じだった。
対戦相手の藤沢は師匠の長女でもあり、盤から離れれば一緒にボルダリングを楽しむ仲でもある。「運動は嫌いだけど、運動神経の良くない里菜先生よりはできるかな?」が、2カ月ほど前に始めた理由だった。ライバル心は、盤上でもしっかり表現した。
2019-10-31
31日、「第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権」2回戦が行われ、藤沢里菜四段が中国の陸敏全五段に勝利し、準決勝に進出した。準決勝は中国の周泓余五段と対戦する。
中盤で白が大きな取捨選択を迫られた。AIは「A位」で後ろ半分を取るだけで局面が十分だと示す。藤沢四段が「B位」で最強手を選んで、激しい戦いを制し、黒の大石を全部取れた。中押し勝ちとなった。
2019-10-30
30日、「第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権」1回戦が行われ、藤沢里菜四段が2回戦に進出した。上野愛咲美三段、謝依旻六段は敗退となった。藤沢里菜四段2回戦の相手は中国の陸敏全五段。
上野愛咲美三段は33手目で致命的なミスが出た。白の34手目に分断された後、黒の調子が崩れた。
芮廼偉九段の48手目「絶妙の一手」の後、局勢が白有利になった。後半は謝依旻六段がかなり頑張ったが、残念ながら逆転できず1.5目負けになった。
↑↑AIの予想図↑↑
↑↑実戦の手順↑↑
2019-10-29
第10回兵聖杯世界女子囲碁選手権は30日に中国で開幕、日本より藤沢里菜四段、上野愛咲美三段、謝依旻六段の3名が出場する。
夢百合杯は本戦には16名が出場し、出場者の内訳は中国6名、日本3名、韓国3名、中華台北2名、欧米2名となっている。優勝賞金は30万元(約480万円)、準優勝は10万元(約160万円)、対局料は1局8000元(約13万円)。
1回戦の対局カード:
2019-10-09
藤沢里菜女流本因坊に上野愛咲美女流棋聖が挑戦する第38期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)5番勝負の第1局は9日、岩手県花巻市の佳松園で打たれ、午後7時17分、308手で藤沢女流本因坊が白番3目半勝ちし、先勝した。
藤沢女流本因坊は2期連続、通算4期目のタイトルを目指し、上野女流棋聖は初挑戦での奪取が懸かる。
長手数の熱戦を藤沢女流本因坊が制した。
第2局は27日、秋田県能代市の旧料亭金勇で行われる。
2019-08-29
藤沢里菜女流本因坊(20)への挑戦者を決める第38期女流本因坊戦(共同通信社主催、JA共済連、共栄火災協賛)の本戦決勝は29日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、上野愛咲美女流棋聖(17)が鈴木歩七段(35)に白番中押し勝ちし、初挑戦を決めた。
上野女流棋聖は東京都出身。藤沢一就八段門下で、2016年プロ入り、18年二段。同年1月、初タイトルの女流棋聖を獲得、今年は藤沢女流本因坊の挑戦を退け初防衛した。今回は二冠目を目指す。
5番勝負第1局は10月9日、岩手県花巻市の佳松園で行われる。
2019-08-25
史上最年少プロ・仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が25日、広島・広島市の中国新聞ホールで開催された「日本棋院広島県本部創立40周年記念イベント」で、藤沢里菜女流4冠(20)と記念公開対局を行い、藤沢4冠が187手までで中押し勝ちした。
序盤は仲邑初段が積極的に攻め、押す場面も。見守った約300人からは健闘をたたえる拍手が湧いた。終盤、藤沢4冠に現役女流最強の底力を見せつけられ、突き放された。終局後の会見で仲邑初段は「憧れの藤沢先生とできてうれしかった。強かったです」と照れ笑いを浮かべた。
藤沢4冠は「10歳なのに、集中力とか、形勢判断力とか碁盤全体を見ている。数年後と言わず、数か月後に(タイトル戦が)あるかもしれないなという勝負強さがありました」と、小学生プロ棋士をたたえた。
解説には、父の仲邑信也九段(46)も登場。自宅では「よくしゃべる」と明かし、父娘で対局もしていると語った。
2019-07-14
囲碁の第4回扇興杯女流最強戦の決勝が14日、滋賀県東近江市で行われ、藤沢里菜女流名人(20)が281手までで、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)に黒番1目半勝ちし、第2回以来の優勝を果たした。5つある女流タイトルのうち女流名人・女流本因坊・女流立葵(たちあおい)杯を保持する藤沢は平成29年11月以来、自身2度目の4冠になった。
