2019年5月16日
張栩名人(39)への挑戦権を争う第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は16日、前名人の井山裕太四冠(29)と、山下敬吾九段(40)が対局する。今春の棋聖戦七番勝負でフルセットの激闘を交わした2人が、舞台を変えて再び相まみえる。朝日新聞デジタルでは対局開始の午前10時からライブ中継し、戦いが中盤の佳境を迎える午後3時から終局まで、内田修平七段(29)が同時進行で解説する。持ち時間は各5時間。夜までに終局する。
井山はここまで2勝2敗と苦戦。過去43期の名人戦リーグで3敗者が挑戦権を獲得したのは1度しかなく、名人返り咲きには絶対に負けられない一戦で、難敵を迎える。一方の山下は、3勝1敗とリーグ暫定2位の好位置をキープ。4戦全勝で首位をゆく河野臨九段(38)とは8月最終ラウンドの直接対局を残しており、自力優勝に向けて1敗死守をめざす。
同日にはこの対局のほか、首位の河野と現在1勝3敗の孫喆七段が対局する。現在本因坊戦七番勝負で井山に挑戦中の河野は絶好調。今月11、12日の第1局を制した。勢いに乗って名人戦でも無敗を守るか、リーグ残留に向けて剣が峰に立つ孫が意地を見せるか、これも注目の一局だ。
2019年4月26日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は25日、第5ラウンドの残り2局が打たれた。1敗同士の上位対決となった羽根直樹九段―芝野虎丸七段の一戦は、羽根が白番中押し勝ちを収め、通算3勝1敗でリーグ2位に躍り上がった。敗れた芝野は3勝2敗で挑戦者レースから一歩後退した。山下敬吾九段―六浦雄太七段戦は、山下が白番中押し勝ちで3勝1敗とし、羽根と並ぶ2位につけた。
第5ラウンドを終えての暫定順位は①河野臨九段=4勝0敗②山下、羽根=3勝1敗④芝野=3勝2敗⑤井山裕太四冠=2勝2敗⑥鈴木伸二七段=2勝3敗⑦孫喆七段=1勝3敗⑧村川大介十段、六浦=1勝4敗。
1人8局打つ名人戦リーグは、3敗を喫すると挑戦権獲得は極めて難しく、過去の例でも大半が全勝~2敗者が挑戦している。5月以降の残り4ラウンドで、河野から井山まで上位5人が挑戦圏内といえ、鈴木以下4人は残留の可否に焦点が移りつつある。
2019年4月7日
本因坊文裕(29)への挑戦者を決める第74期本因坊戦リーグ(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の最終7回戦が5日、東京都千代田区の日本棋院で一斉に打たれ、首位の羽根直樹九段(42)が山下敬吾九段(40)に敗れた。
白の形は悪いですが、このあと攻め方が難しいので、黒が持て余してしまうかもしれません。
白34利かしにいったのはなかなか気づかない手です。黒37ノビは少し意外でした。
直接戦っていくのは少し無理と見たのでしょう。
白48三々は少し意外でした。黒から打たれてもそれほど地にならなそうなところなので、まだ早いかと思いましたが、徹底した実利作戦です。
白62全然予想外のところから仕掛けていきました。
直接いくのは少し自信がなかったのかもしれません。ただ黒は利きが多くてかなり動きが不自由なので、打つ手が難しいところです。
黒63凄い手がでました。利きが増えるということでしょうか。
82手まで、白が良さそうに見えます。
白86手はやり過ぎます。右辺はA位でコウが残っています。
黒は全部取れないと少し地合が大変かもしれません。なので、取りに行くことを真剣に考えていそうです。
黒165手まで、中央の白が全部取られました。羽根九段が投了しました。
2019年3月15日
囲碁の第43期棋聖戦7番勝負の第7局は14、15の両日、新潟県南魚沼市で打たれ、井山裕太棋聖(29)が313手で挑戦者の山下敬吾九段(40)に白番6目半勝ちし、4勝3敗で棋聖7連覇を達成、本因坊、王座、天元、十段と合わせ五冠を守った。七大タイトル獲得は通算44期となり、自身の最多記録を更新した。
2019年3月8日
囲碁の第43期棋聖戦7番勝負の第6局は7、8の両日、神奈川県箱根町で打たれ、挑戦者の山下敬吾九段(40)が250手で井山裕太棋聖(29)に白番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗として決着を最終局に持ち込んだ。
第7局は14、15日に新潟県南魚沼市で行われる。
昭和53年(1978年)9月6日生。北海道旭川市出身。菊池康郎氏(緑星囲碁学園)に師事。平成5年入段、同年二段、7年三段、8年四段、9年五段、10年六段、12年七段、15年九段(棋聖獲得により)
2024年11月11日
第50期名人戦最終予選決勝が行われ、福岡航太朗七段が張栩九段に白番中押しで勝利し、初の名人リーグ入りを果たしました。広瀬優一七段は依田紀基九段との対局で黒番中押し勝ちを収め、初のリーグ進出を果たしました。
福岡七段18歳10カ月でのリーグ進出は、名人戦リーグの歴史で5番目の若さです。「令和三羽ガラス」に続く期待の若手とされており、次期のエースとして頭角を現しています。
広瀬七段は依田紀基九段との対局で黒番中押し勝ちを収め、藤沢一門が誇る「新人王トリオ」の一人として初のリーグ進出を果たしました。依田九段は17期ぶりのリーグ入りを逃しました。
2024年5月20日
第49期名人リーグ戦(朝日新聞社主催)は20日、張栩九段が関航太郎九段に白番半目勝ちし、リーグ初白星を挙げました。通算スコアは関と同じ1勝4敗となり、リーグ残留の望みを残しました。
張は本局に負ければリーグ陥落確定の崖っぷちにいました。1勝3敗の関も残留に黄信号が点灯しており、非情の“落とし合い”は両者必死の読み合いとなり、序盤から見応えのある応酬が繰り広げられました。
リーガー9人のうち4人が陥落する総当たりリーグ。すでに0勝6敗の志田達哉八段の陥落が決定しています。残る三つの陥落枠をめぐり、熾烈(しれつ)なサバイバル戦が続いています。1勝4敗の張と関は、ともに残り3戦。負ければ即陥落の状況で、張の次戦は2勝3敗の山下敬吾九段との残留争い直接対決。関は一力遼棋聖とともに5戦全勝で挑戦者争いを演じている余正麒八段と対戦します。
成績表:
2024年4月12日
第49期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は、井山裕太王座が張栩九段に対して白番中押しで勝利し、星を2勝2敗の五分に戻しました。一方、張栩九段は開幕から4連敗と苦戦しており、リーグ残留には黄信号が灯った状態です。
試合は互いに一つの陣地につき100目を超える大規模な囲い合いとなりました。張栩九段は形勢が不利と判断し、井山裕太王座の中央の模様を消しにいきました。しかし、井山裕太王座は見返りに、張栩九段の確定地とされていた黒陣をコウ材有利を背景に強気に荒らし、一気に勝負を決めました。
2024年2月2日
名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は1日、富士田明彦七段が張栩(ちょうう)九段を破り、リーグスコアを2勝1敗とし、白星先行。張は開幕3連敗を喫し挑戦者レースから脱落、厳しい残留争いに回る。
手厚く構えて中盤以降に追い上げる戦法を得意とする富士田だが、今回は定型にとらわれない自在の打ち回しを見せ、歴戦の勝負師の張に対抗。形勢不明の勝負どころで刺し違え覚悟の飛び技を繰りだし、抜き差しならぬ戦いの過程で優位を確立、そのまま押し切った。
前期は1勝7敗と初リーグの洗礼を浴びた富士田だが、今期は実利よりも重厚な厚みを尊ぶ独自の棋風に磨きをかけ、結果が出ている。3月の次戦の相手は山下敬吾九段(1勝1敗)。張栩は3月手空きで、4月に井山裕太王座(1勝0敗)と対戦する。
2020年9月18日
第68期王座戦の挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、許家元八段が張栩九段を破り、初の王座戦五番勝負登場を決めた。初防衛を目指す芝野虎丸王座とのシリーズは、10月23日に横浜市で開幕する。
台湾出身の許八段はプロ8年目。初めて七大タイトルに挑んだ平成30年の第43期碁聖戦では、当時の井山裕太碁聖を3連勝のストレートで破り、七冠独占状態を崩した。芝野虎丸三冠や一力遼碁聖と並ぶ若手実力者だ。今期は、結城聡九段や山下敬吾九段といったタイトル獲得経験者を撃破した。
「王座戦は前期も挑戦者決定戦までいきながら、負けてしまったので、挑戦することができてうれしい」と許八段。芝野三冠には前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていた。
2020年8月7日
第45期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終ラウンド、羽根直樹碁聖が張栩九段に223手までで黒番中押し勝ちし、リーグ成績3勝5敗で残留を決めた。敗れた張九段は2勝6敗となり、名人通算5期を含む18期在籍したリーグからの陥落が決まった。
ともに2勝5敗で、勝った方がリーグ残留、負けた方が陥落するという「平成四天王」同士の“鬼勝負”だった。
終局後、張九段は「勝った碁を含めて内容が全体的によくなかった。落ちて当然だと思う。もうちょっといい碁を打たないといけない」とリーグ全体を振り返った。来期に向けては「リーグに入るのも大変なこと。とにかく一生懸命やるだけですね」と話した。
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2019年12月3日
日本と中国の阿含・桐山杯者が対戦する、阿含・桐山杯第21期早碁オープン戦日中決戦が、12月3日に中国広州市の広州花園酒店で行われた。張栩桐山杯(日本)と范廷鈺桐山杯(中国)が対戦し、張が300手までで白番1目半勝ちを収めた。
張は5回目の日中決戦で初めての優勝、日本代表の優勝は4期ぶり6回目だった。
2019年12月6日
第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)で張栩前名人を破り、史上初の10代名人となった芝野虎丸名人の就位式が6日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれた。ファンや棋士ら約380人から祝福を受けた。
ふだんはスーツ姿の芝野だが、紋付きはかまで登場。日本棋院の小林覚理事長から「允許状」が、朝日新聞社の渡辺雅隆社長から賞金3100万円の目録が渡された。
芝野は謝辞で、「名人戦は緊張と不安でいっぱいでしたが、台湾の第2局で昼食のチャーハンを半分しか食べられず、そこで吹っ切れて勝つことができた。それで気持ちが楽になりました」とシリーズの分かれ目となった“秘話”を披露して会場の笑いを誘った。慣れぬ異郷の地での大勝負。ふだん食べ残すことのない食事を残してしまったことで、かえって開き直ることができたのだという。
「これから碁の内容はもちろん、ふだんの言動も含め少しずつ成長できればいいなと思います」と締め、盛んな拍手を受けた。
芝野は、七大タイトル初挑戦となった名人戦七番勝負で10月、19歳11カ月で史上最年少名人を獲得。翌11月には王座戦五番勝負で井山裕太・前王座を破って二冠を達成し、破竹の勢いを見せている。
2019年10月5日
阿含桐山杯全日本早碁オープン戦の決勝戦が5日に行われ、張栩名人が一力遼八段に白番中押し勝ちし、優勝しました。張名人は6日に静岡県熱海市に移動して、7日から芝野虎丸挑戦者との名人戦第5局に臨みます。
張栩名人は「一力さんには一方的にやられていて、久しぶりに勝てた。まさか優勝できるとは思っていなかったのでうれしい」と笑顔を見せ、一力桐山杯は「きょうの碁は後半、ミスが多かった。またこの舞台に戻って来られるよう頑張りたい」と話しました。
