2024年3月10日
NHK杯テレビ囲碁トーナメントは、日本囲碁界のトップ棋士50人によって行われるテレビ棋戦で、半世紀以上の歴史を誇ります。一手30秒の早打ちで行われる対局は、棋士たちの真剣な表情と緊迫した勝負のだいご味を、全国の囲碁ファンに伝えています。今年度で71回目の開催となりました。
決勝戦では、序列1位の一力遼棋聖(26歳)と同2位の芝野虎丸名人(24歳)が激突しました。序盤から読み比べの難戦を展開し、形勢は二転三転する緊迫した戦いが続きました。先の見えない戦いが終盤まで続いたが、一力がわずかに抜け出し、4度目の優勝を飾りました。初優勝を目指した芝野はあと一歩届かず、涙を飲みました。
2024年2月27日
産経新聞社が主催する囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」の第1局が27日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われました。芝野虎丸十段(24歳)は160手までで、挑戦者である碁聖の井山裕太王座(34歳)に白番中押しで勝利し、タイトル初防衛に向けて好発進しました。第2局は3月25日に東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われる予定です。
芝野虎丸十段は、20代でありながら、既に名人・十段の座についています。彼は囲碁界での才能を証明し、今回のタイトル戦で初防衛を目指しています。
一方、井山裕太王座は6期ぶりのタイトル奪還を狙っており、芝野十段との対戦は注目されています。
特設ページ: 第62期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年12月9日
9日朝から甲府市の常磐ホテルで打たれていた第69期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第5局は午後5時9分、挑戦者の井山裕太四冠が161手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝2敗で3期ぶりの王座に復位した。王座通算7期目。井山新王座は2年7カ月ぶりに五冠に返り咲いた。
対局後、井山新王座は「一時、三冠に後退したときは、再びタイトルを増やすのは難しいと思っていた。五冠に戻せてうれしい」と話した。井山新王座の通算タイトル獲得数は67になった。
この日の対局は、黒13まで第1局と同じ進行だった。序盤は中央を重視する芝野王座に対し、挑戦者が足早に地を稼ぐ展開になった。挑戦者が上辺黒57から白を分断する戦いを仕掛けると、王座は左上の白石を114、116と手堅く補強し、中央の黒の一団に圧力をかける作戦に出た。拮抗した攻防が続き、「半目を争うヨセ勝負になる」と立会人の三村智保九段ら検討陣はみていた。
形勢が急転したのは、王座が白150、152と中央の黒に迫った場面だ。「王座は黒の大石を厳しく攻めてポイントを挙げようとしたが失敗し、逆に地合いで大差をつけられた」と解説の鶴山淳志八段。「両者が持ち味を発揮し、手に汗を握る好局だった」と話した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年12月3日
3日朝から神奈川県秦野市の陣屋で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第4局は午後6時17分、芝野虎丸王座が205手で挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。対戦成績は2勝2敗のタイとなった。勝者がタイトルを手にする第5局は12月9日、甲府市の常磐ホテルで打たれる。
序盤は芝野王座が下辺にスケールの大きな黒模様を張って始まった。左辺に焦点が移ったあと、王座は上辺で黒6子を捨て石にして戦果を上げる作戦に出たが、挑戦者は周りの白石を62から70で安定させることに成功。「白に不満なし」と石田芳夫二十四世本因坊ら検討陣はみていた。
王座は黒81、83から下辺の白の一団の攻めに転じる。「厳しい攻めで白に窮屈な生き方を強要できた上、黒125まで右辺を大きくまとめて黒が主導権を奪い返した」と解説の山下敬吾九段。さらに中央黒131が白の薄みを突く厳しい手だった。黒157まで中央左上の白5子を制して優勢を築き、最後は粘る挑戦者を冷静に振り切った。
山下九段は「中盤まで井山四冠の流れだったにもかかわらず、落ち着いて機をうかがった芝野王座の粘り強さが光った一局だった」と話した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年11月19日
19日朝から新潟県南魚沼市のryugonで打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第3局は午後6時30分、183手で挑戦者の井山裕太四冠が芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちした。対戦成績は井山四冠の2勝1敗となり、3期ぶりの王座復位に王手をかけた。
持ち時間各3時間のうち、残りは両者ともに1分だった。第4局は12月3日、神奈川県秦野市の陣屋で打たれる。
序盤は両者とも模様を志向して始まったが、互いに相手の注文を外すような神経戦に入った。ほぼ互角の戦いが続いていた中盤、挑戦者の井山四冠が黒101と上辺の白の勢力に深く踏み込んだ。芝野王座も真っ向から迎え撃ち、中央から上辺一帯でいくつもの大石の生死をかけた「めったに見ることのない、極めて難解な攻め合い」(解説の張栩九段)に突入した。
読み勝っていたのは挑戦者だった。上辺で黒155から白に負担の重いコウになり、挑戦者が白の大石を取った。王座は見返りに中央の黒の一団に襲いかかる粘りを見せたが、最後は井山四冠が最強手で応じて振り切った。
立会人の王銘琬九段は「2人とも碁盤全体に目配りして局面を広く使っていた。複雑ながら拮抗した時間が長く続いた名勝負だった」とたたえた。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年11月12日
12日朝から神戸市のホテルオークラ神戸で打たれていた第69期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は、午後6時39分、201手で芝野虎丸王座が挑戦者の井山裕太四冠に黒番中押し勝ちした。3連覇をめざす芝野王座が対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
持ち時間各3時間のうち、残りは芝野王座が1分、井山四冠が2分だった。第3局は11月19日、新潟県南魚沼市のryugonで打たれる。
互いに模様を志向する序盤戦で始まったが、上辺から主導権争いに入る。攻防中の55手目、芝野王座は持ち時間3時間のなか1手に1時間50分をかける大長考をする場面もあった。
右上での大きなコウの可能性をにらみつつ、焦点は左辺に転じた。芝野王座は中央で黒105、107と壁を築いてから左辺109と切って白を攻める。
戦いの過程で挑戦者は中央の黒石を制したが「黒は代償に下辺を大きくのみ込んで、地合いではっきりリードした」との見方が立会人の山田規三生九段ら検討陣に広がった。挑戦者は下辺に侵攻して粘ったが、最後は王座が押し切った。
解説の村川大介九段は「早い段階で秒読みに入った芝野王座だが、井山四冠の粘りにも正確に対応した。近年まれに見る熱戦だった」と評した。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年10月29日
第69期王座戦5番勝負の第1局は29日、横浜市で打たれ、挑戦者の井山裕太四冠が205手で芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、先勝した。
井山四冠は3期ぶり7度目の王座獲得を目指し、芝野王座は3連覇が懸かる。
第2局は11月12日に神戸市で行われる。
特設ページ: 第69期王座戦挑戦手合五番勝負
2021年9月9日
第47期天元戦の挑戦者決定戦が9日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、関航太郎四段が芝野虎丸王座を破り、初の五番勝負進出を決めた。関四段は今期、横塚力七段や大西竜平七段、李沂修八段や本木克弥八段を下してきた。
昨年の新人王戦決勝三番勝負で優勝している関四段は、七大タイトルに挑戦するのは初めて。「トップ棋士相手に、どれだけ戦えるか楽しみ。しっかり準備して臨みたい」と語った。
プロ入り4年6カ月での挑戦は、芝野王座の4年11カ月を上回り史上最速。七大タイトル挑戦の規定により、10日付で七段に昇段。
初防衛を目指す一力遼天元とのシリーズは10月5日に開幕する。七大タイトルの開幕局を10代(19歳10カ月)で迎えるのは井山裕太四冠(平成20年の名人戦を19歳3カ月)、一力天元(平成28年の天元戦を19歳4カ月)、芝野王座(令和元年の名人戦を19歳9カ月)に続いて4人目。
2021年9月11日
第76期本因坊戦7番勝負を制し、10連覇を達成した本因坊文裕(井山裕太九段)の就位式が10日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で行われた。今期は開幕局を制した後、挑戦者の芝野虎丸王座に3連敗した。かど番に追い込まれながら、第5局から3連勝の大逆転劇。1989年の第44期から10連覇を果たした25世本因坊治勲(趙治勲九段)の大記録に肩を並べた。
文裕は、「第5局から気持ちを入れ替えて、内容的に上げていけた。下の世代が力を付けているなかで、偉大な記録にチャレンジできて忘れられないシリーズになった。来期、新たな記録にチャレンジするが、自分自身できることを精いっぱい積み重ねて、成長した姿をお見せしたい」と謝辞を述べた。
2021年6月30日
第76期本因坊戦七番勝負の第6局が6月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ井山裕太本因坊が153手までで、挑戦者の芝野虎丸王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績を3勝3敗とした。最終第7局は7月6、7日に甲府市で打たれる。
趙治勲二十五世本因坊に並ぶ史上最多の本因坊10連覇がかかる今期の七番勝負で、井山本因坊は第4局を終えた時点で1勝3敗と追い込まれた。第4局の翌日、世界のトップ棋士が参加する中国団体戦の甲級リーグで中国の強豪・謝科九段と対戦し勝利した。インターネット対局とはいえ、タイトル戦翌日に公式戦に出場する異例の対応で弾みをつけると、第5局、第6局と連勝し、対戦成績をタイに戻した。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月22日
本因坊文裕(井山裕太)に芝野虎丸王座が挑戦している、第76期本因坊戦挑戦手合7番勝負第5局(長野県松本市「松本ホテル花月」)は、218手までで井山が白番中押し勝ちした。これで対戦成績を2勝3敗とした。「どう決着するかの見通しが立たない状況で、どこまでいっても自信がなかった」と振り返った。
初戦に勝利した井山だが、第2局から3連敗。かど番に追い込まれたが、10連覇に向けて踏みとどまった。「前局までがまずすぎた。1つ返せたのは大きいが、まだまだ厳しい状況。自分なりに準備して、自分なりの碁を打ちたい」と気を引き締めた。
一方、敗れた芝野は「2日目の午前中にまずい図があった気がする。成績は気にせず、集中して打てたらいい」と話した。
井山がタイに追いついて最終第7局に望みをつなぐか、芝野がタイトルを奪取するか。第6局は29、30日、三重県鳥羽市「戸田家」で打たれる。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月11日
第76期本因坊戦7番勝負の第4局は10、11の両日、北九州市で打たれ、挑戦者の芝野虎丸王座が124手で井山裕太本因坊に白番中押し勝ちし、対戦成績を3勝1敗として奪取にあと1勝と迫った。
第5局は21、22日に長野県松本市で行われる。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年6月2日