藤沢女流名人は対局後、「二転三転、四転五転する難しい対局でしたが、よい結果に結びつけることができた。(トーナメント戦を勝ち抜いて)また来年、この場で成長した姿を見せられたら」と語った。
藤沢女流名人は22年に11歳6カ月でプロ入り。26年に第1回会津中央病院杯(現女流立葵杯)で優勝するなど女流タイトル獲得は通算12期で、謝六段(27期)に次ぎ単独2位になった。今年1月には女流棋士としては初めて、七大タイトル戦の本戦で勝利するなど、男性棋士にも劣らない活躍をみせている。
囲碁界の女流トップである2人は、27年以降、何度もタイトル戦の大舞台で戦ってきた。28年には史上初めて、5つある女流タイトルを独占した謝六段だが、台頭してきた藤沢女流名人に奪われることが多くなり昨秋、第37期女流本因坊戦五番勝負を1勝3敗で落とし、11年1カ月ぶりに無冠へ転落していた。平成最後の女流タイトル戦になった今春の第31期女流名人戦三番勝負でも、藤沢女流名人に1勝2敗で敗れ奪還はならなかった。謝六段は「序盤から苦しかった。途中、持ち直したかと思ったが(最終的)足りなかった」と話した。
2019-07-03
2019三星火災杯ワールド囲碁マスターズ(主催:中央日報・KBS、主管:韓国棋院、協賛:三星火災海上保険株式会社)の統合予選が6月30日からソウル市の韓国棋院で始まった。予選4日目を終えて、日本勢5名:藤沢里菜四段、趙善津九段、柳時熏九段、大矢浩一九段、中野寛也九段が予選準決勝に進出した。
2019-06-25
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「森ビル杯 第57期十段戦五番勝負」で初めて十段位を獲得した村川大介十段(28)と「第31期女流名人戦三番勝負」で3連覇を果たした藤沢里菜女流名人(20)の合同就位式が25日、東京都港区のグランドハイアット東京で行われ、関係者ら約150人が祝福した。
村川十段に日本棋院と関西棋院から、藤沢女流名人には日本棋院から允許状がそれぞれ授与された。
対井山裕太四冠(30)戦に勝って初の十段位を獲得した村川十段は「人工知能(AI)のマネではなく自分の頭で考え強くなっていき、防衛を続けたい」と謝辞。また、謝依旻六段(29)に勝利した藤沢女流名人は「国内、国際棋戦に関わらず自分らしい碁を打っていきたい」とさらなる活躍を誓った。
賞金目録と賞杯を手渡した産経新聞社の飯塚浩彦社長は「平成生まれのお二人が、令和の囲碁界も牽引されることを期待しています」と激励した。
2019-04-28
中国主催の女流世界戦、第2回呉清源杯世界女流囲碁選手権は4月28日に2回戦が行われた。
2回戦には日本から藤沢里菜四段と上野愛咲美二段が出場し、藤沢は敗れたものの上野が勝って準々決勝に進出した。準々決勝では中国の芮廼偉九段と対戦する。
呉清源杯世界女流囲碁選手権には、日本から藤沢里菜四段、上野愛咲美二段、万波奈穗四段、謝依旻六段、牛栄子二段が出場している。
準々決勝対局カード
芮廼偉九段(中国)―上野愛咲美二段
王晨星五段(中国)―呉侑珍六段(韓国)
李赫五段(中国)―王爽四段(中国)
高星四段(中国)―崔精九段(韓国)
2019-03-22
囲碁の第31期女流名人戦3番勝負の第3局は22日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、藤沢里菜女流名人(20)が挑戦者の謝依旻六段(29)に白番中押し勝ちし、2勝1敗で3連覇を達成、女流本因坊、女流立葵杯と合わせ三冠を守った。
藤沢女流名人は今回の防衛で、女性棋戦優勝の通算回数を10とした。
謝六段は昨年12月に女流本因坊を失い、挑戦手合制の棋戦で11年ぶりに無冠となった。それ以来のタイトル復帰が懸かったが、あと一歩届かなかった。
藤沢女流名人は平成10年、埼玉県出身。藤沢秀行名誉棋聖門下。22年に女流棋士特別採用では最年少となる11歳6カ月でプロ入り。26年には16歳1カ月の史上最年少で女流本因坊を獲得した。29年に第29期女流名人を奪取。昨年の女流本因坊戦でも謝を破っていた。今回のタイトル防衛により、タイトル獲得は通算10期となった。
「シリーズを通して難しい碁ばかりだったので、3連覇することができうれしい。第3局はミスもあり反省点が多かったが、最も自分らしく打つことができた。このあと国際棋戦も多く出場できる。忙しくなるのはうれしいです」
2019-03-18