2019年10月8日
第44期名人戦7番勝負第5局は、挑戦者の芝野虎丸八段が、252手までで張栩名人に白番中押し勝ちした。対戦成績を4勝1敗とし、初挑戦で名人を奪取。最年少19歳11カ月での7大タイトル獲得で、09年に井山裕太四冠が達成した20歳4カ月を10年ぶりに塗り替えた。
14年にプロデビュー。将棋で藤井聡太七段がデビューして旋風を起こした17年に、芝野もブレークした。第26期竜星戦で初タイトル獲得。17歳8カ月は史上最年少だった。規定で、当時の三段から七段へ飛び級した。プロ入り2年11カ月での全棋士参加棋戦制覇と、七段昇段は史上最短だった。翌年には日中竜星戦で、世界最強と言われる中国の柯潔九段も下した。
芝野は規定により9日付で九段に昇段。日本棋院によると、こちらも最年少、最速での最高段位到達となる。
◆芝野虎丸(しばの・とらまる)1999年(平11)11月9日、相模原市生まれ。6歳の頃、ゲームソフト「ヒカルの碁3」を父からもらい、囲碁を始める。14年9月、プロ(初段)に。15年二段、16年三段、17年、竜星戦で優勝して七段に。新人王戦も制した。19年八段。17年には最多対局賞、最多勝利賞、連勝賞(66局53勝13敗、16連勝)
2019年9月26日
名人戦七番勝負第4局は、挑戦者の芝野虎丸八段が張栩名人に中押し勝ちし、3勝1敗で初の7大タイトル獲得にあと1勝と迫りました。奪取に成功すれば最年少記録になります。
10代名人にあと1勝と迫った芝野八段は「先に3勝できたんですが、もう1回勝たないといけないので、これまで通り頑張りたいです」と話しました。
第5局は10月7日から、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打たれます。
2019年9月24日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑む第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が25日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで始まる。
ここまで挑戦者が2勝1敗で一歩リード。史上初の10代名人の誕生にあと1勝と迫るか。連覇を目指す名人が勝敗をタイに戻すか。シリーズは中盤の大きなヤマ場に差しかかった。対局は、持ち時間各8時間の2日制。挑戦者の先番で午前9時に始まり、26日夜までに決着する。立会人は坂口隆三九段。
24日午後6時から宝塚ホテルであった前夜祭には、現地のファンら約100人が集まり、両対局者を歓迎した。
主催者らのあいさつのあと、宝塚市観光大使リボンの騎士「サファイア」から花束を受け取った両対局者は、壇上で第4局に向けて決意表明した。
最初に芝野挑戦者が、小さな声で「みなさま、こんばんは」と話し始めると、会場から「がんばれー」とのかけ声が。芝野挑戦者が「宝塚は初めてだが、ホテルがすごくよくて、いい気分なので、この調子で、いい碁が見せられるように頑張ります」とはにかみながら続けると、合間に女性ファンから「かわいいー」との声もあがり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
一方の張名人は「去年も第4局でこの場に立っていたが、あの時は足を軽く骨折していて、そのあとの碁の内容もまずかった」と明かし、「まさかこの場に立てるとは思っていなかった。あの時は苦しかったが、過ぎてしまえばいい思い出。今年も1勝2敗で苦しい状況だが、今年は去年とは違う形でいい思い出をつくりたい」と話し、会場を盛り上げた。
2019年9月18日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第3局が、9月17日、18日の両日にわたって岐阜県岐阜市「岐阜グランドホテル」で行われた。
結果は、芝野八段が234手まで白番中押し勝ちを収め連勝、シリーズ2勝1敗と一歩リードした。終局時刻は18時25分、残り時間は黒1時間1分、白2分だった。
第4局は、9月25、26日に兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」で行われる。
2019年9月16日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑む第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が17日、岐阜市の「岐阜グランドホテル」で始まる。ここまで両者1勝1敗のタイ。
岐阜県での対局は、芝野と同じ当時19歳の挑戦者だった井山裕太・現四冠(30)を張名人が迎え撃った2008年の第3局以来。このときは張名人がシリーズ初白星を挙げてタイトル防衛の足がかりとした。
16日の前夜祭には現地の関係者ら約70人が集まり、歓迎した。挑戦者は「3局目だからもう慣れたでしょと言われますが、3局目ともなると挨拶のネタもなくなって困ってます。岐阜には初めて来たのですが、タイトル戦だと観光する暇がないようなので、今回勝って好感度を上げて、また来たいと思います。」と話し、会場の笑いを誘った。名人は「1、2局目の内容は反省すべきところがいっぱいあって、まだまだ満足のいく内容ではなかった。明日からもっといい内容の碁を見せられるように頑張りたい」と述べた。
午前9時開始。持ち時間は各8時間で、18日夜までに決着する。立会人は羽根泰正九段。
2019年9月11日
第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は2日目の11日午後5時40分(日本時間午後6時40分)、挑戦者の芝野虎丸八段(19)が張栩(ちょうう)名人(39)に195手で黒番中押し勝ちを収め、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は17、18日に岐阜市で打たれる。
2019年9月9日
張栩名人(39)に芝野虎丸八段(19)が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局が台北市のシャングリ・ラファーイースタンプラザホテル台北で10日午前9時(日本時間午前10時)から打たれる。立会人は王銘琬九段。
第1局は張名人が黒番6目半勝ちを収め、好スタートを切った。第2局は芝野挑戦者が黒番となる。名人が故郷の台湾での応援を背に2勝目を挙げて防衛へ前進するか、挑戦者が初の10代名人誕生に向け、シリーズ成績をタイに戻すか、注目の一番が始まる。
9日夕の前夜祭には現地の囲碁関係者ら約130人が詰めかけた。抱負を述べる場面で挑戦者は「台湾対局なので張栩名人を応援する方が多いと思いますが、気にせずがんばりたい」。あいさつに中国語を盛り込み会場をわかせた。名人は中国語での決意表明に続いて日本語で「台湾で打てる感謝の気持ちを力に変え、いい碁を見せたい」と自らの思いを重ねて述べた。
ホテル内の一室に設けられた対局場を、両対局者が検分した。碁盤を置く机の高さは、通常の椅子対局と同じになるように微調整したという。囲碁盤や碁石は現地の海峰棋院が用意したもの。碁笥の箱には、林海峰名誉天元が1965年に名人位を獲得したときの揮毫がある。立会人の王銘琬九段は「当時4歳。この名人獲得がきっかけで、僕は囲碁を始めました」と懐かしそうに話した。
両対局者は碁笥を置く位置を確かめたり、椅子と碁盤の距離を調整したりしたあと、握手を交わした。
名人戦の海外対局は2002年の中国・北京での依田紀基名人(当時)対趙治勲挑戦者以来、17年ぶり11回目。
2019年8月26日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が、27日に開幕する。プロ入りから4年11カ月、史上最速で七大タイトル戦の舞台に立つ挑戦者には初の10代名人が、連覇をめざす名人には通算6期目がかかる。
対局前夜の26日、両者は午後5時から第1局が打たれる東京都文京区「ホテル椿山荘東京」対局室の検分に臨み、使用する碁石や盤を確認した。午後6時からの前夜祭で、張は「また最高の舞台で戦えるのは光栄です。魅力的な碁を打つ芝野さんとの対戦は楽しみ。必ず盛り上がるシリーズにするよう自分らしい碁を打ちたい」、芝野は「自分が碁を始めたころに活躍されていた張名人の相手になるとは、思いもよらず不思議です。2日制の碁は初めてですが、盤面に集中していい碁を残せるよう頑張ります」と話した。
第1局は27日午前9時開始。持ち時間各8時間の2日制で、27日夜に打ち掛け、28日朝に再開し、同日夜までに決着する。立会人は大竹英雄名誉碁聖。
10代の挑戦者は11年前の井山裕太・現四冠(30)以来2人目。当時の井山を迎え撃ったのも張で、4勝3敗で退けた。井山は翌年再挑戦し、史上最年少の20歳4カ月で名人になった。11月生まれの芝野は、10月の第6局までにタイトルを奪取すれば19歳名人に、第7局で獲得しても七大タイトルを通じて史上最年少のタイトル獲得記録となる。
2019年8月8日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8日、同星首位によるプレーオフが打たれ、芝野虎丸七段(19)が河野臨九段(38)に208手で黒番半目勝ちし、張栩(ちょうう)名人(39)への挑戦を決めた。芝野は規定により、9日付で八段に昇る。七番勝負は27日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。
10代の名人挑戦は、2008年、19歳3カ月で当時の張名人に挑戦した井山裕太四冠(30)に次いで2人目。このとき井山は張に敗れており、今期19歳9カ月で七番勝負を迎える芝野には史上初の10代の名人がかかる。張との対戦成績は4勝1敗と勝ち越している。芝野が七大タイトル戦に挑戦するのは初めて。プロ入りから4年11カ月での挑戦は史上最速となる。
神奈川県相模原市出身。幼稚園児のころ、ゲームプランナーの父が購入したソフトで囲碁を覚えた。
2019年3月22日
第13回プロ・アマ囲碁名人戦(朝日新聞社主催、日本棋院後援)が21日、東京・築地の朝日新聞東京本社で打たれ、張栩(ちょうう)名人(39)がアマ名人の東京理科大1年、栗田佳樹さん(20)に274手までで白番中押し勝ちした。
アマがプロに先番6目半の逆コミをもらうハンディ戦。栗田さんは序盤早々につまずき、コミ分のハンディが吹き飛ぶ厳しい戦いを強いられた。中盤以降は互角の読み合いを見せて終盤勝負に持ち込んだが、最後に力尽きた。
会場の東京本社では大盤解説会も開かれ、約80人が熱戦を楽しんだ。プロ・アマ戦はこれでプロの8連勝。通算でプロの9勝3敗(第5回は東日本大震災の影響で中止)となった。(大出公二)
昭和55年(1980年)1月20日生。台湾台北市出身。林海峰名誉天元門下。平成2年院生。平成6年入段、同年二段、7年三段、8年四段、9年五段、11年六段、13年七段、15年八段、同年九段。小林泉美六段は夫人。
2024年12月1日
12月1日、第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦6局が釜山農心ホテルで行われ、日本代表の許家元九段は韓国の金明訓九段に敗れました。金九段が4連勝を達成しました。
黒番を持った金九段は、序盤のリードを一時的に失い、中盤以降は互角の攻防が続きました。激しい攻防の中でお互いにミスが出ましたが、終盤で金九段が決定的な手を放ち、175手で勝利を収めました。