大阪府守口市のホテル・アゴーラ大阪守口で打たれていた第76期本因坊決定戦七番勝負第3局は2日、挑戦者の芝野虎丸王座が本因坊文裕に149手で黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗としました。芝野王座が本因坊奪取に向けて一歩リードしました。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年5月12日
群馬県高崎市の「旧井上房一郎邸」で11日から打たれていた第76期本因坊戦七番勝負第1局(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催、大和証券グループ協賛、高崎市など共催)は12日午後7時4分、井山裕太本因坊が184手で挑戦者の芝野虎丸王座に白番中押し勝ちし、10連覇に向けて幸先のよいスタートを切った。持ち時間各8時間のうち残り時間は芝野1分、文裕10分。第2局は5月24、25の両日、秋田県能代市の旧料亭金勇で行われる。
1日目の序盤は早い流れとなったが、中盤に入って長考の応酬となり、右辺での激しい競り合いとなった。文裕の封じ手(78手目)は「13の十」で、黒地を減らす狙いの早生きの一手だった。文裕が白88と右上隅にツケると、芝野は1時間9分長考して黒89とカケツいだが、文裕は白102までで生きを確保した。昼食休憩後、芝野は左辺や下辺に黒105、113と勝負手を繰り出すが、文裕が冷静に対応して狙いを封じ込める。終盤、芝野は左辺で地を確保しようと粘るが、文裕が着実な打ち回しで振り切った。
解説の河野臨九段は「長い持ち時間での戦いに強い本因坊が、本局でもその力を安定して発揮した印象です。芝野王座も随所にらしさを見せ、2局目以降の戦いも楽しみになりました」と話した。
本因坊文裕の話
右上の黒地を荒らして少しいけるかなと思った。次も自分なりにしっかり準備して悔いのない戦いをしたい。
芝野虎丸王座の話
今日の碁はあまり内容がよくなかった。次に向けて気持ちを切り替えて打てたらいいかなと思う。
特設ページ:第76期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2021年4月28日
28日に行われた囲碁タイトル戦「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」の最終第5局は、挑戦者の許家元八段が、粘る芝野虎丸十段を振り切り、念願の初十段を奪取した。
第4局まですべて黒(先)番が勝利してきた今期の五番勝負。最終局のためあらためてニギリが行われ、黒番になった許は黒25などうまく仕掛け右上黒49と振りかわった。
芝野の右下白72が珍しい一手で、黒77を誘って激しい戦いに発展した。昼食休憩をはさみ64分の長考で芝野は白80と打ったが、左上黒85が絶妙な一手で許が優位に立つ。
各所で難解な争いがおこる中、右辺白110、112と打って芝野が盛り返すが、左下の黒125、127が許の冷静な打ちぶり。芝野は146の勝負手で黒石を取りにいくが、許が中央の黒177から上辺を取りにいき勝負を決めた。
令和の囲碁界を牽引する両棋士の大舞台での対局は、昨秋の王座戦五番勝負以来。「意識して速く打つよう心がけた」と振り返る許。一方の芝野は「シリーズを通じて全体的に勝負どころでミスが多かった。防衛できずに残念」と声を落としていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
関連棋譜:【第59期十段戦挑戦手合五番勝負第4局】【第59期十段戦挑戦手合第5局】(黒)許家元八段 対 芝野虎丸十段(白)
2021年4月20日
「大和ハウス杯第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局が20日午前10時から、東京都千代田区の日本棋院で行われ午後4時44分、芝野虎丸十段が149手までで許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイにした。最終第5局は28日に同所で打たれる。
右下黒5と芝野が愛用する一間ジマリの布石で始まった本局。許は右辺白46、48で仕掛ける。芝野が左辺に打った黒43では、中央53あたりに打てば右辺の黒地も大きくなったが、白に勝負をされるのを嫌い左辺に向かう作戦。午前中に55手まで進む速い展開となった。
許が本局最長の33分考えた右辺白58がやや疑問で、黒59から75まで、中央の白一団を取り込んだ芝野が打ちやすい展開にした。
許は白98で中央の石を補強しつつ、中央黒の攻め取りを目論むが、芝野は黒101、115など丁寧に補強。左辺の黒123も好手で、リードを広げた。
力強い打ちまわしを見せる芝野に対し、許は考慮時間を使って打開策を探るが光明が見いだせず、黒149に投了した。
対局後、芝野は「131、133と打つことができ手ごたえを感じた。大変な内容の碁が続いているが、集中して打ちたい」と意気込みを語った。一方の許は「次は泣いても笑っても最後なので、全力を尽くして挑みたい」と気持ちを切り替えていた。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年3月24日
「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第2局が24日午前9時半から滋賀県長浜市の「ホテル&リゾーツ長浜」で行われ午後3時52分、芝野虎丸十段が157手までで、挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。持ち時間各3時間で残りは芝野十段48分、許八段が3分。第3局は4月8日、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われる。
滋賀県内では49年ぶりの十段戦開催となった本局。最新形の立ち上がりのあと、芝野が下辺黒19に打ち込み競り合いに。白32から36が許らしい力強い構想で、中央に進出。白38が手厚く許が打ちやすくした。
押されている局面で、芝野が中央左に黒57とハネ出したのが鋭く、相手に流れを渡さない。午後に入り、許の下辺白70は誤算があったようで「98の地点に打っていたほうが無難だった」と解説の結城聡九段。
黒81から「花見コウ」と呼ばれる白には難しい局面になった。このあと右下黒115から117が鋭く、芝野が勝利に近づく。持ち時間が少ない許に対し、約1時間残していた芝野が正確に読み切り、投了に追い込んだ。
対局後、芝野は「まずは1つ勝てて安心した。次も集中して打てれば」と話した。許は「(白70の場面は)黒71にハネ出され見損じに気づいた。(負けは)気にせず、全力を尽くしたい」と前向きに語った。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年3月2日
「大和ハウス杯 第59期十段戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第1局が2日午前9時半から大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時44分、許家元八段が205手までで、防衛を目指す芝野虎丸十段に黒番中押し勝ちし、初の十段奪取へ発進した。持ち時間各3時間で、残りはともに1分。第2局は24日、滋賀県長浜市のホテル&リゾーツ長浜で行われる。
11年連続開催となった同大での開幕戦。62手まで進んだ午前中は、四隅の大場を打ちあう様子見の穏やかな展開になった。
形勢が揺れ動く中、中央白142が芝野の気迫の一着で流れを引き寄せる。
ただ、持ち時間が少なくなるなか、芝野に見損じが出る。芝野が中央に白170、172と打った局面は133の左に打ったほうがよかったよう。許が左辺黒175から181と鮮やかに決め、逆転勝ちした。
対局後、許八段は「いつもより時間の使い方を意識して戦った。第2局も厳しい戦いになると思う」、芝野十段は「最後にチャンスがあったのに逃したのが残念」と話した。
特設ページ:第59期十段戦挑戦手合五番勝負
2021年1月30日
第68期王座戦五番勝負を制した芝野虎丸王座の就位式が29日、東京都内で行われた。
昨年12月3日に決着した許家元八段とのシリーズは、2人あわせた年齢が七大タイトル戦で最も若い組み合わせだった。3勝1敗で自身初の防衛を果たした芝野王座は「激しく、複雑な内容ばかりだった。(勝利を決めた)第4局は大きな戦いのなか、半目差で勝つことができたのは運が良かった」と喜びを語った。並行して行われていた名人戦七番勝負では、昨夏の本因坊戦七番勝負に続いて井山裕太三冠に敗れているだけに「調子がよくないなか、防衛できたのはうれしい」と振り返った。
3月2日には「大和ハウス杯 第59期十段戦」(産経新聞社)が大阪府東大阪市の大阪商業大学で開幕する。対戦相手は、ふたたび許八段だ。28日に挑戦権を獲得した許八段は「芝野さんは年下だが強い相手。精いっぱい打ちたい」と話している。
芝野は「同時期に(プロを志願する)院生になって、どんどん上のクラスにあがっていく許さんは目標の存在だった。ここからさらに頑張っていきたい」と2度目の同世代対決に意気込んでいた。
2021年1月21日
名人戦リーグ第2ラウンドは21日に2局打たれ、 前名人の芝野虎丸王座は本木克弥八段に黒番半目負けし、開幕2連敗となった。もう1局は許家元八段が安斎伸彰七段に黒番2目半勝ちし、こちらは開幕2連勝。ともに優勝候補の「令和三羽ガラス」だが、明暗分かれる出だしとなった。
芝野―本木戦は序盤から戦いらしい戦いのないままヨセ勝負となり、勝利の女神は本木にほほ笑んだ。芝野は第1ラウンドの対許戦に続く半目負け。かつて剛腕で鳴らした本木は、自ら仕掛けない「我慢の碁」に棋風改造。その特長がよく出た一局をものにし、リーグ成績を1勝1敗の五分に戻した。
もう一局は許が安斎との難戦を制し、首位の一力遼天元に2勝0敗の同スコアで並んだ。ふたりは2月11日の第3ラウンドで直接対決する。前期も前半戦で全勝対決し、これを制した一力が最後まで優勝争いに残った。許は「全勝といってもまだ2勝だけ。先は長いが、一力さんには前期のリベンジをしたい」と話した。
許は十段戦挑戦者決定戦にも進出するなど、好調をキープ。一力もこの日あった本因坊戦リーグを勝って4勝無敗とし、単独首位に立つなど絶好調だ。ふたりの直接対決は、リーグ戦のゆくえを占うヤマ場となる。
初リーグの安斎は0勝2敗となり、芝野同様、厳しい立ち上がりとなった。
2020年12月3日
芝野虎丸王座が初防衛を果たした。 3日、神奈川県秦野市「陣屋」で打たれた第68期王座戦5番勝負第4局で、挑戦者の許家元八段に308手までで黒番半目勝ち。対戦成績を3勝1敗として、タイトルを防衛した。終局は午後7時41分だった。「苦しい場面も多く、内容は良くなかったかもしれないが、粘り強く打てた」と、シリーズを振り返った。
芝野は今年6~7月の本因坊戦7番勝負に初挑戦したが、本因坊文裕に1勝4敗と敗れた。初防衛を目指した8~10月の名人戦7番勝負もやはり1勝4敗で、井山にタイトルを明け渡している。「タイトル戦で成績が良くなかった。勝てて良かった」と喜びをかみしめていた。
関連棋譜:【第68期王座戦挑戦手合第4局】(黒)芝野虎丸王座 対 許家元八段(白)
特設ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年11月22日
第22回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦第7戦、230手までで芝野虎丸九段が申旻埈九段に勝利、次戦の相手は中国の唐韋星九段。選手の残り人数は日本3名、韓国2名、中国3名です。
農心辛ラーメン杯の優勝賞金は5億ウォン、3連勝すると1000万ウォンの連勝賞金(3連勝後1勝追加するたびに1000万ウォンを追加支給)。制限時間はそれぞれ1時間に秒読み1分1回です。
2020年11月17日
第68期王座戦五番勝負の第3局が17日、神戸市で行われ、挑戦者の許家元八段が293手までで、芝野虎丸王座に黒番5目半勝ちし、対戦成績を1勝2敗としました。第4局は12月3日に神奈川県秦野市で打たれます。
初防衛が持ち越された芝野は、「正しく打てば勝てたかもしれない。残念。次の1局に集中していけたら」と気を取り直していました。
許は、「最後の最後まで分からなかった。(終局寸前)少し残るかなと思いました。次もいい内容で打てたら」と話しました。
特設ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年11月6日