囲碁の第四十五期天元戦の本戦トーナメント二回戦が十八日、大阪市の関西棋院で打たれた。女性で初めて七大タイトル戦本戦で白星を挙げたことで注目を集める藤沢里菜女流三冠が、坂井秀至八段に敗れ、八強入りを逃した。
坂井八段は関西棋院所属で、七大タイトルの一つ名人戦の本戦リーグに九期在籍した実績がある。黒番の藤沢女流三冠は、積極的に攻めたが、経験に勝る坂井八段に巧みにかわされ、二百六手までで中押しで敗れた。対局後、「本局は完敗だったので悔しさが残る。まだまだ実力が足りない。本戦でもっと上に行けるよう力をつけて頑張りたい」と話した。坂井八段は「結果的に逃げ切れた。(藤沢女流三冠は)ここまで勝ち上がっても何ら不思議がない強豪。特に男女を意識しなかった」と話した。
2019-03-14
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第2局が14日午前9時半から、京都市上京区の平安女学院大学「有栖館」で行われ午後5時4分、藤沢里菜女流名人(20)が189手までで、挑戦者の謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。持ち時間各3時間で残りは藤沢が9分、謝は1分。最終第3局は22日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。
謝の先勝で迎えた第2局は、下辺白46、48と我慢した謝が左上と右下を、藤沢が右上と左下を占める展開で、長期戦の気配だった。
白の薄みを狙う藤沢は、右下黒33とハネ出しから戦いを仕掛け、激しい競り合いに突入した。
謝は中央の白12手目から早々に残り1分の秒読みに突入したが、白18ツケコシのあと、白26から30まで黒8子を取り込み優勢を築いた。持ち時間に余裕のあった藤沢が、上辺の黒模様をどれだけまとめられるかが、勝負の分かれ目になった。そのなかで白36が謝の失着。白は39などに打ち、上辺を黒地にさせないほうがよかった。
「黒1が上辺を大きく囲うがんばった一着」で藤沢が逆転に成功した。謝も白2と反発し、取るか取られるかの際どい戦いになったが、藤沢が黒23、25と正確にトドメをさして勝敗は決した。
藤沢女流名人の話「黒137で手応えを感じた。内容がよかったとは言えない。次は自分らしく精いっぱい打ちたい」
謝六段の話「ずっと難しいと思っていた。勝負どころの後半に持ち時間を残すような打ち方をしないと」
2019-03-13
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第2局(平安女学院大学協力)が14日、京都市上京区の同大所有の登録有形文化財「有(あり)栖(す)館」で行われる。同館での対局は8年連続。
今期の三番勝負は、3連覇が懸かる藤沢里菜女流名人(20)に、平成28年まで女流名人9連覇の謝(しぇい)依(い)旻(みん)六段(29)が挑む。第1局は、謝六段が先勝。藤沢女流名人がタイに戻すか、謝六段が一気に奪還を決めるか、注目の一局だ。
13日は学内で前夜祭が行われた。藤沢女流名人は「明日の対局は厳しい戦いになる。自分らしく精いっぱい力を発揮できれば」と意欲を示し、謝六段は「昨年は(対局者として)来られず悔しい思いをした。長い戦いとなるが、頑張りたい」と闘志を見せた。持ち時間各3時間の1日打ち切り制で、立会人は円田秀樹九段。
14日午後2時から、同大学室町館Mホールで大盤解説会がある。関西棋院の今村俊也九段と、妻で囲碁インストラクター、康子さんが解説する。入場無料。
2019-03-07
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第31期女流名人戦三番勝負」の第1局が6日午前9時半から、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時58分、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)が241手までで、藤沢里菜女流名人(20)に黒番中押し勝ちし、3期ぶりの奪還へ向け先勝した。持ち時間各3時間で残りはともに1分だった。第2局は14日、京都市上京区の平安女学院大学「有栖館」で行われる。
白10ツケや黒15の“ダイレクト三々”など、AI(人工知能)搭載囲碁ソフトが推奨する手順が頻出する布石で始まった一局は、黒の実利VS白の模様の展開に。
黒43マガリが評価の分かれる着手で「黒62にツイだほうが打ちやすかったのでは」と立会人・石井邦生九段の指摘。白48カケが好手で、中央白68まで藤沢が主導権を握った。