6局終了時点でのチーム成績は以下の通りです。
日本2名、韓国チームは4名、中国3名が残っています。
2024年11月2日
11月1日、南洋杯世界囲碁マスターズ大会の記者会見が中国・成都の世紀城天堂洲際大飯店で開かれました。会見には中国囲碁協会の常昊主席、四川省囲碁協会主席で中国囲碁協会副主席の熊方軍氏、新加坡囲碁協会の陳丁川会長、さらに日本の許家元九段、中国の党毅飛九段、韓国の申真諝九段、そして新加坡の陳亦函五段が出席しました。
常昊主席は、1988年から現在までに開催された囲碁の世界大会は百を超え、その多くは中国、日本、韓国によって主催されてきたと振り返り、「南洋杯は中国と新加坡(シンガポール)の囲碁協会が初めて共同で主催する重要な大会です」と述べました。また、2024年2月末にはシンガポールで決勝戦が行われる予定であり、30年以上前に同地で開催された応氏杯決勝以来、再びシンガポールでの大規模な国際大会開催となることに期待を寄せ、「今回の大会を通じて、東南アジアおよび世界の囲碁の発展が一層進むことを願っています」と語りました。
南洋杯は独自の「フィッシャー方式」(持ち時間が2時間与えられ、さらに一手打つごとに15秒が加算されます。)を導入しており、各国のプロ棋士がその特徴や挑戦について意見を述べました。
「フィッシャー方式は日本のルールとは異なる非常に新鮮で挑戦的な方式です。日本では公式戦でフィッシャー方式が使用されたことはなく、日本チームはこのルールに向けて特別な訓練を行いました。明日の試合がどうなるかは分かりませんが、このルールに挑戦し、全力を尽くしたいと思います」と意気込みを語りました。
「フィッシャー方式の試合は中国では新しい試みであり、これまで中国の大会では導入されていませんでした。昨年、私は1年間韓国のリーグに参加し、そこでフィッシャー方式の試合を経験しました。このルールには多少の経験があり、今回の南洋杯でも慣れ親しんだ時間管理で臨むことができます」と述べました。
「韓国でもフィッシャー方式を使用した試合があり、この方式は興味深いと思います。フィッシャー方式は二時間の持ち時間があり、比較的長い時間の試合形式です。他のルールと大きな差はないため、十分に時間を活用しながら充実した対局を行いたいです」と話しました。
2024年10月22日
第一回「南洋杯」世界囲碁マスターズが11月1日に開幕する予定です。日本5名(うち1名が女性棋士)、中国11名(うち1名が女性棋士)、韓国6名(うち1名が女性棋士)、中華台北2名、欧州1名、北米1名、シンガポール1名、マレーシア1名、タイ1名、インドネシア1名となっており、主催者側のワイルドカードが2枚用意されています。
大会は2つのステージに分かれて開催されます。第1ステージは2024年11月1日から7日まで中国四川省成都市で行われ、32強から準決勝までの対局が進行します。決勝と3位決定戦は、2025年2月25日から3月2日までシンガポールで行われる予定です。
2024年9月3日
第50期天元戦挑戦者決定戦が2日、東京・市ケ谷にある日本棋院東京本院で行われ、芝野虎丸名人が許家元九段を下し、一力遼天元への初挑戦権を獲得しました。対局は午後3時59分、190手で芝野名人が白番中押し勝ちを収めました。
芝野名人と一力天元は、すでに名人戦や王座戦で対戦しており、今回の天元戦が3つ目のタイトル戦での顔合わせとなります。特に、8月30日に行われた第72期王座戦挑戦者決定戦では、芝野名人が一力天元に勝利し、井山裕太王座(35)への挑戦権を獲得したばかりです。さらに、今月25日には京都市で第31期阿含・桐山杯決勝で再び対戦する予定です。
天元戦五番勝負は10月7日に開幕し、全国各地を巡って行われます。第1局は名古屋市の文化のみち橦木館で開催され、その後、札幌市、福岡県久留米市、兵庫県洲本市、徳島市での対局が予定されています。
2024年8月19日
第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦の本戦準決勝で、一力遼三冠と許家元九段が対決しました。過去の対戦成績では一力三冠が16勝4敗とリードしており、この対局でもその優位を保ち、勝利を収めました。2年連続決勝に進出しました。
決勝で待ち受けるのは、3日前の準決勝で井山裕太九段を破った芝野虎丸名人です。この二人は名人戦七番勝負でも対戦することが決まっており、阿含・桐山杯の決勝も含め、再びの頂上決戦となります。さらに、両者は王座戦本戦でも準決勝に進出しており、芝野名人は天元戦でも一力三冠への挑戦まであと1勝のところまで来ています。
2024年7月30日
7月29日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われた第50期天元戦準決勝において、許家元九段が志田達哉八段を破り、決勝進出を果たしました。
今年、許家元九段は19勝9敗という素晴らしい成績を収めています。一方、志田達哉八段は18勝16敗とやや苦戦していますが、天元戦準決勝まで進出した実力者です。天元戦は伝統ある囲碁のタイトル戦であり、今回で50回目を迎えます。両者の対決は激しい戦いとなり、最終的に許九段が勝利を収めました。
初期段階から白がやや優勢であったものの、中盤から後半にかけて黒が一気に巻き返し、終盤には圧倒的な優位を確立しました。中央の戦いで黒が決定的な優勢を掴み、最終的に黒の勝利が確定しました。
許家元九段はこの勝利により、次戦で芝野虎丸名人と村川大介九段の勝者と対決することになります。芝野虎丸名人は現在の名人位を保持し、村川大介九段も数々のタイトル経験を持つ強豪です。いずれとの対決も見逃せない一戦となるでしょう。
試合後、許九段は「今回の対局は非常に難しかったですが、集中力を切らさずに戦えたことが勝因です。決勝でも全力を尽くして戦います」と語りました。
2024年5月2日
第49期名人戦リーグの5月ラウンド最初の一局で、許家元九段(3勝2敗)対富士田明彦七段(3勝2敗)の対戦が行われました。この試合は故高林拓二七段門下の同門対決で、ともにリーグ残留のためにはなんとしても欲しい1勝を目指しています。
結果として、許家元(きょ・かげん)九段が兄弟子の富士田明彦七段を破り、スコアを4勝2敗としました。
全勝の一力遼棋聖(5勝0敗)や余正麒八段(4勝0敗)まで距離はありますが、まだ挑戦の目はあります。次戦は6月の一力戦。富士田さんは3勝3敗の五分になっています。険しい残留戦が続きます。
成績表:
2024年3月20日
第15回春蘭杯世界囲碁選手権が3月19日に中国福建省の「武夷山悦華酒店」で開幕しました。日本からは、一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段、許家元九段、広瀬優一七段が出場し、1回戦の対局結果では、一力、芝野、許が2回戦進出を決めました。2回戦は3月21日(木)11時30分から行われます。
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2024年2月27日
第79期本因坊戦本戦1回戦で、関航太郎九段が村川大介九段に勝利し、ベスト8へ進出しました。次戦は井山裕太王座と上野愛咲美女流名人の勝者との対決です。関九段の今年の成績は6勝2敗となりました。
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第50期天元戦本戦1回戦で、許家元九段と今村善彰九段の対戦が行われました。許九段は好スタートを切り、2回戦へ進出しました。次戦では関航太郎九段と田中康湧五段の勝者と対決します。
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第49期碁聖戦本戦2回戦で、一力遼棋聖が河野臨九段に勝利し、準々決勝へ進出しました。一力棋聖は3期連続で挑戦権を得ています。今期もトーナメント戦を勝ち抜けるか、注目です。
第49期棋聖戦ファーストトーナメント2回戦で、武宮陽光六段が杉田俊太朗さんに勝利し、3回戦進出を果たしました。今期のプロアマ対決は、プロ側が意地を見せた結果となりました。
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第43期女流本因坊戦予選で、鈴木歩七段が青木喜久代八段に勝利し、通算19期目の本戦入りを果たしました。
関連棋譜:【第43期女流本因坊戦予選】鈴木歩七段 対 青木喜久代八段(白)
第49期新人王戦本戦1回戦では、初出場の徐文燕二段が張瑞傑六段に勝利し、2回戦へ進出しました。「次も頑張ります」と語る徐二段。次戦では、西健伸五段と豊田裕仁二段の勝者と対決します。
2021年4月28日
28日に行われた囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」の最終第5局は、挑戦者の許家元八段が、粘る芝野虎丸十段を振り切り、念願の初十段を奪取した。
第4局まですべて黒(先)番が勝利してきた今期の五番勝負。最終局のためあらためてニギリが行われ、黒番になった許は黒25などうまく仕掛け右上黒49と振りかわった。
芝野の右下白72が珍しい一手で、黒77を誘って激しい戦いに発展した。昼食休憩をはさみ64分の長考で芝野は白80と打ったが、左上黒85が絶妙な一手で許が優位に立つ。
各所で難解な争いがおこる中、右辺白110、112と打って芝野が盛り返すが、左下の黒125、127が許の冷静な打ちぶり。芝野は146の勝負手で黒石を取りにいくが、許が中央の黒177から上辺を取りにいき勝負を決めた。
令和の囲碁界を牽引する両棋士の大舞台での対局は、昨秋の王座戦五番勝負以来。「意識して速く打つよう心がけた」と振り返る許。一方の芝野は「シリーズを通じて全体的に勝負どころでミスが多かった。防衛できずに残念」と声を落としていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
関連棋譜:【第59期十段戦挑戦手合五番勝負第4局】【第59期十段戦挑戦手合第5局】(黒)許家元八段 対 芝野虎丸十段(白)
2021年4月20日
「大和ハウス杯第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局が20日午前10時から、東京都千代田区の日本棋院で行われ午後4時44分、芝野虎丸十段が149手までで許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイにした。最終第5局は28日に同所で打たれる。
右下黒5と芝野が愛用する一間ジマリの布石で始まった本局。許は右辺白46、48で仕掛ける。芝野が左辺に打った黒43では、中央53あたりに打てば右辺の黒地も大きくなったが、白に勝負をされるのを嫌い左辺に向かう作戦。午前中に55手まで進む速い展開となった。
許が本局最長の33分考えた右辺白58がやや疑問で、黒59から75まで、中央の白一団を取り込んだ芝野が打ちやすい展開にした。
許は白98で中央の石を補強しつつ、中央黒の攻め取りを目論むが、芝野は黒101、115など丁寧に補強。左辺の黒123も好手で、リードを広げた。
力強い打ちまわしを見せる芝野に対し、許は考慮時間を使って打開策を探るが光明が見いだせず、黒149に投了した。
対局後、芝野は「131、133と打つことができ手ごたえを感じた。大変な内容の碁が続いているが、集中して打ちたい」と意気込みを語った。一方の許は「次は泣いても笑っても最後なので、全力を尽くして挑みたい」と気持ちを切り替えていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年3月24日