第68期王座戦(日本経済新聞社主催)五番勝負の第2局は6日朝から仙台市の仙台ロイヤルパークホテルで打たれ、午後6時26分に芝野虎丸王座が221手で挑戦者の許家元八段に黒番中押し勝ちしました。第1局に続く連勝で、タイトル初防衛まであと1勝としました。
持ち時間各3時間のうち残りは王座1分、挑戦者2分です。第3局は11月17日、神戸市のホテルオークラ神戸で打たれます。
芝野王座が用意した布石は20~30年前に流行した高中国流で、人工知能(AI)で研究し直して有効性を確認していました。挑戦者は上辺で地合いを稼ぎ、黒の勢力下の右辺で白60から動き出します。それに対し「右下の白石と絡めながら、手厚く冷静に攻めた芝野王座がペースを握った」と立会人の小林光一名誉棋聖ら控室のプロ棋士はみていました。
焦点は左辺に転じ、王座は黒101から中央の白石に狙いを定めます。挑戦者が紛れを求めて勝負手を連発する中、王座の左上の黒159が読みの入った手でした。左上隅の白石を仕留められた挑戦者は、代償として右上の黒の大石に襲いかかりますが、王座が冷静に対応しました。
解説の平田智也七段は「少しでも間違えれば大逆転する緊迫した場面が続いた好勝負だったが、王座の読みが一歩上回った」と話しています。
特製ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年10月23日
第68期王座戦五番勝負の第1局が23日、横浜市で行われ、芝野虎丸王座が184手までで、挑戦者の許家元八段に白番中押し勝ちし、初防衛に向け発進しました。第2局は11月6日に仙台市で打たれます。
20歳11カ月の芝野王座と22歳9カ月の許八段のシリーズは、平成26年の本因坊戦で井山裕太本因坊(当時24歳11カ月)に伊田篤史八段(同20歳1カ月)が挑んだ際の2人を足した年齢を塗り替える、七大タイトル戦史上最年少対決です。
芝野王座はこれまでの七大タイトル戦で張栩九段、井山四冠、村川大介九段と対戦。許八段は井山四冠、羽根直樹九段と戦っており、同世代と対戦するのはともに初めてです。
これまでの対戦成績は芝野王座の4勝2敗。許八段は前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていました。
芝野王座は今春の十段戦五番勝負(産経新聞社主催)を制し、史上初の“無傷の三冠”になったが続く本因坊戦と、今月14日に決着した名人戦でともに井山四冠に敗れている。これから長くしのぎをけずることになるであろう許八段が相手だけに、譲れないシリーズです。
特製ページ:第68期王座戦挑戦手合五番勝負
2020年10月19日
神奈川の文化・スポーツの発展に功績のあった個人・団体に贈られる第69回神奈川文化賞と神奈川スポーツ賞(県、神奈川新聞社主催)が16日、発表されました。今後の活躍が期待される文化賞未来賞には、囲碁棋士の芝野虎丸さんら2人が選ばれ、神奈川スポーツ賞にはフィギュアスケート選手の鍵山優真さんが選出されました。
漫画「ヒカルの碁」のファンだった父の影響で、2歳上の兄・龍之介さん(二段)とともに囲碁を始める。2014年入段。17年竜星戦で最年少優勝(17歳8カ月)、入段から2年11カ月での全員参加棋戦のタイトル獲得と七段昇段も最短記録。同年に新人王戦優勝。19年に史上初の10代名人、史上最年少で七大タイトル獲得、九段昇段、王座奪取。20年に十段を奪取し、史上最年少で3冠を達成しました。
2020年10月14日
三冠同士の頂上決戦となった第45期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局は14日午後7時26分、挑戦者の井山裕太棋聖が芝野虎丸名人に178手までで白番中押し勝ちを収め、シリーズ4勝1敗で名人位を奪取しました。
井山は棋聖、本因坊とあわせ、七大タイトルの中でも特に上位に位置づけられる三つのタイトルを独占。自身3度目の「大三冠」に返り咲きました。
名人位獲得は3期ぶり7回目。過去に3度失冠したが、2013年、17年、今回と、すべて名人復位と同時に大三冠を達成。ほかに大三冠を遂げたのは趙治勲名誉名人だけ。趙は2度達成しているが、それを上回る3度目の大三冠は、井山の驚異的な復元力を物語ります。
今期名人戦は、一昨年に七冠独占が崩れてから初めて挑戦者として臨んだタイトル戦でした。前期に史上初の10代名人になった芝野に対し、積極的な打ち回しで流れを手放さず、芝野の挑戦を受けた今夏の本因坊防衛戦に続きシリーズを制しました。
保持する七大タイトルは大三冠に天元を加えて四冠に。通算獲得数も49に伸ばし、2位の趙の42を引き離し、独走しています。
2020年10月8日
本因坊リーグの開幕戦、芝野虎丸三冠―佐田篤史七段は、芝野三冠が白番半目勝ちし、白星スタートを決めました。許家元八段が鶴山淳志八段に白番半目勝ちした。今日の2局は共に半目勝負。リーグ開幕にふさわしい大熱戦となりました。
最終予選を突破した4人のうち3人がリーグ初参加で、リーグ8人中5人が20代というフレッシュな顔ぶれとなりました。最終予選を突破した大西竜平七段、佐田篤史七段、鶴山淳志八段、黄翊祖九段に加え、前期挑戦者の芝野虎丸九段、許家元八段、一力遼八段、羽根直樹九段の計8人が総当たりで、本因坊文裕への挑戦権を争います。
2020年9月30日
第45期名人戦七番勝負の第4局が9月29、30の両日、三重県鳥羽市で行われ、挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元が145手までで、芝野虎丸名人・十段・王座に黒番中押し勝ちし、対戦成績3勝1敗で3期ぶりの名人復位にあと1勝としました。第5局は13、14日に静岡県熱海市で打たれます。
中盤早々、盤面左上一帯の黒の大模様に名人の白石が突入。この一団を巡る攻防から戦いが全局に波及しました。最後は挑戦者の大石の生死をかけた戦いに発展しましたが、挑戦者がしのぎ切り、勝負を決めました。
名人は1日目の58手目の封じ手で1時間41分の大長考を払い、白石に襲いかかる中央の黒の包囲網を破りにいったが、挑戦者の黒65が好手で、望んだ図を得られなかった。劣勢を意識した名人は、唯一の攻撃目標である中央の黒の一団に脅しをかけたが、挑戦者は大胆に無視し、黒89と左辺の白二子をちぎり取り、陣地の広さの優位を決定づけました。
もはや陣地の囲い合いで追いつけない名人は、白100から黒の大石を自陣に引き込んで総攻撃にかかります。両者秒読みのなか、ぎりぎりの勝負となったが、挑戦者が際どくしのいだ。
右下から中央に伸びる黒の大石が二眼をもち生きるかどうかが焦点となっている。この黒一団は中央付近に一眼を確保しており、145手目(7の十六)で左下の白一団が取られることになり、もう一眼がはっきりした。この黒一団が生きると、白は地合いで大きく及ばなくなるため、投了は仕方がない。
「まだまだこれからだが、本局は自分らしく戦えたと思う。自分なりに納得のいく碁を打ちたい。2日目以降、少し打ちやすくなったと思っていた。黒89は成算があったというより、他にいまいちぴったりする手がなかったという感じ。いろいろよくわからないことだらけ。正しく打てばいけそうだと思っていってみた。難しい変化をはらんでいるので、正しく読み切れていたかはわからない。」
「2日目に入り、中央の黒の包囲網を破りにいったが、あまりうまくいかなかった。今日の午前中の段階で、はっきりだめといえる形勢にしてしまった。中央の黒石を取らないと勝ち目がないと思ったが、取れる石ではなさそうで、厳しいかなと思っていた。今回の碁はあまり内容がよくなかった。成績のことは気にせず、集中して打てたら。」
【第45期名人戦挑戦手合第4局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)
2020年9月24日
第45期名人戦7番勝負の第3局は23、24の両日、山口市で打たれ、芝野虎丸名人が211手で挑戦者の井山裕太三冠に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝2敗としました。第4局は29、30日に三重県鳥羽市で行われます。
「序盤からあまり見たことない形が続き、判断が難しかった。どちらかというと自信のない場面が多かったが、全体として力は出せた。」
「一つ勝てて安心した。(次局は)集中してがんばれたら。」
「白104、白106から、いろんな選択肢が生まれたので、そのいろいろを考えていた。うまくいったのは運が良かったと思う。」
「まだまだ長い戦いになる。これまで通り結果を恐れず、次は自分の納得のいく碁を打てたら。」
「仕掛けていったが、全然うまくいっていない。白の勝ち筋はわかっていなかった。実戦が一番難しい形になったと思う。」
2020年9月18日
第68期王座戦の挑戦者決定戦が18日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、許家元八段が張栩九段を破り、初の王座戦五番勝負登場を決めました。初防衛を目指す芝野虎丸王座とのシリーズは、10月23日に横浜市で開幕します。
台湾出身の許八段はプロ8年目。初めて七大タイトルに挑んだ平成30年の第43期碁聖戦では、当時の井山裕太碁聖を3連勝のストレートで破り、七冠独占状態を崩しました。芝野虎丸三冠や一力遼碁聖と並ぶ若手実力者です。今期は、結城聡九段や山下敬吾九段といったタイトル獲得経験者を撃破しました。
「王座戦は前期も挑戦者決定戦までいきながら、負けてしまったので、挑戦することができてうれしい」と許八段。芝野三冠には前期の王座戦挑戦者決定戦や今春の本因坊戦プレーオフなど、大きな舞台で敗れているだけに、「なかなか勝つことができていない相手で厳しい戦いになると思うが、全力を尽くしたい」と闘志をみせていました。
2020年9月16日
第45期名人戦第2局が行われ、午後7時12分、213手までで芝野虎丸名人が投了しました。
井山裕太挑戦者が黒番中押し勝ちし、シリーズ2連勝としました。持ち時間各8時間のうち、両者とも残り1分となっていました。
両者は秒読みの激戦を繰り広げ、検討室では名人がよしだったが、最後に失着となりました。名人はマスクをつけ、スーツの上着を着て、投了を告げました。
第3局は23日、24日の両日、山口市の「山口市菜香亭」で行われます。
「1日目、序盤早々、左下の攻防ではっきり悪くなってしまい、あとは粘り強く打とうと思った。ここ最近は負けが続いていたので、まず一つ勝てて良かった。七番勝負としてはまだまだこれから。第3局も悔いのないよう、しっかり準備して臨みたい。」
「はっきりと読み切れていたわけではない。なんとかなるかなと思ったが、自分で思っていたより危なく、正しく打たれたら死んでいたと思う。」
「2日目はずっと大変かなと思っていたが、途中から難しくなった。白模様に入った黒の死活は難しいと思ったけど、正しく打てばいけてたと思う。最後、黒207の手をまったく見ていなくて、打たれた瞬間にまずいとわかった。」
「結果は良くなかったが、あまり気にせず切り替えて、集中して打てれば。」
2020年9月8日
第9回応氏杯1回戦は9月8日(火)に開幕しました。
日本からは井山裕太九段、芝野虎丸九段、一力遼八段、村川大介九段、河野臨九段、許家元八段が出場しましたが、一力八段、河野九段、許八段が1回戦を通過。一方、井山九段、芝野九段、村川九段は敗退しました。2回戦は明日、9月9日(水)に行われます。
対局年 | 優勝者 | 結果 | 準優勝 | コミ |
---|---|---|---|---|
2016 | 唐韋星九段(中国) | 3-2 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2012 | 范廷鈺三段(中国) | 3-1 | 朴廷桓九段(韓国) | 8目 |
2009 | 崔哲瀚九段(韓国) | 3-1 | 李昌鎬九段(韓国) | 8目 |
2005 | 常昊九段(中国) | 3-1 | 崔哲瀚九段(韓国) | 8目 |
2001 | 李昌鎬九段(韓国) | 3-1 | 常昊九段(中国) | 8目 |
1996 | 劉昌赫九段(韓国) | 3-1 | 依田紀基九段(日本) | 8目 |
1993 | 徐奉洙九段(韓国) | 3-2 | 大竹英雄九段(日本) | 8目 |
1989 | 曹薫鉉九段(韓国) | 3-2 | 聶衛平九段(中国) | 8目 |
2020年8月26日