黒105の強烈な切りに対し白106、108の出切りなど、右下の折衝が難解な勝負どころになった。
劣勢を意識したか、左辺の黒141は勝負手。対する白146が打ちすぎ。147とノビていれば優勢だったが、残り1分の秒読みに追われて不本意な手を連発。一方、黒161まで生きた謝が逆転に成功した。
この後のヨセも冷静に打った謝。地合が足りないとみた藤沢が投了し、3期ぶりの奪還に向け発進した。
「アチコチで戦いが起こった難解な一局。両者の持ち味が存分に出た見応えある対局だった」と石井九段は振り返った。
謝六段の話「左辺を生きて、少し残りそうだと思った。第2局も一生懸命打つだけです」
藤沢女流名人の話「中盤以降、よくなる図が見えなかった。気持ちを切り替えて次に臨みたい」
2019-03-03
ペアを組んだ男女が交互に打つ「プロ棋士ペア碁選手権2019」(日本ペア碁協会主催)の決勝が3日、東京都千代田区の日本棋院で行われ藤沢里菜女流名人(20)・一力遼八段(21)組が、大沢奈留美四段(42)・許家元(きょ・かげん)碁聖(21)組を破り初優勝した。藤沢・一力組は今夏に行われる世界ペア碁最強位戦に日本代表として出場する。
ペア碁選手権には16組32人が出場、2月9日に1回戦から準決勝が行われ、両ペアとも3勝した。相談して打つことはできないため、2人の息が合わないとうまく進めることができないところがペア碁の難しさでもあり、魅力でもある。藤沢女流名人が「一力八段とは安心して打つことができた。優勝できてうれしい」と言えば、一力八段も「ひとりで打っているときのように違和感がなかった」と笑顔をみせた。藤沢女流名人は平成29年に羽根直樹九段と組み優勝しているが、一力八段は初の優勝。藤沢・一力組はともに10代だった27年にも組んで、そのときは1回戦で負けている。
藤沢女流名人は6日に開幕する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)で、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)の挑戦を受ける。ペア戦での優勝を弾みに、女流名人3連覇を目指す。
平成10年(1998年)9月18日生。埼玉県出身。故藤沢秀行名誉棋聖門下。平成22年入段(11歳6ヶ月で入段。女流棋士特別採用最年少記録)、25年二段、27年三段、30年四段。令和5年賞金ランキング昇段で六段へ昇段、令和6年七段。藤澤一就八段は実父、横塚力七段は夫
2024-12-16
第28期ドコモ杯女流棋聖戦(主催:日本棋院、協賛:株式会社NTTドコモ、協力:関西棋院)の挑戦者決定戦が12月16日(月)、日本棋院東京本院で行われました。上野愛咲美女流立葵杯と向井千瑛六段が対戦し、299手までの激戦の末、向井六段が黒番5目半勝ちを収め、上野梨紗女流棋聖への挑戦権を獲得しました。
向井千瑛六段にとって、上野愛咲美女流立葵杯との対戦は15回目にして初白星。これまで苦戦を強いられていた強敵を乗り越え、「自分が一番ビックリしてます」と感想を述べました。向井六段にとっては17期ぶりの挑戦手合三番勝負出場となり、長い時を経ての快挙となりました。
上野梨紗女流棋聖と向井千瑛六段による第28期女流棋聖戦 挑戦手合三番勝負は、2025年1月16日(木)に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で開幕します。
2024-12-12
【第36期女流名人戦博多カマチ杯リーグ】(黒)謝依旻七段 対 上野愛咲美立葵杯(白) 実戦からの問題です。△黒石をどう取るかどうかが課題、手順は大事です。
2024-12-07
12月7日、トップ女流棋士4人による囲碁イベント「女流囲碁アマノ杯青龍戦」が開催されました。このイベントの最大の特徴は、参加する全ての棋士が着物姿で対局に臨むというユニークなルールです。
参加者は、藤沢里菜女流本因坊、上野愛咲美女流立葵杯、上野梨紗女流棋聖という現役タイトルホルダーに加え、歴代最多タイトルを持つ謝依旻七段です。対局は1手30秒のNHK杯方式で進行し、2回戦のトーナメント形式で行われました。
決勝戦では、藤沢里菜女流本因坊が上野愛咲美女流立葵杯を相手に黒番1目半勝ちで優勝を決めました。優勝者には柳田泰山先生が揮毫した記念皿「青龍」が贈られ、さらに井山裕太王座からの祝辞や真下玲奈さんから花束も贈呈されました。
2024-12-02
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権で初優勝を果たした上野愛咲美女流立葵杯が、12月2日に帰国し、東京都千代田区の日本棋院で記者会見を行いました。