「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第2局が24日午前9時半から滋賀県長浜市の「ホテル&リゾーツ長浜」で行われ午後3時52分、芝野虎丸十段が157手までで、挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。持ち時間各3時間で残りは芝野十段48分、許八段が3分。第3局は4月8日、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われる。
滋賀県内では49年ぶりの十段戦開催となった本局。最新形の立ち上がりのあと、芝野が下辺黒19に打ち込み競り合いに。白32から36が許らしい力強い構想で、中央に進出。白38が手厚く許が打ちやすくした。
押されている局面で、芝野が中央左に黒57とハネ出したのが鋭く、相手に流れを渡さない。午後に入り、許の下辺白70は誤算があったようで「98の地点に打っていたほうが無難だった」と解説の結城聡九段。
黒81から「花見コウ」と呼ばれる白には難しい局面になった。このあと右下黒115から117が鋭く、芝野が勝利に近づく。持ち時間が少ない許に対し、約1時間残していた芝野が正確に読み切り、投了に追い込んだ。
対局後、芝野は「まずは1つ勝てて安心した。次も集中して打てれば」と話した。許は「(白70の場面は)黒71にハネ出され見損じに気づいた。(負けは)気にせず、全力を尽くしたい」と前向きに語った。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年3月2日
「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第1局が2日午前9時半から大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時44分、許家元八段が205手までで、防衛を目指す芝野虎丸十段に黒番中押し勝ちし、初の十段奪取へ発進した。持ち時間各3時間で、残りはともに1分。第2局は24日、滋賀県長浜市のホテル&リゾーツ長浜で行われる。
11年連続開催となった同大での開幕戦。62手まで進んだ午前中は、四隅の大場を打ちあう様子見の穏やかな展開になった。
形勢が揺れ動く中、中央白142が芝野の気迫の一着で流れを引き寄せる。
ただ、持ち時間が少なくなるなか、芝野に見損じが出る。芝野が中央に白170、172と打った局面は133の左に打ったほうがよかったよう。許が左辺黒175から181と鮮やかに決め、逆転勝ちした。
対局後、許八段は「いつもより時間の使い方を意識して戦った。第2局も厳しい戦いになると思う」、芝野十段は「最後にチャンスがあったのに逃したのが残念」と話した。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年1月21日
名人戦リーグ第2ラウンドは21日に2局打たれ、前名人の芝野虎丸王座は本木克弥八段に黒番半目負けし、開幕2連敗となった。もう1局は許家元八段が安斎伸彰七段に黒番2目半勝ちし、こちらは開幕2連勝。ともに優勝候補の「令和三羽ガラス」だが、明暗分かれる出だしとなった。
芝野―本木戦は序盤から戦いらしい戦いのないままヨセ勝負となり、勝利の女神は本木にほほ笑んだ。芝野は第1ラウンドの対許戦に続く半目負け。かつて剛腕で鳴らした本木は、自ら仕掛けない「我慢の碁」に棋風改造。その特長がよく出た一局をものにし、リーグ成績を1勝1敗の五分に戻した。
もう一局は許が安斎との難戦を制し、首位の一力遼天元に2勝0敗の同スコアで並んだ。ふたりは2月11日の第3ラウンドで直接対決する。前期も前半戦で全勝対決し、これを制した一力が最後まで優勝争いに残った。許は「全勝といってもまだ2勝だけ。先は長いが、一力さんには前期のリベンジをしたい」と話した。
許は十段戦挑戦者決定戦にも進出するなど、好調をキープ。一力もこの日あった本因坊戦リーグを勝って4勝無敗とし、単独首位に立つなど絶好調だ。ふたりの直接対決は、リーグ戦のゆくえを占うヤマ場となる。
初リーグの安斎は0勝2敗となり、芝野同様、厳しい立ち上がりとなった。
2020年12月3日
芝野虎丸王座が初防衛を果たした。3日、神奈川県秦野市「陣屋」で打たれた第68期王座戦5番勝負第4局で、挑戦者の許家元八段に308手までで黒番半目勝ち。対戦成績を3勝1敗として、タイトルを防衛した。終局は午後7時41分だった。「苦しい場面も多く、内容は良くなかったかもしれないが、粘り強く打てた」と、シリーズを振り返った。
芝野は今年6~7月の本因坊戦7番勝負に初挑戦したが、本因坊文裕に1勝4敗と敗れた。初防衛を目指した8~10月の名人戦7番勝負もやはり1勝4敗で、井山にタイトルを明け渡している。「タイトル戦で成績が良くなかった。勝てて良かった」と喜びをかみしめていた。
関連棋譜:【第68期王座戦挑戦手合第4局】(黒)芝野虎丸王座 対 許家元八段(白)
特設ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年11月17日
第68期王座戦五番勝負の第3局が17日、神戸市で行われ、挑戦者の許家元八段が293手までで、芝野虎丸王座に黒番5目半勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。第4局は12月3日に神奈川県秦野市で打たれる。
初防衛が持ち越された芝野は、「正しく打てば勝てたかもしれない。残念。次の1局に集中していけたら」と気を取り直していた。
許は、「最後の最後まで分からなかった。(終局寸前)少し残るかなと思いました。次もいい内容で打てたら」と話した。
特設ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年11月6日
6日朝から仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで打たれていた第68期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は午後6時26分、芝野虎丸王座が221手で挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちした。第1局に続く連勝で、タイトル初防衛まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち残りは王座1分、挑戦者2分。第3局は11月17日、神戸市のホテルオークラ神戸で打たれる。
芝野王座が用意した布石は20~30年前に流行した高中国流で、人工知能(AI)で研究し直して有効性を確認していた。挑戦者は上辺で地合いを稼ぎ、黒の勢力下の右辺で白60から動き出す。それに対し「右下の白石と絡めながら、手厚く冷静に攻めた芝野王座がペースを握った」と立会人の小林光一名誉棋聖ら控室のプロ棋士はみていた。
焦点は左辺に転じ、王座は黒101から中央の白石に狙いを定める。挑戦者が紛れを求めて勝負手を連発する中、王座の左上の黒159が読みの入った手だった。左上隅の白石を仕留められた挑戦者は、代償として右上の黒の大石に襲いかかるが、王座が冷静に対応した。
解説の平田智也七段は「少しでも間違えれば大逆転する緊迫した場面が続いた好勝負だったが、王座の読みが一歩上回った」と話している。
特製ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年10月23日
第68期王座戦五番勝負の第1局が23日、横浜市で行われ、 芝野虎丸王座が184手までで、挑戦者の許家元八段に白番中押し勝ちし、初防衛に向け発進した。第2局は11月6日に仙台市で打たれる。
20歳11カ月の芝野王座と22歳9カ月の許八段のシリーズは、平成26年の本因坊戦で井山裕太本因坊(当時24歳11カ月)に伊田篤史八段(同20歳1カ月)が挑んだ際の2人を足した年齢を塗り替える、七大タイトル戦史上最年少対決だ。
芝野王座はこれまでの七大タイトル戦で張栩九段、井山四冠、村川大介九段と対戦。許八段は井山四冠、羽根直樹九段と戦っており、同世代と対戦するのはともに初めて。
これまでの対戦成績は芝野王座の4勝2敗。許八段は前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていた。
芝野王座は今春の十段戦五番勝負(産経新聞社主催)を制し、史上初の“無傷の三冠”になったが続く本因坊戦と、今月14日に決着した名人戦でともに井山四冠に敗れている。これから長くしのぎをけずることになるであろう許八段が相手だけに、譲れないシリーズだ。
特製ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年10月8日
本因坊リーグの開幕戦、 芝野虎丸三冠ー佐田篤史七段は 芝野三冠が白番半目勝ちし 白星スタートを決めた。許家元八段が鶴山淳志八段に 白番半目勝ちした。 今日の2局は共に半目勝負。 リーグ開幕にふさわしい大熱戦 となった。
最終予選を突破した4人のうち3人がリーグ初参加で、リーグ8人中5人が20代というフレッシュな顔ぶれとなった。最終予選を突破した大西竜平七段、佐田篤史七段、鶴山淳志八段、黄翊祖九段に加え、前期挑戦者の芝野虎丸九段、許家元八段、一力遼八段、羽根直樹九段の計8人が総当たりで、本因坊文裕への挑戦権を争う。
2020年9月18日
第68期王座戦の挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、許家元八段が張栩九段を破り、初の王座戦五番勝負登場を決めた。初防衛を目指す芝野虎丸王座とのシリーズは、10月23日に横浜市で開幕する。
台湾出身の許八段はプロ8年目。初めて七大タイトルに挑んだ平成30年の第43期碁聖戦では、当時の井山裕太碁聖を3連勝のストレートで破り、七冠独占状態を崩した。芝野虎丸三冠や一力遼碁聖と並ぶ若手実力者だ。今期は、結城聡九段や山下敬吾九段といったタイトル獲得経験者を撃破した。
「王座戦は前期も挑戦者決定戦までいきながら、負けてしまったので、挑戦することができてうれしい」と許八段。芝野三冠には前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていた。
2020年9月9日
8日の1回戦に勝利した、一力遼八段、河野臨九段、許家元八段の2回戦が打たれ、 一力が韓国の安成浚八段に勝利し準々決勝に進出した。準々決勝は9月11日(金)11時より行われる。河野と許は惜しくも敗退となった。
対局年 | 優勝 | 結果 | 準決勝 | コミ |
---|---|---|---|---|
2016 | 唐韋星九段(中国) | 3-2 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2012 | 范廷鈺三段(中国) | 3-1 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2009 | 崔哲瀚九段(韓国) | 3-1 | 李昌鎬九段(韓国) | 8目 |
2005 | 常昊九段(中国) | 3-1 | 崔哲瀚九段(韓国) | 8目 |
2001 | 李昌鎬九段(韓国) | 3-1 | 常昊九段(中国) | 8目 |
1996 | 劉昌赫九段(韓国) | 3-1 | 依田紀基九段(日本) | 8目 |
1993 | 徐奉洙九段(韓国) | 3-2 | 大竹英雄九段(日本) | 8目 |
1989 | 曹薫鉉九段(韓国) | 3-2 | 聶衛平九段(中国) | 8目 |
2020年9月8日