第45期名人戦七番勝負第1局が8月25日、26日の両日、東京都文京区で行われました。挑戦者の井山裕太棋聖・本因坊・天元が、初防衛を目指す芝野虎丸名人・十段・王座に白番1目半勝ちし、3期ぶりの名人獲得に向けて好スタートを切りました。第2局は9月15日、16日に兵庫県宝塚市で行われます。
3冠対決の第1ラウンドは、井山棋聖が制しました。終局後、井山棋聖は「1日目が終わった時点では、まだよくわからなかった。(相手の手は)厳しかった」と振り返り、「まだ始まったばかり。少しでもいい状態で第2局に臨めれば」と意気込みを語りました。
今回の名人戦は2日制で、持ち時間は各8時間の長丁場です。序盤からじっくり考える井山棋聖は、時に記録係に「58秒、59秒…」と秒読みされるギリギリの中で冷静に対応。一方、芝野名人は持ち時間を1時間9分も残しての決着でした。
芝野名人は「同じ3冠といっても、並んだとは思っていない。挑戦者の立場で向かう」とコメント。第2局以降、巻き返しを図れるかが注目されます。
2020年8月22日
第58期十段戦を制し、囲碁界史上最年少で3冠となった芝野虎丸十段(名人・王座)の就位式が8月21日、東京・市ケ谷「日本棋院」で行われました。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従来のホテルでのパーティー形式ではなく、允許状、賞杯、賞金目録の授与を行う簡略な式となり、わずか10分で終了しました。
芝野十段は謝辞の中で、「コロナ禍で対局が3月から6月まで中断されて大変だったが、打てて楽しかった。手応えや収穫、反省も多かった。これをいい経験にして頑張っていきたい」と述べました。
芝野十段は昨年10月に初タイトルとなる名人、11月に王座を獲得し、今回の十段でわずか8カ月での3冠達成を果たしました。この期間は囲碁界史上最速で、1976年に故加藤正夫名誉王座が碁聖、十段、本因坊を奪取した1年1カ月を上回ります。
また、20歳7カ月、プロ入りから5年9カ月での3冠達成は、「史上最年少」「史上最速」の記録となりました。この記録は、井山裕太棋聖(本因坊・天元)の23歳1カ月、プロ入りから10年3カ月を大きく塗り替えました。
2020年8月7日
第45期名人戦挑戦者決定リーグ戦の最終対局が8月6日に行われ、井山裕太三冠が林漢傑八段を破り、8戦全勝で首位となり芝野虎丸名人との七番勝負(8月25日開幕)への挑戦権を獲得しました。井山三冠は3期ぶり7度目の名人獲得を目指します。
井山三冠は平成21年に20歳4カ月で名人を獲得し、当時の最年少記録を持っていましたが、芝野名人が昨年19歳11カ月でその記録を更新しました。今期の名人戦七番勝負は、三冠同士の戦いであり、囲碁界の頂上対決となります。
井山三冠と芝野名人がタイトル戦で顔を合わせるのはこれが3度目となります。昨秋の王座戦五番勝負では芝野名人がタイトルを奪取しましたが、今年6~7月の本因坊戦七番勝負では井山三冠が防衛し、本因坊9連覇を果たしました。
8戦全勝での挑戦権獲得について井山三冠は終局後、「結果としてでき過ぎ」と語り、芝野名人との対戦については「勢いも実力もある棋士。思い切ってぶつかりたい」と意気込みを示しました。
2020年7月29日
「第13回春蘭杯世界選手権」が29日に開幕。日本勢は5人が出場し、村川大介九段と余正麒八段が勝利して2回戦進出を決めましたが、井山裕太三冠、芝野虎丸三冠、本木克弥八段は敗退しました。
この中国主催の大会は当初2月に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていました。韓国や台湾などから24人が本戦に出場しましたが、移動制限のためインターネット対局で実施されました。
2020年7月9日
第75期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第5局が8、9日に三重県鳥羽市で打たれ、井山裕太本因坊が、挑戦者の芝野虎丸名人に243手で白番4目半勝ちした。シリーズ4勝1敗でタイトルを防衛し、本因坊9連覇を遂げた。
七大タイトルの9連覇は、高川格九段の本因坊9連覇(1952~60年)と並ぶ歴代2位タイ。趙治勲名誉名人が達成した歴代1位の本因坊10連覇(89~98年)まで、あと1期に迫った。
今期本因坊戦は、七大タイトルのうち六つを占める井山、芝野の頂上決戦になった。井山は開幕3連勝で芝野を圧倒。第4局は落としたが、第5局で完勝してシリーズを制した。昨年、史上最年少で名人になった芝野は、その後二冠を加えて井山に挑んだが、七大タイトル戦初の敗退を味わった。
2020年6月26日
芝野虎丸新十段が26日、史上最年少で3冠を達成した。今回の十段をはじめ名人、王座の3棋戦はいずれも初挑戦での奪取となり、全7冠を2度も独占した第一人者の井山裕太三冠でさえ達成できなかった前人未到の快挙だ。
芝野虎丸二冠の先勝で始まった今シリーズは、第2局で初防衛を目指す村川大介十段が勝利し、タイになった。その後、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、十段戦を含むすべての囲碁公式戦は休止、延期になった。
第2局から82日あいた今月17日の第3局を制し2勝目をあげた芝野二冠が勢いに乗り、昨秋の名人・王座獲得に続く史上最年少・最速での3冠保持者となる。
--3冠獲得。想像したことはあったか
「全然考えていなかった。ただ、足りない部分はたくさんあるので、今後も頑張らなければいけない。内容はともかく、結果が出たことはよかった」
--最年少での3冠の実感は
「日ごろから記録のようなものには、あまり関心がない。これからもタイトル戦のような大きな舞台で、少しでも多く打つチャンスを得たい」
--新型コロナウイルスの影響で対局が空いたときは、どう調整したのか
「家でネット対局をしていたが、(対面)対局がなかったことが影響したのかどうか、なかなか調子が出ずにここまで来てしまった」
--持ち時間3時間の十段戦と、2日制の本因坊戦を並行で打っている
「早打ちなので以前は短い(持ち時間)碁のほうがあっているかなと思っていたが、(昨秋の2日制の)名人戦も経験して勝てた。短い碁のほうがいいかも」
--本因坊戦では井山裕太三冠に挑み、3連敗と苦しんでいる
「布石や構想力、中盤以降の厳しさが思った以上に力強い」
--今後どう立ち向かっていくか
「井山さんがどうこうより、自分が強くなっていきたい」
2020年6月23日
8連覇中の井山裕太本因坊に、名人・王座に続く三つ目のタイトルを狙う芝野虎丸名人が挑む第75期本因坊戦七番勝負第3局(毎日新聞社主催)が22、23の両日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルであり、井山本因坊が172手で白番中押し勝ちした。
連勝スタートで勢いに乗る井山本因坊は、序盤から優位に立つと、終盤まで強気の攻めを続け、押し切った。これで対戦成績を3勝0敗とし、史上2位タイとなる9連覇まであと1勝に迫った。
井山本因坊は「(9連覇は)まだあまり考えられない。中盤にまずいミスもあったので、しっかり修正して次に臨みたい」。3連敗で追い込まれた芝野名人は「結果はそんなに気にせず、いい碁を打てるように頑張りたい」と話した。
芝野名人「1日目でかなり白地が多い展開になったので、ちょっと苦しいかなと。2日目に中央を突き抜いて難しくなったと思っていたが、右下隅を生かしてちょっと大変にしてしまい、攻めの打ち方をしないとダメだった。結果はそんなに気にせず、次局もいい碁が打てるように頑張りたい」
特設ページ:第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2020年6月17日
第58期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が17日午前10時から東京都千代田区の日本棋院で行われ、挑戦者の芝野虎丸二冠が176手までで、村川大介十段に白番中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で初の十段奪取へあと1勝とした。午後4時35分終局。持ち時間各3時間で、残りは村川十段1分、芝野二冠が15分。第4局は26日に同所で打たれる。
第1局と同様、黒の小目から二間高ジマリの布石で始まった本局。一手間違えればつぶれる危険性もある右下を、研究済みの両者は軽快に打ち進め、黒47まで黒の厚みと、白の実利というワカレになった。
右辺黒模様を荒らしにいった白54打ち込みから、局面が動く。手抜きした左辺黒55が柔軟な発想だった。
右辺に大模様を張ったとみせかけ、左上黒61と打ったのが「英断の一手」(立会人の中小野田智己九段)。白62と両者の気合がぶつかった。黒79、81など自在に打ち回す村川が優位に立った。
非勢を意識する芝野が、左辺で白144と出たのが渾身の勝負手。「(白144に対して55の右に)ノビていればこれからの勝負だったが、黒145と右辺を取りにいったのが性急だったか」と中小野田九段。村川も局後、「見えていない手があり、取りにいかないほうがよかったか」と反省した場面だ。
白154から160と切断した芝野がその後、中央の黒を捕獲し第2局(3月26日)から82日あく、昭和52年に現行の七大タイトル戦が定まって以降、最長の対局間隔となる一局を制した。
芝野二冠の話「対局再開後、初の勝利でホッとしたが、次も気を引き締めて頑張りたい」
村川十段の話「間隔があいたので(第3局から)三番勝負のような感じ。気持ちを切り替えて臨みたい」
特設ページ:第58期十段戦挑戦手合五番勝負
2020年6月14日
第75期本因坊戦七番勝負の第2局が13、14の両日、東京都千代田区の日本棋院で行われ井山裕太本因坊が143手までで、挑戦者の芝野虎丸名人に黒番中押し勝ちし、2連勝とした。当初は北九州市で実施される予定だったが、同市で新型コロナウイルス感染拡大が続いていたため、対局場が変更された。第3局は22、23日に兵庫県宝塚市で打たれる。
終局後、井山は「中央が全然判断できず、ずっとよく分からなかったです。黒も安定している石ではないので、薄くなると一気に自信がなくなると思っていました。右下を生きて中央がそんなにひどい目に遭わなければ、地合いでは少しリードしているかなと思いました。」
芝野は「右上の打ち方が重かったかなと。予想以上に形勢がよくなく、ただ、黒もまとめ方が難しいので、粘り強く打てればいいと思っていました。第1、2局と一方的な内容になってしまいましたが、最後また頑張りたいと思います」と、巻き返しを期していました。
関連棋譜: 【第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負第2局】(黒)井山裕太九段 対 芝野虎丸九段(白)
特設ページ:第75期本因坊戦挑戦手合七番勝負
2020年6月8日
芝野虎丸名人への挑戦権をかけた第45期名人戦リーグ戦は8日、単独首位の井山裕太3冠が羽根直樹碁聖を白番中押しで破った。これで開幕5連勝とし、挑戦権獲得に向けて大きく前進した。敗れた羽根は2勝3敗となり、挑戦権争いから脱落。残留争いに回る。
井山の次戦は、3勝1敗で2位につけている許家元八段。「言うまでもなく強敵。まだ先は長いので、悔いの残らないよう戦いたい」と話した。許は井山戦までに2局あり、今月11日に河野臨九段(1勝3敗)と、18日に林漢傑八段と対戦。連勝して井山戦を迎えれば、挑戦権のゆくえを左右する大一番となる。
リーグ戦はこの日もう一局あり、ここまで0勝4敗だった山下敬吾九段が張栩九段に白番11目半勝ちし、リーグ初白星を挙げた。張栩は2勝4敗。
山下にとって、コロナ禍で2カ月にわたり中断されていた対局再開後初の手合だった。「なにより碁を打てるのがうれしい。対局中断中、家に引きこもっていたが、気持ちをリセットできた部分があるかもしれない。初戦を勝てたので、これからも気持ちよく打てる気がする」と話した。
2020年6月3日
本因坊文裕に芝野虎丸名人が挑戦する第75期本因坊戦挑戦手合7番勝負第1局2日目が3日、山梨県甲府市の「常磐ホテル」で行われ、井山が182手で白番中押し勝ち。9連覇に向けて、好スタートを切った。
新型コロナウイルス緊急事態宣言を受け、5月に行う予定だった第1、2局を延期。本来は第3局に予定していた甲府市での対局を第1局とし、7番勝負の開幕を迎えた。
文裕は「七番勝負は始まったばかり。次も悔いのないように打つ」、芝野名人は「後悔する手はなかったので次も頑張ります」と話した。
2020年4月6日
第75期本因坊戦挑戦者決定プレーオフが6日、東京・市ケ谷「日本棋院」で打たれた。対局は激戦の末、午後9時57分に黒番の芝野虎丸名人が許家元八段に中押し勝ち。本因坊文裕への挑戦権を獲得した。