冒頭では、「優勝できるとは思っていなかった」と語りながらも、笑顔でその喜びを表現しました。
「あまり実感はありませんが、謝依旻先生から花束をいただき、とてもうれしかったです」
「おなかがすいていたので、謝先生たちと洋食を食べ、その後にケーキとアイスをいただきました」
「第1局は序盤の戦いで、前日に謝先生と相談した形が出てきたので、それで流れをつかめました。第2局は相手の強さが光りまくっていて全然ダメでしたが、第3局は気楽に打てた部分もあって、いい碁が打てたかなと思います」
「ヨセ勝負になるとは思っていなかったので、自分はヨセが苦手だから『あーっ』という感じでした。でも、時間が少し残っていたおかげでなんとか踏ん張ることができました」
「ナショナルチームで世界戦に役立つ練習をするようになったことと、AIの普及によって実力差が縮まっていることが理由だと思います」
「『SENKO CUPワールド碁女流最強戦』での優勝を目指しています。また、男女混合の世界戦に出場し、楽しみながら打ちたいです」
「唐嘉雯六段とは初めての対局だったので、新鮮な気持ちで打てました。それがとても良い経験になりました」
2024-12-01
12月1日、第7回「呉清源杯・福建海峡銀行」世界女子囲碁選手権の決勝三番勝負最終局が中国・福州市の呉清源囲棋会館で行われました。上野愛咲美五段が中国の唐嘉雯六段に中押し勝ちし、2勝1敗で初優勝を飾りました。
本局で勝利を収めた上野愛咲美五段は、日本女流棋士として初の呉清源杯優勝者となりました。上野五段はこれまでにも2022年の扇興杯世界女子囲碁最強戦で優勝し、今年の黄龍士杯では準優勝するなど国際舞台で活躍を続けています。また、男子世界チャンピオンの謝爾豪八段を撃破するなど、その競技力は高く評価されています。
上野五段の優勝は、一力遼九段が今年9月に応氏杯で優勝した快挙と並び、日本囲碁界の復活を象徴するものとなりました。この2つの優勝により、日本囲碁は中韓の二強時代から三国鼎立の新たな時代へと進んでいることを強く印象付けました。
表彰式では中国囲棋協会の常昊主席がスピーチを行い、囲碁界を祝福しました。
「本日は特に上野愛咲美五段が優勝されたことをお祝い申し上げます。これは日本の棋士が初めて呉清源杯のタイトルを獲得した快挙です。数か月前、応昌期杯の決勝戦の際に、日本の『読売新聞』の記者から取材を受けました。その時、『日本の囲碁レベルについて率直に意見をお聞かせください。私が日本の記者だからといって遠慮せず、正直な考えを教えてほしい』と言われました。」
「日本の囲碁はかつて非常に輝かしい時代がありましたが、この20年以上は低迷期にありました。しかし、近年になって日本の囲碁の成績には目に見える変化が見られます。特に若い棋士たちの成長が著しく、その実力が急速に向上しているのが分かります。そして、彼らの囲碁への愛情と情熱は非常に強いものがあります。これから必ず素晴らしい成績を残していくことでしょう」
「今年9月、応昌期杯という男子棋戦の最高峰で日本の一力遼九段が優勝しました。そして今回、女子棋戦の最高峰である呉清源杯で上野愛咲美五段が優勝されました。これにより、日本の囲碁界における男女のレベルがともに大きく進歩していることが示されたと思います。もちろん、中国囲碁協会の主席としては、中国チームがこのタイトルを獲得することを望んでいましたが、今回唐嘉雯六段も非常に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。」
中国の芮乃偉(ルイ・ナイウェイ)九段が「呉清源杯レジェント賞」を受賞しました。この賞は、囲碁界で卓越した業績を残し、多くの後進に影響を与えた人物に贈られる特別な栄誉です。
2024-11-30
11月30日、「第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権」決勝三番勝負第2局が中国・福建省福州市の呉清源囲棋会館で行われ、中国の唐嘉雯(とう・かぶん)六段が日本の上野愛咲美五段を黒番中押しで破りました。これにより、両者の対戦成績は1勝1敗となり、優勝の行方は明日12月1日の最終第3局で決まることになりました。
ファンイベントで「囲碁界で最もイケメンは誰?」と質問された際、謝依旻七段は「一力遼九段では?」と答えました。この回答に、会場は笑いと拍手で包まれました。
会場入口には大会のイメージキャラクターである戦鷹二段の塑像が設置され、多くの囲碁ファンの注目を集めました。この塑像を背景に記念写真を撮るファンが続出し、SNSでは「リアル戦鷹さんの頭はもっとデカイ」などといったコメントが投稿され、ユーモア溢れるやり取りが広がりました。