第9回応氏杯1回戦は9月8日(火)に開幕した。日本からは井山裕太九段、芝野虎丸九段、一力遼八段、村川大介九段、河野臨九段、許家元八段が出場した。一力八段、河野九段、許八段は1回戦通過だが、井山九段、芝野九段、村川九段は敗退した。2回戦は明日9月9日(水)に打たれる。
対局年 | 優勝 | 結果 | 準決勝 | コミ |
---|---|---|---|---|
2016 | 唐韋星九段(中国) | 3-2 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2012 | 范廷鈺三段(中国) | 3-1 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2009 | 崔哲瀚九段(韓国) | 3-1 | 李昌鎬九段(韓国) | 8目 |
2005 | 常昊九段(中国) | 3-1 | 崔哲瀚九段(韓国) | 8目 |
2001 | 李昌鎬九段(韓国) | 3-1 | 常昊九段(中国) | 8目 |
1996 | 劉昌赫九段(韓国) | 3-1 | 依田紀基九段(日本) | 8目 |
1993 | 徐奉洙九段(韓国) | 3-2 | 大竹英雄九段(日本) | 8目 |
1989 | 曹薫鉉九段(韓国) | 3-2 | 聶衛平九段(中国) | 8目 |
2020年4月6日
第75期本因坊戦挑戦者決定プレーオフが6日、東京・市ケ谷「日本棋院」で打たれた。対局は激戦の末、午後9時57分に黒番の芝野虎丸名人が許家元八段に中押し勝ち。本因坊文裕への挑戦権を獲得した。
「序盤から判断が難しかった。負けの筋もあったが、勝てたのは運が良かった」と、ちょっぴり笑った。
芝野は本因坊戦7番勝負初登場。昨年10月、19歳11カ月で史上初の10代名人になった。同年12月には井山から王座を奪って史上最年少で2冠となった。今年は十段戦挑戦者として、村川大介十段に1勝1敗と最も勢いがある。「大変な対局になると思う。楽しんでやりたい」。
8人による挑決リーグ最終局は今月3日に行われ、芝野と許が6勝1敗で並んだ。以下、羽根直樹碁聖と一力遼八段は残留。河野臨九段、山下敬吾九段、志田達哉八段、横塚力七段は陥落となっていた。
注目の第1局は、5月12~13日、群馬県高崎市で打たれる予定。
2019年12月18日
第45期天元戦5番勝負(西日本新聞社主催)の第5局は18日午前9時から徳島市の徳島グランヴィリオホテルで打たれ、午後5時36分、井山裕太天元が挑戦者の許家元八段に234手までで白番中押し勝ちした。対戦成績3勝2敗で5連覇を達成、名誉天元の称号を得た。
2年連続でフルセットを制した井山は、天元獲得通算8期。名誉称号は本因坊、碁聖、棋聖に加えて四つ目となり、歴代単独最多となった。今年は4月に十段、11月に王座を失って五冠から三冠に後退したが、天元を防衛して踏みとどまった。
許は天元獲得の最年少記録がかかっていたが、更新はならなかった。
死闘を制し、三冠堅持-。18日の天元戦第5局は、井山が勝負強さを発揮し、許の挑戦を退けた。「最近の調子は悪くない」(井山)の言葉通り、今年最後のタイトル戦をものにした。
持ち時間各3時間のうち、残りは両者1分。終局直後、井山が「難しかった。分からなかった」と首をかしげた難解な戦い。大石の死活も絡んで、最後まで手に汗握る攻防が繰り広げられた。
右上一帯から競り合いが始まった最終局は、井山が白54(16十一)から64(16十四)と右辺に先着して有利な展開に持ち込んだ。しかし右下黒を取りにいった白106(18十五)が問題で、黒109(16十三)と切断されて中央白一団が危険になり、黒良しのムードに変わった。許は上辺白を攻めた後、中央白に襲いかかるなど懸命の攻めを見せたが、反撃に出た井山が左下黒との攻め合いに持ち込み、最後は手数が足りないと見た許が投了した。
立会人の石田芳夫二十四世本因坊は「右上は許八段が失敗した感じだったが、井山天元も右辺で打ち過ぎがあり、容易ならざる形勢になった。しかし井山天元の白148(6十)が絶妙のタイミングで盛り返し、押し切った一局」と総括した。
2019年12月9日
第45期天元戦五番勝負の第4局が9日、兵庫県洲本市で打たれ、カド番に追い込まれていた井山裕太天元が挑戦者の許家元八段に177手で黒番中押し勝ちし、シリーズ成績を2勝2敗のタイに戻した。最終第5局は18日、徳島市で打たれる。
井山は10日前に芝野虎丸名人に王座を奪われ、三冠に後退したばかり。しかし本局は序盤から優位に立ち、粘る許を寄せつけなかった。
最終局に名誉天元の資格を得る5連覇がかかる井山は「最終局までいけるのは非常にうれしい。最後なので悔いのないよう打つだけです」。敗れた許は「きょうの碁の内容はまずかった。最後は力を出し切りたい」と話した。
2019年11月22日
井山裕太天元に許家元八段が挑戦している第45期天元戦5番勝負(西日本新聞社主催)の第3局が22日、福岡県久留米市のホテルマリターレ創世久留米で打たれ、午後4時56分、黒番の許が157手で中押し勝ちした。許は通算2勝1敗でタイトル獲得まであと1勝とした。
持ち時間各3時間のうち、残りは許1分、井山2分。第4局は12月9日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジで行われる。
井山の白18(16十一)のハサミで戦いが始まり、右辺の小競り合いで井山がリード。左上の攻防では、許が地を稼いでポイントを挙げた。さらに上辺と中央の攻防で、井山が白128(10九)と打ったことで、結果的に右辺の白石が取られた。その代償として井山は左上の黒を攻めたが、許は堅実に生きを確保し、井山の投了となった。
立会人の坂口隆三・九段は「最初は白の方が面白かったが、中央の戦いで井山天元に読み違いがあったようだ。両者気迫のこもった熱戦だった」と総括した。
第3局は、ホテルマリターレ創世開業40周年記念として行われた。特別協賛は木下株式会社、協賛は日本製紙、宝酒造。
2019年10月11日
第45期天元戦5番勝負の第1局は11日、岐阜市で打たれ、挑戦者の許家元八段(21)が179手で井山裕太天元(30)に黒番中押し勝ちし、先勝した。
許八段は8月に碁聖を失って以来のタイトルを狙い、井山天元は5期連続8度目のタイトルを目指す。
第2局は21日、北海道ニセコ町で行われる。
2019年9月20日
第67期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が20日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、芝野虎丸八段(19)が午後6時4分、195手までで許家元八段(21)に黒番中押し勝ちし、井山裕太王座(30)への挑戦権を獲得した。芝野八段の王座挑戦は初めてで、王座戦では最年少の挑戦者となる。
5連覇、通算7期目を狙う井山王座との五番勝負第1局は10月25日、大阪市のウェスティンホテル大阪で打たれる。
対局後、芝野八段は「難しい対局で、勝ててよかった。(井山王座と)早くタイトル戦で戦いたかった。どれぐらい打てるか楽しみだ」と話した。
芝野八段は国内四冠をもつ井山王座を追う若手のホープだ。読みが深く、攻めと守りのバランス感覚や形勢判断に定評がある。井山王座との対戦成績は芝野八段の1勝0敗。
8月に七番勝負が始まった名人戦で七大タイトルに初挑戦し、第3局まで張栩名人(39)を2勝1敗とリードしている。
芝野八段は1999年生まれ、神奈川県出身。2014年に入段し、17年に竜星戦で優勝すると、18年の日中竜星戦で世界最強の柯潔九段を破って優勝した。19年、名人戦の挑戦権獲得により八段。
2019年9月14日
上野愛咲美(あさみ)女流棋聖(17)が14日、CS番組で生放送された第28期竜星戦決勝トーナメント準決勝で許家元(きょかげん)八段(21)に256手で白番中押し勝ちし、女性として初めて全棋士参加棋戦の決勝進出を果たしました。
これまでは昨年の第27期竜星戦での藤沢里菜女流本因坊らのベスト8が最高だったが、上野女流棋聖は今月2日に決勝トーナメント2回戦で7大タイトルホルダーの村川大介十段(28)に勝って史上初のベスト4に。今回、さらに金星を挙げて頂点に挑むことになった。
許八段は昨年の碁聖戦で井山裕太4冠(30)を3勝0敗と圧倒して碁聖位に就いたトップ中のトップ(今季失冠)だが、1手30秒未満で打つ早碁戦を制した。決勝は23日、一力遼竜星(22)と鈴木伸二七段(28)の勝者と対戦する。
上野女流棋聖は東京都出身で16年にプロ入り。18年、初タイトルの女流棋聖を獲得し、今年初防衛した。10月に5番勝負が開幕する第38期女流本因坊戦の挑戦者にも決まっている。
上野女流棋聖「夢のようです…。ずっと難しかったですけど、許先生の読みになんとかついていけたらと思いました。許先生には練習碁でもチャンスをもらったことはなかったので…。運が良かったです。研究を頑張って来たら運がついてきました。決勝戦はどちらの先生にも勝たせてもらったことがないですけど、ここまで運で頑張って来たので、このまま気楽に打てればいいと思いますし、このチャンスを大事に決勝まで頑張りたいです。早く終わらないように良い勝負が出来たら…。優勝? ないです」
許八段「はっきりと勝つチャンスはなかったと思います」
2019年8月29日
第24回三星火災杯ワールド囲碁マスターズ本戦が8月30日に韓国大田市の三星火災大田儒城研修院で開幕します。 本戦はシード13名(前回ベスト4、韓国4、日本2、中国2、主催者推薦1)と統合予選通過者19名(一般14、シニア2、女流2、ワールド1)の合計32名で争われます。
日本からは国シードで井山裕太九段と許家元八段の2名と統合予選シニア組で通過した趙善津九段の3名が出場します。対戦カードは以下:
2019年8月23日
碁聖戦五番勝負第5局が23日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、挑戦者の羽根直樹九段が許家元碁聖に白番中押し勝ちし、3勝2敗でタイトルを奪取しました。羽根の七大タイトル獲得は2011年の碁聖以来8年ぶり。
羽根は中部総本部所属。張栩名人らと「平成四天王」のひとりに数えられ、00年代に名人と並ぶタイトルの棋聖、本因坊を獲得するなど活躍しましたが、井山裕太・現四冠に碁聖を奪われた12年以降、七大タイトルから遠ざかっていました。終局後、「シリーズを通して出来不出来があったが、最後に力を出し切れてよかった」と話しました。
許は昨年、七大タイトルを独占していた井山から碁聖位を奪ったが、連覇はならなかった。
2019年8月15日
8月15日、東京都千代田区「日本棋院東京本院」で、許家元碁聖と佐田篤史四段によって行われた井山裕太天元への挑戦者を決める第45期天元戦挑戦者決定戦は、許が白番214手まで中押し勝ちし、挑戦手合出場を決めました。
第1局は10月11日、岐阜県岐阜市「都ホテル 岐阜長良川」で開幕します。
2019年6月14日
中国の団体リーグ戦・乙級リーグ、丙級リーグ、女子リーグが、6月14日に中国浙江省衢州市で開幕します。日本からは乙級リーグに、中日友好チームとして許家元八段、本木克弥八段、余正麒八段、芝野虎丸七段が参加します。
また、個人として大西竜平四段が乙級リーグの河北省チームに、牛栄子二段が女子リーグのハルピン六合中天チームに参加します。
2019年3月3日
「プロ棋士ペア碁選手権2019」(日本ペア碁協会主催)の決勝が3日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、藤沢里菜女流名人(20)・一力遼八段(21)組が、大沢奈留美四段(42)・許家元(きょ・かげん)碁聖(21)組を破り初優勝しました。藤沢・一力組は今夏に行われる世界ペア碁最強位戦に日本代表として出場します。