「序盤から判断が難しかった。負けの筋もあったが、勝てたのは運が良かった」と、ちょっぴり笑った。
芝野は本因坊戦7番勝負初登場。昨年10月、19歳11カ月で史上初の10代名人になった。同年12月には井山から王座を奪って史上最年少で2冠となった。今年は十段戦挑戦者として、村川大介十段に1勝1敗と最も勢いがある。「大変な対局になると思う。楽しんでやりたい」。
8人による挑決リーグ最終局は今月3日に行われ、芝野と許が6勝1敗で並んだ。以下、羽根直樹碁聖と一力遼八段は残留。河野臨九段、山下敬吾九段、志田達哉八段、横塚力七段は陥落となっていた。
注目の第1局は、5月12~13日、群馬県高崎市で打たれる予定。
2020年3月26日
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦五番勝負」の第2局が26日午前10時から大阪市の関西棋院で行われ午後6時42分、村川大介十段が310手までで、挑戦者の芝野虎丸二冠に白番2目半勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。第3局は4月16日に長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で打たれる。
第1局と先後を入れ替え、芝野の黒番で始まった第2局は、右上隅白30~36などAIが好む仕掛けで動き出す。上辺白62まで、村川の流れがよくなったよう。
芝野の上辺黒81が狙いすました一着で、黒85~89まで盛り返した。しかし村川が右辺白98、100で鮮やかに返し技を放つと、膠着状態が長く続いた。
右辺黒171では252に打っていたほうがよく、芝野がやや失速。白174に回って、村川がやや優位になった。
残り1分の秒読みに追われながら、両者堅実に打ち進めるなか、村川が右下白248で勝利を確定させた。
解説の今村俊也九段は「一進一退の見ごたえある攻防で、どちらに勝利がころがりこんでもおかしくない熱戦だった」と振り返った。
対局終了後、タイに持ち込んだ村川十段は「半目勝負になりそうだったが、一つ勝ててほっとした。もっといい碁を打てるように頑張りたい」と話した。芝野二冠は「研究したことがない布石で、中盤以降は特に苦しかった。負け越しているわけではないので、次も今まで通り打ちたい」と反省の弁を口にし、第3局を見据えた。
2020年3月4日
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦五番勝負」の第1局が3日午前9時半から大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われ午後5時31分、挑戦者の芝野虎丸二冠が276手までで、村川大介十段に白番3目半勝ちし、初の十段獲得に向け先勝した。持ち時間各3時間で、残りは芝野2分、村川1分。第2局は26日に大阪市の関西棋院で打たれる。
立会人・清成哲也九段の合図で先後を決めるニギリを実施。村川先番で始まった対局は互いに序盤の研究が進んでおり、早い進行になった。上辺を厚くし、右辺でも黒35と頭を出した村川が、序盤を優位に打ち進めた。
左辺で黒81から難解なコウ争いが始まる中、午前中に88手まで進んだ。黒105とコウを解消したあと、芝野は下辺白106、108と力強く襲い掛かる。直後、黒109と妥協したあたりから、村川が悩む場面が多くなる。
形勢が揺れ動くなか、村川が右下隅黒137や、左上隅黒163と勝負手を放ち、大乱戦に持ち込んだ。
一方、芝野が上辺に踏み込んだ白180が「読む力にすぐれた芝野二冠らしい決断の一手」(解説の結城聡九段)で、流れを大きく引き寄せた。
このあと村川は粘り続けたが、芝野は冷静に対応。右辺白236と切って、勝利を手中におさめた。
対局後、村川十段は「読みが正確ではないように思ったので、しっかり鍛えて次を頑張りたい」、芝野二冠は「後半、乱れた部分もあったので、次は少しでもいい碁を打てるように頑張りたい」とそれぞれ話した。
2020年1月30日
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦」の挑戦者決定戦が30日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で行われ、芝野虎丸二冠が井山裕太三冠を破り、歴代最年少で初の十段戦五番勝負出場を決めた。
芝野二冠は平成11年、神奈川県生まれ。26年にプロ入り。29年、入段2年11カ月の史上最速で全員参加の一般棋戦(第26期竜星戦)で優勝した。昨年10月、19歳11カ月の史上最年少で七大タイトルの名人を獲得、11月には王座を獲得、最年少2冠となった。
七大タイトル戦には3度目の出場となる。初防衛が懸かる村川大介十段とのシリーズは3月3日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で開幕する。
芝野二冠は「(村川十段は)戦いに強い碁という印象がある。大変な戦いになる。これまでと変わらず頑張りたい」と話した。
2020年2月7日
「第67期王座戦」を制して、史上最年少2冠となった芝野虎丸王座の就位式が7日、都内のホテルで行われた。昨年10月に史上初の10代名人となって1カ月後に、達成した快挙だ。しかも、奪ったのは国民栄誉賞棋士の井山裕太王座から。「雲の上の存在だった井山先生に5番勝負で勝てて、大きな自信になった。この先も自分のペースで頑張っていければ」と、謝辞を述べていた。
花束贈呈では、上野愛咲美女流2冠が登壇。1月31日の女流本因坊就位式では芝野が贈呈役を務めたが、今回はもらう立場となった。
2019年12月19日
産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第58期十段戦」の挑戦者決定戦は、井山裕太三冠-芝野虎丸名で行われることに決まった。19日に日本棋院東京本院であった準決勝で大西竜平四段に勝利した芝野名人は来年1月、すでに勝ち上がっている井山三冠と対局する。
両者は今秋の王座戦五番勝負で対決し、芝野名人が王座を奪取している。初防衛がかかる村川大介十段との五番勝負は来年3月開幕予定。
2019年12月6日
第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)で張栩前名人を破り、史上初の10代名人となった芝野虎丸名人の就位式が6日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開かれた。ファンや棋士ら約380人から祝福を受けた。
ふだんはスーツ姿の芝野だが、紋付きはかまで登場。日本棋院の小林覚理事長から「允許状」が、朝日新聞社の渡辺雅隆社長から賞金3100万円の目録が渡された。
芝野は謝辞で、「名人戦は緊張と不安でいっぱいでしたが、台湾の第2局で昼食のチャーハンを半分しか食べられず、そこで吹っ切れて勝つことができた。それで気持ちが楽になりました」とシリーズの分かれ目となった“秘話”を披露して会場の笑いを誘った。慣れぬ異郷の地での大勝負。ふだん食べ残すことのない食事を残してしまったことで、かえって開き直ることができたのだという。
「これから碁の内容はもちろん、ふだんの言動も含め少しずつ成長できればいいなと思います」と締め、盛んな拍手を受けた。
芝野は、七大タイトル初挑戦となった名人戦七番勝負で10月、19歳11カ月で史上最年少名人を獲得。翌11月には王座戦五番勝負で井山裕太・前王座を破って二冠を達成し、破竹の勢いを見せている。
2019年11月29日
10月に囲碁史上初の10代名人となった芝野虎丸名人が井山裕太王座に挑む第67期王座戦5番勝負の第4局が29日、愛知県蒲郡市で打たれ、芝野が282手までで白番半目勝ちした。3勝1敗で王座を奪取、史上最年少の20歳0カ月で2冠となった。
終盤、井山が盛り返したが芝野はミスをせず熱戦を制した。「苦しんだ時間のほうが多かった。本当に運がよかった」。囲碁界の今後を占う戦いだった。平成の囲碁界は2度の7冠独占を果たすなど、井山が「一強時代」を築いてきた。
虎丸名人が直接対決で絶対王者を倒し、「ポスト井山世代」の先頭に躍り出た。2冠保持の最年少記録も8年ぶりに更新した。これまでの記録は11年に井山が達成した21歳11カ月。2冠について「ぜんぜん実感がわかないです」と、はにかんだ。虎丸名人がマイペースで突き進む。
2019年11月18日
山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われた第67期王座戦第3局は、262手まで黒番:芝野虎丸名人の1目半勝ちとなりました。対戦成績は芝野名人の2勝1敗に。第4局は11月29日(金)愛知県蒲郡市「銀波荘」で行われます。
2019年10月25日
第67期王座戦五番勝負の第1局が25日、大阪市北区で行われ、芝野虎丸名人が271手までで、井山裕太四冠に黒番半目勝ちし、初の王座奪取と2冠に向け発進した。7冠制覇を2度成し遂げた井山王座と、今月8日に史上最年少で名人を奪取した芝野名人が、七大タイトル戦で顔を合わせるのは初めて。
終局後、芝野名人は「これからも大変だと思うので、これまで通り頑張れれば」、井山王座は「次の対局まで少しあく。いい状態で臨めるよう準備したい」とそれぞれ話した。
井山王座は今年出場した棋聖戦と本因坊戦を防衛。現在、天元戦でも許家元八段の挑戦を受けている。5連覇または通算10期獲得で名乗れる「名誉称号」を棋聖・本因坊・碁聖で保持しており、今シリーズではさらに「名誉王座」の獲得がかかる。
2019年10月5日
阿含桐山杯全日本早碁オープン戦の決勝戦が5日に行われ、張栩名人が一力遼八段に白番中押し勝ちし、優勝しました。張名人は6日に静岡県熱海市に移動して、7日から芝野虎丸挑戦者との名人戦第5局に臨みます。
張栩名人は「一力さんには一方的にやられていて、久しぶりに勝てた。まさか優勝できるとは思っていなかったのでうれしい」と笑顔を見せ、一力桐山杯は「きょうの碁は後半、ミスが多かった。またこの舞台に戻って来られるよう頑張りたい」と話しました。
2019年10月8日
第44期名人戦7番勝負第5局は、挑戦者の芝野虎丸八段が、252手までで張栩名人に白番中押し勝ちした。対戦成績を4勝1敗とし、初挑戦で名人を奪取。最年少19歳11カ月での7大タイトル獲得で、09年に井山裕太四冠が達成した20歳4カ月を10年ぶりに塗り替えた。
14年にプロデビュー。将棋で藤井聡太七段がデビューして旋風を起こした17年に、芝野もブレークした。第26期竜星戦で初タイトル獲得。17歳8カ月は史上最年少だった。規定で、当時の三段から七段へ飛び級した。プロ入り2年11カ月での全棋士参加棋戦制覇と、七段昇段は史上最短だった。翌年には日中竜星戦で、世界最強と言われる中国の柯潔九段も下した。
芝野は規定により9日付で九段に昇段。日本棋院によると、こちらも最年少、最速での最高段位到達となる。
◆芝野虎丸(しばの・とらまる)1999年(平11)11月9日、相模原市生まれ。6歳の頃、ゲームソフト「ヒカルの碁3」を父からもらい、囲碁を始める。14年9月、プロ(初段)に。15年二段、16年三段、17年、竜星戦で優勝して七段に。新人王戦も制した。19年八段。17年には最多対局賞、最多勝利賞、連勝賞(66局53勝13敗、16連勝)
2019年9月26日
名人戦七番勝負第4局は、挑戦者の芝野虎丸八段が張栩名人に中押し勝ちし、3勝1敗で初の7大タイトル獲得にあと1勝と迫りました。奪取に成功すれば最年少記録になります。
10代名人にあと1勝と迫った芝野八段は「先に3勝できたんですが、もう1回勝たないといけないので、これまで通り頑張りたいです」と話しました。
第5局は10月7日から、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打たれます。
2019年9月24日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑む第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局が25日、兵庫県宝塚市の宝塚ホテルで始まる。
ここまで挑戦者が2勝1敗で一歩リード。史上初の10代名人の誕生にあと1勝と迫るか。連覇を目指す名人が勝敗をタイに戻すか。シリーズは中盤の大きなヤマ場に差しかかった。対局は、持ち時間各8時間の2日制。挑戦者の先番で午前9時に始まり、26日夜までに決着する。立会人は坂口隆三九段。