呉清源杯の決勝戦は明日、12月1日に行われる第3局で最終決着を迎えます。
2024-11-29
11月29日、中国福建省福州市の「呉清源囲棋会館」で「第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権」の決勝三番勝負第1局が行われました。日本の上野愛咲美五段が中国の唐嘉雯六段を破り、世界タイトル獲得に王手をかけました。第2局は翌30日に同会場で行われます。
唐嘉雯六段は下辺での重要な場面で大きなミスを犯しました。上野五段が白棋を攻めた際、唐六段は意外にも捨て石を選びましたが、この判断が本局最大の敗着となりました。黒棋が大きな利益を得た後、盤上の形勢は黒有利に傾きました。
優勢を確立した上野五段は、その後も積極的な打ち回しで形勢を一気に広げました。上辺で大胆に大空を囲む構想を実行し、唐六段の反撃も抑えしました。唐六段は中腹で模様を形成し逆転を狙いましたが、上野五段は冷静に周囲から侵略し、白棋の実地を削り取っていきました。最終的に唐六段は形勢の挽回が不可能と判断し、投了しました。
優勝:50万元(約1000万円)
準優勝:20万元(約400万円)
2024-11-27
第7回呉清源杯準決勝が27日に打たれ、上野愛咲美五段が於之瑩八段に黒番1.5目勝ちを収め、決勝三番勝負進出を決めました。対戦相手は唐嘉雯六段(中国)となります。決勝三番勝負は29日、呉清源囲碁会館で行われる予定です。
上野愛咲美五段 1.5目勝ち 於之瑩八段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 3.5目勝ち 金恩持九段(韓国)
2024-11-26
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月26日、準々決勝が行われ、上野愛咲美五段が勝利し準決勝進出しました。一方で、藤沢里菜七段は於之瑩八段(中国)に敗れ、敗退しました。準決勝は11月27日 13時より行われます。
於之瑩八段(中国) 中押し勝ち 藤沢里菜七段
上野愛咲美五段 1.5目勝ち 李赫六段(中国)
金恩持九段(韓国) 2.5目勝ち 羅楚玥六段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 中押し勝ち 呉侑珍九段(韓国)
2024-11-25
第7回呉清源杯世界女子囲碁選手権は11月25日、2回戦が行われ、日本から出場している藤沢里菜七段と上野愛咲美五段勝利し、3回戦への進出を決めました。一方で、上野梨紗三段は羅楚玥六段(中国)に敗れ、2回戦で敗退しました。準々決勝は11月26日(火)13時より行われます。
藤沢里菜七段 中押し勝ち 王晨星五段(中国)
上野愛咲美五段 中押し勝ち 魏欣桐三段(中国)
羅楚玥六段(中国) 中押し勝ち 上野梨紗三段
於之瑩八段(中国) 中押し勝ち 曹又尹三段(中国)
呉侑珍九段(韓国) 中押し勝ち 周泓余七段(中国)
唐嘉雯六段(中国) 中押し勝ち 芮廼偉九段(中国)
李赫六段(中国) 中押し勝ち 崔精九段(韓国)
金恩持九段(韓国) 中押し勝ち 秦思玥二段(中国)
2024-11-24
11月24日、中国福州市の三坊七巷郭柏蔭故居で、第7回「呉清源杯・福建海峡銀行」世界女子囲碁選手権の第1回戦が行われました。日本からの出場は、藤沢里菜七段、上野愛咲美五段、上野梨紗三段の3名です。2回戦にシードされており、25日から対局となります。
試合会場近くでは、劉小光九段による大盤解説が実施され、多くの囲碁ファンや観光客が足を止めて観戦しました。特に囲碁を学ぶ子どもたちからは、分かりやすい解説に歓声が上がりました。
2024-10-22
第一回「南洋杯」世界囲碁マスターズが11月1日に開幕する予定です。日本5名(うち1名が女性棋士)、中国11名(うち1名が女性棋士)、韓国6名(うち1名が女性棋士)、中華台北2名、欧州1名、北米1名、シンガポール1名、マレーシア1名、タイ1名、インドネシア1名となっており、主催者側のワイルドカードが2枚用意されています。
大会は2つのステージに分かれて開催されます。第1ステージは2024年11月1日から7日まで中国四川省成都市で行われ、32強から準決勝までの対局が進行します。決勝と3位決定戦は、2025年2月25日から3月2日までシンガポールで行われる予定です。
2024-09-28