ペア碁選手権には16組32人が出場し、2月9日に1回戦から準決勝が行われ、両ペアとも3勝しました。相談して打つことはできないため、2人の息が合わないとうまく進めることができないところがペア碁の難しさでもあり、魅力でもあります。藤沢女流名人は「一力八段とは安心して打つことができた。優勝できてうれしい」と言い、一力八段も「ひとりで打っているときのように違和感がなかった」と笑顔を見せました。藤沢女流名人は平成29年に羽根直樹九段と組み優勝していますが、一力八段は初の優勝です。藤沢・一力組はともに10代だった27年にも組んで、そのときは1回戦で負けています。
藤沢女流名人は6日に開幕する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)で、謝依旻(しぇい・いみん)六段(29)の挑戦を受けます。ペア戦での優勝を弾みに、女流名人3連覇を目指します。
平成9年(1997年)12月24日生。台湾出身。高林拓二七段門下。平成25年入段、26年二段、27年三段、28年四段、29年七段、30年八段。令和3年九段。
2024年12月19日
12月19日、中国海南省で行われた第15回春蘭杯世界プロ囲碁選手権大会準決勝で、日本の芝野虎丸九段は韓国の朴廷桓九段と対戦しました。激戦の末、芝野九段は中押し負けを喫し、初の決勝進出は叶いませんでした。
(勝)朴廷桓九段 vs 芝野虎丸九段(負)
(勝)楊楷文九段 vs 卞相壹九段(負)
2024年12月17日
12月17日、第15回「春蘭杯」世界プロ囲碁選手権の八強戦が中国・海南省昌江で行われました。芝野虎丸九段は丁浩九段(中国)との対局、黒番で中押し勝ちを収め、自身初となる春蘭杯ベスト4進出を果たしました。
準決勝が19日11:30に行われます。優勝賞金:15万ドル(約2300万円)
(勝)芝野虎丸九段 vs 丁浩九段(負)
(勝)卞相壹九段 vs 芈昱廷九段(負)
(勝)朴廷桓九段 vs 辜梓豪九段(負)
(勝)楊楷文九段 vs 李軒豪九段(負)
前夜祭と記者会見
【第15回春蘭杯世界囲碁選手権3回戦】(黒)芝野虎丸九段 対 丁浩九段(白)
【第15回春蘭杯世界囲碁選手権3回戦】(黒)芈昱廷九段 対 卞相壹九段(白)
2024年12月6日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第4局が12月6日、神奈川県秦野市「陣屋」で行われました。黒番を持った井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段を下しました。対戦成績を3勝1敗とし、4連覇を果たしました。今回の優勝で、井山裕太王座は通算10期のタイトルを獲得し、規定に基づき「名誉王座」の資格を得ました。
12月5日 - 対局前日に「検分」が行われました。
12月6日 10時 - 立会人の張栩九段の合図で対局が始まりました。
12時 - 昼食。井山王座:伊勢海老カレー。芝野九段:冷たい天ぷらうどん。黒番の井山王座の勝率は68%です。
13時 - 対局再開しました。
15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー。芝野九段:チョコレートケーキ。
18時5分 - 終局。芝野九段の投了で、井山王座が4連覇達成。通算10期のタイトルを獲得し、規定に基づき「名誉王座」の資格を得ました。
2024年11月28日
11月28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジにて第50期天元戦の第4局が打たれました。黒番の一力遼天元が芝野虎丸九段に中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で防衛を決めました。
11月27日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
一力天元「一進一退の攻防でどの碁も非常に難しい。毎局、新たな発見がある」、「国内で一年の締めくくりになる重要なタイトル戦。今持っている力を精いっぱい出したい」と語りました。
芝野九段は「1勝2敗で後がないですけど、やることに変わりはない。準備して集中して打てたらいい。一局一局の積み重ねでやっていくしかない」と語りました。
11月28日 8時50分 - 芝野虎丸九段が先に入室、しばらくして一力天元も入室しました。
9時 - 立会人の後藤俊午九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:かんきつ類のジュース。芝野九段:ラ・フランスのパンナコッタ と アイスティー。
12時 - 昼食。両対局者とも海鮮淡路島ぬーどるを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:「ラ・フランスのパンナコッタ」と「ホットティー」。芝野九段:「苺のショートケーキ」と「アイスティー」。
15時30分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛を果たしました。
2024年11月26日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第3局が11月26日、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われました。井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸九段に白番中押し勝ちを収めました。防衛まであと1勝となりました。
第4局は12月6日、神奈川県秦野市の「陣屋」で行われる予定です。
11月25日 - 対局前日に「検分」が行われました。
11月26日10時 - 立会人の山田規三生九段の合図で対局が始まりました。
11月26日12時 - 昼食。井山王座:ビーフと淡路島オニオンのハヤシライス、黒烏龍茶。芝野九段:鮭いくら丼、アイスココア。白番の井山王座の勝率は45%です。
11月26日13時 - 対局再開しました。
11月26日15時 - おやつ時間。井山王座:フルーツ盛り合わせとアイスコーヒー、芝野九段:レアチーズケーキとアイスココア。
11月26日17時5分 - 終局。芝野九段の投了で、井山王座がシリーズ2勝目を挙げました。
2024年11月14日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの第3日目となる14日、中国からは初日の16強戦で4名全員が勝ち残り、15日の後半戦でも2試合の中国内対決が予定されていることから、最低6枠を8強で確保する見込みです。日本勢は32強戦で一力遼九段が、16強戦で芝野虎丸九段が敗れ、今大会を終えました。
2024年11月13日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズ1回戦が12日と13日、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで開催されました。芝野虎丸九段が初戦で中国の檀嘯九段に勝利を収め、2回戦進出を果たしました。一力遼九段は中国の連笑九段と対戦し、惜しくも逆転負けを喫しました。
一力遼九段 vs 連笑九段 (負)
檀嘯九段 vs 芝野虎丸九段 (負)
王星昊九段 vs 申眞諝九段 (負)
辜梓豪九段 vs 崔精九段 (負)
金恩持九段 vs 謝爾豪九段 (勝)
安正己八段 vs 陳正勲八段 (勝)
謝科九段 vs 劉昌赫九段 (勝)
崔明勲九段 vs 李軒豪九段 (負)
許嘉陽九段 vs 許皓鋐九段 (勝)
范胤八段 vs ポングスカーン (勝)
卞相壹九段 vs 柯潔九段 (負)
朴廷桓九段 vs 党毅飛九段 (負)
韓一洲八段 vs 申旻埈九段 (負)
姜東潤九段 vs 丁浩九段 (勝)
金明訓九段 vs 陳賢八段 (負)
偰玹準九段 vs 金禹丞八段 (負)
2024年11月11日
11日午後、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで、2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの抽選会が開催されました。本大会には韓国から12名、中国16名、日本2名、台湾1名、タイ1名が参加し、日本の一力遼九段は連笑九段、芝野虎丸九段は檀嘯九段と対戦することが決まりました。
日本代表の一力遼九段は、「応氏杯優勝が自信につながり、日本囲碁界もさらに活気づいている」と話し、意欲を見せました。抽選会は出場選手が多い国順に進行され、各国間での対戦を考慮して準決勝まで同国対決を極力避けるように配慮されました。
1回戦は正午に開始され、決勝まで休息日なしで進行します。また、準決勝までの各ラウンドは対局を2日間に分けて実施し、視聴者に多くの解説を届けるため、配信にも工夫が凝らされます。
2024年10月31日
第49期名人戦七番勝負の第6局が千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行われました。挑戦者の一力遼棋聖が芝野虎丸名人に勝利し、シリーズ4勝2敗で念願の名人位を獲得しました。
10月30日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は33%です。
10月31日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2024年10月30日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が、10月30日に千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝2敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。手番だった芝野名人が99手目を封じ、1日目を終えました。
2024年10月26日
2024「三星杯」世界囲碁マスターズが11月12日より開催される予定です。日本から一力遼九段と芝野虎丸九段が出場します。優勝賞金は3億韓ウォンです。
今大会の32強戦はトーナメント方式で行われ、決勝戦は3番勝負で決着がつく予定です。大会前日の11日には、囲碁ファン60名が招かれる対局抽選会も行われ、ファンと世界の囲碁スターが交流する貴重な機会となります。
2024年10月25日
第72期王座戦挑戦手合五番勝負の第2局が行われ、井山裕太王座が挑戦者の芝野虎丸名人に黒番中押し勝ちを収めました。対戦成績は1勝1敗のタイとなり、シリーズは振り出しに戻りました。
舞台となっている「蒲郡の銀波荘」の対局室からは、美しい海が眺められる絶好のロケーションが広がっています。対局者の井山裕太王座や芝野虎丸名人も、落ち着いた環境で集中しやすく、良い雰囲気の中で戦いに臨めると好評です。
第3局は11月26日、兵庫県神戸市の「ホテルオークラ神戸」で行われる予定です。
10月25日13時 - 対局再開しました。
10月25日15時 - おやつ時間。井山王座:銀波荘さんのフルーツ盛り合わせ 芝野名人:蒲郡市内にある洋菓子店ガトウ福寿軒さんのチーズケーキ。
2024年10月23日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が行われ、芝野虎丸名人が挑戦者の一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収めました。シリーズは一力棋聖の3勝、芝野名人の2勝となり、芝野名人が後のない状況で勝利を挙げ、シリーズを第6局に持ち越しました。