24日午後6時から宝塚ホテルであった前夜祭には、現地のファンら約100人が集まり、両対局者を歓迎した。
主催者らのあいさつのあと、宝塚市観光大使リボンの騎士「サファイア」から花束を受け取った両対局者は、壇上で第4局に向けて決意表明した。
最初に芝野挑戦者が、小さな声で「みなさま、こんばんは」と話し始めると、会場から「がんばれー」とのかけ声が。芝野挑戦者が「宝塚は初めてだが、ホテルがすごくよくて、いい気分なので、この調子で、いい碁が見せられるように頑張ります」とはにかみながら続けると、合間に女性ファンから「かわいいー」との声もあがり、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
一方の張名人は「去年も第4局でこの場に立っていたが、あの時は足を軽く骨折していて、そのあとの碁の内容もまずかった」と明かし、「まさかこの場に立てるとは思っていなかった。あの時は苦しかったが、過ぎてしまえばいい思い出。今年も1勝2敗で苦しい状況だが、今年は去年とは違う形でいい思い出をつくりたい」と話し、会場を盛り上げた。
2019年9月20日
第67期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が20日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれ、芝野虎丸八段(19)が午後6時4分、195手までで許家元八段(21)に黒番中押し勝ちし、井山裕太王座(30)への挑戦権を獲得した。芝野八段の王座挑戦は初めてで、王座戦では最年少の挑戦者となる。
5連覇、通算7期目を狙う井山王座との五番勝負第1局は10月25日、大阪市のウェスティンホテル大阪で打たれる。
対局後、芝野八段は「難しい対局で、勝ててよかった。(井山王座と)早くタイトル戦で戦いたかった。どれぐらい打てるか楽しみだ」と話した。
芝野八段は国内四冠をもつ井山王座を追う若手のホープだ。読みが深く、攻めと守りのバランス感覚や形勢判断に定評がある。井山王座との対戦成績は芝野八段の1勝0敗。
8月に七番勝負が始まった名人戦で七大タイトルに初挑戦し、第3局まで張栩名人(39)を2勝1敗とリードしている。
芝野八段は1999年生まれ、神奈川県出身。2014年に入段し、17年に竜星戦で優勝すると、18年の日中竜星戦で世界最強の柯潔九段を破って優勝した。19年、名人戦の挑戦権獲得により八段。
2019年9月18日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第3局が、9月17日、18日の両日にわたって岐阜県岐阜市「岐阜グランドホテル」で行われた。
結果は、芝野八段が234手まで白番中押し勝ちを収め連勝、シリーズ2勝1敗と一歩リードした。終局時刻は18時25分、残り時間は黒1時間1分、白2分だった。
第4局は、9月25、26日に兵庫県宝塚市「宝塚ホテル」で行われる。
2019年9月16日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑む第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が17日、岐阜市の「岐阜グランドホテル」で始まる。ここまで両者1勝1敗のタイ。
岐阜県での対局は、芝野と同じ当時19歳の挑戦者だった井山裕太・現四冠(30)を張名人が迎え撃った2008年の第3局以来。このときは張名人がシリーズ初白星を挙げてタイトル防衛の足がかりとした。
16日の前夜祭には現地の関係者ら約70人が集まり、歓迎した。挑戦者は「3局目だからもう慣れたでしょと言われますが、3局目ともなると挨拶のネタもなくなって困ってます。岐阜には初めて来たのですが、タイトル戦だと観光する暇がないようなので、今回勝って好感度を上げて、また来たいと思います。」と話し、会場の笑いを誘った。名人は「1、2局目の内容は反省すべきところがいっぱいあって、まだまだ満足のいく内容ではなかった。明日からもっといい内容の碁を見せられるように頑張りたい」と述べた。
午前9時開始。持ち時間は各8時間で、18日夜までに決着する。立会人は羽根泰正九段。
2019年9月11日
第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は2日目の11日午後5時40分(日本時間午後6時40分)、挑戦者の芝野虎丸八段(19)が張栩(ちょうう)名人(39)に195手で黒番中押し勝ちを収め、シリーズ成績を1勝1敗のタイに戻した。第3局は17、18日に岐阜市で打たれる。
2019年9月9日
張栩名人(39)に芝野虎丸八段(19)が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局が台北市のシャングリ・ラファーイースタンプラザホテル台北で10日午前9時(日本時間午前10時)から打たれる。立会人は王銘琬九段。
第1局は張名人が黒番6目半勝ちを収め、好スタートを切った。第2局は芝野挑戦者が黒番となる。名人が故郷の台湾での応援を背に2勝目を挙げて防衛へ前進するか、挑戦者が初の10代名人誕生に向け、シリーズ成績をタイに戻すか、注目の一番が始まる。
9日夕の前夜祭には現地の囲碁関係者ら約130人が詰めかけた。抱負を述べる場面で挑戦者は「台湾対局なので張栩名人を応援する方が多いと思いますが、気にせずがんばりたい」。あいさつに中国語を盛り込み会場をわかせた。名人は中国語での決意表明に続いて日本語で「台湾で打てる感謝の気持ちを力に変え、いい碁を見せたい」と自らの思いを重ねて述べた。
ホテル内の一室に設けられた対局場を、両対局者が検分した。碁盤を置く机の高さは、通常の椅子対局と同じになるように微調整したという。囲碁盤や碁石は現地の海峰棋院が用意したもの。碁笥の箱には、林海峰名誉天元が1965年に名人位を獲得したときの揮毫がある。立会人の王銘琬九段は「当時4歳。この名人獲得がきっかけで、僕は囲碁を始めました」と懐かしそうに話した。
両対局者は碁笥を置く位置を確かめたり、椅子と碁盤の距離を調整したりしたあと、握手を交わした。
名人戦の海外対局は2002年の中国・北京での依田紀基名人(当時)対趙治勲挑戦者以来、17年ぶり11回目。
2019年8月28日
第44期名人戦7番勝負の第1局は27、28の両日、東京都文京区で打たれ、張栩名人(39)が230手で挑戦者の芝野虎丸八段(19)に黒番6目半勝ちし、先勝した。
張名人は2期連続6度目の名人を目指し、芝野八段は七大タイトル初挑戦での奪取を狙う。
第2局は9月10、11日に台湾・台北市で行われる。
2019年8月26日
張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が、27日に開幕する。プロ入りから4年11カ月、史上最速で七大タイトル戦の舞台に立つ挑戦者には初の10代名人が、連覇をめざす名人には通算6期目がかかる。
対局前夜の26日、両者は午後5時から第1局が打たれる東京都文京区「ホテル椿山荘東京」対局室の検分に臨み、使用する碁石や盤を確認した。午後6時からの前夜祭で、張は「また最高の舞台で戦えるのは光栄です。魅力的な碁を打つ芝野さんとの対戦は楽しみ。必ず盛り上がるシリーズにするよう自分らしい碁を打ちたい」、芝野は「自分が碁を始めたころに活躍されていた張名人の相手になるとは、思いもよらず不思議です。2日制の碁は初めてですが、盤面に集中していい碁を残せるよう頑張ります」と話した。
第1局は27日午前9時開始。持ち時間各8時間の2日制で、27日夜に打ち掛け、28日朝に再開し、同日夜までに決着する。立会人は大竹英雄名誉碁聖。
10代の挑戦者は11年前の井山裕太・現四冠(30)以来2人目。当時の井山を迎え撃ったのも張で、4勝3敗で退けた。井山は翌年再挑戦し、史上最年少の20歳4カ月で名人になった。11月生まれの芝野は、10月の第6局までにタイトルを奪取すれば19歳名人に、第7局で獲得しても七大タイトルを通じて史上最年少のタイトル獲得記録となる。
2019年8月15日
中国の国際囲碁大会、第9回世界囲棋巓峰対決が8月15日に阜阳で閉幕した。日本からは井山裕太九段、芝野虎丸八段の2名が出場している。井山裕太九段と芝野虎丸八段は1回戦で敗退した。中国の柁嘉熹九段が優勝。
2019年8月8日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8日、同星首位によるプレーオフが打たれ、芝野虎丸七段(19)が河野臨九段(38)に208手で黒番半目勝ちし、張栩(ちょうう)名人(39)への挑戦を決めた。芝野は規定により、9日付で八段に昇る。七番勝負は27日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。
10代の名人挑戦は、2008年、19歳3カ月で当時の張名人に挑戦した井山裕太四冠(30)に次いで2人目。このとき井山は張に敗れており、今期19歳9カ月で七番勝負を迎える芝野には史上初の10代の名人がかかる。張との対戦成績は4勝1敗と勝ち越している。芝野が七大タイトル戦に挑戦するのは初めて。プロ入りから4年11カ月での挑戦は史上最速となる。
神奈川県相模原市出身。幼稚園児のころ、ゲームプランナーの父が購入したソフトで囲碁を覚えた。
2019年8月1日
大詰めを迎えた第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は8月1日午前10時、最終ラウンド4局が東京と大阪で一斉に始まった。挑戦者争いに絡むのが3局、リーグ残留争いに絡むのが1局。消化試合は一つもなく、例年以上の「囲碁界の一番熱い日」になりそうだ。
挑戦の可能性を残しているのは、リーグ序列順に前名人の井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段。5勝2敗の同星首位で並ぶ3人の直接対決はすべて終えており、それぞれ別の棋士と対戦する。ここで単独1位が決まらなければ、序列上位2人によるプレーオフに持ち込まれる。
最終ラウンドの残る一局、村川大介十段対孫喆七段戦は、どちらも負ければリーグ陥落の「鬼勝負」となる。序列上位の村川は勝てば残留。同時に、孫のほかに同じリーグ初参加組の鈴木伸二七段、六浦雄太七段3人の陥落が決まる。孫は勝てば六浦との残留プレーオフにまわる。同時に打たれる芝野対鈴木戦で鈴木が勝てば、リーグ初参加組3人で1人の残留枠を争う3者プレーオフとなる。
朝日新聞デジタルでは、全4局を対局開始からライブ中継。戦いが佳境を迎える午後3時からは、先にリーグ全局を打ち上げている六浦七段が、井山対羽根直樹九段戦を終局まで同時解説。自身の残留にもかかわる他の対局についてもコメントする。
午後6時44分
大阪・北浜の関西棋院で打たれていた村川対孫戦が終局。村川が白番中押し勝ちし、リーグ残留が決定。同時に孫、鈴木、六浦3人のリーグ落ちが決まった。東京・市ケ谷の日本棋院で芝野と接戦を演じている鈴木は、この結果を知らない。
午後8時56分
芝野が鈴木に黒番中押し勝ち。対局中の井山、河野が敗れればリーグ優勝=名人挑戦が決まる。井山、河野のどちらかが勝てばプレーオフとなる。検討陣によると、井山は混戦で勝敗不明、河野は劣勢、との評。
午後9時41分
井山は羽根直樹九段に白番中押しで敗れ、挑戦者争いから脱落。河野は山下敬吾九段と対局を続けており、形勢不明のヨセ合いが続いている。
午後10時45分
河野が山下に白番3目半勝ち。これにより挑戦権争いは芝野と河野のプレーオフに持ち込まれた。今年の本因坊戦プレーオフに続く同一カード。本因坊戦では河野が勝って挑戦者に。今回はどうか。8日、東京・市ケ谷の日本棋院で打たれる。
2019年7月19日
天才棋士・芝野虎丸七段(19)と囲碁AI世界大会優勝を目指すAI「GLOBIS-AQZ」の強化学習5日目.verが7月19日に対局し、黒番の「GLOBIS-AQZ」が267手、3目半勝ちを収めた。
「GLOBIS-AQZ」は、日本棋院の理事も務める堀義人代表のグロービス、世界2位の囲碁AI「AQ」開発者の山口祐氏、日本棋院、囲碁AI「Raynz」を開発したトリプルアイズによる共同プロジェクト。海外の囲碁AIが世界を席巻する中、将来的な若手棋士育成のために、囲碁AI世界一を目指している。
囲碁界史上最年少で七段まで昇段を果たした芝野七段に対して、序盤は拮抗していたものの、中盤以降は確実にリードを広げ、芝野七段の反撃を許さなかった。
山口祐氏のコメント