日本女子囲碁リーグの第3ラウンド午後の部は、チームセンコーグループとチーム若鯉の対戦となります。注目を集めた姉妹対決は、上野愛咲美女流立葵杯が妹の上野梨紗女流棋聖に勝利し、チームの勝利に大きく貢献しました。また、他の2局でもチームセンコーグループが勝利し、3-0での完勝を収めました。
対局序盤、妹の上野梨紗女流棋聖は左上の戦いで大きなリードを得ました。しかし、勝負は中央の戦いで一転しました。上野梨紗女流棋聖がミスを犯し、形勢が一気に逆転しました。上野愛咲美五段は冷静にその隙を見逃さず、着実に優勢を広げていきました。最終的には、その差を維持したまま、上野愛咲美五段が勝利を収めました。
姉妹対決以外の試合でも、チームセンコーグループは強さを見せました。牛栄子四段がチーム若鯉の鈴木歩七段に勝利し、さらに井澤秋乃五段も大森らん二段を破り、チームセンコーグループは3-0のスコアで勝利を飾りました。
リーグ戦の3ラウンドを終えた時点で、全勝チームも全敗チームもなく、各チームが激しい競り合いを続けています。今後の試合展開もさらに白熱したものとなりそうです。
対局の結果は以下の通りです:
2024-08-30
8月30日に行われた第29回三星火災杯統合予選準決勝で、井山裕太九段が見事に勝利を収め、予選決勝への進出を果たしました。一方、柳時熏九段と上野愛咲美五段は敗退となります。明日行われる予選決勝で、井山王座は中国の金禹丞八段と対戦します。
2024-08-30
8月29日に行われた第29回三星火災杯統合予選4日目で、日本勢の成績は3勝9敗となります。井山裕太九段、柳時熏九段、上野愛咲美五段の3名がそれぞれの組で準決勝進出を果たしました。
2024-04-27
第2回衢州爛柯杯ワールド囲碁オープン2回戦が4月25日(木)に中国・浙江省衢州市で行われ、日本勢は井山裕太九段、上野愛咲美五段が勝ってベスト16の3回戦進出となりました。
【日本選手の2回戦結果】左が勝者:
また、4月27日の3回戦組み合わせ(日本選手のみ)は以下の通りです:
関連棋譜:【第2回衢州爛柯杯2回戦】(黒)井山裕太九段 対 楊冬四段(白)
2024-04-17
第35期女流名人戦三番勝負(日本棋院主催)の第2局が17日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、挑戦者の藤沢里菜女流本因坊(25)が、上野愛咲美(あさみ)女流名人(22)に197手で黒番中押し勝ちし、2連勝でタイトルを奪取した。藤沢新女流名人は2期ぶり6回目の女流名人位獲得で、女流本因坊との2冠となった。上野女流名人は初防衛を果たせなかった。
終局後、藤沢新女流名人は「本局は後半いろいろと反省があったが、シリーズを通して自分の力を出し切れたと思う。これからも一回でも多く獲得できるよう頑張りたい」と話した。
特設ページ:第34期女流名人戦挑戦手合三番勝負
2021-11-21
第16回広島アルミ杯・若鯉戦は21日、広島市で本戦トーナメントの決勝が打たれ、上野愛咲美女流棋聖が西健伸五段を破り、男女混合で争う公式戦で初優勝した。
若鯉戦は昨年の藤沢里菜女流本因坊に続いて2年連続で女性棋士が頂点に立った。
若手棋士が争う同棋戦は昨年、藤沢女流本因坊が制し、男女混合の公式戦で女性初優勝を果たした。今年は上野女流棋聖が制覇。女性棋士で2人目の男女混合公式戦優勝者となった。
2021-10-15
第46期新人王戦決勝三番勝負の第3局が15日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、外柳是聞三段が上野愛咲美女流棋聖に272手で白番中押し勝ちし、2勝1敗で優勝した。外柳の棋戦優勝は初めて。上野は女流棋士初の新人王戦優勝は果たせなかった。
外柳は「挑戦する気持ちで臨んだが、いつもよりのびのびとした感じでよく打てた方かなと思う」と振り返った。一方、上野は「後悔する手を何手か打ってしまって、気がついたら形勢が悪くなっていた」と語った。
2021-06-19
女流タイトル戦「第八期会津中央病院・女流立葵杯」の挑戦手合三番勝負第2局は19日、福島県会津若松市東山温泉の今昔亭で打たれ、郡山市ゆかりの藤沢里菜女流立葵杯が挑戦者の上野愛咲美女流棋聖に勝利した。通算二連勝で五連覇を達成し、名誉称号の資格を獲得した。
女流立葵杯での戴冠は、前身の「会津中央病院杯・女流囲碁トーナメント戦」での優勝を含め六度目。女流本因坊、女流名人、博多・カマチ杯(終了)も同時に保持する「女流四冠」を堅持し、女流タイトルの通算獲得を十八期に伸ばした。
今回の名誉称号を名乗るのは六十歳到達時、または引退時。
特設ページ:第8期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2021-06-18