第6局は、10月30日と31日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行わる予定です。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
10月23日 13:00 - 対局が再開されました。
10月23日 15:00 - おやつ時間。両者とも「フルーツ盛り合わせ」を選びました。飲み物は、芝野名人:桃ジュース。一力棋聖:アイスコーヒー。
2024年10月22日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が、10月22日に神奈川県箱根町のホテル花月園で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝1敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
2024年10月21日
第49期棋聖戦挑戦者決定トーナメントが10月20日に行われ、山下敬吾九段が先番を握り、217手までで中押し勝ちを収めました。
山下九段は挑戦者決定戦最後のステージに進出し、10月28日に井山裕太王座との対戦です。決勝は変則三番勝負で、Sリーグ優勝者である井山王座には1勝のアドバンテージが与えられています。
名人戦や王座戦、天元戦と忙しいスケジュールの中で戦う芝野名人にとって、重要な関門となる一局でした。対局では中盤まで芝野名人が優勢に進め、終盤に向けて勝利が見えた瞬間もありました。しかし、ヨセの段階で痛恨の見損じがあり、その後山下九段に逆転されてしまいました。名人戦第4局での敗北後、王座戦や天元戦での勝利が続いた芝野名人でしたが、3連勝とはなりませんでした。
2024年10月18日
第50期天元戦五番勝負の第2局が10月18日、北海道札幌市の京王プラザホテル札幌で行われました。対局は、2連覇を狙う一力遼天元(27)と、天元初挑戦の芝野虎丸名人(24)の間で繰り広げられ、白番を握った芝野名人が178手で勝利を収めました。この結果、シリーズの対戦成績は1勝1敗となりました。
第3局は、11月9日に福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」で開催されます。
【第50期天元戦挑戦手合第2局】(黒)一力遼天元 対 芝野虎丸名人(白)
2024年10月16日
第72期囲碁王座戦五番勝負の第1局が、10月16日東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われました。井山裕太王座と芝野虎丸名人の対局は、序盤から井山王座が優勢に進めていたものの、中盤以降に芝野名人が逆転し、黒番中押し勝ちで勝利を収めました。
井山王座は昨年、3連覇を果たし通算9期の王座を獲得しました。名誉王座の資格獲得には通算10期が必要で、あと1期に迫っています。一方、芝野名人は5年前の五番勝負で井山王座に勝利し、井山の5連覇による名誉王座の達成を阻んだ実力者です。
第2局は10月25日、愛知県蒲郡市の「銀波荘」で行われる予定です。
2024年10月11日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が、10月10日、大阪府守口市にあるホテルアゴーラ大阪守口で開始されました。この対局は、名人位を防衛する芝野虎丸名人と、初の名人位を目指す挑戦者一力遼棋聖との緊張感あふれる一戦です。
開幕から一力棋聖が2連勝し、芝野名人が第3局で1勝を返して迎えた今回の第4局。名人戦の行方を左右する重要なラウンドです。芝野名人がタイに持ち込むのか、それとも一力棋聖が名人位に王手をかけるか、囲碁ファンの期待が高まっています。
10月10日 13:00 - 対局が再開されます。
10月10日 15:00 - おやつが運ばれます。芝野名人:プレミアムモンブラン。一力棋聖:苺のフレジェ。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は13%です。
2024年10月7日
10月7日に行われた第50期天元戦五番勝負の第1局は、阿含・桐山杯決勝に続き、またしても一力遼棋聖と芝野虎丸名人の間で緊迫した半目勝負となりました。今回も一力棋聖がわずかな差で芝野名人を退け、289手で勝利を収めました。
注目の一戦となる第50期天元戦五番勝負の第1局が愛知県名古屋市の「文化のみち橦木館」で行われました。対戦は天元保持者の一力遼棋聖と、名人位を保持する芝野虎丸名人によるものでした。両者は、9月25日に開催された第31期阿含・桐山杯決勝でも対戦し、こちらでも一力棋聖が半目で勝利しています。そのため、2回連続で半目勝負という稀に見る接戦が繰り広げられ、両者の実力が非常に拮抗していることが改めて証明されました。
第2局は、10月18日に北海道札幌市の「京王プラザホテル札幌」で開催されます。
【第50期天元戦挑戦手合第1局】(黒)芝野虎丸名人 対 一力遼天元(白)
2024年9月25日
9月25日、第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦の決勝戦が京都府京都市山科区の「阿含宗本山総本殿 蝸牛庵」で行われました。一力遼桐山杯が白番半目勝ちで芝野虎丸名人を下し、2連覇を達成し、通算で3度目の優勝を果たしました。
両者は序盤から鋭い攻防を展開しました。互いにスピード感のある手を打ち合い、次第に盤面は激しさを増していきました。終盤段階では、左下での劫争が非常に激しくなり、対局の行方はまったく予測がつかない状況になりました。劫争を繰り返す中で、形勢は何度も逆転し、最後に勝負を決めたのは一力桐山杯の冷静な読みでした。
プロとアマが対戦する唯一のオープン戦として、1994年にアコム杯全日本早碁オープン戦が創設され、1999年第6期より阿含・桐山杯となります。
2024年9月18日
第49期名人戦挑戦手合第3局が三重県鳥羽市の「戸田家」で行われ、芝野虎丸名人が白番で挑戦者の一力遼棋聖を204手で中押し勝ちし、シリーズ初勝利を飾りました。これで芝野名人は1勝2敗とし、巻き返しを図っています。
対局場所となった「戸田家」は、一力挑戦者にとって過去に良い思い出のある場所です。昨年の本因坊戦七番勝負第7局では、井山裕太本因坊(当時)との大一番を制して4勝3敗で自身初の本因坊を獲得しました。また、今年5月には余正麒八段を相手にした本因坊戦五番勝負第3局にも勝利し、3連勝で初防衛を果たしています。
前日の取材で一力棋聖は、「戸田家さんは本因坊戦の獲得と防衛を決めたゲンのいい場所です。いいイメージを持って対局に臨めます。今日はおいしい食事と温泉でリフレッシュして、明日からの対局に備えます」と笑顔で語っていました。
一方、芝野名人にとっても「戸田家」での対局は今回で5回目となります。初対局は2020年の本因坊戦七番勝負第5局で、井山裕太現三冠に3連敗を喫しましたが、2022年の名人戦七番勝負第2局では井山名人(当時)に勝利し、名人位奪還のきっかけとなりました。
芝野名人は前日の取材で「戸田家さんには何度か来ていますが、自分の場合、対局場所と内容が結びつかないんです。でも、景色が良く、ゆっくり過ごせるので気に入っています」と自然体の笑顔を見せていました。
名人戦第3局は、一力挑戦者の大石をめぐる複雑な攻防となり、両者のシノギ勝負が繰り広げられました。芝野名人は壮絶な読み合いを制し、最後には挑戦者のコウでの粘りを振り切って勝利を収めました。これにより、シリーズは1勝2敗となり、無敗で勢いに乗る一力棋聖に初めて土をつけ、流れを引き戻しました。
2024年9月13日
第49期棋聖戦Sリーグは、9月12日に井山裕太王座が芝野虎丸名人を相手に先番で2目半勝ちを収め、Sリーグの優勝者として挑戦者決定トーナメントへの進出を決定しました。
この対局は午後10時22分に終局を迎え、大一番にふさわしい大熱戦となりました。井山王座は序盤から積極的な展開を見せ、芝野虎丸名人にプレッシャーをかけ続けました。中盤に入ると芝野名人も反撃を開始し、一時は均衡した展開となりましたが、終盤で井山王座が冷静に形勢を立て直し、最終的に2目半の差で勝利を手にしました。
今回の勝利で井山王座はSリーグの1位に輝きました。芝野名人もSリーグ2位となり、両者ともに次の挑戦者決定トーナメントへ進むことが決まりました。これにより、井山裕太王座と芝野虎丸名人の再戦の可能性が高まり、今後の対局も注目されることになります。
2024年9月5日
第49期名人戦挑戦手合七番勝負の第2局が9月5日、宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われました。芝野虎丸名人と一力遼棋聖の対局は、4日から始まった2日制の対局となり、5日午後7時12分、292手で一力棋聖が1目半の白番勝ちを収めました。
対局は両者ともに細かい形勢判断と巧妙な手順で進み、終局まで緊張感のある戦いが続きました。最終的に一力棋聖が芝野名人に1目半差で勝利し、これで名人戦七番勝負を2勝とリードしました。次の第3局は9月17日、18日に三重県鳥羽市「戸田家」で行われる予定であり、一力棋聖が3連勝を達成するのか、それとも芝野名人が反撃に出るかが注目されます。
一力棋聖は、3年前の第46期名人戦でも名人位に挑戦し、井山裕太名人(当時)をあと一歩まで追い詰めながら、惜しくも連敗して奪取に至りませんでした。今回は、そのリベンジを果たすべく、挑戦手合いでの優勢を維持しています。
2024年9月3日
第50期天元戦挑戦者決定戦が2日、東京・市ケ谷にある日本棋院東京本院で行われ、芝野虎丸名人が許家元九段を下し、一力遼天元への初挑戦権を獲得しました。対局は午後3時59分、190手で芝野名人が白番中押し勝ちを収めました。
芝野名人と一力天元は、すでに名人戦や王座戦で対戦しており、今回の天元戦が3つ目のタイトル戦での顔合わせとなります。特に、8月30日に行われた第72期王座戦挑戦者決定戦では、芝野名人が一力天元に勝利し、井山裕太王座(35)への挑戦権を獲得したばかりです。さらに、今月25日には京都市で第31期阿含・桐山杯決勝で再び対戦する予定です。
天元戦五番勝負は10月7日に開幕し、全国各地を巡って行われます。第1局は名古屋市の文化のみち橦木館で開催され、その後、札幌市、福岡県久留米市、兵庫県洲本市、徳島市での対局が予定されています。
2024年8月30日
第72期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が8月30日、東京・市ケ谷の日本棋院で行われました。午後4時3分、芝野虎丸名人が188手で一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収め、井山裕太王座への挑戦権を獲得しました。
芝野名人と井山王座の五番勝負第1局は、10月16日に東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われます。芝野名人は、これまでのトーナメント戦で苦しい局面も多かったと語り、「挑戦まで来られてよかった。挑戦手合いでも全力を出し切りたい」と、意気込みを見せました。
芝野名人は、鋭い攻めと冷静な形勢判断を兼ね備えた棋風で知られています。2019年には七大タイトル史上最年少の19歳11カ月で名人位を獲得し、同年には井山王座から王座のタイトルを奪取しました。翌年には王座初防衛を果たしましたが、2021年の五番勝負で井山王座にタイトルを奪還されました。井山王座との対戦成績は25勝31敗で、今年6月から7月にかけての碁聖戦では3連敗を喫しており、今回の対決でリベンジを果たすことを目指します。