「トラブルなく最後まで打ち切れて安心しております。芝野虎丸七段という非常に強いトッププロに勝利できたのは、学習がうまくいっている証拠なのかなと思います。学習5日目のものですが、人間のトップレベルより強くなっていると思っていて、それを実証できたかなと思います。コウの絡んだ攻防の読みの正確性、評価値のぶれがまだ大きいので、改善の余地はあると思います。ハードウェアまわりでレスポンスが遅い部分もあったので、しっかり対応したいと思います。1カ月後にAIの世界大会があるので、世界一を目指して頑張りたいです。」
芝野虎丸七段のコメント
「途中で黒の勝率が上がって、そこからはチャンスがなかったということなので、中盤から終盤にかけて、非常に強かったです。普段通りの力は出せたなと思います。圧倒的に負けたらどうしようとは思っていましたが、自分なりには打てました。もちろんできれば勝ちたかったですが、自分としてそんなに後悔する手はなかったです。(AIは)今後も有効活用できればいいかなと思います。」
2019年7月18日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は18日、前名人の井山裕太四冠が、星一つ差で首位の河野臨九段を破った。これで芝野虎丸七段を加えた3人が5勝2敗の同星首位に。張栩名人への挑戦者争いの決着は8月の最終ラウンドにもつれ込む。
名人返り咲きをねらう井山はリーグ前半戦を1勝2敗と出遅れたが、その後4連勝し、先行する河野をとらえた。最終ラウンドは8月1日、4局が一斉に打たれる。首位3人の直接対決はすでに終えており、いずれも他の棋士と対戦。リーグ優勝が決まらず同星首位が複数並べば、同8日に序列上位2人によるプレーオフが行われる。首位3人の序列は、上位から井山、芝野、河野の順。
井山は「前半戦を考えれば、挑戦者争いに加わって最終局を迎えられたのはよかった。次も精いっぱい打ちたい」と話した。一方、河野は「まだ挑戦者になる可能性を残している。悔いのないよう最終局を打ちたい」と話した。
2019年7月11日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は11日、第8ラウンドの2局があり、4勝2敗同士の2位決戦となった山下敬吾九段対芝野虎丸七段戦は、芝野が黒番中押し勝ちして2敗を守り、名人挑戦に望みをつないだ。
来週18日にある、5勝1敗で首位を走る河野臨九段と4勝2敗で追う前名人、井山裕太四冠の首位攻防戦で河野が敗れれば、井山、芝野、河野の3者が同星首位に並んで8月1日の最終一斉対局になだれ込むことになる。芝野に敗れた山下は4勝3敗となり、今期の名人挑戦の望みを断たれた。
もう一局は、六浦雄太七段(2勝5敗)対孫喆七段(2勝4敗)戦。残留を争う者同士の対戦は、六浦が白番中押し勝ちした。これで六浦は他のリーグ棋士8人に先駆け
2019年6月14日
中国の団体リーグ戦・乙級リーグ、丙級リーグ、女子リーグが、6月14日に中国浙江省衢州市で開幕する。日本からは乙級リーグに、中日友好チームとして許家元八段、本木克弥八段、余正麒八段、芝野虎丸七段が参加する。
また、個人として大西竜平四段が乙級リーグの河北省チームに、牛栄子二段が女子リーグのハルピン六合中天チームに参加する。
2019年5月17日
30歳以下の棋士16名によって争われる、第10回おかげ杯囲碁トーナメント戦(伊勢市おかげ横丁、協賛:濱田総業)の準決勝と決勝、3位決定戦が5月15日(水)に行われた。
午前に行われた準決勝では、前回優勝の許家元おかげ杯を安達利昌六段が、また芝野虎丸七段が一力遼八段を降し決勝に進んだ。
午後の決勝では芝野が安達を降し、初優勝した。
同時に行われた3位決定戦では一力が許を降した。
秋に行われるおかげ杯国際精鋭囲碁対抗戦には芝野七段、安達六段、一力八段と藤沢里菜四段、上野愛咲美二段が出場する。
2019年5月6日
2018年の棋戦優勝者と賞金ランキング上位者による2018年グランドチャンピオン戦(主催:日本棋院・関西棋院、後援:内閣府・文部科学省、特別協力:囲碁・将棋チャンネル)の準決勝・決勝が5月6日に東京都千代田区の日本棋院東京本院で行われた。
準決勝では、井山裕太2017グランドチャンピオンが一力遼阿含桐山杯を、芝野虎丸七段が許家元碁聖をそれぞれ下し決勝に進出した。
公開対局で行われた決勝戦では芝野が井山に白番中押し勝ちし初優勝を決めた。
2019年4月26日
第44期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は25日、第5ラウンドの残り2局が打たれた。1敗同士の上位対決となった羽根直樹九段―芝野虎丸七段の一戦は、羽根が白番中押し勝ちを収め、通算3勝1敗でリーグ2位に躍り上がった。敗れた芝野は3勝2敗で挑戦者レースから一歩後退した。山下敬吾九段―六浦雄太七段戦は、山下が白番中押し勝ちで3勝1敗とし、羽根と並ぶ2位につけた。
1人8局打つ名人戦リーグは、3敗を喫すると挑戦権獲得は極めて難しく、過去の例でも大半が全勝~2敗者が挑戦している。5月以降の残り4ラウンドで、河野から井山まで上位5人が挑戦圏内といえ、鈴木以下4人は残留の可否に焦点が移りつつある。
2019年4月19日
グロービス杯世界囲碁U-20が19日、グロービス大学院で行われ、
芝野虎丸七段、六浦雄太七段、広瀬優一三段、上野愛咲美二段、牛栄子二段が1勝1敗で本戦3回戦へ、大西竜平四段が2連敗で敗退した。韓国の申旻埈九段、申眞諝九段と朴常鎭三段、中華台北の陳祈睿五段が2連勝でベスト8入りした。グロービス杯は日本で開催される唯一の世界棋戦です。
20歳未満とし、日本6名、韓国3名、中国3名、中華台北1名、欧州1名、北米1名、アジア・オセアニア1名
2019年4月10日
本因坊戦リーグプレーオフ、挑戦者決定の一局は、河野臨九段が芝野虎丸七段を降し本因坊文裕(井山裕太九段)に挑むことになりました。河野九段は本因坊初挑戦。今年公式戦14勝1敗という圧倒的な戦績。リーグが現行方式になってから初めて連敗スタートから挑戦権を掴みとりました。
劣勢を意識していたそうですが、ヨセ勝負で勝利を手繰り寄せました。河野九段は、これまで5回7大タイトル戦で井山裕太5冠と戦い、フルセットの熱戦を繰り広げるなどしていますが、タイトル奪取には至らず。「苦戦は間違いないが、精一杯自分の力を出し切りたい」と述べました。
芝野七段は、正確に打てれば良いかと意識する局面もあったようですが、史上最年少挑戦には、あと一歩届きませんでした。いつも「残留が目標」と口にしていた芝野七段ですが「初めて、しっかりと挑戦争いには絡めた気がします」と語りました。
来期(第75期)本因坊戦リーグの順位は下記の通りです。
1位 河野臨九段か井山裕太5冠
2位 芝野虎丸七段
3位 羽根直樹九段
4位 山下敬吾九段
2019年4月8日
本因坊戦リーグ、プレーオフ第1戦、羽根直樹九段と河野臨九段の対局は、河野九段が黒番中押し勝ちしました。10日の第2戦、挑戦者決定の一局は河野九段と芝野虎丸七段によって争われることになりました。共に本因坊初挑戦がかかります。
本因坊戦リーグ、連敗スタートから挑戦者決定戦まで駆け上がった河野臨九段。これで今年公式戦13勝1敗。いったんの連勝ストップ後も、再び4連勝と勢いが止まりません。芝野虎丸七段との決戦で、果実を掴み取れるか。
2019年4月5日
本因坊文裕(29)への挑戦者を決める第74期本因坊戦リーグ(毎日新聞社、日本棋院、関西棋院主催)の最終7回戦が5日、東京都千代田区の日本棋院で一斉に打たれ、首位の羽根直樹九段(42)が山下敬吾九段(40)に敗れた。挑戦者決定は、5勝2敗で並んだ羽根と芝野虎丸七段(19)、河野臨九段(38)の3人によるプレーオフに持ち越された。
最終戦で、芝野は黄翊祖八段(31)を降し、河野は一力遼八段(21)との同率対決を制し、2敗を守った。
プレーオフは、まずリーグ序列が下位の羽根と河野が8日に対戦。その勝者が10日に上位の芝野と戦い、挑戦者を決める。
今期リーグは6回戦終了時点で、4人に挑戦の可能性が残る混戦となっていた。挑戦者決定プレーオフの実施は、2014年の第69期以来5年ぶり。3人のプレーオフは、06年の第61期以来13年ぶりとなる。
一方、来期リーグへの残留を決めたのは、羽根に加え、山下と芝野、河野の4人となった。
2019年4月4日
平成最後のリーグを制し、新時代最初の挑戦者となるのは誰か。第74期のリーグ最終戦は4月5日(金)、トップ棋士8人が東京本院に集結し、一斉に対局します。
最終戦のカードは次の通りになっています。※名前の左はリーグ順位:
羽根九段が首位に立ち、芝野七段、河野九段、一力八段が追う展開です。この4人に本因坊文裕(井山裕太九段)への挑戦の可能性があります。
羽根九段は、山下九段に勝てば挑戦決定です。しかし、敗れると、河野-一力戦の勝者とのプレーオフ、または芝野七段も加わった3者プレーオフとなります。残留争いについては、羽根九段がプレーオフ進出以上を決め、黄八段と安斎七段の陥落が決まっているほかは、すべて最終戦の結果によります。山下九段は他の対局の結果に関係なく、勝てば残留、敗れれば陥落。余八段は勝利して勝ち越しても、他の対局の結果いかんで陥落がありうる状況です。
挑戦のかかる羽根九段と、残留をかけた山下九段の四天王対決の行方は?挑戦、残留、陥落、すべての命運が紙一重の河野九段と一力八段の決戦はどうなるか?芝野七段、7大タイトル初挑戦への夢はつながるか。余八段に運命の女神は、ほほ笑むか。黄八段の意地の1勝、安斎七段のリーグ初
平成11年(1999年)11月9日生。神奈川県出身。平成26年夏季入段(平成27年度採用)。27年二段、28年三段、29年七段。令和元年八段、同年九段。芝野龍之介二段は実兄。
2025 年1月17日掲載
第49期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・サントリーホールディングス)の第1局が、1月16日と17日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われました。挑戦者の井山裕太三冠(王座、碁聖、十段)が白番中押しで一力遼四冠(棋聖、名人、天元、本因坊)に勝利し、開幕戦を制しました。
1月16日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、一力遼棋聖(黒番)の勝率は54%です。
1月17日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2025 年1月15日掲載
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑む第49期棋聖戦七番勝負第1局は対局前日の14日、会場となるホテル椿山荘東京で前夜祭が行われました。
一般の囲碁ファンも参加して開かれた前夜祭、決意表明で井山王座は「最高の舞台に戻ってこれて光栄。自分の感性を大切にして、ベストを尽くしたい」。
一力棋聖も「棋聖戦第1局が行われる椿山荘の対局室に行くと、1年のタイトル戦が始まると実感する。大変な戦いになるがベストを尽くす」とそれぞれ力強く語りました。
新聞解説を担当する許家元九段は注目するポイントとして「井山王座の読みの深さと視野の広さ、一力棋聖のすきのなさと直線の読みの正確さ」と独特の表現で解説。「フルセットになる可能性が高いと思うが、年明け最初の大一番ということで、第1局をとった方が有利になる」と話しました。
ゲストとして読売日本交響楽団・次席第1バイオリン奏者の對馬哲男さんがバイオリンを演奏しました。對馬さんは地方で行われる演奏会でも空き時間を見つけて、地元の碁会所に囲碁を打ちに行くほどの囲碁好きだといい、新聞解説の許九段のファンであることが明かされました。ファンとともに作り上げた前夜祭は温かい雰囲気に包まれて幕を閉じました。
2024年12月27日
12月26日、第25期阿含・桐山杯日中決戦が中国西安の大唐西市文化観光地で開催されました。日本阿含・桐山杯者の一力遼九段と中国阿含・桐山杯者の陳梓健八段と対戦し、最終的に白番の陳八段が勝利を収めました。
一力九段にとって、2024年は飛躍の年でした。棋聖、名人、本因坊、天元という日本の四つタイトルを同時に保持し、さらに応氏杯世界囲碁選手権で初優勝を果たしました。
一方、対戦相手の陳梓健八段も若手ながら中国囲碁界で頭角を現している棋士です。中国00年代生まれで初めてプロ棋士となった新星として、国内外で数々の実績を積み重ねてきました。近年の囲碁甲級リーグでも安定した成績を残しており、勢いに乗る棋士の一人です。