「第8期会津中央病院・女流立葵杯」の挑戦手合三番勝負第1局は18日、福島県会津若松市東山温泉の「今昔亭」で打たれ、5連覇が懸かる郡山市ゆかりの藤沢里菜女流立葵杯が、挑戦者の上野愛咲美女流棋聖に240手で白番中押し勝ちした。
女流立葵杯で両者が三番勝負を打つのは、第6期以来2年ぶり。対局は上野女流棋聖が地合いで先行し、藤沢女流立葵杯が攻めシノぐ展開。中盤まで上野女流棋聖がリードしていたが、藤沢女流立葵杯が緩着をとがめて追い付き、冷静に終盤を攻め切った。
第2局は19日午前9時から同所で打たれる。藤沢女流立葵杯が勝てば2連勝で、5連覇と名誉称号の資格が決定する。上野女流棋聖が勝って1勝1敗のタイになれば、7月2日に東京都の日本棋院本院で決定局の第3局が行われる。
特設ページ:第8期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負
2021-02-08
第24期女流棋聖戦三番勝負(日本棋院主催)の第3局が8日、東京都千代田区で行われ、挑戦者の上野愛咲美扇興杯が148手までで、鈴木歩女流棋聖に白番中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で2期ぶりに奪還した。タイトル獲得は通算5期。
第1局で敗れたあと連勝した上野は「第1局の内容がひどすぎたので、あとは楽しんで打とうと考えた。内容はきょうの(第3局)が一番よかった」と笑顔を見せた。
一方、自身初の防衛を逃した鈴木は「力は出し切れたと思うが、愛咲美ちゃんが強かった。自分の力がおよんでいない。また挑戦できる機会があれば頑張りたい」と話した。
対局当日のモーニングルーティンとして、この日も縄跳び777回をこなしてきたという上野。序盤で優位に立つと、そのまま押し切った。
今後については「世界戦に参加できたら上のほう…できれば決勝くらいまで行きたい」と意欲を見せていた。
特製ページ:第24期ドコモ杯女流棋聖挑戦手合三番勝負
2021-01-28
第24期女流棋聖戦三番勝負の第2局が28日、東京都千代田区で行われ、挑戦者の上野愛咲美扇興杯が197手までで、鈴木歩女流棋聖に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。
第1局の敗戦からタイに戻した上野扇興杯は「序盤で失敗、負けたかと思って悲しい気持ちになったが、なんとか追いつくことができました。(第3局は)楽しんで打つことができたら」と話した。
前期と同じカードで昨年、失冠している上野扇興杯には2期ぶりの返り咲きがかかる。鈴木女流棋聖は自身初の防衛を目指す。
最終第3局は2月8日に行われる。
特製ページ:第24期ドコモ杯女流棋聖挑戦手合三番勝負
2021-01-21
第24期女流棋聖戦三番勝負の第1局が21日、神奈川県平塚市で行われ、鈴木歩女流棋聖が225手までで、挑戦者の上野愛咲美扇興杯に黒番中押し勝ちし、初防衛にあと1勝とした。第2局は28日に東京都千代田区で行われる。
前期とは立場を入れ替えたシリーズ。女流最強戦で第5期と第9期に優勝経験のある鈴木女流棋聖だが、これまで連続優勝はなく、今期は自身初の防衛がかかる。
上野扇興杯は昨年、女流棋聖と女流本因坊を失冠しており、2期ぶりの女流棋聖返り咲きがかかる。
特製ページ:第24期ドコモ杯女流棋聖挑戦手合三番勝負
2020-11-25
第39期女流本因坊戦五番勝負(共同通信社主催)の最終第5局が25日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の藤沢里菜女流名人が上野愛咲美女流本因坊に274手で黒番半目勝ちを収め、シリーズ3勝2敗でタイトルを奪還した。
藤沢は前期、上野にタイトルを奪われ、リベンジを期して今期挑戦権を獲得。五番勝負でフルセットの激戦を制した。3日前の若手棋戦「若鯉戦」でも、女性として史上初めて男女競合の公式戦を制している。その決勝戦も、ポイント差にして最も小さい半目勝ち。ここ一番で勝負強さを発揮している。
藤沢は終局後、「第2、3局に負けて自信をなくしたが、最終戦は全力を出し切れた」と振り返った。
藤沢は今年初めには1冠だったが、10月に博多・カマチ杯で優勝。11月には女流名人戦再開に伴って女流名人に復位し、女流立葵杯と合わせた4冠となった。上野は扇興杯のみに後退した。両者は12月3日、女流棋聖戦の挑戦者決定戦でも顔を合わせる。
特製ページ:第39期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負