2024年8月28日
8月27日から28日にかけて、神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」で行われた第49期名人戦第1局で、一力遼棋聖が芝野虎丸名人に対し、199手まで黒番で中押し勝ちを収めました。第2局は9月4日宮崎県高原町「極楽温泉匠の宿」で行われます。
初日の27日、白番の芝野虎丸名人は116手目を封じて打ち掛けとしました。両者の消費時間は、一力棋聖が3時間43分、芝野名人が3時間49分でした。28日の午前9時に封じ手が開封され、対局が再開されました。立会人には石田秀芳二十四世本因坊が務め、対局は16時42分に終局しました。
終局後、芝野名人と一力棋聖は大盤解説会に登場しました。先勝した一力棋聖は、「序盤から攻めに行くことができ、まずまずの内容でした」と語りました。一方、敗北した芝野名人は「序盤から白地を削られるような展開が続き、厳しい戦いとなりました」と、1日目からの苦しい展開を振り返りました。
一力棋聖は「次も熱戦をお届けできるよう全力を尽くします」と意気込みを見せました。芝野名人も「本局の結果は残念ですが、次局で挽回できるよう頑張りたい」と力強く語りました。
2024年8月27日
第49期囲碁名人戦七番勝負が8月27日、神奈川県相模原市で幕を開けました。この対局は芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する形で進行します。今回の舞台となる相模原市は、芝野名人が約20年間住んでいた場所であり、彼にとって特別な意味を持つ地です。対局が行われる「杜のホールはしもと」は、2001年に開館し、普段は市民が音楽や演劇を楽しむ場として親しまれています。
対局に先立ち、前夜祭が相模原市緑区の老舗日本料理店「小田原屋」で行われました。前夜祭には関係者約40人が集まり、日本棋院の武宮陽光理事長があいさつに立ちました。武宮理事長は、自身の祖父が市内で開業医をしていた際に近くの碁会所に通っていたというエピソードを披露し、「芝野名人は相模原が生んだスター。この対局はまさに頂上決戦だ」と期待を寄せました。
前夜祭には腎臓がんの手術を終えたばかりでこの日退院した本村賢太郎市長も出席しました。市長は「市制70周年を迎える中で、囲碁界を牽引する二人をここに迎えられて非常に嬉しい。素晴らしい一局が見られるとワクワクしている」と語り、地元の名士としての誇りを感じさせました。
さらに、市から芝野名人と一力棋聖に対して「勝風」と書かれた相模の大凧など、地元の名産品が贈られました。この贈り物には、両者に「勝利の風」が吹くようにとの願いが込められています。名人戦の結果がどうなるか、地元住民のみならず全国の囲碁ファンが注目しています。
2024年8月20日
第49期棋聖戦Sリーグの重要な一戦が8月19日に行われ、芝野虎丸名人が孫喆七段に対し、白番中押しで勝利を収めました。この勝利により、芝野名人はリーグ唯一の全勝キープ、挑戦者決定トーナメントへの進出に確定しました。
この対局は、両者にとってリーグの行方を大きく左右する重要な戦いでした。芝野名人は既に3勝0敗でリーグのトップを走り続けており、一方の孫喆七段も2勝1敗で追いかける状況でした。この勝利により、芝野名人はリーグ戦で無傷の4連勝を記録しました。Sリーグ2位以上での枠抜けが確定しました。
次局では、芝野名人が井山裕太王座と対戦することが決まっており、全勝優勝を狙います。一方、孫喆七段は次に許家元九段との対局、両者に対してリーグ残留に関わる一戦です。
2024年7月22日
22日、第49期名人戦リーグ最終ラウンドが行われ、一力遼九段が黒番中押しで富士田明彦七段を破り、8戦全勝でリーグ1位となり、在位名人の芝野虎丸九段への挑戦権を獲得しました。
一力さんにとって名人戦七番勝負の決勝に進出するのは2回目のことです。これまで名人戦のタイトルを獲得したことがない一力さんにとって、再びチャンピオンシップに挑戦する機会です。
在位名人の芝野虎丸九段は、既に名人戦2連覇を果たしています。過去5年間、芝野さんは3度の名人戦優勝を果たし、井山さんは2度の優勝を遂げています。一力さんは名人戦で一度もタイトルを獲得したことがなく、決勝進出は2021年の第46期名人戦のみで、その時は井山さんに3対4で敗れ、挑戦に失敗しました。
名人戦と応氏杯のスケジュール衝突:一力さんは「幸福な悩み」に直面することになりそうです。名人戦決勝第5局の日程と応氏杯決勝第3局の日程が重なっているのです。
応氏杯五番勝負の後ろの3局:
10月24日、26日、28日
名人戦決勝第5局:
10月22日~23日
4つの日程衝突の解決可能案、あなたの予想は?
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関連棋譜:
【第49期名人戦リーグ】(黒)一力遼棋聖 対 富士田明彦七段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)余正麒八段 対 山下敬吾九段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)井山裕太王座 対 関航太郎九段(白)
【第49期名人戦リーグ】(黒)張栩九段 対 志田達哉八段(白)
2024年7月19日
7月19日、東京の日本棋院で「碁聖戦」第3局が行われ、井山裕太三冠が挑戦者の芝野虎丸名人に勝利しました。これにより、井山三冠は「碁聖戦」を4連覇し、七大タイトルを含む全てのタイトルの通算獲得数が「76」となり、趙治勲名誉名人の持つ歴代最多記録に並びました。
五番勝負の「碁聖戦」で、井山三冠は既に2勝を上げており、タイトル防衛にあと1勝と迫っていました。第3局は19日の午後、日本棋院で行われ、黒番の井山三冠が終盤で粘る芝野名人を振り切り、午後7時46分、287手までの激闘を制しました。これで井山三冠は3勝負けなしでタイトル防衛を決め、「碁聖戦」を4連覇しました。
試合後、井山三冠はインタビューで「自分なりに力を出し切れたかなと思い、防衛できてうれしいです。趙先生の記録ははるか先だと思っていたので、並べたことは感慨深いです」と語りました。
一方、敗れた芝野名人は「第3局も含めてミスが出てしまった。結果はしかたがないかなと思う」と悔しさをにじませました。
特設ページ:
第49期碁聖戦挑戦手合五番勝負
2024年5月7日
井山裕太碁聖への挑戦をめざす第49期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)本戦はいよいよ準決勝戦。今期のベスト4は非常に新鮮で、楽しみな顔合わせ。5月6日には芝野虎丸名人―酒井佑規五段戦が日本棋院東京本院で行われた。
芝野虎丸名人(24)が酒井佑規五段(20)を破り、挑戦者決定戦となる決勝に進出した。芝野名人は初の碁聖戦5番勝負出場にあと1勝と迫った。
もう一方の準決勝は、安達利昌七段(33)―福岡航太朗五段(18)のカード。9日に打たれ、その勝者が芝野名人と決勝を争う。
2024年4月18日
第79期本因坊戦本戦トーナメントの挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、余正麒八段(28歳)が芝野虎丸名人(24歳、十段)に238手で白番中押し勝ちし、一力遼本因坊(26歳)への挑戦権を獲得しました。余八段は初挑戦であり、関西棋院所属棋士としては故・半田道玄九段以来62期ぶりの挑戦となります。
終局後、余八段は「本因坊戦は昔から憧れていた棋戦です。挑戦できてうれしいです。一力さんは本当に強いですが、自分なりに精いっぱい頑張りたいと思います」と語りました。余八段は本戦トーナメントから参加し、結城聡九段と小池芳弘七段、井山裕太王座を破って挑戦者決定戦に進出しました。
対局は午前10時に開始され、ニギリの結果、芝野名人の黒番となりました。序盤から余八段がリードを奪い、中盤以降も隙のない打ち回しを見せて快勝しました。余八段は台湾出身で、2009年にプロ入りし、13年に当時史上最年少の18歳2カ月で第69期本因坊戦リーグ入りを果たしました。7大タイトル戦番勝負には、王座戦と十段戦に計5回出場していますが、いずれも敗退しています。
今期本因坊戦五番勝負は5月14日に東京都台東区の東京国立博物館で開幕する予定です。
2024年3月20日
第15回春蘭杯世界囲碁選手権が3月19日に中国福建省の「武夷山悦華酒店」で開幕しました。日本からは、一力遼九段、芝野虎丸九段、井山裕太九段、許家元九段、広瀬優一七段が出場し、1回戦の対局結果では、一力、芝野、許が2回戦進出を決めました。2回戦は3月21日(木)11時30分から行われます。
【1回戦 結果】(左が勝者、△が先番)
一力遼九段 vs △Alexander Qi初段(アメリカ)
芝野虎丸九段 vs △申旻埈九段(韓国)
△羋昱廷九段(中国)vs 井山裕太九段
△許家元九段 vs Jan Simara初段(欧州)
李維清九段(中国) vs △広瀬優一七段
【2回戦】
一力遼九段 vs 李軒豪九段(中国)
芝野虎丸九段 vs 楊鼎新九段(中国)
許家元九段 vs 丁浩九段(中国)
関連棋譜:
【第15回春蘭杯1回戦】芈昱廷九段 対 井山裕太九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】申旻埈九段 対 芝野虎丸九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】Alexander初段 対 一力遼九段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】広瀬優一七段 対 李維清八段(白)
【第15回春蘭杯1回戦】許家元九段 対 Simaraアマ(白)
2024年3月18日
大和ハウス杯 第62期十段戦が、囲碁のタイトル戦として開幕しました。この五番勝負の第1局は、2月27日に大阪商業大学で行われました。
対局前には、特別協賛企業である大和ハウス工業の芳井敬一社長と、囲碁棋士の芝野虎丸十段が記念対談を行いました。この対談では、十段戦に対する意気込みや囲碁の楽しみ、魅力について語られました。
芳井社長は、創業者の言葉を引用して「文化を力強くサポートすること、継続は力なり」と述べました。勝つことも大切ですが、負けてもあきらめずに戻ってくることの大切さを強調しました。
芝野十段は、自身の棋士としての経験を共有しました。彼は一時期、勉強量が減り、集中力が落ちたことを悔やんでいますが、無冠になって気持ちを切り替え、次は絶対に勝つという思いで戦っています。
芳井社長は、リセットするために持ち物を変えることを実践しており、好きなものに囲まれて気分を変えることで新しい気持ちになれると語りました。
芝野十段は、囲碁を始めたのは幼稚園の頃で、家族と一緒にルールを覚えたことから囲碁に親しんできました。彼は囲碁の魅力を「盤の上に何もない状態から始めるボードゲームで、自由度が高い」と語りました。
この十段戦は、思い入れの深い棋戦であり、短期決戦ながら一手に集中して戦いたいという芝野十段の抱負が込められています。芳井社長は笑顔で戦いを楽しむことを願っており、来年も再会できることを期待しています。
囲碁の世界では、将棋と同様に「観る将」など楽しみ方が広がっており、自分は打たないけれどお気に入りの棋士を応援する「推し活」も増えているそうです。楽しみ方はますます広がっているようですね。