これまで25回開催され、中国勢が19回優勝しており、日本棋勢が6勝となります。
2024年12月3日
第26回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦の第8局が、12月3日に釜山の農心ホテルで行われました。中国チームの謝爾豪九段が一力遼九段に中押し勝ちを収め、2連勝を果たしました。
中盤での攻防で一力九段がミスを重ね、謝九段が着実にリードを広げました。対局は143手で中押し勝ちという結果に終わりました。謝九段は前回大会でも一力九段に勝利しており、これで一力九段に対する戦績を4勝0敗としています。
8局終了時点でのチーム成績は以下の通りです。
日本1名、韓国チームは3名、中国3名が残っています。
2024年11月28日
11月28日、兵庫県洲本市のホテルニューアワジにて第50期天元戦の第4局が打たれました。黒番の一力遼天元が芝野虎丸九段に中押し勝ちし、シリーズ3勝1敗で防衛を決めました。
11月27日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
一力天元「一進一退の攻防でどの碁も非常に難しい。毎局、新たな発見がある」、「国内で一年の締めくくりになる重要なタイトル戦。今持っている力を精いっぱい出したい」と語りました。
芝野九段「1勝2敗で後がないですけど、やることに変わりはない。準備して集中して打てたらいい。一局一局の積み重ねでやっていくしかない」と語りました。
11月28日 8時50分 - 芝野虎丸九段が先に入室、しばらくして一力天元も入室しました。
9時 - 立会人の後藤俊午九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:かんきつ類のジュース。芝野九段:ラ・フランスのパンナコッタ と アイスティー。
12時 - 昼食。両対局者とも海鮮淡路島ぬーどるを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:「ラ・フランスのパンナコッタ」と「ホットティー」。芝野九段:「苺のショートケーキ」と「アイスティー」。
15時30分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛を果たしました。
2024年11月14日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの第3日目となる14日、中国からは初日の16強戦で4名全員が勝ち残り、15日の後半戦でも2試合の中国内対決が予定されていることから、最低6枠を8強で確保する見込みです。日本勢は32強戦で一力遼九段が、16強戦で芝野虎丸九段が敗れ、今大会を終えました。
2024年11月13日
2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズ1回戦が12日と13日、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで開催されました。芝野虎丸九段が初戦で中国の檀嘯九段に勝利を収め、2回戦進出を果たしました。一力遼九段は中国の連笑九段と対戦し、惜しくも逆転負けを喫しました。
2024年11月11日
11日午後、韓国京畿道高陽市の三星火災グローバルキャンパスで、2024年三星火災杯ワールド囲碁マスターズの抽選会が開催されました。本大会には韓国から12名、中国16名、日本2名、台湾1名、タイ1名が参加し、日本の一力遼九段は連笑九段、芝野虎丸九段は檀嘯九段と対戦することが決まりました。
日本代表の一力遼九段は、「応氏杯優勝が自信につながり、日本囲碁界もさらに活気づいている」と話し、意欲を見せました。抽選会は出場選手が多い国順に進行され、各国間での対戦を考慮して準決勝まで同国対決を極力避けるように配慮されました。
1回戦は正午に開始され、決勝まで休息日なしで進行します。また、準決勝までの各ラウンドは対局を2日間に分けて実施し、視聴者に多くの解説を届けるため、配信にも工夫が凝らされます。
范胤八段
Pongsakarnアマ
許嘉陽九段
許皓鋐九段
王星昊九段
申眞諝九段
謝爾豪九段
金恩持九段
李軒豪九段
崔明勲九段
陳正勲八段
安正己八段
辜梓豪九段
崔精九段
謝科九段
劉昌赫九段
韓一洲八段
申旻埈九段
金禹丞八段
偰玹準九段
丁浩九段
姜東潤九段
陳賢八段
金明訓九段
檀嘯九段
芝野虎丸九段
柯潔九段
卞相壹九段
連笑九段
一力遼九段
党毅飛九段
朴廷桓九段
2024年11月9日
11月9日、福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」にて第50期天元戦の第3局が行われました。白番の一力遼天元が中押し勝ちを収め、対戦成績を2勝1敗とリードしています。天元位防衛まであと1勝。
第4局は、11月28日に兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で開催される予定です。芝野九段が勝利しフルセットに持ち込むか、それとも一力天元が3勝目を挙げてタイトル防衛を決めるか、見逃せない一局となります。
11月8日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所、勝負めし、おやつが確認されました。
11月8日18時 - 前夜祭。一力遼天元の世界一のお祝い、芝野虎丸九段の誕生日のお祝いが行われました。
一力天元のコメント
一力天元「明日は虎丸さんのお誕生日ということですが、私も以前福岡の対局で誕生日を迎えたことがありまして、そのときは井山さんに容赦なくボコボコにされましたので、明日は井山先輩を見習いたいと思います」
こども記者の質問
11月9日9時 - 立会人の坂口隆三九段の合図で対局が始まりました。
10時 - 午前のおやつ時間。一力遼天元:久留米黒棒本舗さんのリーフパイ。芝野九段:銀のスプーンさんの「モンブラン」。
12時 - 昼食。両対局者とも福岡天然真エビカレーを選びました。
13時 - 対局再開しました。
14時 - 午後のおやつ時間。一力遼天元:銀のスプーンさんのフルーツのショットケーキ。芝野九段:久留米黒棒本舗さんのやわらか黒棒「福大黒」。
17時05分 - 終局。芝野九段の投了で、一力天元が防衛に王手をかけました。
【第50期天元戦挑戦手合第3局】(黒)芝野虎丸九段 対 一力遼天元(白)
2024年10月31日
第49期名人戦七番勝負の第6局が千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行われました。挑戦者の一力遼棋聖が芝野虎丸名人に勝利し、シリーズ4勝2敗で念願の名人位を獲得しました。
10月30日 17:40 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(黒番)の勝率は33%です。
10月31日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
2024年10月30日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第6局が、10月30日に千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝2敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。手番だった芝野名人が99手目を封じ、1日目を終えました。
2024年10月29日
第49期棋聖戦の挑戦者決定変則三番勝負第1局が関西総本部で行われ、180手まで白番を持つ井山裕太王座が山下敬吾九段に中押し勝ちを収めました。井山王座は一力遼棋聖との棋聖位七番勝負に挑む権利を手にしました。
井山裕太王座と一力遼棋聖の七番勝負は、2025年1月16日(木)・17日(金)に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で幕を開けます。最高峰の対局に臨む井山王座は、「厳しいリーグ戦やトーナメントを勝ち抜き、この最高の舞台に戻れてうれしい。一力棋聖は現在充実しているが、自分が出せる最高の力を尽くして臨みたい」と意気込みを語りました。
年明けから始まる七番勝負に向け、井山王座は「棋聖への挑戦権を獲得する事ができました。年明けから始まる7番勝負に良いコンディションで臨めるよう、年内の対局も引き続きベストを尽くしたいと思います。」とコメントしました。
2024年10月26日
2024「三星杯」世界囲碁マスターズが11月12日より開催される予定です。日本から一力遼九段と芝野虎丸九段が出場します。優勝賞金は3億韓ウォンです。
今大会の32強戦はトーナメント方式で行われ、決勝戦は3番勝負で決着がつく予定です。大会前日の11日には、囲碁ファン60名が招かれる対局抽選会も行われ、ファンと世界の囲碁スターが交流する貴重な機会となります。
2024年10月23日
第49期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が行われ、芝野虎丸名人が挑戦者の一力遼棋聖に白番中押し勝ちを収めました。シリーズは一力棋聖の3勝、芝野名人の2勝となり、芝野名人が後のない状況で勝利を挙げ、シリーズを第6局に持ち越しました。
第6局は、10月30日と31日に千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」で行わる予定です。
10月21日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。
10月22日 9:00 - 立会人の山下敬吾九段の「始めてください」の合図で対局が始まりました。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
10月22日 17:35 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行いました。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月22日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。
10月23日 9:00 - 前日まで封じた局面まで並べ直しました。
10月23日 9:10 - 封じ手を立会人の山下敬吾九段が開封し、一力遼棋聖がその場所に打って対局が再開された。
10月23日 12:00 - 2日目の昼食。芝野名人:天ぷらうどん。一力棋聖:天ぷらそば。
10月23日 13:00 - 対局が再開されました。
10月23日 15:00 - おやつ時間。両者とも「フルーツ盛り合わせ」を選びました。飲み物は、芝野名人:桃ジュース。一力棋聖:アイスコーヒー。
10月23日 16:15 - 終局。一力遼棋聖が投了しました。142手まで白番の芝野名人の中押し勝ちです。
2024年10月22日
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が、10月22日に神奈川県箱根町のホテル花月園で始まりました。一力棋聖はこれまでのシリーズで3勝1敗とリードし、あと1勝で名人の座を手に入れる状況です。一方、芝野名人にとっては、タイトルを守るために後がない一局となっており、勝利が絶対条件です。
10月21日 - 対局前日に「検分」が行われ、盤や石、空調、トイレなどの場所が確認されました。
10月22日 9:00 - 立会人の山下敬吾九段の「始めてください」の合図で対局が始まりました。
10月22日 9:05 - 黒白それぞれ1手ずつ打ち、報道陣が退席しました。
10月22日 12:00 - 対局者が自室に戻って昼食を取ります。芝野名人:鉄火丼。一力棋聖:フレッシュトマトのペスカトーレ。
10月22日 13:00 - 対局が再開されました。
10月22日 15:00 - おやつが運ばれました。芝野名人:煎茶と和菓子/ぶどうジュース。一力棋聖:フルーツ盛合せ/ぶどうジュース。
10月22日 17:35 - 手番だった一力遼棋聖が「封じ手」を行いました。封じ手はホテルの金庫に保管されます。
10月22日 18:00 - 盤上の石が片付けられ、1日目の対局が終了しました。
1日目が終了した時点、芝野虎丸名人(白番)の勝率は44%です。